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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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大草原の小さな城 - Little Castle on the Prairie-・7

(その件に関してだが…)


いきなり、我々の心話に乱入されるのは、なんとアレーゼおばさまです。


(え。アレーゼおばさま、なんでまた…)


突然の心話に狼狽してるリーゼ姉ですけど、この時点でも痴女皇国世界の米大陸統括本部長、つまり南北アメリカ大陸に該当する地域のトップを務めておられますよ。


(いや、アスタロッテさん経由で魔王殿に頼まれたんだよ…)


で、アレーゼおばさまがお伝えになった件とは。


「なるほどね、魔王様の居所にはやはり、魔毒濃度が濃い目にできる場所の方が都合いいと…かーさん、どーする?」


「どうするもこうするも…場所を都合したるしかないんちゃうかいな…おーいマリアー、あんたどないするんやー」


「なんだよおばはん…というかさ、それこそ魔王様に希望を聞いてみるべきじゃないかよ…」


「同感だな」


え。


見れば、アレーゼおばさまとリーゼ姉が立っています。


いえ、そればかりかアスタロッテさんまでもが。


それも、痴女皇国世界の淫化帝国の月神官執務服姿ですから、カウガールというよりはカウボーイなアレーゼおばさま同様、赴任地から転送されたようです。


いきなりNBに呼びつけるリーゼ姉にも問題がある気がしますが、当のロッテさんは気にした風もなく、魔王様の名代に相応しい態度で堂々、お話しになられます。


「で、魔王様の要望は私が代わりにお伝えしよう。まず、魔王様としては労働魔族の原型を開発したり生産する拠点として、やはり元来のリュネ世界の魔族大陸になるべく近い環境の苗床がありがたいようだ…」


「でなマリア。それと、リュネ世界のあの人工衛星か惑星、とりあえずは痴女皇国世界の宇宙に置いているようだが、あそこから移し忘れたものはないかとも言われてな…」


「え…おばさま、あたしとエマ子はその辺をちゃんとやったはず…」


いきなり、うろたえ始めるリーゼ姉。


「いや、マリアリーゼ殿があれ?と思うのは仕方ないだろう。ほら、魔王城についてはリュネ世界保存とした経緯があるじゃないか…」


と、助け舟を出すのはロッテさんです。


この方、本当に人を見た目で判断するべきではないという説を一人で体現しておられるような言動でして、淫化でも今や重鎮の中の重鎮…月乙女という淫化神話由来の女神官の頂点をお勤めなのです。


見た目はほんまにサキュバスとは実際に存在したんや…という御仁ですけどね、へへへ。


で、ロッテさん。


実はこのリュネ大陸に魔族大陸由来の苗床を移植する時などのお付き添いで、何度かNBに来訪された経験をお持ちです。


その存在は一応NB側にも伝わってはいますが、何分にもそこにいるだけで微量の魔毒を生じさせてしまうため、直接会ってお話しできるのはリュネ世界出身者または痴女皇国・聖院女官と同等の身体を持っている人に限られてしまうのです。


つまり、NB本土には上陸させたくても難しいのです。


「短時間ならできなくもないて聞いたけどな、そんなんするよりは女官と同じ体のNB政府関係者が会いに来る方が面倒あらへんやろ…今のうちみたいに」


そうそう、ジーナかーさん。


リュネ大陸に来てる時は痴女皇国の女官時代の姿の時が多いんですよ。


つまり、露出狂というか、下着や水着姿も同然の状態に。


「マリアンヌ。それ言うたら、お前かて金衣スタイルやないけ…」


「ここはリュネ大陸だし、あたしも金衣能力を使う必要あるんだからしゃあないじゃない…それにあたしはかーさんがその格好をする件についてさ、若作りとかOBHN無理すんなとかいう批判すら口にしてないんだけど」


「しとるしとる、全力で言うとるやんけぇっ」


「まーまー、それよりリーゼ姉、狼狽(ろうばい)の理由は何なのよ…まさかエマちゃん同様のたまに鬼ポカとか」


「いやぁ、その…」


なぜか、妙に口ごもるリーゼ姉に対して、ロッテさんが発言なさった内容ですけどね。


「で、魔王様の所望するものだが、まずは苗床の展開場所だな。やはり魔毒に対する気遣いをあまりしなくても良い場所の方がありがたいと言うのが一点。そして…これは魔王様のわがままじゃないかと私も諫言したんだが…その」


