マリアたちの選ぶ途 -Le choix du saint-・7
なるほど、と思いましたよ。
確かに連邦地球では農業の機械化ロボット化が進んでいまして、大規模農場だと人は本当にいないのです。
農薬の散布や見回りですら、ドローンで遠隔。
収穫品で脱穀が必要なものはもちろん、仕分け振り分けも箱詰めも機械化されている実例がありますし。
つまり、ロボットを稼働させる電力や化石燃料さえ都合がつけば、チ◯◯ネックスによる驚異の高効率化で倍増どころじゃない収穫高を処理できるのです。
聖院世界や痴女皇国世界で◯ン◯ネックス・◯ッキダスを使用した場合だと、ひどい所では二百倍以上の収穫高を記録できるというのも…。
「同じ面積の土地から小麦が毎日収穫できる光景がそこにあるんだよな…」
「あれ見たら誰でも聖院と手を組むって考えますよ…救世主の奇跡の御技、そのものじゃないですか…」
ええ、ドミニクさんが頭を振りかぶってますけど、確かにあのロン毛さんの技の一つにありましたね…食べ物をいくらでも生み出せるというの…。
「ただ、マリアちゃん…緑はともかく、その黄色い方の容器の中身、痴女種女官でないと取り扱えないんだよな…」
そうです。
特にボッ◯ダスは、生物の繁殖や成長能力を極限以上に引き上げる副作用として、普通の人がその蒸気を少しでも吸うどころか液や蒸気が素肌に触れただけでも、激しい発情を引き起こすのです。
そしてさっさと処理しないと、死に至ります…。
「だが、これは痴女種の専従と機械散布で簡単にカタがつく話だ。扱える者に扱わせるってのが危険物の基本だからな…」
「問題は肥料だけ入手しても取扱要領を理解していないと、収穫を得るどころかドクダミや葛のようになってしまうという警告は受けました…」
「うむ。ポワカール閣下の判断は正解だ。共和国には緑色の方でも充分すぎる」
つまり、フランスは既に◯◯ポネックス、自国農業へ投入しています。
そして実質的な国営農園に等しいアグリコル…農業振興公社という公共事業体が立ち上がって、廃業した農家の農地を代わりに運営しているのです…。
このアグリコルが所有運営する農地の驚異的な生産力は、フランスの一般農家の反発を買いかけた事があります。
しかし、アグリコルの運営圃場から生産される作物産品は、輸出目的であり国内の農業生産物市場価格を脅かすものではないという発表を政府が出したのもさりながら、フランス名物お百姓さんのトラクターデモの背後にいて糸を引いている組織団体の一斉摘発…というよりは、多数の行方不明者が出た事件によって急速に反対運動は萎んでしまったのです…。
そして、各農家にはアグリコル(に技術協力しているテンプレス・ファーミング)に生産を委託することで借地料を得る他、逆に技術協力費用を支払う代償に大量の収穫を得るなどの選択肢が提示された結果、聖院と痴女皇国にフランス農業界は屈したのです…。
そして、思いっ切り慌てたのがロシアや東欧の農業生産大国はもちろん、アメリカの穀物メジャーです。
しかし…私たちの世界における第三次世界大戦は、アメリカ本土にすら爪痕や傷跡を残しました。
むろん、東欧からロシアにかけての肥沃な黒土地帯においてもしかり。
農業生産量を大きく落とし、自国への食糧供給が優先されている状況では文句を言う意味はあるのか、と逆に世論を醸成されてしまったのです。
そして、アメリカやオーストラリア、そして中国などが直面していた「農業用地下水の枯渇現象」がこの問題に拍車をかけました。
現在の連邦政府事務局長であるポワカール閣下は、はっきりと声明で明言なさいました。
『生産高を上げる手段が提供されているのに使わない者は、私の出身国やオーストラリアの農業生産量の躍進を見るべきだ。そしてジャポンも、今や12倍の単位面積生産量を達成して食糧自給に王手をかけている状態ではないか。連邦政府事務局・食糧管理部は民間企業への積極関与を好まないが、あの強力極まりない肥料の効果を欲する者が聖院関係者が経営する企業への接触を無闇に規制する立場でもないと明言しよう…彼女たちは「助けて欲しいと要望されれば助ける」と明言しているのだ…』
「まぁ、助けてもらったお返しは必ず貰うって明言もしてるよなぁ、マリアちゃん…」
「この日本産エスカルゴおいしいですよゴルディーニさん…」
「一時期は共和国のブドウ農園からも絶滅しかけたもんなぁ…ところでジーナ。お前、それが生きてる時の姿を知ってるだろ…」
「焼いたらサザエと同じやっ」
うちの母親ですが。
…知る人ぞ知る件ですけどね、意外に食い意地も張ってるのは相変わらずです。
一応は軍人なので粗衣粗食に耐えられなくもないのですが、隙があればぱくぱく食べる部類なのです。
しかも、頭の中は大阪の虎柄おばちゃんの類似品なのも相変わらずなのですが、その身体はロシア人そのもの。
つまり、食べる部類なのです。
そして、なまじ延命措置で痴女種身体に変わっているがために肥え太らないのです。
ええ。
こういう人物を基準に他の知的生命体が外交遮断を決めたとするならば、その誤解を解くべきだと思うのです!
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ジーナ「マリア。うちだけとちゃうぞ大食い」
白マリ「わかってます。かーさん以外にも」
黒マリ「合同幹部会開催後、会場を痴女皇国で持った回だと痴女宮の貴賓食堂にそのままご案内って流れなんだけどさぁ」
白マリ「聖院幹部分の請求よこすのやめてくれない?」
黒マリ「つまりそれだけ食べてるって事だよ!」
じーな「これは確かに請求するわ…仮にあそこの食堂の実費経費として、一人一食五千南洋ルピーを基準として食材調達予算を確保していたとしようや。んでな聖院うち…おかわりとか言われてる分なのは明らかやけどな、実際に内務局に上がってきた調達経費は予算枠の1.5倍は計上されとるんやぞ!」
まさみ「つまりあの貴賓食堂の運営経費は皇族予算なのよ…マリアちゃんのポケットマネーで穴埋めしてる部分も大きいんだけど…」
じーな「うちのマリアが食い意地張ってるせいで料理人教育名目でシェフ交代で連れてきてあれこれ作らせてるのは以前にも話が出た。しかし聖院うち。お前がそっちの幹部の教育担当やろ!ちょっとは自粛せぇ自粛…」
ジーナ「うちらの幹部食堂よりええもん食うからじゃあっ」
白マリ(聖院と痴女皇国でさえ、こうして醜い争いをしていることで、一致団結の困難さがわかるわね…」
まさみ「聖院マリアちゃん…食べ物の恨みは怖いのよ…(シェフ貸し出し人件費請求書を聖院両替処宛に送信しながら)」
白マリ「お互い助け合って生きていきましょうよ雅美さん!」
黒マリ(まず聖院の飯をもうちょっとなんとかしてから言え…これは外星人の皆様が正しいだろ…)




