第15話 禁忌の果実
機体の改修作業が終了し、それぞれ飛行訓練や戦闘訓練を行っていると、基地内に警報が鳴り響いた。
「EasdpJが日本中に向けて緊急声明を発表します。こちらで、モニターしています」
ノイズ交じりの画面には、EasdpJの高官たちが映し出されていた。
「我々は、EasdpJです。これより我々は、Alogに対する切り札を発表します」
そういうと、実験施設に画面に切り替わる。
「これは、Alogに対抗するための、最強の兵を作る実験です」
そういうと、一人の眠っている男に何かを埋め込んだ。そう、Alogの核である。
しばらくして、男は目を覚まし拘束具を解いて、唸り声をあげた!
「うぉおおおおおお!」
画面は高官たちに戻り、
「この、拘束具をも引きちぎる、最強の兵を持って、我われEasdpJの裏切り者である、NEasdpを打倒せよ!」
その発言を聞いて、EasdpJの兵士たちは、
「Alogに対抗するのではないのですか?」
「人類同士で戦う意味は、ないですわ」
と、憤っていた。
EasdpJのすべてをハッキングし終えている凛から、恐ろしい情報が届いた。
「先ほどの男ですが、なにやら変です」
そういって、EasdpJの放送を乗っ取り、実験施設の場面に切り替えた。
「ぐぉおおおおおおお!」
男は苦しみながら、周囲を破壊していった。
「な、なんだ!? と、止めろ! 奴も、映像も!」
高官たちの悲痛な叫びも流され、収拾がつかなくなっていた。
「なんて、惨いことを」
杏は、直視できなくなっていた。
しばらく苦しんだ男が、見る見るうちに、Alogへと変貌していった。
それを見ていた凛は、
「ま、まさか、先ほど埋め込んだのは、Alogの核なの?」
春花も、
「な、なんて非道な事を」
その時、同時に見ていた高官たちは、
「あの施設は遠かったよな? 破棄してしまえ!」
と、ののしり合っていたが、同時期に、基地内でも核を植え付けており、基地内部からもAlogが湧きだすこととなった。
その映像を見ていた杏は、
「何という事なの!?」
さらに、その生み出されたAlogが集まりだした。
タブレットで解析していた凛は、
「あの、Alogは、今までのAlogとは、別の動きをしています」
そのまま見守ることしかできない一同をよそに、Alogにさせられた民たちは導かれるように集結した。
杏は、集結している映像を見ながら、
「同じところに集まって、何をする気なの?」
ここは、指令室の様で、先ほどまでふんぞり返っていたEasdpJの高官たちの、無残な姿が映し出されていた。
その横では、集まっていたAlogにさせられた民たちがさらに、その姿を変えていった。
そのエネルギーを吸ったAlogの複数の核が、突然変異を始め、大型へと進化する(世界初の事例となった)
それを見た岩蔵は、
「……なんじゃあ、ありゃあ。人間が……Alogに飲み込まれて、あんなデカくなりやがったのか」
凛は、
「こんな事は初めてです。まさか、グレードアップするなんて」
春花も、
「今の、EasdpJには、大型を倒せるほどの火力はありません」
魁は、
「直ちに救援に行くべきです」
そこへ、EasdpJから通信がはいる、
「我々はEasdpJに反旗を翻すもの。ハワイの連中を巻き込むのは忍びないが、死鳥の火力でなきゃアレは殺せないんだ! 日本をこれ以上戦渦に巻き込みたくはない。我々が囮になる。この怪物を日本の外へ連れ出す! 杏お嬢様、どうか……あとは頼みます!」
その通信を受け、杏が答えた。
「……分かりました。その命、無駄にはさせません。准将、私たちは救援に向かいます、受け入れなどの準備をお願いします」
杏からの要請に、ミラーは、
「了解した。あの三人も連れて行ってくれ」
杏は即座に答えた。
「こちらこそ、お願いしますわ。不死鳥、発進準備! 太平洋を赤く染める前に、その化け物を海の底へ沈めなさい!」
港があわただしくなる。艦載機や、明星などを急ピッチで不死鳥に運び込んでいた。




