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『ダンジョン配信中に「変身!」と叫んでみた。〜魔法使いばかりの世の中で、重装甲のバイク乗りがソロ攻略で無双する〜』  作者: じょんどぅ


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第6話:暴走の紅、覚醒の白



## 第6話:暴走の紅、覚醒の白


「……あ、が……あああああッ!!」


ハデスの放つ紫の重力波が、俺の全身を押し潰す。

装甲の隙間から火花が散り、意識が遠のく。

だが、その絶望に呼応するように、腰のベルト――『アーク・ドライバー』が、心臓の鼓動よりも速く、激しく脈動を始めた。


**『――WARNING: OVER LIMIT(限界突破)――』**

**『――FORCE LOGIN: BERSERK MODE(強制ログイン:暴走状態)!!――』**


「なっ……何だ、この出力は!?」

ハデスが驚愕に声を上げた。


俺の視界が、真っ赤に染まる。

バイザーの奥で、俺の瞳が野獣のように発光した。

紅蓮の装甲に、ひび割れたような白い光のラインが走り、背中のマフラーが爆炎となって燃え上がる。


「オ……オオオオオオオッ!!」


理性が焼き切れる。

俺は自分を抑えつけていたハデスの腕を、文字通り「引きちぎらんばかりの力」で振り払った。


「貴様……システムを暴走させているのか!? 死ぬ気か!」


ハデスの警告など聞こえない。

俺は一歩踏み出す。それだけで、ハルカの工房の床がクレーター状に爆ぜた。

次の瞬間、俺はハデスの目の前にいた。

「速……っ!?」


ドォォォォォォン!!


俺の拳が、ハデスの腹部を捉える。

紫の障壁を貫通し、漆黒の装甲に巨大な亀裂を入れた。

そのまま容赦のない連撃。

右、左、そして頭突き。

洗練された格闘技術ではない。それは、ただ敵を屠るためだけの、純粋な暴力の嵐。


『おい……これ、本当に一条さんか!?』

『動きがバグってる……カメラが追いつけない!』

『同接40万人……でも、これじゃまるで怪物だ……』


ドローン越しに世界が恐怖に震える。

暴走した俺は、倒れ伏したハデスの首を掴み、そのまま壁に叩きつけた。

右脚に、どす黒い紅のエネルギーが収束していく。

必殺技のチャージ。だが、それは先日の華麗なキックとは違う。周囲の魔力を根こそぎ食い尽くす、破壊の渦。


「……レンさん、ダメ! やめて!!」


背後から、ハルカの悲痛な叫びが聞こえた。

その声が、わずかに俺の理性を繋ぎ止める。


「……ハ、ル……カ……?」


右脚のエネルギーが霧散し、膝をつく。

その隙を見逃すハデスではなかった。


「……ふん。不完全な覚醒か。だが、面白い。貴様のドライバーは、確かに我々の想定を超えて『進化』しているようだな」


ハデスはボロボロになった装甲を軋ませながら、背後の影に沈み込んでいく。


「一条レン。その命、今回は預けておく。……だが、次はない。そのベルトが貴様の魂を食い尽くす前に、私が回収してやろう」


漆黒の戦士は、不気味な笑い声を残して消えた。


変身が解け、俺は冷たい床に倒れ込んだ。

装甲が消えた後の体は、内側から焼かれたように熱く、指先一つ動かせない。


「レンさん! 大丈夫!? しっかりして!!」


駆け寄るハルカの顔が、涙で滲んでいる。

俺は、震える手で自分の腰にあるベルトに触れた。


……力が必要だ。

あいつに勝つための力。

そして、この暴走を抑え込み、誰かを守るための、正しい力が。


「……ハルカ。……第6層だ」

「え……?」

「第6層のボスを、倒しにいく。……このベルトを、俺の意志で、完全に制御するために」


魔法使いが支配するこの世界で、俺は「怪物」としてではなく、「ヒーロー」として立ち上がるために。

死線を越えた先に待つ、新たなる『変身』へと、俺は意識を向けた。


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