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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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ぢょおうさまとおよび -Adora me-・5

で、ジョスリーヌ分団長。


この方がお越しになるということは、かなりの重要拠点に見られておるということ。


そればかりか、ベラ子陛下との仲が思わしくないのは兼ねてから隙あらば繰り広げられる二人のマンザイでお分かりと思いますが、そのベラ子陛下ですら、何かあればこうして呼びつけることに躊躇はないのです。


ええ、今回がまさにそれ。


そして、分団長がおいでということは、状況によっては他の黒薔薇騎士や、更には他の騎士団の騎士も軍事行動の名のもとに招集される場合が多いのです。


わしは、その実例、少なくとも4つ、経験しております。


リュネ世界の平定はもちろん、淫化帝国の立ち上げ当時。


そして明日輝侵攻時と連邦世界でのメキシコ・カリブ海大災害時。


特に、後者2つでは女体化作戦を指揮して、リュネ大陸がいくつ入るんかというほどの広範囲に亘って、人々を根こそぎ若い女に変えてしまったのです。


更に、この方は母国である連邦世界のフランス共和国や、更にはフランシスカさんの統治するメキシコ合衆国の兵隊を動かすことも可能なのです。


それも、あのテンプレスという大きな船に満載できるだけの兵隊を。


うむ。


「小官は実のところ、NB来訪が初めてではないのです…我が共和国の長である大統領の密命を受け、NB国防軍と湯田屋国軍を交えて開催された三者合同演習に数度参加しておりましてね…」


ぶぶぶぶぶっ。


なんと手の早いことでしょうか。


と同時に、ありえるよなぁ、とも。


何せ、淫化帝国にもそのフランス共和国の軍用車両を持ち込んでおられたのですから。


そして連邦世界のメキシコちほー…いえ、カリブ海沿岸一帯を襲った大災害からの救援名目での出動でも、からくりを大量に持ち込むばかりか、近代戦とやらの教育を施された兵士たちが痴女種化された場合にはどれほどに脅威なのかを私たち、痴女皇国世界の者に見せつけたのです。


つまり、自らが優秀なニンジャであるばかりか、多くの兵士を組織できる力量の持ち主なのですよ、ジョスリーヌ様。


「小官を召喚なさったこと、誠に慧眼と申し上げるしかありません、マダム…いえ、レーヌ(じょおう)・イリヤ」


と、わしに臣下の礼を取られるのです。


ええ。


この瞬間、わしは直感しました。


このルーン大陸を開拓する事業、痴女皇国の国家事業としても受け止められておると。


ジョスリーヌ様は、黒薔薇騎士団そのものの頭でもあります。


ペルセポネーゼ団長は確かにおられますが、その直下として二重指揮系統が存在するのもまた、この騎士団の特徴です。


(有事にあっては私に代わって団長職を代行することが定められております。何より、元はといえばディオキティス(ぐんし)・ジョスリンは私の前の黒薔薇騎士団長職ですから…)


そして、私も黒薔薇騎士団員資格者でもありましたから存じております。


痴女皇国の皇室…いえ、皇帝直下の親衛部隊でもある、と。


つまりは、わしが皇族に序列された事を存じておられるのですよ…そして、もはやわしには、黒薔薇騎士団を指揮する権限があるということも…。


(その通りですイリヤさん。あたしが魔王さんの苗床で寝ているからには、その寝ている場所を管轄する担当皇族として、皇帝権限を一部代行可能な勅命をたった今、出します…イリヤさん…その気になれば、黒薔薇騎士団の戦力を動員してもらっても構いません…必要があれば)


はぁ…二代目様といい、全くもって無茶なことを申されますねぇ。


ですが、そのお節介や押しつけとも思える一連の措置で、このイリヤの身に、にわかに光が差したのも事実でしょう。


(ま、パスタ女とマダム・アグネス…そしてムッシュ・クリスの保管されている苗床を防衛する名目での派遣は色々とものを申したいところではありますがね…今度は、あなたが上官ですよ、マダム)


ともあれ、この方がわしの陣営に加わって頂いたのは、わしにとっては非常に力を得たような思いであるのも事実です。


ええ、この方がいるならば、パイローテやシモーヌが暴走したとしても、一体何ほどの事が出来るのか。


そりゃ、隣の部屋の二人がどよんどよんと落ち込むのもわかりますよ。


悪党としても、その悪党の格が全く違う御仁なんですから。


で、その悪党のお方と打ち合わせに入るわしら。


女官長資格者でもあられる室見様を交え、今後の体制を検討するには充分な面子と言えるでしょう。


「まず、ルーン大陸に於ける犯罪発生の可能性。これを予測することから警務騎士の配置数を算定していきましょう。これは正直申し上げて、今のルーン大陸に居住する住民の大半が悪事を企もうにも、痴女皇国の基準で言えば他の聖母教会統治地域と大して違わないと小官には予測できます。せいぜい、ナターリア事件の再来が発生する可能性が皆無ではないと言える程度ですね…」


