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【100話で完結】ぼくのホーム オフィスには 人間きぶんの 猫が2匹いる  作者: 華奢 素数


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【10/1】ジジイがはしゃぐ喫茶店

朝、散歩を終え、そのままチェーン店の喫茶店に行くことがある。ご褒美だ。ショルダーバッグには文庫三冊。SF小説・ミステリー小説・エッセイ。この三ジャンルがあれば、どんな気分の上下左右にもカバーできる。いわば、外野選手のようなものだ。(ちなみに、ミステリー小説がセンターね。)


たまーにモーニングを頼む。コーヒー単品に200円プラスで、トーストとサラダとフルーツが付いてくる。たまのご褒美というか、自分を鼓舞するための(言い訳だね)……だ。


で、喫茶店で本を読めるかどうかは、ノイズをどれくらい心地よく感じ、どのレベルでノイズキャンセルができるかによる。


イヤフォンをつけて音楽を流して、本を読むができないので、耳はいつも素っ裸だ。聴くが読むと戦ってしまうのだ。(聴く=龍、読む=虎である)


喫茶店で裸耳で読書、できない人もいるだろうが、なんか話してる声が聞こえるぐらいが、集中できてちょうどいい。学校で教室ザワザワしていても勉強できるぐらいのあの感覚。


でもね、今日は違った。L字に四人テーブルが三台並べられ、僕はLの短い方に。Lの長い方にはテーブル二台、それぞれにジジイが。このジジイが対面で話をし始めた。顔見知りではない、会話を聴くとどうも、初対面だ。


ノイズキャンセル無効化してくる、ジジイ二人



天気、膝、天気、マイナンバー、天気、膝、市役所行きバス、天気

の話ばかりだった。耳障りなギザギザした声が交互に、響きあう。お互い同じことを繰り返して言う、オウム芸漫才のようで、吹き出しそうだった。


すると、少し遠くにいた強面のオジサンが……

「やかましいな、ジジイ! 静かにできへんのか」

とドヤした。それも、一人のジジイを目掛けて。


喧嘩慣れしているな。


複数人と喧嘩する場合は、一人ターゲットを決めて戦うと、中学時代の喧嘩番長・長岡が言っていたのを思い出した。


とにかく、もう一人のジジイは無視している。

「みんな迷惑しとる。ええ年してんねんから、考えてしゃべってくれや」

と終始強い。正論で、恐喝チックにならない合法注意。


みんなと言われて、他の客、僕しかいないのになぁ。


ロックオンされたジジイは、長期キープしている新聞を広げ、強面に目をあわせない。


無視されてるジジイは、スイーツメニューを見始める。


強面が

「頼むで、ジジイ」と言い、「えろぅ、すいまへん」とロックオンジジイが謝る。


強面が去り、ロックオンジジイが「誰がジジイやねん」と捨て台詞を吐き、レジに向かう。


残ったのは、無視されてたジジイだ。初対面のジジイと浮かれて話が弾んだのだが、そこは初対面。他人中の他人である。援護射撃をするわけでもなく、バツ悪そうにし、五分ほどしたら席を立った。


【ここでの問題点】

・ジジイ二人の浮かれたおしゃべり音量

・ロックオンジジイの自己認知能力(あなたはジジイである)

・強面の「みんな」と主語をワイドにするパワープレイ


【学んだこと】

・無視されジジイの非情さ(助け舟は出さない)

・気まずい場所からは、さっさと退出する

・正論でももう少し言い方はある


【思ったこと】

天気の話多すぎ。雨の話いくらしても、雨です。そして、雨が降るとたいてい寒くなります。あと、膝に効くアレは【ロンドロイチン】ではありません。

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