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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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大草原の小さな城 - Little Castle on the Prairie-・6

で。


このルーン大陸、実のところは場所も規模も地形もオーストラリア大陸に瓜二つなまでにクリソツだっていう話、お聞きになりましたでしょうか。


ただし、オーストラリアとは大きく異なる点が最低でも1つは存在します。


まず、グレートアーテジアン盆地の地底湖に蓄えられた水、塩水ではなく淡水なのです。


このため、通常の農業に使用可能。


そして、もっと重要な点があります。


NB本星は未だ可住化改造の途上にあって、地球型の植生や生物の移植を進めている状況にあります。


つまり、このルーン大陸においても、オーストラリアと完全に同一の植物や動物が既に暮らしている訳ではないのです。


そこで、リュネ世界由来の動物や植物の移住移植と、地球型の生物の混生が試みられています。


「これも頭痛のする話になっとるらしいなぁ…」


と、オーストラリアで言うとブリスベンくらいの位置にある、このルーン王城市の王室保護領司政官総督府庁舎…正式名称があんまりにも長ったらしいので、みんなからは城城城城と城としか呼んでもらえない気の毒な建物の総督府室におりますのはわたくし高木マリアンヌの実母である高木ジーナおかーさんです。


実年齢はおばちゃん通り越してそろそろおばーちゃんなのですが、諸事情あって厄年な33歳くらいの見た目になってます。


そして、この人は女はもとより男と比べても大柄な部類の180cmの身長を活かした体育会系な生活が長かった人です。


ただ、実の娘であるあたしや、父親も母親も違うんですけど高木家の血縁者なのは絶対確実に間違いない双子姉妹も同然な高木スザンヌにまで、ポールダンスのイロハを仕込むんか、普通。


それも、大人向けのショークラブでやるようなどすけべ系の展開の踊りですよ。


「いや、何かの時に役立つかわからんやないけ…それにマリアンヌ、お前もスザンヌも痴女皇国の女官、わけても幹部かつ皇族やろが…しかもお前ら、ベラ子の謹慎の代役とはいえどニコイチで摂政役にして二十五代目暫定金衣やったか、聖院金衣系譜の痴女皇国側の歴史に刻まれてしもうとるやんけ…」


「それとポールダンス覚えるのは関係ないと思うわよ、かーさん…」


ほんまに、困った母親です。


しかし、もっと困った存在になってしまったのが、我が父親のクリス・ワーズワース。


牝狩淫製剤の効き過ぎ症状か何か知りませんが、身辺周囲の女性…義母(あぐねすおばさま)遠縁の娘(べらちゃん)はまだしも、自分の正真正銘の実の娘までをも腹ボテ妊娠させようとするか、ほんま。


「マリアンヌもなんで断らんかったんや…」


お前がついていながらナニやっとんねんという本音、母親の頭の中を覗かずともその目と表情で瞬間的に悟れます。


しかし、本件についてはあたしも言いたいことがありますので、遠慮なく口に出します。


「かーさん愚問。それこそ痴女皇国の掟プラス聖母教会の規律じゃないの…全ての女官は父さんの前に股を開くのが元来の掟になってるでしょ…それこそ、これ決めたリーゼ姉を詰めるべき話と思うわよ…」


「マリアの方にも話をした。その結果が関係者の謹慎や…もっとも、お前については今まさにお前の言うたことがある上に、聖隷騎士団の行動規律はもちろん女官の規範規則に照らし合わせてもしゃあない言うことで不問になっとるけどな…」


と、言いたいことはあれど、仕方ないと言えば仕方ないという顔のかーさんです。


まぁ、白い方のリーゼ姉が仕切ってる聖院の側のジーナかーさんもそうなのですが、この人は痴女皇国でもかつては皇帝室秘書課長とかを歴任しており、リーゼ姉やベラちゃんはもちろん、皇族や痴女皇国幹部の行動や生活態度などを指導する立場を経験しています。


そして、露出狂で変態という点さえ除けば、基本的に連邦世界の日本で生まれ育った人なので倫理観はそれなりに持っている部類です。


ですから、かーさんがぐぬぬ顔をしてるのもわからなくはないのです。


普通なら、自分の娘を孕ませようとするなど、強姦罪だの近親相姦だのDVだの、パッと思いつくだけでも人間として色々終わってないかという話になってしまうと思うのです。


ですから、敢えて「ジーナかーさんがベラちゃん孕ませた結果産まれてきたのが高木エマニエルさん」なのは黙っておこうと思いますよ、ええ。


「全力で言うとるがな…」


「たださぁ、エマちゃんは言ってみればアフロちゃんとかペルセちゃんの同類でしょ…つまりかーさんとベラちゃんの娘さんの身体を借りて実体化したような存在じゃん…ちょっと特殊な部類と思うべきだからあたしも言わないようにしてたのよね…ただ、今回の父さんやアグネスさんやベラちゃんの暴走の結果の子供たちが普通に生まれてたら、それとは違ってさ、良くて単なる女官が生まれただけって可能性が極めて高いのよね…」


