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地球軍特別防衛隊  作者: 悪魔神官長
第二章 アメリカ奪還編

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第18話 真実の弾丸

ハワイ指令室で、アメリカ本部を監視していた凛が、それをキャッチした。


「ファイヤーウォールのアルゴリズムを変更しているようね。私にかかればこの程度、朝飯前ですわ」


そう言いながら、コンソールを叩いていると、


「どうやら、始めるみたいです。いつでもぶんどれますよ!」


タブレット上では、蜘蛛たちがせわしなく動いて、開けた穴を維持していた。

EasdpJの高官たちが居た場所よりも、さらに豪華な場所が映し出され、


「地球の皆さん、こんにちは。我々は、人類の警察である、Easdp本部の司令官、アーチボルト・ガリクソン元帥である」


そう言って、恰幅の良いおっさんを筆頭に、数名のおっさんが映し出されていた。

その中にはハワイ基地を切り捨てた重鎮の一人の姿があった。


「我々は、日々、Alogからの攻撃を防いでまいりました。人類の警察としての責務を果たすためです」


そう言って、以前自分たちEasdpAが戦っていた、小型との戦闘を映画の様に映しだし、その正当性を歌っていた。

ガリクソン元帥が、悠然と話す姿に切り替わった。


「だが、最近では私利私欲に走る者たちがでて、困っている。Alogと戦う我らを裏切る者たちがいる」


そう言って、ハワイ基地の映像を悪意ある編集で映し出した。

まるで、悪者たちが集まり、私利私欲に走っているかのような動画を流し始めていた。

それを見ていた凛は、


「そろそろ、ぶんどりますよ!」


杏とミラーに合図を送ると、二人は頷いた。

Easdp本部の動画が流れていると、その映像の音声が消え、ノイズが入りだし、ブラックアウトした。

そして、徐々に光を取り戻した画像には、ハワイの美しい夕日を背に立つ、凛とした杏の姿が映し出される。


「世界中のみなさん、そして現在も最前線で孤立しているEasdpの士官、兵士の皆様。私は、新生Neo-E.A.S.D.P.(NEasdp)の代表、杏です。……今、皆様が見ているこの青い空は、かつて私たちが守ろうと誓った地球の姿です」


Alogを大量に撃破したことにより、空気が澄んで幻想的な風景を映し出していた。

なぜ、空気が澄んでいるのかは、誰にもわからなかったが、その風景を見て吐息を漏らしていた。

画面の右下には、混乱しているEasdp本部の様子が小さく映し出されていた。


「なぜだ! 完璧に防いでいたのではないのか! これでは、踊らされているぞ! EasdpJの二の舞ではないか!」


と、ガリクソン元帥が、通信担当と思われる兵士を殴り飛ばしている様子が、映し出されていた。

そして、その中継が流れた時、メインの画像が切り替わり、日本の惨劇と、それを笑い飛ばす本部の盗撮映像がオーバーレイされる。

それを見ていた、EasdpAの士官や兵士たちは困惑していた。


「まさか、日本を見捨てた」

「それどころか、我々も見捨てようとしている?」

「ハワイ基地は、不逞の輩が私利私欲を求めたって言ってるぞ」

「だが、あの映像はなんだ」

「あの方は、ミラー准将ではないのか?」


と、様々な憶測が飛び交っていた。

そして、再びメイン画面が切り替わり、杏が映し出されると、


「しかし、私たちが信じていた『本部』は、この空の下で戦う人々を『誰だか分からん』と切り捨て、見捨てました。……彼らが守っているのは皆様の命ではなく、自分たちが座る安全な椅子に過ぎません。……ですから、本日、ここに宣言します」


杏は、カメラの先のモニターの先に居る一人一人に話しかけるように静かに、そして力強く話す。


「私たちは、人類を守る機能を失った旧Easdpを解体すると宣言します。……これより、ハワイ基地を中心とするNeo-E.A.S.D.P. (NEasdp)こそが、人類の正当な後継組織として、地球圏の全ALogの掃討を開始します。……志を同じくする者たちよ、我々の下へ集いなさい。私たちは、一人も、一秒も、見捨てることはありません」


