第4話:迷宮の整備士と、禁忌の門
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## 第4話:迷宮の整備士と、禁忌の門
爆風を切り裂き、俺は第5層の最深部へと着地した。
『ストライカー・ウィーラー』のタイヤが火花を散らし、強固な石畳を削る。
「……ここが、前人未踏の『禁忌の門』前か」
見上げるほど巨大な黒鉄の門。その前で、一人の少女が魔物の群れに囲まれていた。
彼女は戦闘職の鎧ではなく、工具袋をいくつも下げた**「職人」**の格好をしている。
「いや……来ないでっ!」
彼女が手に持った魔導レンチを振り回すが、Dランクの『鋼鉄狼』相手には分が悪い。
俺はアクセルを最大まで捻り、エンジンの咆哮を上げた。
「邪魔だ。どけ」
**『――BURST SHOT!!――』**
バイクのフロントカウルから放たれた深紅の光弾が、少女に迫っていた狼たちを次々と吹き飛ばす。
そのまま俺はドリフトを決め、少女と魔物の間にバイクを割り込ませた。
「え……? バイク……? 探索者が、バイクに乗ってるの……?」
呆然とする少女を背中に、俺はストリクスの装甲を響かせてバイクから降りる。
「下がってろ。ここは危ない」
「あ、あの! 気をつけて! その狼、普通の物理攻撃は――」
少女の言葉が終わる前に、俺の拳が最速で動いた。
物理攻撃が効かない?
それは、こいつの『防御システム』を上回る『衝撃』を与えていない奴らの言い訳だ。
**『――IMPACT GEAR: 01(インパクト・ギア:ゼロワン)――』**
ベルトのレバーを半回転させると、俺の右腕に重厚な拡張ガントレットが形成される。
一撃。
鋼鉄の狼の頭部が、まるで紙細工のように粉砕された。
「……うそ。あんなの一撃で……」
残りの群れが、俺の圧倒的な威圧感に気圧されて逃げ出していく。
戦闘が終わると、俺は拡張武装を解除し、少女に向き直った。
「怪我はないか」
「あ、はい! ありがとうございます……! 私、フリーの整備士をしているハルカって言います。誰も来ないはずの深層に、こんな凄いマシンが現れるなんて……」
ハルカの目が、俺の背後にある『ストライカー・ウィーラー』に釘付けになった。
恐怖よりも好奇心。彼女の瞳には、職人としての情熱が宿っている。
「……その、見たこともない駆動系、エネルギーラインの取り回し。もしよかったら、近くに私の工房(隠れ家)があるんです。そこでメンテナンスさせてくれませんか!?」
「整備士……か」
ベルトのシステムは自己修復機能を持っているが、現代の技術と組み合わせることでさらなる拡張ができるかもしれない。
それに、200話続く戦いには、信頼できる「メカニック」が必要だ。
「いいだろう。案内してくれ」
俺はハルカをバイクのリアシートに乗せた。
「わわっ、これ、どこに掴まれば……!」
「俺の腰だ。振り落とされるなよ」
爆音を響かせ、俺たちはダンジョンの闇の中、ハルカが隠れ家として使っている「セーフティゾーン」へと向かった。
そこは、後に俺の**「秘密基地」**となる場所だ。
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