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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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うつされた学園番外編・その名はサンジェルマン・8

で、西方族のだーくえるふ化計画。


その実験体第一号となったのは、あの秘書娘でした。


で、この娘はもともと、千人卒痴女種化の候補だったのです。


そして…西方の残存三族であるノ族、サ族、そして魔族大侵攻やその後の混乱の結果、最大勢力となってしまったウ族から選ばれた一人である、ルーン王城市におるウ族貴娼。


その貴娼が産んだ娘でした、秘書娘。


しかし、その秘書娘がかつて申しておった通り、西方四族の中で今まで一番辺境に押しやられて重い貢納ののるまを押し付けられていたウ族の潜在的な恨みは、まさに淫化の高山に積もり積もって氷となった雪のごとし。


痴女皇国つまりルーン保護領総督府やリュネ側では「西方族は我らや魔族と手を取り合い、共に未来へ進む存在である」という三族平等の方針を打ち立てて魔尼派聖母教会による統治体制の普及を目指しておりますが、ここな学園都市でリュネ世界の歴史を教えておる際にも出てくる通称:イ族の乱によって魔族大陸送りになってしまったイ族の末路だけでは当時の虐待や圧政を知る者の恨みは消えないようでしてね。


で、ウ族の出の秘書娘いわく「恨みを消し去るにはやはり、当時を知る者同士の確執が消え去らないと難しいのでは」という意見ももらっております。


確かに、魔族に対するリュネの者の恨みの件があるのを知っておるだけに、わたくしイリヤとしても秘書娘のその言葉には頷かざるを得ません。


で、対話と協力の対象となる相手であると互いに融和させるためにも、有り体に言えば人の入れ替えも有効なのではないかというのが、学園都市を建設して「ルーン大陸各地の聖母教会荘園で生まれた子供たちを一括教育し、その才能に応じて再配置する」という今回の計画に繋がったわけですよ。


で、マリア様にお聞きしたのですが、かつての悪女たる己の行状を悔い改めずに死んでしまったミサキ・ヨシムラの一件や、あれもだめこれもだめというダメ尽くしで結果的に頭の中を総入れ替えに近い状態とされてしまったサナエ・イイジマの事例などを反面教師として統治に反映させた中で、最新版が永場(とば)支部を含めた痴女皇国・中央アジア行政局で行っておる魔尼派慈母宗や罰姦聖母教会魔尼派ニよる間接統治であるそうです。


まぁ、魔屋管内でもナターリア事件とか起きてましたから、元来ならばちきう人がおめこの肉欲に耽るとろくなことがないというのには合意させて頂きます。


なんせ、リュネはリュネで色々とありましたし、淫化(いんか)帝国でも…ロッテはともかくエマネは大丈夫なのかという気もしましたが、あそこはコイリュル皇后がしっかり者ですからいけるでしょう。恐らく。きっと。


で、西方族。


魔族の人さらいの対象として狙われる事も多かったのです。


特に、リュネとの境目付近に住み着いた者たちが固まった集団であるイ族は、リュネ奥地の者たちと同様、わしら戦士と陽動魔族の攻防戦の隙間を縫って放たれた人さらい部隊の襲撃を受けやすかったのです。


これが、リュネ側でもイ族の行状をあまり厳しく指導しなかった件や、目を瞑っていたことに由来するのですけどね…。


では、ノ族やサ族は狙われなかったのか。


んな事はありません。


やはり、数こそ少ないながらも魔族の別動隊襲撃の被害、全く皆無でもなかったのです。


で、ここで効いてくるのがリュネ族の早育ちの術。


そして、西方族も成長は早い部類だったのです。


例えば、ですね。


イ族だと魔族襲来の鐘が鳴らされたら、避難のための穴に逃げ込む習わしがありました。


ですが、その際に逃げ遅れた者は魔族にとっては格好の目標となります。


お分かりでしょうか。


魔族から逃げ延びられぬ者は必然的に「口減らし」されてしまうことになっていたのです…。


ですが、それでは年寄りだけではなく、まだ幼い子供や身重な妊婦までもが魔族の餌食となってしまうでしょう。


いえ、実際に餌食になっていたのです。


そこで考えられたのが「イ族で犠牲となった人の数を他族からの人出しで補う」方法でした…。


しかも、このイ族の要望、リュネでも仕方がないとばかりに他の三族へ「協力したってぇな」と()()せざるを得なかったのです。


(母から聞きました。依頼という名の命令であったと…)


つまりは、実質的な徴発。


で、その依頼という名の強制をお願いされたノ・サ・ウ族はどうしたのか。


これまた「困りますぅ」とリュネ側に泣きついたのです。


そうです…イ族と、他三族の利害相反する要望を解決するために、占術師が派遣されたのです。


そして、お前ら仲違いすんなとばかりに四族平等に占術師による「成育促進」が行われたのです…。


(もし早育てに失敗しても、海岸村送りで済むのよね、これだと…)


お分かりでしょうか。


リュネからは「じゃあ人を増やしたいならガンガン子作りしてくれ。その子達がある程度大きくなったら、余ったお子をイ族に差し出せばええやろ」と沙汰を出したのです…。


そして、まずいことに西方族では女を共有する風習がありました。


雅美さんによれば、比丘尼国や連邦世界の昔のニホン国では因習村とか称されておる風習と酷似(こくじ)しているそうですね。


すなわち、夜這いや子作りを促す秘密祭礼を行うことで、女を積極的に孕ませて子供を量産することが推奨どころか、積極的に推進されたのです。


で、具体的にどうなっていったか。


まず、西方三族からは余っていた次男次女以降がイ族に送られました。


そして四族共通の人口回復策として、子作りが推奨されたのです…。


(仮に今度は人が余っても、魔毒抜き要員としてリュネが引き取れば済みますものね…)


ええ、秘書娘が言う通りでした。


魔毒抜きを行うと、抜きを担当した西方族の男女はその寿命が大きく縮みます。


わけても男から魔毒を移される女は、特に短命となったのです。


ただし、寿命が縮んだ男女をみすみす死なせる訳ではありません…ええ。


死期が近づいたとされた魔毒抜き要員の西方出身者は、片端から海岸村送り。


これまた、魔族がリュネ内陸部や西方の地にまで遠征して人さらいを繰り返す回数を減らすためのヒトミゴクウとかヒトバシラというべき存在とされてしまったのです…。


(これ、西方四族はもちろんリュネも魔族側も、誰かが絶対に誰かを恨む流れとなってしまいましたよね…)


(だからこそ、恨みの連鎖を断ち切るためにも人を作り替える必要性を痴女皇国から提案されたのよ…特に西方族を…)

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