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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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マリアたちの選ぶ途 -Le choix du saint-・11

では、聖院側はどうするのか。


「基本は、問題が起き始めてからとなります。今の段階での無用な発表は、ラッツィオーニ顧問やポワカール閣下も、却って逆効果になりかねないというのが連邦政府側の判断です…」


しかし、それでは遅すぎるのです。


そこで、聖院と紐付けされている時間軸のNB側でも、既に準備を始めているのです…。


例えば。


連邦からの移住希望者が持ち込む資産、特に現金はどうなるのか。


正式な国交を開いていないNBに来ても、メディアウォッチのウォレット機能…お財布機能は働きません。


金塊などの貴金属はまだしも、紙幣や有価証券の部類は全く用を為しません。


ええ。


これらを見越して、祖父のヘンリー・ワーズワースは連邦に対して国交を樹立し、経済的な移行移管を訴求するつもりなのです…。


ただ、その際に「来てやろう」という態度で来られても困るわけでして、NBでは密かに痴女皇国世界側のNBで達成している保有技術の流入などで「こっちは連邦抜きでも回せまっせ」という経済・産業体制をある程度は構築しておく必要性があるのです…。


それと、当然ながら予想されているのが「NB抜きで何とかならんか」という声を上げる方々。


その声が大きくなった場合は、融和派の連邦側の人員や国家を受け入れた後で、サン=ジェルマン氏によってスティックス・ドライブや多重空間対消滅動力炉といった技術の供給やメンテナンス停止、さらには機関の不活性化を行うとか、カリマンタン・タワー…軌道エレベーター施設の強制撤去にも及ぶだろうと。


つまりは、地球の人々であっても、最終的にはNB側の影響下に置いておくことが実施される見通しなのです…。


これも、こんな強硬策すら予定している理由は明確なのです。


今の連邦政府の管轄にある地球人が完全に独自で宇宙開発に乗り出した場合は、数百年のスパンで見た場合、恐らく他の外星系知性体と険悪な関係…最悪は交戦状態に陥る可能性が強いと懸念されているからです。


宇宙に星はあまたあれど、生命が発生する条件を備えた惑星が巡る恒星系はそうそう多くないのが研究で明らかになっています。


そして、そうそう多くない恒星系から飛び出して既に恒星間に勢力を広げている知性体と接触した場合に、平和裡に友好関係を結べるのか、ということですね。


これについても、答えが出ています。


「将来の友好的な関係が結べるようならば、20世紀初頭に既に異星知性体との本格接触や国交や交流が始まっていたであろう」


ええ、うちの(へんりー・)祖父(わーずわーす)ですら、こう言い切る有様です。


ですので、最終的には逆に「NBによる太陽系の占領」すら視野に入ってます。


そして、その際には聖院側の戦力も…ことによると痴女皇国の戦力も、投入するかも知れません。


ええ、イリヤさんが皇族に編入されたのも、巡り巡ってはその可能性すら視野に入ってたからなのです。


ただ、この最悪の事態の1つ手前くらいとなる「NBによる太陽系占領」の回避方法は、ありますよ。


まず、連邦側がNBと国交を樹立すること。


そして、太陽系内への移住事業に、NBとルナテックスの協力を求めること。


つまりは、他星系への進出技術を自分たちで勝手に醸成保有しないようにしてくれるなら、別に問題はないわけです。


「勝手にいくさをさせておけ…という放置は不可能なのですよね…」


「まかり間違えばこっちにも火の粉が飛んで来るかも知れないのよ。人類、という枠組みで判断された場合には、私たちの身内の争いなんて関係ないとばかりにNBも地球も、一括して鎮圧の対象に思われる可能性があるからね…」


ええ、確かに「わざわざ太陽系くんだりまで侵略しに来る暇人はそうそういない」とは言えるでしょう。


しかし、過去の接触状況を考えるだに「人類が現状から文明を発展させた場合に、我々の生存領域を脅かす存在となりはしないか」と言う懸念に基づいた調査をしに来ていた可能性は、否定できないでしょう…。


そうなると、専守防衛の件で「地球人の常識や倫理・論理が通用しない相手であれば人類文明発展の可能性の芽を潰しに来る」ことすら予想できてしまえているのですよ、今…。


ですから、今、稼働している12機のMIDI04や母艦、そしてM-IKLA-20というリーダー格のMIDIは、まさにそうした「地球人の文明に対して干渉の可能性がある知性体の存在」を探るためにも、宇宙のあちこちに散っているとお考え頂きたいのです。


そして、彼らはその活動を「基本的に情報を収集するだけ」に留めています。


決して、高度知性体同士での全面戦争に発展しないよう、ひたすらに秘匿活動に終始して行動しているようですから…。


「しかし、痴女皇国世界のこのエヌビーではどうなのでしょう。わしらリュネの者がせっかく得た大地を脅かすとあらば、然るべき行動に出ざるを得ませんが…」

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