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地球軍特別防衛隊  作者: 悪魔神官長
第二章 アメリカ奪還編

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第21話 孤高の雷から、繋ぐ橋へ

ハワイ基地を飛び立った『不死鳥(明星)』と『流星』は、その圧倒的な推力で太平洋を駆け抜け、到達したサンフランシスコ湾。


「光学映像出ます」


そこには、かつての観光名所の面影など微塵もない、地獄のような光景が広がっていた。


「……ひどい。ゴールデンゲートブリッジが、Alogの苗床にされている……」


霧の向こうから、山のような質量を持つ超大型Alog、600m級が、巣を守る様にエンジェル島に鎮座していた。


「くっ、エンジェル島に、超大型が巣を作っていやがる」

「坊や、作戦プランを出しなさい」

「由美、雷電、不死鳥からの情報をくれ!」

「その情報をもとに、雷電、頼むぞ!」


いくつかのプランを提示させ、さらに哲夫の修正を入れ、


「姉さん、今回のプランたちです」


春花はプランを一瞥し、通信をジャックへ繋いだ。


「ジャックさん、このプラン……どう思いますか?」


送られたデータを見たジャックは、冷徹な、しかし抑えきれない怒りを含んだ声を出した。


「おい、結城のボウズ。お前、死に場所でも探してるのか?」

「……っ。最善だと、信じています。俺が前に出れば、皆が……」

「それが間違いだと言っている! 前回の戦闘でマシになったかと思ったが、また『雷電が囮になればいい』という独りよがりに戻ってやがる。お前は、周囲を駒としてしか見ていない。……いいか、お前が真っ先に死ねば、残された奴らはどうなる?」


哲夫は息を呑んだ。その厳しい口調は、かつての恩師・杉里隊長のそれと重なった。

横で聞いていた杏が、静かに、だが鋭く割り込む。


「あの人も、同じことを言っていたはずよ。……哲夫、まだ分からないの? 杉里が最期にああ動いたのは、あなたの腕が足りなかったからじゃない。あなたがいつか『自分一人の力』よりも大きなものを動かす男になると信じたからよ」

「ですが、俺がもっと雷電を使いこなせていれば……!」

「使いこなすっていうのは、一人で無双することじゃないわ。雷電は、人が人を信じるための『橋』なんでしょ? ……いい加減、自分一人で背負うのはやめなさい」


杏の言葉を受け継いだジャックが、


「そうだ! 俺たちを、隣にいる仲間を信じな」


哲夫は、隣で不安そうに自分を見つめる亜理紗と由美の手に、そっと自分の手を重ねた。


「そうか。そうですよね」


その瞳には、迷いのない強い光が宿っている。


「新たなプランを送ります。……今度は、俺一人のための作戦じゃありません」


モニターに映し出された新しい輝き。それは、各機がパズルのピースのように噛み合った『ネットワーク』の図だった。


「まず、ミラー准将の『流星』を筆頭に、伊沢隊(大輔・カイルら)が先行。速度を生かしてサンフランシスコ湾の小型・中型群を殲滅、道をこじ開けます。……その間、俺と伏見隊が遊撃に回り、横から差し込んでくる増援を完全に遮断する」


その作成んを聞いたミラーが、


「ほう、我々に先陣を任せるか。面白い……!」

「道が開通した瞬間、真打ちの出番です。『不死鳥』を最前列へ。姉さん、全火力を叩き込んでエンジェル島の敵群を一掃してください。俺と伏見隊はその左右を固め、不死鳥を守りながら島へ肉薄します。……伊沢隊は、後方の『明星』で迅速に補給を受けてください。……最後は全員で、あの600m級を焼き払います」


それを聞いたカイルは、


「へっ、補給を受けたらすぐ戻ってきて、あんたの背中を守ってやるよ、哲夫!」


大輔も負けずに、


「俺だって、結城隊長を助けに最速で行きます!」


新たなプランを見たジャックは、


「……フン、最初からそう言え。いいプランだ、結城のボウズ」


Goサインを出した。

全員の意見が固まったところで、杏が宣言する。


「これより、我われNEasdpは、サンフランシスコに蔓延る超大型を、撃破します」

「みんな。やるわよ!」


春花の号令に、


「総員、戦闘配備! 持ち場についてください。艦載機は、伊沢隊を優先的に射出してください」

「由美、戦術リンクだ。今回は流星も追加だ」

「了解」

「それでは、ミラー准将、伊沢たちを頼みますわ」

「了解」


ミラーは、新たなブリッジ内で


「さぁ行くぞ! この船の『真価』を見せてやれ。艦載機は全機発進! 伊沢隊と連携しつつ流星を援護! オールウエポンズフリー! 撃って、撃って、撃ちまくるぞ! 味方には当てるなよ! リバースグラビティ、最大出力! 突撃せよ!」


物凄い速度で敵に飛び込んでいく、流星と伊沢隊。

攻撃開始の合図とともに、無数のAlogが爆散していった。


「敵、中型の重力場を確認! ビーム出力が減衰します」

「構うな! 中型の重力場くらいなら何とかなる! その分、数を当てろ! 艦載機もどんどん敵を削れ!」


そう言いながら、どんどん敵が集結している橋に近づいていった。

敵が消滅した隙間を縫って、大輔とカイルがその穴を通り、中型に肉薄していた。


「くっ、敵の重力場か。ビームの威力が落ちるってか? だがな。0距離ならば、減衰する暇がねぇだろう!」

「ふ、ここだ!」

「あっ、あの野郎、また、飛び道具かよ!」


そう言いながら、大輔を追い抜き、中型を切りつける。


「ちっ、かてぇ」


そのまま離脱し、もう一撃を食らわせようと敵を確認すると、


「オラオラオラ!」


大輔が、実弾を当てながら、さらに突撃してきた。


「この距離なら、ビームでも良いだろう」


そう言って、至近距離からのビームをすれ違いながら連打する。


「落ちろ!」


装甲から白い煙を出しながらも、カイルと大輔の連携攻撃で、一匹の中型を倒すことが出来た。

そこに、群がろうとしていた小型は、智則率いる伊沢隊と、流星の艦載機によって、蹴散らされていた。

先頭に居た中型を倒したことにより、ゴールデンゲートブリッジを覆っていた重力膜に『綻び』が生じたところに、流星が飛び込んできた。


「ハハッ! よくやった、坊主ども! 伊沢隊がこじ開けたその穴……一気に食い破るぞ! リバースグラビティ全開! 船体強度を信じろ、このまま橋の真下をくぐり抜ける!!」


巨艦『流星』が、まるで戦闘機のような機動で海面スレスレを滑走する。橋から突撃してくる小型が、流星の質量に弾き飛ばされていく。

それを見ていた大輔が、


「おいおいおい、体当たりを体当たりで返すのかよ! あれで、強度が下がっているのだよな?」


しかし、よく観察している智則が、


「いや、良く見ろ、リバースグラビティシールドで受け詰めるのではなく、受け流す様に使っている。あれなら、艦への被害は、ほとんどないはずだ」

「ポイントボニータ灯台、サットロ・バスズ方面から、中型および小型の編隊が後ろを取ろうとしています」

「後ろを取らせるわけには、いかないわね。不死鳥! 攻撃開始!」

「亜理紗! 由美! 俺たちも攻撃する。伏見隊の方も行けるか?」

「行けます!」


中型が接近してくるが、重力場を引きはがしてしまうので、格好の的であった。


「撃ち抜く!」

「撃てー!」

「誘導を頼むぞ!」


ドォォォォン!!


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