そうです。


これ、逆に父さんが吉村エイリーンとしてのスクルドさんではなく、運命選定種の神様としてのスクルドさんを孕ませていたら、それはそれで大変なことが起きていたそうなのです。


「まぁ、スクルドさんはお仲間にこってり絞られたそうだけどさ、あたしにしても妙な形で聖院金衣の後継を作りかねなかった訳だし、それにほら、第一ワーズワース家の跡取りを作る件にも干渉するじゃない…」


で、この高木マリアンヌ。


スザンヌや、昨今のルーン大陸における相棒のマルガリータちゃんと組む必要はありますが、十億卒の金衣級の力を使えなくもない立場です。


つまり、クリス父さんの心中は読めるのです。


ですので、衝動的にオスの本能で行動してもうた父さんを責めるのも酷な話ではないか。


そして精気を頂戴するのが至上命題となる聖院または痴女皇国女官としては、たとえそれが普通の現代社会の人間としては無茶苦茶な話であったとしても、とりあえず変態の欲望には応える方向でという件もありましたし。


それに何より、アグネスおばさまやジーナかーさんが股を開いた程度にはクリス父さんの性体験というのはそもそもが悲惨であった件が、関係者に影響していたのは特筆すべきじゃないかと思うのです。


「しかしマリアンヌ…うちが愚痴を言いたいのはその件だけとちゃう…リンジーさんの去就や…」


実は、リンジーさん。


本当はNB最年少首相への道を歩ませようというのが、かーさんの目論見だったのです。


しかし、本人がちょっと待ってと言い出しましてね。


私の実力的に、それが務まるのかとも。


「ケイシーちゃんを推してきたんやけど、ケイシーちゃんはちょっと政治向きやないやろと…政治家夫人ならまだしも、なぁ…」


で、リンジーさんの実のお姉さんであるケイシーさん、NBに帰国しています。


ただし、アルトさんの方の枠のお話で出ておったと思うんですけど、フレミング機関の一部門である外事第三室長という役職に就任されておられます。


実はこの外事第三室という部門、リュネ世界担当なのです。


そしてリュネ世界の住民をNBが重視する理由なのですが、リュネ魔族の保有する苗床という液体生命体…人間生成+遺伝子プールとでもいうべきそれを管理する技術、今後のNBには極めて重要だからです。


この苗床が産み出すのは、まず労働魔族と言われている生体ロボットとでもいうべき存在。


これは人間型に限っていませんが、農業林業漁業といった第一次産業はもちろん、昨今では建設建築や製造業加工業にも投入可能な形態と生態のものが開発されています。


この苗床に関する研究を推進するためにも、ファインテック茸島支社の研究開発設備、廃止ではなくNBに移転してでも苗床と魔族の研究と製品開発を進める必要があったのです。


そして、こうした単純労働向けのバイオテクノロジーが進展すればどうなるか。


ある意味では、少子化解消となるでしょう。


つまり、労働人口としての人間の量を減らすことができるのですから。


そして、魔族という存在と長年敵対してきたリュネ族というエルフめいた外観の存在の人々についても、その研究が進められています。


なぜならば、この人たちは魔毒という放射性物質粒子が空中に存在する環境限定ですが、空を飛んだり熱線砲のように運用できる剣を使えるからです。


つまり、魔族と併せて軍事用途にも投入可能な存在なのです。


「しかも、今や魔族の皆さんもリュネの皆さんも痴女種互換義体持ちやからな…痴女種の能力も使えるわけやんけ…」


そう、かーさんが頭を抱える通り。


現代の軍隊でも、そう簡単には勝てない戦力がそこにある上に、遠隔ドレインで人間そのものを行動不能にできたり、位階によっては対象の人間を操ることすらできてしまう痴女種女官または聖院女官を相手にしては、物理的な防御手段はまるで意味をなさないことになってしまうのです。


唯一勝ち目があるのは、痴女皇国にも1機が置かれているMIDIという無人戦闘機、あれの類似品です。


人が乗らない機械兵器に対しての勝利は、その機械を破壊するか行動を停止させるしかありません。


(まぁ、司令部なりにおる操縦や制御担当の人間を乗っ取って何かする方法もあるんやけどな…)


(それ以前にあたしらとの戦争が不毛だってことに気付くと思うぞ、理性があれば…)


(ところでリーゼ姉、リンジーさんのあのお願いって隠居も同然じゃない…あれOKにするの? かーさんもさ、本当ならリンジーさんというかキャラハン家に肩入れするつもりで準備してたわけじゃん…あれをちゃぶ台返しされるとさ、それこそアグネスおばさま他への謹慎とかさ、色々な波及影響が考えられるわよ…)


(とは言うけどなマリアンヌ…おめーの留学の問題と違ってよ、こればかりは本人の意向を無視して位打ち人事を発効するわけにもいかねーだろ…あたしも今のNBの副首相のマッジルベリーの爺さんとかさ、色々話をさせてもらったけどな…ま、ちょっとの間はルーン大陸で親子水入らずってのもいいんじゃねぇ? ジーナかーさんにはとんだとばっちりだけどよ…)

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