「なるほど…イリヤさん、ジョスリーヌさんの意見だと、殺人や強盗といった凶悪犯罪はもちろん、痴女皇国やルーン大陸自治政府の転覆にも繋がる陰謀を巡らせることすら現状では難しいとなるでしょう…住民の知能が上がれば話は別だと思いますけどね」


「ですよ…マダム室見の申される通り。実はジョルジュ・バタイユもドナイシタン・サドも連邦世界に類似の人物がおります。そして、バタイユは数作の小説を上梓した以外は思想家・哲学家としての活動の方に人生の大半を割いた人物です」


え。


もう少し詳しいことを教えて頂きますと、連邦世界のバタイユ氏はあまりの内容に自分でも恐れをなして匿名で数作を発表した以外は、本名での公の活動を選ばれたそうなのです。


「ですがドナシアン・サド。この人物は元来、放蕩貴族だったのです。そして度重なる凶行の果てに投獄されましたが、その中で狂った小説を執筆していたのがその著作の大半なのです」


ふむふむ…最初から、文筆の道に進んだ御仁ではなかったのですね。


「で、小官が何を申し上げたいのか。連邦世界の背徳や悪徳とは、ある意味で富が集中した場所や階級において顕著に見られた現象だということなのです。あのパスタ女の母君のお一人が生まれたイタリア然り、ギリシャや果ては初代様の出身地しかり…」


つまり、文明文化が発達し、人が暇になったり知的活動を行う場所でこそ、発達したものであると。


「まさに文明病とでもいうべきものなのです、変態行為…」


ぶぶぶぶぶぶっ。


しかし、ジョスリーヌ様の申されることの通りの現象、不肖このわしも経験しました。


更には、連邦世界の中米や尻出国に該当する国や、果ては暗黒大陸と呼ばれた地域。


「中途半端に文明に触れて堕落した民族たるや連邦世界には数知れず。人目をはばかることなく破廉恥な行為や変態行為に勤しむのは、まさに救世主教に該当する宗教が人を支配する根本の考えである「人類の原罪」とやらに該当するかも知れませんな」


つまり、人が知恵を得たが故に悪徳背徳に目覚めたので、人は生まれながらに犯罪を犯す存在であるということで罪から許されるために神というものにすがれ、と教える習わしがあるそうです。


あー、罰姦(ばちかん)聖母教会の教えですね…。


で、痴女皇国世界では南洋慈母宗と東方聖母教会というものが存在します。


この二つでは、聖母様と聖父様、またはそれに類似する存在が聖女様を世に出したのを見習ってアレをしろという教えに基づいております。


つまり、アレは善行なのです。


しかし罰姦聖母教会では、人は聖母と聖父の行為の真似事をして罪深い快楽にふける悪人だと定義しておりましたかと。


で、その罰姦の聖母として聖母像があっちこっちに祀られているベラ子陛下いわく。


(そういうことにされました…あたしが決めたんじゃないですよ…)


んで、ベラ子陛下が罪深いのかはともかくですね。


要は罰姦の教えだと、人は生きているだけで罪深いんだそうです。


まぁ、他の生き物を食べないと生きていけませんからねぇ、元来の人は。


それと、聖院から引き継がれて痴女皇国でも守られておる聖院規範。


これは、リュネ族のみならず魔族の棟梁であるロッテや魔王も教えられています。


特に、不殺の掟。


ですから、獣を〆て肉にするのも女官がすることになっておるのです。


(そして聖院時代から、犠牲となった獣たちが、より良い来世にと生まれ変わりを祈願するための慰霊式をやってたんですよ…現在ではお盆の家族会慰霊式に取って代わられていますが、その慰霊式は聖母教会や慈母宗に受け継がれています…)


(いわゆるクヨウというものですね。そしてマダム、これも重要事項です。痴女皇国世界では仏教のリンネテンセイという概念が現実のものとなっているのです…)


つまり、人は現世で罪を償わないと、生まれ変わっても同じようなことをやらかすのだそうです。


そればかりか、反省がない場合は人ではない生き物の生涯に堕ちるとも。


現実にはもう少しややこしいそうですけど、ミセス・吉村…つまりスクルド様の説明では、概ねそういうことだとかつて、教えられたことがありますね。


「ただ…人の発展の影には失敗や失策、失政といった負の現象が必ず介在しています。つまり、犯罪発生の余地を盛り込んだ領地経営も、必要悪ではないかと小官は進言したく思うのです…」

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