(わしの城がほしいゆうたらあかんのかぁっロッテっ)


で、当の魔王様が心話に加わりましたけど、魔王様の要望、確かに叶えてあげたくもあり、なのです。


しかし、魔王城をこのルーン大陸に置くのを当初は見送った経緯ってもんがありまして、リーゼ姉が柄にもなく汗かいてるのはその辺もあると思うんですよ。


それは、魔毒汚染。


魔毒というのは放射性物質粒子です、ひらたく言うと。


そして元来の純正苗床や魔族の方々はもちろん、魔毒苔という赤紫色の地衣類から噴き出る胞子としても大気中に放出されます。


ただし、粒子直径や重量はもちろん、リュネ世界の大気制御の関係もあって、魔毒は魔族大陸からあまり外に出て行かなかった経緯があるのです。


これが某国発のPM2.5のような汚染粒子や、あるいは大規模な火山活動で成層圏まで撒き散らされた火山灰のような代物であれば、もっと大規模な大気汚染を引き起こしていたとは思いますけど…。


で、エマちゃん…痴女皇国国土局建設部長の高木エマニエルさんがルーン大陸をオーストラリアの類似品として改造造成した理由ですけどね。


オーストラリア大陸というのは、四方のうち三方が山に囲まれています。


そして、山の高さも山脈の長さもあって、中央部に海からの湿った空気がなかなか届いてくれないというのが、現地に砂漠が存在する理由なんだそうでして…。


つまり、魔毒を含んだ空気は大陸内からなかなか外に出て行かないように制御しやすいようなのです。


ただ、これでは農業の支障になるということで、痴女皇国世界でサハラ砂漠や企魔姦(たくらまかん)砂漠だの預言者半島だのといった砂漠地帯を緑化するのと類似の方法で水源をクリアして、農耕地に水を供給していると。


(それだけじゃなくて東部盆地の大規模地底湖から汲み出せる水、グレートアーテジアン盆地の水と違って淡水なのもあるだろ…)


(で、カスピ海の半分くらいの大型の湖を中央部に2つほど造成したと…)


つまり、エマちゃんは大型の湖を無人地帯に造成して、水源としたのです。


この巨大な湖の水源に使われる水ですが、NBだと6番や7番惑星となる木星または土星と類似構造の星や衛星並びにその近辺の小惑星帯から収集した氷を純水に浄化した上で使っているんだそうです。


で、この水を使用してルーン大陸中央部の緑化と生物相の定着作業が行われています。


そして同様類似の事業、NB本星はもとより3番5番惑星でも行っているとか。


この事業、特にルーン大陸では迅速に行う必要があるとかで、農地候補に上がった土地では地下資源の有無を調査した上で、あの超強力肥料のチン◯ネックス・ボッ◯ダスを投入してまでとりあえずは森林や草原に変えております。


そして、主に西方族と農業魔族・林業魔族が主力となる農業荘園を魔尼派聖母教会の監督の下の運営で、各地に開拓しているのが現状。


いえ、既に麦や米、豆や野菜の生産は端緒についておりまして、NB本土への輸出も始まっているんですよ。


この農産品や、あるいは牧畜地帯で飼育している家畜の出荷のためにも、淫化帝国の林業農園や金田やシベリアで使われていた長大な連節トレーラートラックが走れる道路や、そして鉄道の導入は必須だったのです。


(化石燃料資源については埋めたもんが変質するまではメタンとかを外惑星から持ってくるしかないんやけど、まぁそれはしゃあないわ)


(一応、石炭や石油については連邦世界の地球の昔の埋蔵量程度を最終的に確保する流れなんだっけ)


んで、このルーン大陸の開発の件。


魔王様のお城を新築するにしても移築または複製するにしても、そことなるべくカブらないようにして欲しいとなります。


なぜなら、魔王城を造ることすなわち、その地下に苗床の設置が必須となるからなのです…。


「それとだな、魔王様の監視役が近くに住む方が都合がいいだろう…何せ魔王様は苗床からあまり離れられない身の上ではあるが、それが逆にストレスとやらで暴走を引き起こしてしまうことにでもなれば、またぞろ問題の火種となりかねん…であるから、出来れば関係者の居城も近隣に建設しておいて頂く方が諸々に良いと思えるのだが…」

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