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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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うつされた学園 -sodródó tanterem-・10

んむむむむむ。


しかし、実際に当事者である西方族がやる気を出してくれるものなのか。


とりあえず、ルーン王城市に詰めておる3人の貴娼たちに話を聞いてみましょう。


(あんたら、これからはルーン大陸で最大の勢力になるって話聞いてる?)


(ええ、一応は)


(それと内々の打診ではございますが、我ら西方の新しき統一王のごとき存在を選べぬものかとも)


(正直、西方族と申しましても…剣聖様もご存じの通り、我ら西方四族はノ族・イ族・ウ族・サ族に大きく分かれておりました)


(そしてリュネ戦士の方々に代わることを掲げて挙兵したイ族の者どもが魔族大陸にあらかた連れ去られた後も、残る三族、いずれも頂きにするには低く、かと言って下にするには高くでございます)


つまり、互選では王なり指導者なりを選び難いと。


(ではこうしましょう。ノとウとサの中から首長の候補を差し出して。で、聖剣を占器として使えば、誰かを指し示すはず。これなら西方の皆の内心はともかく、表立っては文句を言わないと思うわよ。あとは首長の任期を有限にしておいて、次の首長を土器のかけらで選ぶとか札を投じるとか色々手はあると思うのよ。今なら聖環にそういう、投票機能とやらをつけることもできると思えるし)


つまり、最初はリュネ族が干渉して最終的な首長の決定を補助するけど、あとは西方族の中で選挙とか投票とやらと申す行為をして民選の王を選べばええんちゃいますか、と口を挟んでみたわけです。


(で、今、私が提案した聖剣とリュネ族が干渉する話も、あくまで提案だからね…強制してるわけじゃないのは理解してね…)


(なるほど、確かにイリヤ様の申される通り)


(我らの内々でまつりごとや決まりごとを決められねば、決め方を知る方々に口を挟まれても文句は言えず…)


(我ら西方に学問を授けるのも、こうした決まり事を決めるための知恵をお授け頂ける件にもつながるのでしょうか…)


(もちろんです。ただ、最初は簡単な事から覚えてもらって、高度な教育に対応できそうな人はより高位の学び舎に進んでもらうこととなるでしょう…)


つまり、みなさまにわかりやすく申しますと、義務教育と、本人の意志があって試験に合格すれば任意で通える、頭の良い方向け学校の違いですね。


ただ、西方族の知能の底上げのために、痴女宮本宮併設の聖院学院教育部のような高等教育制度を無償で提供するか、はたまた学資支援をするかという話も出ております。


なにせ、リュネの者は私を含めて「かねで何かを買う、あるいは価値のあるものを売る」ことにも慣れぬ有様。


そりゃ、貨幣経済っていうんですか。


そういう「ものの価値をかねの多い少ないで計る」慣わしが世間に行き渡っているエヌビーの他の領地とルーン大陸とは、魔毒以前に諸々を切り離しておかないとさまざまな問題が起きるよなぁとも思えたのですよ。


ですが、痴女皇国でも淫化をはじめ、「人が生きるのに必要なものは神殿や聖母教会が支給するが、人のやる気を出させるためにもかねで物を買わせる」ように仕向けている場所があるのです。


しかし、この「価値観」というもの、個人の持ち物を財とみなして価値を定める必要がある行為ですから、所有の概念やら何やらかんやを教える必要もあるでしょう。


それゆえに、この学園都市にもお菓子を売る店などを置いて「支給されているおこづかいの使い方」を考えさせる教育も施してゆくと。


ただ…ですねぇ。


こういう、口さがない陰口もあったんですよ。


「イリヤにそんなこと、できるんか」


むっかぁああああああああ。


しかし、私はもはや昔のイリヤではないのです。


怒りやすくてすぐ抜刀するイリヤではないのです…。


それにですね、誰がそんなん言いくさりよったか、私は敢えて追求しませんよ。


追求しませんけどね、本宮でもそういう懸念はあったみたいでしてね、雅美さんや田野瀬さんとか、淫化帝国にそういう、かね勘定の諸々の制度を痴女皇国から持ち込むためにお越しになってた経験者が出張させられるハメになっとるんです。


