第17話 届かぬ叫び、静かな涙
雷電から降りた三人は、真っ青な顔をしていた。
「あらあら、あんたたち! 派手にやってくれたようね!」
そう言いながら、慶子が真っ先に近づいてきた。
「かぁさん」
亜理紗は慶子に抱き着き、泣いていた。
横に居た由美も涙を流していた。
「ほら、あなたも、良く頑張りました」
そう言いながら、由美の背中を叩いていた。
「……ふふっ。慶子さん、痛いわよ……。でも、なんだか……落ち着いたわ」
そんな二人を見ながら、哲夫は考えていた。
(しかし、あれは、あの大型だけが特別なのか・・・)
そんな哲夫を見て、
「ほら、今は、考える事をやめなさい。何も考えず、ゆっくりとするの。良いわね」
そう言って、哲夫の思考を止めた。
ボロボロのワイルドスピードを見て、岩蔵が怒鳴り声を上げます。
「カイル! お前、この機体をここまでボロ雑巾にしやがって! ……だが、よくあの重圧の中でアクセルを離さなかった。……褒めてやるのは、修理が終わってからだ。さっさと降りて治療を受けてこい! 折れてるのだろう?」
そう言われたカイルは、口元に滲んだ手を、乱暴にふき取った。
「この俺が、このざまだとはな」
「ふん。もっと鍛えて、こいつの機体(期待)に答えて見せろ!」
そういうと、カイルを送り出した。
「お前もだ、佐々木のボウズ」
コソコソと逃げ出そうとしてた大輔であったが、折れた骨に響いて、思うように歩くことが出来なかった。
「まったく。どいつもこいつも餓鬼なんだな」
そんな様子をタブレットで見ていた凛は、
(バカばっか)
と、呟き。タブレット上のさやかも、ため息をつきながら、やれやれと吹き出しに出していた。
ボロボロの機体から降り立ったEasdpJの生き残りたちは、不死鳥のハンガーで杏に会い、近況を報告していた。
「我々には敵対の考えはありません。もっと早くに合流したかったのですが、不要な暴力から民を守るために、時間がかかってしまいました」
「私たちも、EasdpJの高官たちをそのままにしておいたのは、悪かったわね」
「時間が足りなかったのですよね?」
「それは、言い訳でしかないわ」
「ですが、あなた方のお陰で、日本からAlogを追い返し、EasdpJの恐怖からも解放することが出来ました。ありがとうございます」
「とにかく、今はゆっくり休んでください」
「了解です」
そんな中、凛はタブレットを叩き、EasdpJの暴走映像、大型Alogの誕生、そして自分たちがそれを『救った』記録を編集していた。
杏が、ブリッジへ帰ってくるころに、編集作業を終わらせ、
「おかえりなさいお嬢様、準備完了ですわ。アメリカ本部(EasdpA)が『ハワイ基地の反乱』としてフェイクニュースを流す前に、この真実を世界に叩きつけますわよ」
「そうね。後は、アメリカ本部がフェイクニュースを流すタイミングで割り込むわよ」
「EasdpJの時と、同じって事ね」
ハワイ基地のミラー准将とも話し合い、その時を待っていた。




