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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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うつされた学園番外編・その名はサンジェルマン・3

しかし、それでは世界の全ては、このサン=ジェルマンという御仁の思いのまま、ということになるのでは。


「それがそうもいかないからさ、今の世の中があるわけだよ。なぁおっさん」


「ムカつくけどマリアリーゼの言う通りなんだよな…僕にも動かせる駒が必要でね。で、マドモアゼル・イリヤ。仮にお聞きしたいんだけどね。君は…そうだな、そういう複数の駒を動かす遊びのさ、相手となる気はあるかな」


え。


「つまり、サン=ジェルマンのおっさんは、このおっさんの対面に座ってチェスならチェスの勝負を挑む気があるかって聞いてるんだよ。ばくちのテーブルにつくかどうかって、言い換えてもいいな」


「ちなみにあたしは辞退しました。ただ、あたしの場合は別のチェスプレイヤーについてるからね」


あ、そうですね…雅美さんが痴女皇国の皇族に認定されている理由ですけど、初代様に気に入られてお子様まで作ったからだと…。


で、この問いかけに関する私の返答ですが、数瞬で答えは出ました。


すみません、拒否させてください。


「え。なんでまた。マドモアゼル…あなたの性格だと、正面切って僕や、僕の同類と賭けをしてくれると思ったんだけど」


「お言葉ですが、私も任された職務や責務というものがあります。もはや私の肩にかかる者たちの人生を考えますと、軽々しくその者たちを賭け代に使えるものではありません…例えば、だーくえろふとかえるふとか申す存在ですが、果たして西方の者を一人残らずそういう存在に変えてよいものやら。私の立場では、それすら即答即決できかねるのです…」


ええ、私はリュネでは剣聖でした。


そして一軍を率いることもありましたが、多くは占術師や王の周囲の軍師の指示に従って配置を受ける立場だったのです。


つまり、駒としての動きには慣れておりますが、駒を動かす適性があるかどうかは、また別問題。


このイリヤ、エマネやロッテからは「アルト閣下の同類」とか、お互いに失礼な評価を言われておりますけどね、謙虚になるところはなるのですよ?


どっちかっていうと、雅美さんの方がまだ、そういうばくち向きという気がします。


「去年の天皇賞は惜しかったわ…おまけに腹立ち紛れにスロ屋に寄ったら一撃三千枚とか隣で決められるし、踏んだり蹴ったりよ…」


(雅美さん、腹立ったからって翌日にリベンジマッチ仕掛けてその店の偉いさんにホルコンいじらせるのはやめてよ…女官は賭博禁止って聖院規範に引っかかるじゃん…)


(そういうマリアちゃんも香港競馬で負けて翌日にマカオと、次の日に済州島のカジノ一軒ずつ潰してたじゃないの…)


(初代様に口封じの貢物をしたのはお互い、内緒にしようね…うるさいベラ子が寝てる間の出来事と思って…)


(クリスくんも博打はあまり好きじゃないのよね…)


(あなたがた、あれは今のあたくしではつかえませんわよ…しかたないからデルフィリーゼにあずけて、らいねんのおとしだまの原資にしてもらいましたわよ…)


ええと、聞かなかったことにします。


それに最後は、オトシダマとかいう風習で女官に配られる星期代わりを祝う祝賀金の原資に使われるなら、このイリヤにも支給されるということですから。


「なぁマリアリーゼ、君の代になってからの聖院って、本当に僕を悪し様(あしざま)に言えないと思うぞ」


「あたしは皆の福利厚生のための金稼ぎをしているだけだぞ?」


「もうちょっと真っ当な方法で稼げよ…僕との共同にした特許の配当だけでもその競馬や賭博場で稼げるよりも金が入ってくるだろ…」


「あれは次の製品の開発費用の原資にもするから全額使えねぇだろ…おっさんこそ企業経営とか経済をちゃんとしてくれよ…ルナテックスの社外監査役、泣いてたぞ…ザル勘定どんぶり勘定にも程があるってな…」


ええ、私は悟りました。


ルーン大陸に、金のやり取りはまだしも、博打は当面持ち込ませない方がいいと。


あんなもん、今のうちから流行らせたら何をどう転ばれるかわかったもんじゃありません。


いいですね、マリア様も雅美さんも。


(イリヤさんが厳しい…)


(そりゃこないだまで国民全員火の玉だって臨戦体制だったからね…カード賭博とかサイコロ賭博の部類も禁止だったらしいし…)


ええ。リュネにもそういうもん、昔はあったらしいのです。


しかし、魔族の侵攻に日々脅かされる暮らしをしておっては、博打にのめり込む暇もなし、と言ったところでしょうか。


少なくとも、わしが生まれてからこっち、そんなもん許していてはダメとばかりに賭事禁止の軍令、出てましたし逆に徹底する立場でしたから。


(ある意味では軍人の鑑よね…先陣切って突撃するタイプだし…)


しかし、今は戦争の脅威はとりあえずは去りました。


去ったからには、リュネの戦士を鍛えるような実戦にも程がある教練なんぞ、やっていても意味はないでしょう。


それと重要事項がありますよ、雅美さん。


だーくえるふ化の件ですけどね、あの子たち…西方の子をだーくえるふにしても、炎剣扱わせるんですか。


何よりも、翼を与えて飛ばせるのか。


ここをちゃんと決めておきませんとね。


(その件に関しては判明してるよ。リュネ族の純血でないと炎剣操作能力や飛行能力は完璧に受け継がれないでしょ…だから、良くてリュネ族の平均的な戦士の半分くらいの能力授与になるし、ダークエルフ同士での子作りだとリュネ族の能力自体は、世代交代が進めば進むほどに、西方族と同じくらいにまで特徴が出てこなくなるって…)

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