いえ、雅美さんにはまだ、ごほうびがありますよ。


けれども田野瀬さんなんか、どうなんですかその辺。


(ええとね、私には仕事の多忙はまだしも、心の平安が約束されたんです、ルーン大陸にいる間だけですけど…)


え。


なんですのん、それ。


(つまり、本宮にいると夜這いとか断れないお呼びがかかるんですよ…)


なるほど、それならば皆までお聞きせずとも。


要は、こっち(るーんたいりく)に来てる間は逃げられるんですね、何かから。


ただ…ですねぇ。


やっぱり服装、そのアオザイだとお一人だけ浮いてるんですよ。


ええ。


ちょっと申し訳ないんですけど、せめてその、魔尼の姿で…ほら、雅美さんも嫌々ながらにあれ着てるでしょ。


ジーナ様だってマリアンヌ様だって、うち(リュネ)の連中も、西方族に合わせてなるべくあの魔尼の姿なんですよ。


それか、私が今着てて試験中の、警務騎士服のルーン版。


これでしたら試験ってことで、着ても文句言われないと思うんですよ。


(それ着るくらいならまだ、魔尼の尼僧服にします…)


ええ、あの田野瀬様が。


あの田野瀬様が真剣に泣きながら、嫌そうな顔で着た魔尼の尼僧姿。


そのお姿には同情を禁じ得ません…いえ、全く似合わないってわけじゃないんですよ。


ただ、もうちょっと減量しましょうか。


ええ、このイリヤ、剣術と格闘術でしたらお教えできますし、実際に学園都市での教育内容を定めるために体を動かす立場。


(ベラちゃんが寝てると思ったら今度はイリヤさんですか…)


(ご安心を。私は真剣に体を鍛えるだけです。それに、そのお体に発汗を入れてもらうと、真剣にあちちとなりますよ…炎剣を使うと本当に、あのリュネ戦士服でないと熱で困りますから…)


ええ、田野瀬さんが更に死にそうな顔をしています。


しかし、これは雅美さんやマリアンヌ様にも許可、もろとるのです。


なんといっても初代様からして「たのちゃんを痩せさせる努力は惜しまずともけっこう、がんがんきたえてくださいませ」って言質もらってますから。


さぁ、とりあえず走り込み行きましょうか。


確か田野瀬さんも黒薔薇資格、無理やり取らされましたよね。


だから私の2倍の時間がかかってもいいですから、頑張って、らんにんぐからまずは始めようじゃないですか!


-------------------------------------------


たのの「やだやだやだやだやだぁあああああああああああああああああ!!!!!!!」


まさみ「どっかの先生みたいに嫌がってるわね…」


あんぬ「でも、確か黒薔薇騎士を服従させる剣ってのがあったはず…」


まさみ「っていうかマリアンヌちゃんが白金衣着るか、あたしが黒化白金衣着用したらたのちゃんを制御できるわよ」


いりや「安心してください。飛びませんから。走るだけですから」


あんぬ「確かリュネの鍛錬に、剣聖とか剣豪が上空から魔族の攻撃に見立てて炎剣の炎をぶち込むから回避して迎撃とかあったんじゃ…」


いりや「その時、うかつに飛び上がるといい標的なんで走るか地表すれすれで飛んで逃げるんですよ。負傷者も多いんで地獄の特訓扱いなんですけどね」


たのの「やめてぇええええええ」


あんぬ(田野瀬さん…これは黒薔薇資格を与えた人たちに文句を言うべきなの…)


まさみ(と、たのちゃんの体を強制的に鍛錬場予定地に向かわせるマリアンヌちゃんの背中に鬼を見たあたし)


あんぬ(っていうか田野瀬さんの服、がんつ服に着替えさせてるじゃないですか雅美さん!)


たのの(あんたら全員減俸3ヶ月やぁああああああ!)


まさみ「たのちゃんが生きて帰ってきたら、ね(にやり)」

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