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武闘会があるらしい

特殊ジョブなんていう気になるワードが出てきたけど、一旦それは置いておく。なんなら百人斬りの内容もまだ見ていないしな。そんなことより、勝敗は引き分けかぁ…なんかパッとしないけど、負けるよりはよし。何より、手加減状態で引き分けってことは本気には絶対勝てないってことだから、おとなしく引き下がろう。

続行しないを選択すると、このゲーム内ではじめてのリスポーンが行われた。なんというか、ゲームに再ログインした時みたいな感覚だ。

そうしてリスポーンした場所は…どこだここ?マップマップ…へぇ、リンネ教会ワーヒドゥ支部ね。リンネってのはヴォルフの言っていた生命の神だとして、本部はどこにあるのかな。

そして、体を起き上がらせると真横にはヴォルフが寝転がっていた。


「あ、起きた?いやー、生き返る感覚ってのはあんまり気分がいいものじゃないね。決闘相手から聞かされてはいたんだけど、俺って死ぬのはじめてだからさ。そういえば君は来訪者だったよね?生き返るのって何回目?」


こいつ生き返って早々よく喋るなぁ。


「俺も今回が初めてだ。気分はそんなに悪くはないけど…あぁ、少し体がだるいかな。」


よく見たらステータスが0.8倍されていた。デスペナルティ1時間だって。現実の時間だと20分ってとこだな。デスペナルティの間の狩りは推奨されていないってことだろうから、その間はログアウトしてトイレしたり水分補給したり、リアルの用事を済ませておけってことかな。

まぁ今はそんな時間はない。さっさと戻って撮影会をしないと、明日に回すとやりたいことができなさそうだからな。


「へぇ、体がだるくなるんだ。どのくらいで治りそう?」


「まぁ、あと1時間くらい…って、まさかまだ決闘をするつもりか?」


「そうだよ?引き分けってなんかもやもやするじゃん?」


「いやー、手加減されて引き分けってそれもう負けみたいなもんでしょ。今回は俺の負けだ。」


「うーん、そっかぁ。まさか『剛剣乱舞』の最後の十番目を放つ前に反撃されるだなんて考えられなかったから、もう少し君の戦い方を見たかったんだけど…

あ、そうだ!君、いつかサマーエアに来なよ!そこに俺たち犬人の街があるんだ!今日はちょっとしたイベントの準備をしにこっちに来てたんだけど、普段の俺はこの亜人国中をふらふらしてるからね。でもサマーエアには妻がいるから、いつでも帰れるようにちょっとした仕掛けをしてるんだ。サマーエアにくれば妻を通して分かるから、その時はまた決闘しよう!」


「いいね。その時までに俺も今より強くなっておくよ。」


「おお、頼もしいね。あぁでも、あんまり今より太くなったりしないでよ?妻は結婚相手は俺みたいな頼もしいのがいい♡なーんて言ってるけど、鑑賞用としては細身な美少女美少年が大好きらしいからね。今の写真より太くなられると妻ががっかりしちゃうよ。」


こいつの奥さんもたくさん写真を撮りそうな気がするな。気分はモデルさんってところだろうか。


「まぁ、あんまり太い筋肉をつける気もないからたぶん大丈夫だ。あんたみたいに大剣を振り回すわけじゃないし。」


「そうかそうか。じゃあ妻にもそう伝えておかないとな。そういえば、まだ君の名前を聞いてなかったね。俺の名前はヴォルフ。犬人の街にいるけど、犬人じゃなくて狼人族さ。流浪の剣士なんて呼ばれてるけど、実際はただの旅好きのおっさんだよ。君は?」


「俺はクノイチ。見た目は女っぽいかもしれないけどちゃんと男で、猫人族の来訪者だ。」


「そうか、クノイチ。その名前はちゃんと妻にも伝えておくよ。サマーエアは、この先の沼地を超えたアルバァの街のさらに先、氷雪地帯の中にある街だから、そっちで会うのはまだ先かも。猫人族なんだから、まずは平原を超えた先にある猫人族の街サラーサに行くのもいいかもしれないね。」


こういうとこでありがたい情報が聞けるのか。NPCだからってスルーせずに、情報収集しておくと収穫がありそうだ。

それはそうと、レベルが足りない内から足場の悪そうな沼地に行きたくはないから、まずは平原の先を目指すことにしよう。


「情報ありがとう。まずは猫人族の街に行ってみることにするよ。同族の街ってのには興味があるからね。」


「まぁ亜人ってくくりだとみんな同族だけどね。あと、サラーサは猫人族の街である前に六つの街の中心にある大都市だからね。だいたいのものはサラーサにあると言っても過言じゃないのさ。もっと質の良いものを手に入れたいなら本場に行かなきゃ行けないけどね。」


サラーサはなんでも揃うけど、最高品質のものは無い、ということかな。ある程度の準備をするって意味でもまずはサラーサに向かうのが良さそうかな。


「ヴォルフさま、そろそろお時間が…」


「あれ、長老?もうそんな時間?うわっもう8時か…今日は生き返ってすぐだからダルいし、悪いけど、イベント準備には明日から参加するよ。あぁそうそう、ここにいる来訪者クノイチくんはね、多少の手加減はしたけど、俺の予想を超えて相討ちにまで持ち込んだ強者(つわもの)だからね。来訪者達を招集して行う今回のイベント、なかなかに楽しいことになりそうだよ?」


「なんと、そのような方が…これは期待できそうですな。」


…なんかじーっと見られてるんだけど、それもちょっと尊敬入ってない?ヴォルフって強そうだとは思ったけど、そんなすごいひとだったのか?というかなんか反応した方がいいのか?


「…ど、どうも。クノイチです。」


なんだよこの挨拶は!というかこういう時ってどんな挨拶すればいいんだよ!


「…どうも、ワーヒドゥの長老です。おそらく明後日くらいには正式に発表されるでしょうが、来訪者達のみが参加できる武闘会を開こうと考えておりましてな。ヴォルフさまが一目置かれるあなたにも、ぜひ参加していただきたいものですな。」


武闘会!絶対に参加しよう!


「ええ!ぜひ参加させてください!」


「では、こちらも楽しみにしておりますよ。ではヴォルフさまも、また明日よろしくお願いします。」


「それじゃあ、俺も宿に戻るよ。武闘会、楽しみにしてるよ。」


明後日ってことは、現実では明日の8月2日に発表だったってことかな。こういった情報の先取りもできるなら、やっぱりNPCって大事だなぁ。

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