自慢の息子
「ああ、わかった、報告してくれてありがとうニコラスあと、リルの映像もありがとう グーゼラスにも見せるよ
それでルディの娘は大丈夫そうか
え? リルが? へ〜そうか でもあまり揶揄うなよ その手の話であいつ揶揄うとしばらくの間は口きいてくれなくなるぞ
そうだな そういう所はジュリアにそっくりだな
顔? そうか俺に似てきたか? でも髪色のせいだろ 黒髪にしたらポリーそっくりだぜ
まあ、元々従兄弟だしな その上父親も母親も双子同士だから似ていても仕方ないだろう
でも間違いなく血縁的にはポリーの息子だが 今は俺の息子には違いないからお前のいうことも一理あるな
ああ、自慢の息子さ
まあ・・・ とにかく引き続き頼む
そうだな そんなことがあったなら今晩あたりリルから連絡来るだろう
了解した ああ、ルディにはお前から話すんだろでもまだ絶対ルディにはリルの事はいうなよ
まだ時期じゃない ああ・・・・頼む それでは失礼する」
「ニコラスからか? 」
「ああ、あいつこの5年、学園長なんて仕事ないなんて毎日うちに来てリルの家庭教師していたくせに、今では毎日学園に行ってこまめに自慢してきやがる」
「自慢?ああ、リルの学園生活の報告か、お前も大人気ないな」とグーゼラスはクスリと笑う
「俺としては、リルから直接聞きたいのに、リルから夜かかって来る前に昼にニコラスがかけて来るから、あれだよ ほら!あれ! そう新鮮味!新鮮味がないんだよ 本当によ・・・ でも映像はありがたいけどな」とグーゼラスと召喚魔法の映像を見る
「すごいな、これであの体にあった魔力量しかないなんて「開放」したらどうなる……
あとやはりこれはジュリアの影響がすごいな… ん? あれ? グーゼラスお前何泣いてるんだ?」横を見たらグーゼラスが眼鏡を外して泣いてる
「いやあ、あのガリッガリの黒ねずみだった子が大きくなってこんな魔術を……と思ったら泣けてきた」
「グーゼラス驚くなよ!その黒ねずみちゃんが今日、ルディの娘を見事にエスコートしたらしい」
「ええっ!! 本当か!大人になったな〜 」とまた泣き出した
コンコンとノックの音がし、シーアスが扉を開け入ってきた
「旦那様、お客様がお見えです。リル様の学校の先生でジャイク・ボアノ様という方が旦那様にリル様についてお話ししたいと仰っておられます」
「ふむ、どこにお通ししたんだ?」
「応接室でございます」
「わかった行く グーゼラスお前も来い」
「かしこまりました、殿下」グーゼラスの従者モードのスイッチが入る
応接室に行くと恰幅のいい男が座っていた
「初めまして殿下、私ジャイク・ボアノと申します 実はリル様の件で、参りました 実は見てしまったんです私、リル様の召喚魔法を 七色に輝く光と光の粉あの魔力はあの方しかお持ちでなかったはず、本当に彼はあなたの息子な 」
コンテレールは、ボアノの話を最後まで言わせず遮った
「お待ちください、ボアノ先生 リルは、間違いなく私の息子です。いきなり失礼なお話ですね」
「ジーザメリウス殿下、単刀直入に言います、私は貴方に取り引きを持ち掛けているんですよ 貴方の大切な息子さんのこの話をたとえほんの少しだけの噂や疑惑であっても彼の方が知ればどうなりますかね。彼の方が捜されている方とリル様が御一緒かもしれませんし……ね」
「…… あなたの目的は、一体何なのですか」
「あなたにとっては、簡単な事ですよ。実は、私 大変困っておりまして、これだけご用意頂けましたら……」
ボアノは、ニヤリと笑いながら金額を書いた紙を差し出した
Sクラスのバカな生徒達の揉め事で学園長を捜しに行った時、偶然見てしまったリル・ジーザメリウスの本当の姿
私は、ついてる!コレは金になる。コレで借金取りにもう追い回される事もない
「ほお、ボアノさんあなたは借金取りの返済の為にこんな戯言をわざわざ私に言いにここまで来たのか」
「え! 」
「最後にひとつ教えてあげましょう、私は心を読み取る能力と寄ってくる虫は、必ず始末する能力があるんですよ」
「……」バシュ!
「愚か者め……。影、そこにいるか? こいつの回りを全て確認し、リルの情報などあれば抹消しろ。塵ひとつののこすな」
コンテレールが、パチンと指を鳴らすと床から闇が浮かび上がり、ボアノの亡骸をバキバキと音を立てながら引きずり込んでいった
「相変わらず、容赦ないですね。殿下」
「言っただろ寄ってくる虫を始末する能力があると……
ああ、そんな事よりサラフィンの所へ行ってくる あいつの息子の事で今晩あたりリルから通信があるだろうからな グーゼラス後は頼んだ
とりあえず先程の虫の件、ニコラスに報告しておいてくれ」
「かしこまりました」
そういうと、慌ただしく部屋をでた
虫の話は、リルにはしないでおこう でももう一度釘を刺しておいた方がいいな 特にアレクには関わるなと、本当に俺の自慢の息子さんは色々とやってくれるな まあ可愛いもんだけどな。そう思いながら魔獣の森へとコンテレールは馬を飛ばした
ご覧いただきありがとうございます。
今回ブラックな父上が少しでてしまいました。父上達の学園時代のお話もまたいずれ違う形で書きたいです。次回は、またリルに戻ります