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『ダンジョン配信中に「変身!」と叫んでみた。〜魔法使いばかりの世の中で、重装甲のバイク乗りがソロ攻略で無双する〜』  作者: じょんどぅ


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第13話:風の加速、鋼の拳



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## 第13話:風の加速、鋼の拳


「……自作だと? 嘘だろ」


目の前でエメラルドグリーンの旋風を巻き起こす少年。その名は、カイト(仮)。

彼が操るスケボー型のマシンは、管理局の重火器の間を縫うように跳ね、多脚戦車のセンサーを翻弄していく。


「お兄さん、見惚れてる暇はないよ! あのデカブツの装甲、俺の風じゃ削りきれない!」


「……わかってる。その道、無駄にはしない!」


俺はストライカー・ウィーラーのアクセルを全開にし、少年の作った風の道へと飛び込んだ。

背後では管理局の兵士たちが「二人目の変身者だと!?」「予備のベルトが盗まれたという報告はないぞ!」と混乱に陥っている。


『うおおおお! 2人目のライダーきたああ!』

『緑のやつ、スケボーかよ! スタイル良すぎ!』

『「自作した」ってさらっと言ったぞ今。天才か?』


配信画面の熱狂は最高潮に達し、俺のベルトから溢れ出すエネルギーが白く輝き始める。


「レンさん、今よ! あの少年の風に合わせて、炎を放出して!」

ハルカの鋭い指示が飛ぶ。


「……よし。カイト、合わせろ!」

「OK、お兄さん! 風を最大まで巻くよ!」


少年が急旋回し、多脚戦車の周囲に巨大な竜巻を発生させる。

そこに、俺がバーニング・フォームの炎を叩き込んだ。


**『――RESONANCE DRIVE: FLAME-TORNADO(共鳴駆動:火炎竜巻)!!――』**


酸素が食い尽くされ、超高温の渦が鋼鉄の戦車を包み込む。

耐熱仕様ではない管理局の兵器が、内側から電子回路を焼き切られ、沈黙した。


「……ふぅ。一丁上がりだね」


少年はスケボーを器用に手元へ戻すと、ヘルメットのバイザーを上げた。

現れたのは、まだあどけなさの残る、しかし不敵な笑みを浮かべた少年の素顔だ。


「俺は海斗カイト。……同じ名前の嫌な奴がいたみたいだけど、俺はあんたの『ファン』だよ、一条レン」


「海斗……。なぜ俺を助けた」


「決まってるじゃん。魔法使いが威張ってるこの世界を、あんたがブチ壊すところを特等席で見たいんだ。……それに、俺の『システム』のバグ、あんたのベルトと同期しないと治せないみたいだし」


彼は少し照れ臭そうに、火花が散っている自作ベルトを叩いた。

独学ゆえの不安定さ。だが、その情熱と技術は本物だ。


「……勝手にしろ。ただし、足手まといになったら置いていくぞ」


「へへっ、望むところだよ!」


こうして、孤独だった逃亡攻略に、新たな『翼』が加わった。

だが、その様子をモニター越しに冷たく見つめる影があった。


「……不完全な模造品が二人に増えたところで、運命は変わらん」


管理局の奥底。ハデス――漆黒の騎士が、闇の中で新たなベルトを手に取っていた。

それは、ストリクスの力を根底から無効化する、**『沈黙の装置』**。


世界中が熱狂する配信の裏側で、真の『絶望』が牙を剥こうとしていた。


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