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魔女と汽車-人間の魔女とエルフの弟子-  作者: 白波
第5章 北から東へ

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第23話

 北部連邦のナギサから東部連邦のセイアへ向かう蒸気船。その展望デッキにマーガレットたちの姿はあった。

 ナギサからセイアまでの間、いくつかの島国を経由していくこの航路は、北の大陸と東の大陸を結ぶ大陸間航路であると同時に両大陸の周辺にある島国に物資や人を届けるという役割も持っている。そうして数週間という時間をかけて船は最後の目的地である港町セイアに至るというモノになっている。

 現在、マーガレットたちを乗せた船はセイアの到着する前の最後の寄港地である東部連合の島国であるララ共和国のララ港を目指して航行中だ。

「いやぁ海って広いんですねー」

 時々島がある以外には基本的に海面が広がる風景を見ながらアイがつぶやく。

「そうね。ここまで広いとは思っていなかったわ」

 それに対して、マーガレットはため息交じりに返答する。北の大陸のやや西側から東の大陸の北西を目指しているということを加味しても、思ったよりかなりの時間がかかっていることは事実だ。正直な話、大陸間の移動と言っても鉄道で移動するように数日とかで移動できるのだろうと考えていたのだが、各寄港地での荷物の積み下ろしのたびにまだセイアにつかないのかと考えてしまう。まぁ最も次の寄港地を無事に出発できれば、船旅は一旦終わりを告げるわけだが……最も、五つある大陸の中で北の大陸は比較的小さく、気候や地形の関係上ある程度人口が集まっており、各都市間の移動の時間が短いという話もあり、それが少々気になる点ではあるのだが……

「こうして、海ばかり見ていても暇だし、ララに寄港したら少し街を歩きましょうか」

「はい。それもいいかもしれないですね」

 先ほど船員から聞いた話によると、ララ港では荷物の積み下ろしなどを行うために一日程度停泊するのだという。これまでもいくつかの港に寄港し、似たような期間停泊することもあったのだが、船から降りることはなかった。

 しかし、この船の上にずっといるという環境に少々飽き飽きしてきたので、寄港している間にいったん船を降りて町を散策してみようという考えに至ったのだ。

「はぁララに着けば久しぶりに地上を歩けそうね」

 マーガレットは遠くに見え始めた島影を見ながらそうつぶやいた。


*


 ララ港に到着してから約三十分。マーガレットたちは一時下船の手続きを済ませ、ララ港へと降り立った。

「……なんだか地上にいるとなんだか安心するわね」

「そうですね。船と違ってふわふわしませんからね」

 マーガレットにとって長期間の船旅というのは初めてで、何日も船に乗船し続けるという状況にはいまいちなれない。これまでは船から降りても大してすることはないだろうと考えて、途中の寄港地でいったん降りるということはしなかったのだが、さすがに船の上だけでの旅というモノに飽きてきたのでこうして船をいったん降りたのだ。最も、今回の航路の最終目的地であるセイアは目と鼻の先であり、そこに着けばいやでも地上での旅が待ち構えているのだが……

 今、マーガレットたちが降り立ったララ共和国はいくつかの小さな島で構成されている島国でララ港からはマーガレットたちが今回乗船している大陸間航路のほかにララとほかの島々を結ぶ船が出入りしている。なので、ララ港はララ共和国にとっては大事な施設であると同時に一番活気のある場所だともいえる。

 現にララ港から少し離れたところにある市場にはナギサほどではないにしろ多くの商店が並び、生活必需品からララを訪れた観光客向けのお土産まで様々なモノが売買されているのだという。

 マーガレットたちはそんなララの市場の方へと向けて歩いて行く。

「あっ魔法使いの人だ!」

 どこからか男の子の声が聞こえてきたのはちょうどそんなタイミングだった。

 その声が聞こえてきた方を見てみると、地元の子どもたちと思われる集団が興味深そうにこちらを見ていた。

「こんにちは。私は魔女のマーガレットよ。そして、こっちは弟子のアイ」

「よろしくなのです」

 あいさつをしたあと、そのまま子どもたちと会話をしてみると、どうやらララ共和国には定住している魔法使いは存在していないらしく、マーガレットたちのようにたまに船に乗ってやってくるぐらいなのだという。なので、この国において魔法使いという存在は非常に珍しいものだとか。そんな中でいかにも魔女っぽい格好をしているマーガレットは自然と目立つ存在になってしまうようだ。

 そんな話をしているうちにもだんだんと子どもたちが集まってきて、段々と周囲が騒がしくなってくる。こうなってくると、彼らが期待していることは何となくわかってくる。きっと、魔法を見てみてみたいのだろう。

 マーガレットは『花束を作る魔法』を使って、現れた花束を最初に声をかけて来た子供に渡す。

「すげー何もないところから花が出てきた」

「ほんとだーすごーい」

 そうなるとざわめきはさらに大きくなり、まるで大道芸人でも来ているかのような雰囲気になる。

「ちょっとだけだからね」

 マーガレットはそう言って、子供たちを前にしていくつかの魔法を披露した。

お読みいただきありがとうございます。


ついに二人は北部連邦を旅立ちました。この先の旅路もしっかりと書いていきたいと思っています。


この先もお読みいただけると幸いです。よろしくお願いします。

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