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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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うつされた学園番外編・その名はサンジェルマン・9

ああ、なんということでしょうか。


いけにえにも等しいこの習慣。


そして、人を…特に女をまともに扱っていなかったのがお分かりでしょうか。


しかし、不殺の掟を掲げる痴女皇国の介入後は、苗床の機能が大きく着目されました。


痴女皇国がリュネ族だけでなく魔族を遇する理由、まさにこの苗床にあったそうです。


で、苗床自体も大きく改良の手が入れられております。


それも、何度も。


例えば、人の体そのものを苗床の餌とするのではなく、孕んだ人の卵…それも、目に見えぬほどに小さいものを滋養とするようにされたのがその代表例でしょう。


すなわち、いくら孕ませようとも、苗床に吸わせれば良いとなったのです。


そして痴女種女官であれば、その気になれば一日に何度も孕むことが可能。


そうです…苗床を飢えさせることが無くなったのも同じ。


ただ、餌を与える体制づくりは絶対に必要となりますが。


それとですね。


苗床の導入前から、痴女皇国では悪人や罪人を処理する諸々の仕組みが存在したのを存じております。


この処理の仕組みに苗床を組み込めば、そうした世の鼻つまみであっても、人の役に立つことになってしまうでしょう。


おまけに、死罪を嫌う者たちであろうと「死罪にするわけではない」という釈明になるとあっては。


で、もう一つ…リュネ族が従来、占術を用いて行なっておった「早育て」。


これも、痴女皇国の技術であれば絶対に成功する運びとなったのです。


それも、リュネの術よりも遥かに早く…一瞬のうちに。


これがどういう結果をもたらすか。


ええ、ええ。


年寄りがいなくなるという事と併せてお考えください。


人の殆どは、働くことができる者ばかりとなってしまうのです。


つまり、無駄飯を食べる者がおらぬようになってしまいます。


それまでのリュネの世の早育ち、早育てを考えても、半分からもう少しの人数で同じことができるようになってしまうのではないでしょうか。


いえ、増やせば増やしただけ、働き手が増えることにもなりますよね。


ええ、不治の病や、生まれついての欠陥。


痴女皇国ではあり得ないそうです。


不労は不得となる、聖院時代からの慣わしでもあるこの掟を支えているのが、人を治す代わりに女官や似たものに変えてしまう技だとも教わりました。


まさに「助けた代償は頂く」聖院規範の通り。


助けられた側は、絶対にその代償を支払うことになってしまうのです…。


(そう言えば、借金取りや税吏…税金泥棒とかいう存在って、リュネにはいたっけ?)


(貢納はいつの間にかイ族が四族分をまとめて納めることになってましたけど…メリエンとマルヴィレが担当でしたね…)


で、雅美さんの質問の件ですが。


まず、リュネ族の頭数、かなり緻密に把握されておったはずなのです。


(軍事組織化してたからよね…)


(糧食や炎剣に戦士服の支給がありましたから…それに、どこの誰をどう配置していくさをするかも決められておる話ですから…)


これがどういうことかと申しますと、リュネ族が必要とする糧食の量、おおよそ把握されておったのです。


そして、四族任せではなくリュネの西側でも畜生を飼ったり畑を作っておったのです。


で、不足する分の調達を四族に依頼しておる流れだったのは、わしも覚えてました。


ただ、その貢納が足らなかった場合、雅美さんが申されるような取り立てがあったのか。


答えは、建前としては「なかった」のですよ。


何せ、一応は「お願い」でしたから。


しかし、そのお願い通りの量が届かない場合ですが…。


ええ、必然的にリュネはもちろん、奥地の守りが手薄になるのです。


そして、魔族はリュネ領の手薄な場所を探してでも、人をさらいに奥へ奥へと攻め込んで来ます。


そうなると、比較的狙われやすいイ族の土地が魔族の来襲を受けやすくなるのです。


で、魔族が襲来すると、穴や隠れ家に逃げ込むわけですが、この際に逃げ遅れた者たちはことごとく犠牲となります。


お分かりでしょうか。


リュネ王国が依頼しただけの貢納量を満たさないと、イ族が被害を蒙るのです。


そして、リュネと西方の間の道には関所が設けられておったのを思い出して頂きたいのです。


魔族が化けた偽装兵を改める名目でしたが、実際にはここで納入される糧食などの供物を改めておったわけですからね。


そう…横取り横流しが発生しやすい場所でもありました。


で、イ族は魔族から狙われやすい立場でもありましたから、そうなると他族から男や女児を貰って子作りをしてでも頭数を元に戻さねばなりません…飯を余計に要するということで、貢納の中抜きをある程度は黙認されていたとお考え頂きたいのです。


(または割り増し要求ね。イ族が中抜きする分を上乗せして他の三族に要求してたわけですよ)


(これ、あまり強くやめろって言えなかったんですよね…)


(言うなればバックマージンや納税代行手数料の代わりよね…)


つまり、リュネ族に代わって徴収を代行しているようなものですからね。


ただ、規律戦士の監視がありますから、あまり無茶を極めた取り立ては出来なかったようですけど…。


(しかし、そこまでリュネ族べったりなのに、リュネが滅びかけた時に落武者狩りはできなかったみたいだけど、乱を起こしたのも不思議よねぇ…)


これは秘書娘が知ってました。


そして、マルヴィレやメリエンも。


(イ族は威張ってたんですよ…わしらがリュネの飯蔵を支えておるからにはわしらのゆうことをきけっ、て感じで…)


(で、肝心のリュネ族がいなくなったら今度は自分たちが首長になろうとしたわけね…)


(ただ、魔族がリュネ領を迂回して攻めて来るのを察知するための物見砦名目で、西方三族の土地にリュネ戦士が駐在してたんですよ…イリヤ様もご存知でしょうけど、あそこが西方の謀反を監視する密偵の拠点でもありましたからね…)

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