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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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王の帰還 -Reditus Regis-・7

「ええええええ!」


「ふほほほほほほ、これがうちの実力ゆうもんですわ…」


ええとですね、貴賓車の風呂場から出て来たダリア統括騎士団長・痴女皇国副将軍閣下。


そのお顔は得意満面。


ですが、わし、イリヤ・ヤスニは内心すっげぇ複雑な気分なのです…。


と申しますのも、ジーナ様の思いつきというかリュネ王アトハの「はっきり言ってわがまま」とも思える内心の要望を叶えて今後起きるであろう問題の芽を予め潰してしまえという対策の一つ、たった今行われてしまったのです。


そして、その結果と、ダリア団長の今までの実績を知る者はまだしも、知らんアトハとその王妃リミニには驚き桃の木とか申す状態。


つまりですねぇ。


リミニ、わしの妹です。


そして、姉妹ですから当たり前ですけど顔は似てますよ。


ですが、体はあまり似とらんかったんです。


が、しかぁし。


体も似た状態にされてしまったのです、ダリア団長の手によって…!


(っていうかそこの西方の娘さんもうちの施工ですやん…)


いえいえ。


実は苗床設置聖母教会の普及に伴って、痴女皇国では幹部女官を中心に改めて強化されたことがあるのです。


それは「男受けしない身体の持ち主をカイゼンしよう」という身体補正強化。


で、支部長職または類似の要職者は、痴女皇国やお読みの皆様の暦でいう毎月1回の支部長会議の際に身体をチェックされるのです。


で、ダメ判定が出た人は、痴女宮地下深くの苗床にぼっしゅーとされるのです…。


(うちが直しても治らない田野瀬さんとかはしょっちゅうこれ食らってますわ…)


そう、ダリア団長でもあかん、という人がおるのです。


他ならぬ、団長の旦那役で、今まさにこのラクダ急行なる列車の前の牽引車でマリア様とお茶しばきながら運転しておられる室見理恵様もその部類。


(というかあたしの身体って焼いても治らんらしいから、もう矯正は諦めました…だから苗床ボチャンはやめてね、まりり…)


(あれあたしがやってんじゃねぇって…)


そして、もう一人、すぐに肥え太る傾向があって、これまた見咎められたが最後苗床に叩き込まれている人物がおるのです…ええ、田野瀬麻里子・財務副局長様ですね。


では、支部長職はそういう()()()()()的な行為から免れておるのでしょうか。


コイちゃん…イリヤだけど…。


(イリヤさん。私の気にしてることをいまさら蒸し返して言うんですか。もう淫化に帰ってこなくていいですっ)


ええと、コイリュル皇妃…いえ、皇后がゲキオコなのです。


しかし、体型の話題に適切なのです、コイちゃんの身体つき。


(話は最後まで。別にコイちゃんの見た目が悪いって件じゃないし、淫化どころか痴女皇国のみんなが言ってることじゃない…)


(ううううう、あたしはイリヤさんとかロッテさんとかフランシスカさんみてーな身体を目指したいのに、相変わらず矯正してもろてもいつの間にか元に戻ってんですよ? しかも例の苗床だいびんぐの刑も「コイちゃんは除外」とかベラ子陛下とか雅美さんに言われてるんですよ? あたしはむしろ積極的に飛び込んででもですねぇ…)


つまりですね。


コイちゃんは、昔の淫化人よりは大柄ですが、それでも他の地域の人々からすると小さめ体型なのです。


しかし、逆にその身体つきや顔立ちが「あいどる系」であるということに着目する人物があまりに多かったのです。


なにせ、クシ君とくっついてコイリュル皇妃となる前から、本人の希望とは裏腹に「変わらんでええやん」というのはこのイリヤも面と向かって言ったこともあるくらいなのです。


そして、良家のお坊ちゃん然としたクシ君とか、あるいはジャムジュナ妃の息子やなぁと思える、西方族とリュネ族のええとこどりな細身のいけめんのクシーと並んで歩いてるのは邪魔したらあかんと淫化では厳しく言われておったくらいだったのですっ。


(クシーと仲良しなのはこの、離魔(りま)時代の経緯があんのよねぇ、コイちゃん…)


(でもですねぇエマネ様。淫化の黄金騎士団にもぷろれす技を流行らせる関係もありますからね…私の体型補正願望…)


ええと。


淫化帝国は、痴女皇国の分類で言うと南米行政局となります。


そして、そのすぐ上の中米行政局が、わしも厄介になっていた場所ですけど、連邦世界のメキシコ支部長兼メキシコ合衆国大統領と、そして痴女皇国世界の中米行政局長にして女裂振珍(めきしこ)帝国皇帝のフランシスカさんは、同一人物です。


