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『ダンジョン配信中に「変身!」と叫んでみた。〜魔法使いばかりの世の中で、重装甲のバイク乗りがソロ攻略で無双する〜』  作者: じょんどぅ


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第16話:白銀の執行者、ストリクス・エボルブ


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## 第16話:白銀の執行者、ストリクス・エボルブ


「あ……ああ……ああああッ!!」


実験槽から溢れ出した白銀の液体ナノマシンが、俺の装甲の継ぎ目から深部へと浸透していく。

熱い。だが、それはバーニング・フォームのような「燃える熱さ」ではない。全身の細胞が、一つ一つ未知の法則で書き換えられていくような、冷徹なまでの「再構築」だ。


**『――EVOLUTION COMPLETE: "STRIX-EVOLVE"(進化完了:ストリクス・エボルブ)!!――』**


パァンッ! と、空気が弾けるような音が響いた。

爆炎と砂煙が晴れた中心に、俺は立っていた。


赤でも白熱でもない。

鏡面のように磨き上げられた白銀プラチナの装甲。

無駄な装飾は削ぎ落とされ、その姿はどこか神々しく、そして――ひどく無機質だった。


「な……何だ、その姿は……。貴様、何を変異させた……!?」


ボロボロのハデスが、恐怖に顔を歪めながら巨大なハサミを振り下ろす。

俺は避けない。ただ、右手を静かにかざした。


キィィィィィィン!!


ハサミが俺の数センチ手前で、見えない「力場」に阻まれて静止する。

物理法則を直接書き換える、エボルブ・フォームの固有能力。


「……終わりだ、ハデス」


俺の声は、自分でも驚くほど冷たく響いた。

感情が、どこか遠い場所にあるような感覚。


俺が軽く拳を突き出すと、ハデスの巨体が砲弾のように吹き飛び、背後の巨大歯車を何枚も貫通して壁に埋まった。

一撃。いや、触れただけだ。


「……これが、真の『システム』の力か」


『えっ……何、今の?』

『レンさんの動き、全然見えなかった……』

『かっこいいけど……なんか、怖いよ。今のレンさん』


配信画面のコメントが、困惑と恐怖に染まり始める。

これまでは「熱い戦い」を応援していた視聴者たちが、あまりに一方的な「蹂絶ぜつ」を前にして、言葉を失っている。


「レンさん……?」

駆け寄ろうとしたハルカが、思わず足を止めた。

俺から放たれる白銀のオーラが、周囲の床を塵に変えていたからだ。


「ハルカ、来るな」


俺はバイザー越しに彼女を見た。

網膜ディスプレイには、ハルカの心拍数、体温、魔力残量、そして『排除優先度:低』という文字が無機質に表示されている。


「……今の俺は、自分でも自分が制御できない」


その時、ハデスの埋まった壁が崩れ、異形の影が這い出してきた。

進化の余波を浴びたハデスは、もはや人の形を保っていなかった。装甲と肉体がドロドロに溶け合い、巨大な蜘蛛のような怪物へと変貌している。


「オ……オオォォ……コロス……スベテ……!」


「ハルカ、海斗。下がってろ」


俺は腰のレバーを、以前とは違う「滑らかな」動作で回す。


**『――FINAL EXECUTION: EVOLVE-STRATOS(最終執行:エボルブ・ストラトス)!!――』**


背中から白銀の翼のような放熱板が展開される。

俺が跳躍した瞬間、第15層の空間全体が、一瞬だけ「静止」した。


閃光。

着地した俺の背後で、異形の怪物と化したハデスが、一滴の血も残さず「光の粒子」へと分解され、消滅した。


勝利。

だが、そこには高揚感も、達成感もなかった。

あるのは、ただ「計算通りに処理を終えた」という冷酷なフィードバックだけだ。


「……お兄さん、本当に……お兄さんなの?」


海斗の震える声。

俺は変身を解こうとしたが、ドライバーが腰に癒着したように外れない。


俺の手は、白銀の粒子の余韻で、まだ微かに震えていた。

強大な力を手に入れた代償。

それは、世界との、そして仲間との「距離」だった。


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