第21話:自由の旗、第20層ベースキャンプ
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## 第21話:自由の旗、第20層ベースキャンプ
「……よし、ここなら『隠蔽魔法』と『物理障壁』の二重展開がいけるわ」
ハルカが祭壇の周囲に数基の魔導デバイスを設置すると、第20層の広大な空間に淡いドーム状の光が広がった。
管理局を退けた俺たちは、ここを一時的な**『自由区域』**として開放することに決めたんだ。
「お兄さん、見てよ! 配信のチャット欄がすごいことになってる!」
海斗がホログラム画面を表示する。
そこには、管理局の弾圧を逃れ、行き場を失った野良の探索者や、俺たちの戦いに感化された技術者たちが、続々と第20層へ向かおうとしている書き込みで溢れていた。
「俺たちがここに居座る限り、管理局は安易に手出しはできない。……ここを、誰にも支配されない『俺たちの場所』にする」
俺の言葉に応じて、配信画面には無数の寄付と共に、物資の提供を申し出る声が集まる。
数日後。
第20層には、ハルカの技術と世界中の支援によって、巨大な**『移動式工房』**が組み上がっていた。
ストライカー・ウィーラーの整備ドックはもちろん、海斗のアクセル・システムの調整用ベンチまで完備されている。
「レンさん、コーヒー淹れたわよ。……それと、これ」
ハルカが差し出してきたのは、一枚の古びた写真だった。
第15層のデータログを解析中に見つけたものだという。
そこには、若き日の「プロフェッサー」と思われる人物と、もう一人――俺のドライバーとそっくりのベルトを巻いた**『先代の戦士』**が写っていた。
「……父さん?」
不意に、記憶の蓋が少しだけ開く。
俺の無能だった過去、捨てられた記憶。
それは、このドライバーを守るために、誰かが意図的に封印したものだったのではないか。
「……あ、あの、一条さんですか!?」
不意に、キャンプの入り口から声がした。
見ると、ボロボロの装備を纏った一人の若い女性探索者が、震える手でカメラを回しながら立っていた。
「私、管理局の騎士団をクビになったんです。あなたの配信を見て……本物の『正義』がここにあると思って……」
彼女だけじゃない。その後ろには、十数人の探索者たちが続いていた。
彼らは戦う力は弱くても、確かな「意志」を持ってここまで降りてきたんだ。
「……歓迎する。ここは、変身したい奴らが集まる場所だ」
俺は、ベルトを巻かずに彼らと握手を交わした。
仮〇ラ☓ダーは、俺と海斗だけじゃない。
この場所を守ろうとする全員の思いが、いつか世界を変える力になる。
だがその頃、管理局の最深部では、次長ゼノスが狂気に満ちた目で「ある禁断の術式」を起動させていた。
「十二輝石が敗れたか……ならば、神の怒りをもってあの反逆者どもを焼き払うまで。……第50層の『封印』、その一部を解放せよ!」
深淵から漏れ出した漆黒の霧が、迷宮を侵食し始める。
平穏な拠点構築の裏で、真の絶望がその目を覚まそうとしていた。
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