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ヴォルフ戦、決着!

『剛剣乱舞』。スキル名から推測できるけど、たぶん連撃系だ。まぁ避け辛い連撃かなぁくらいに考えていたけど、どうも違ったらしい。そもそも『剛破斬』のときは赤いオーラを剣に纏っていたのに対し、今回は身体中を包んでいた時点で感づくべきだった。


「はぁっ!せいっ!はあぁっ!!」


「なっ、このっ…あっぶねぇ!」


確かにやってきたことは連撃だった。だけど俺は、モーション固定でとにかく超速でぶん回してくるのかなぁ、なんて考えていた。そんな数秒前の自分を殴り倒してやりたい。

『剛剣乱舞』はおそらく強化スキル(・・・・・)だ。一発一発が『剛破斬』と同じような火力が出ている可能性もありながら、固定モーションではなく向こうの思うがままに振っていることは間違いない。

初撃三発はノーダメージで躱せたが、あの野郎四発目でほんの一瞬動きを止めて、こちらのタイミングを崩すような振り方をしてきやがった。

おかげで剛破斬を受けた時と同じように余波に巻き込まれてしまい、HPが1低下する。こちらの残りHPは8なのに対し、向こうのHPはまだ1たりとも減っていない。


「!っいいね!今のにも反応するのか!」


「やっぱ攻撃範囲いかれてるだろ!掠ってすらいないってのにダメージ入れてくるとか訳わかんねぇ!」


五発目!左から右への結構素直な振り回し!しっかりと背後に跳んで余波の範囲からも逃れる!

しかし、このままではヴォルフが言っていたように避けきれなかった亜人の仲間入りだろう。この状況を切り開く方法は、今の俺には一つしか(・・・・)ない。

ヴォルフの武器は大剣だ。本人に技量と筋力が理由なのか、俺と同じ速度で振ってはいるが、その形状特有の弱点というものは持っている。

まず一つは、遠距離攻撃に弱いということだ。これは大剣に限らずあらゆる近接武器に共通する弱点ではあるが、ゲームの中なら対抗策くらいあるかもしれない。それこそあの分厚い剣身を盾にするとかな。

そして、そうでなくとも今の俺の持っている武器は刀一本だ。遠距離攻撃などやりようがないし、ヴォルフが遠距離攻撃に対する解答を持っているかは関係がない。

もう一つは、超近距離に対応できないってことだ。近接武器って名前で勘違いされるかもしれないが、真に超近距離にまで接近されてしまえば剣では対処できないのだ。考えて見てほしい。自分に密着したものを剣でどうやって斬れというんだ。無理に斬ろうとしても体制が縮こまってしまい、満足に剣なんか振れやしない。なんなら剣を離してインファイトした方がいい。

つまり、俺の取るべき手段は隙を晒すまで避けて待つことじゃない。そんなことをしていたらいずれ追いつかれる。俺が取るべき手段は攻撃と攻撃の間、隙とは言えないほどに短い攻撃の後隙にヴォルフに急接近、無理矢理にでも剣を振りにくい状況を作って無理矢理に隙を作ることだ!


六発目!斜めに切り上げる一閃!さらに半歩後ろに引いて直撃を避ける。そして残りHPは7!

七発目!振り上げた動きから流れるように上から下に振り下ろす動き。タイミングは崩されていないがただただ速く避けるのは難しい。俺は横にステップして剣を避ける。やはりHPは1減らされた。

八発目!地面に叩きつけられた剣を地面から擦り上げるように、斜め上方向に切り上げながら一回転。一旦俺から離れた剣は、俺から見てヴォルフの後ろ側に周り、再度俺の方に向かってきたときはその照準を俺の首に合わせている。ここだ!突っ込むにはここしかない!

思いっきりしゃがんで大剣の攻撃を避けようとする。ただ、あの速度を見てから避けているのに果たして避けられるのか…まだ当たる軌道…これなら避けられるはず…いや、まだ風切り音が近い…って!そうだ耳!耳をたたむんだ早く!!


「…あっぶねぇぞこの野郎!反撃じゃあ!!」


しゃがんで溜めた力を前に向かって解放する。結果として起こるのはヴォルフに対する急激な接近。さらに、しゃがんだ段階ですでに抜刀準備も整っている!


「なにっ、まさか今の隙を!?」


ああそうだ!スキル途中の隙なら突かれないとでも思ったか。思わねぇよなぁ!俺も吹っ切れてなかったら今の短すぎる隙に突っ込もうなんて思わない!

というかマジで危なかった!耳を斬られていたら負けていた…というか残りHPが2しかない。さっきのは掠るかどうかのギリギリで避けたからか、余波だけでHPが4も持っていかれたんだな。それこそ直撃なら斬られたのが耳一つであろうと即死だった筈だ。


「居合抜刀!」


ヴォルフの九発目がくるより早く、抜刀した刀を脇腹に叩き込む。しっかりとヒット。当てた感覚としては、やはり蜥蜴人族の特化DEFより明らかにダメージが入っている。俺と同じ、DEF無振り状態なんじゃなかろうか。そして残心。急接近した状態でヴォルフの次に備える。


「やるねぇ、『剛破斬』!」


なにっ!斬り下ろしだけの攻撃じゃなかったのか!

ヴォルフは八発目でぶん回した大剣を肩に担いだ体制から、『剛剣乱舞』に『剛破斬』を上乗せして斜めに切り払ってくる。少し後ろにステップしてから放ったことによって、超近距離では当たらなかったはずの剣の間合いに、俺の体はしっかりと収められていた。

だけど、ヴォルフしか動けないわけじゃない。残心ってのは、格好つけて決めポーズとってるわけじゃない。こちとら次の攻撃にも素早く対処するために集中してるんだよ!

しっかり突き入れるために、構えを霞の構えに変えながら、武器の間合いから離れるように接近…いや!HP2なんて余波だけで持っていかれてもおかしくない。現に先ほどHPを4も削られたじゃないか!つまり取るべきは接近しての回避ではない、後の先をとってなんとかクリティカルヒットをぶち当て、勝利の可能性をつなぐことだ!さっきのヒットの感覚からして、クリティカルじゃないとダメージが足りない!LUK補正なんてなくても技術があればクリティカルヒットするんだよ!

刀の間合いを取って攻撃すれば、HPを削り斬れなかった時に必ずヴォルフの剣に直撃する。それがどうした!結局ここで削り斬れなきゃ掠っただけで負けるんだ!

だったらここで放ってしまおう!左手を照準に右手で喉を突き穿つ!


「喰らえやぁぁあ!!」


「…!はぁっ!」


先に俺の攻撃が着弾し、続いてヴォルフの斬撃が俺の体を真っ二つに切り分ける。残り2しか無かったHPが底をつき、俺が負けたことを表しているかのように黒く染まって…


      〝両者のHPが0になりました〟

〝条件を達成したため特殊JOB『辻斬り』を獲得できます〟

         〝勝敗判定中…〟


〝両者同時にHPが0になったため、引き分けとなります〟

       〝決闘を続行しますか?〟

     〝続行する〟  〝続行しない〟

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