そして、メイン画像が静かに明転すると、NEasdpのロゴマークが浮かび上がっていた。

右下の小さな枠内では、力なくへたり込んだ重鎮たちと、どなることをやめないガリクソン元帥の姿が、流れ続けていた。

凛が、タブレットのさやかと、いつものように指タッチして、


「……完全掌握完了ですわ。世界中の軍事回線のトラフィックが、一気にこちらへ流れ込んできています。……あ、ガリクソン元帥、まだマイクが入っていることに気づかずに、部下に八つ当たりしてますわよ。無様ですわね」


杏は深いため息をつくと、少しだけ肩の力を抜いた。


「……これで、もう後戻りはできないわね。……ミラー准将。あとは、あの人たちを『椅子』から引きずり下ろすだけですわ」


覚悟を決めた顔をした杏を見ながら、ミラーは敬礼しながら、


「……承知した。司令部より全米の残存部隊に打電する。……『救世主は現れた。誇りある者はハワイへ、あるいは不死鳥の翼の下へ集え』とな」


それを聞いていた春花が、


「とにかく情報収集と、情報拡散が急務のようね。凛、状況は?」


指令室のスクリーンに、世界地図を表示させ、


「現在確認できている超大型は2匹。アメリカに居座っていますわ。また、大型が発生しているようで、各地域に飛来している模様」


春花は、表示された移動経路を指でなぞりながら、


「やつらは、どうやってかはわからないが、人口密度が高い地域を目指しているように見えるわね」

「そういえば、他の地域にいるAlogは、どんな感じなんだ?」


ミラーが不安な表情で問いかけると、凛がホログラムのウィンドウを閉じながら、


「それが、アジアやヨーロッパからの情報が、完全に入ってこないのですよね」

「まさか、全滅したのか?」


それを聞いた哲夫は、顔を青ざめた。

タブレットの蜘蛛たちに指示を出して、確認していた凛が、


「人が全滅したか、インフラが完全に破壊され通信出来ないか。とにかく、全く反応がないですね」

「フム。いちど、そっち方向にも、偵察機を飛ばしたほうが良いな」


ミラーのつぶやきに、ジャックが、


「だが、距離があるぞ? 艦載機だけでは、かなり厳しいぞ」

「新造船を建造するしかないか」


足が必要だと考えたミラーだったが、ジャックは続けた。


「だが、資金も資源もないぞ?」


その話を聞いていた凛は、


「資金は、ありますよ。資源も」


ジャックが驚きながら、


「どこにあるのだ?」


凛は、指令室のスクリーンに映っている世界地図に、さらに情報を加えた。


「EasdpJとEasdp本部の資金はNEasdpに移動済みですし、資源に関しても、こちらに輸送させれば良いですわ」


お金と資源の流れを見た春花は、


「凛、いつの間に、そんなことを!?」


凛は、タブレット内のさやかと指タッチをしながら、


「システムを完全掌握したから、ちょちょいのちょいと」


それを聞いていた杏が、身震いしながら、


「凛。怖い子」


と、呟いた。

資金と物資のめどが付いたことから、春花は自分の考えを述べた。


「それなら、岩蔵さんに頼めば、建造してくれそうね」


そんな春花の考えに、ジャックは反論する、


「流石の岩蔵でも、1から作るのでは、時間がかかるのではないのか?」

「いやー、明星型なら、目を瞑ってでも建造しそうですよ」


春花の回答に凛も同調した。


「確かに、建造しそうですね」


こうして、明星型の量産計画が、岩蔵に丸投げされることとなった。



「ぶえっっくしょん!」



その頃、整備兵と親睦会を開いていた岩蔵は、ここ一番のくしゃみをしていた。



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