これ、どっちの世界のメキシコの統治に関わる必要があってこうされてるのを派遣駐在経験者のこのイリヤも存じておりますけど、連邦世界の方のメキシコではルチャ、すなわちプロレスが流行するどころか国民的競技だそうです。


そしてこのイリヤも習い覚えてりんぐに上がってましたけどね、このぷろれすに着目して、支部独自騎士団の公式格闘術に採用してしまった人物がおります。


ええ、コイリュル皇后その人です。


(だって、めきしこでぷろれすしてる人って大柄じゃないじゃないですか…これなら私もって手ぇ上げたんですよね…)


んで、見た目とは裏腹にですね。


クシ君との結婚と妊娠を許可してもらうためと、淫化の新しい皇帝夫妻になるためにはと言う決意のもとで、コイちゃんはクシ君を横に乗せられる特別仕様の自転車(けったましん)を漕いで、1年がかりで淫化帝国中の各所の神殿を巡り、淫化の地を視察してのけたのです。


そういう、活動的な行為をためらいなくやってのけるコイちゃんでしたから、中米行政局への支援時や、逆にフランシスカさんが淫化を訪問した際に中米側の独自騎士団である乙女闘士団や、更には選抜戦士である快尻闘士団の話を聞きつけ、彼女たちが素手で格闘するという光景を見たがったのです。


で、メキシコでぷろれす修行もしたというフランシスカさんが女裂振珍で定期開催している競技会はもちろん、なんと連邦世界のメキシコの方のぷろれすビデオや、覆面のぷろれすらーが映画俳優を勤めているルチャシネマなる分野の映画まで取り寄せて日々、観賞と実際の実技への反映練習を繰り返したのです。


そうです、コイちゃんはぷろれすにハマったのです。


そのハマり具合たるや、クシ君との間に授かった落とし(だね)である男児に、サントという名前を付けたくらい。


(スペイン語だけでなくケチュア語でも聖者はサントです。もちろん、我がメヒコが誇るルチャドールのエル・サントから取られた名前なのは申し上げるまでもなく…)


で、このエル・サントなる人物は覆面を被って戦うことで、自らの神秘性を高めておったそうですけど、もう一つ大事なことがあります。


ぷろれすの世界でも凶器や反則はもちろん、卑怯な戦い方をしなかったことで名声を高めたというのがフランシスカさんからお聞きした話です。


そして、その正義の戦いを映画でも見せつけ善玉英雄としてぷろれすらー、特に覆面をかぶったれすらーが映画に出て稼ぐ道を作ったとも。


フランシスカさんが普段は目の下までの顔の上半分だけ隠す覆面をつけているのも、この「覆面れすらーは基本的に正義の味方で強い人」という印象がメキシコでは染み渡っているからなんだそうですね。


そして、コイちゃんが自分の体をいじってくれ変えてくれ大人の体型にしてぇなと事あるごとに申すのも、実はですね。


(私がりんぐに上がろうとするとみんな止めるんです!)


うん、止めるわ。


わしでも止める。


絶対に止める。


つまり、コイちゃんは自分でも女子ぷろれすらーをやりたいのです。


しかし、それではコイリュル皇后様に対する皆の「深窓の令嬢」とかいういめーじをばっきばきに砕き散らせるも同然の蛮行。


あのロッテですら、人の話は一応は聞いてから意見を言うロッテですら、言下に「やめといた方がいいと思う…」と残念そうに言うくらいに、コイちゃんが公式試合とかなんとか、人の目につく場所で女子ぷろれすらーとして戦うのを皆が止めてるんですよ。


で、コイちゃんがそれで諦めるタマかっちゅうと。


(んなもん誰が諦めますかいな。炸砕岩満(さくさいわまん)南神殿の神学校のリングやったら上がってええゆうから生徒相手にやってますがな)


ええ、聖院学院の淫化神学部本校の生徒相手にやるのだけは認めさせたんですよ。


(ですからですね、そちらのリミニ王妃ですか、戦士の適性がイリヤ様より薄いとかお伺いしましたけどね、少なくとも見た目が近いなら男どもの見る目は変わると思うんですよ。今、イリヤさんの目を通じて拝見しましたけどね…ダリアさんもマリア様もそこらにいてるんですよね。あ、ジーナさんもおいでか…いいですかみなさん、今度の支部長会議の後でぜってーに私、苗床入浴させてくださいね!)

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