神託ログ48『神様と、無職のままで』
朝。
目を開けるより先に、右手を握った。
動く。
左手。
動く。
身体を起こす。
頭痛はない。
吐き気もない。
記憶も――たぶん、ある。
「俺は?」
声に出す。
レン。
職業、なし。
性質、ブレイカー。
魔力、三。
「……よし」
最後だけ、いらなかった気がする。
昨夜。
夢を見た。
『最初の名前を思い出せ』
目を覚ましたあとには、見たことのない表示。
【初期名称:照合不能】
そして、西から聞こえた声。
『明日、境界で待っている』
『――それが、本当に、お前の名前なら』
今日。
その“明日”になった。
怖い。
普通に。
かなり。
それでも。
一人ではない。
「おはようございます、レンさん」
フィリアの声。
「おはよう」
【戦神ガルド】
『寝坊しなかったな!』
「俺を何歳だと思ってんだ」
【魔法神セレナ】
『精神年齢?』
「実年齢!」
【商神メルク】
『どちらも大差ないでしょう』
「朝から敵多くない?」
【知識神ノア】
『訂正。現在、敵対判定されている神はいません』
「そういう意味じゃない」
いつも通り。
それが。
今日は少しだけありがたかった。
◇ ◇ ◇
食堂。
リナはもういた。
そして。
俺の分のパンを持っていた。
「……何?」
「いや」
「食べないの?」
「昨日は二個食ってたのに」
「根に持ってる?」
「ちょっと」
パンを受け取る。
「ありがと」
「うん」
それだけ。
昨日。
約束した。
変だったら止める。
危なかったら戻る。
たったそれだけの約束。
でも。
今日の俺には、十分だった。
◇ ◇ ◇
出発前。
大神殿の入口に、アリアが立っていた。
「レン」
「はい」
「これを」
紙。
地図。
昨日のものより細かい。
境界周辺。
水場。
退避できそうな場所。
帰路。
「昨日の夜に?」
「はい」
「寝た?」
「二時間ほど」
「寝て」
「帰ってきたら」
「今寝て」
「嫌です」
強い。
「それと」
アリアが俺を見る。
「昨日の百八名についてですが、変化はありません」
性質観測個体。
百九。
現在応答数。
百八。
一人。
観測から消えた。
「分かった」
「追跡は?」
「しない」
俺は答える。
「でも、調べる方法は探す」
「はい」
勝手に覗かない。
だからといって。
何もしないわけでもない。
難しい。
でも。
たぶん。
そういう面倒なところに。
俺が選びたいものがある。
「行ってきます」
アリアが頷く。
「行ってらっしゃい」
少し間を置いて。
「必ず、帰ってきてください」
「はい」
◇ ◇ ◇
西へ。
昨日と同じ道。
違うのは。
荷物が重い。
「リナ」
「何?」
「これ全部必要?」
「レンが入れた」
「誰だよこんなに入れた奴」
「レン」
知ってる。
水。
食料。
薬。
ロープ。
火起こし。
毛布。
予備の布。
そして。
母なる根から受け取った、小さな白い種。
袋の奥。
まだ。
何も起こらない。
「……お前、何なんだろうな」
種に聞く。
返事はない。
当然。
――ピコン。
【知識神ノア】
『現時点で詳細不明です』
「種に聞いた」
『失礼しました』
真面目。
すぎる。
「ノア」
『はい』
「境界」
『はい』
「越えたら、本当に聞こえなくなる?」
短い沈黙。
『可能性は高いです』
「戻ったら?」
『復旧する保証はありません』
「そっか」
歩く。
昨日。
境界の前で。
俺は切らなかった。
何を壊すか。
分からなかったから。
今日も。
それは変わらない。
だから。
今日も。
分からないままなら。
切らない。
それでいい。
◇ ◇ ◇
昼前。
森の空気が変わった。
鳥。
少ない。
風。
ある。
葉も揺れている。
なのに。
妙に静か。
「近い」
リナが言う。
「分かる?」
「昨日と同じ」
俺にも。
分かった。
神様の声。
少し。
遠くなった気がする。
接続は。
まだある。
「エリオス」
『いる』
「ガルド」
『おう』
「セレナ」
『いるわよ』
「メルク」
『います』
「ヴォルグ」
『……いる』
「ノア」
『はい』
「フィリア」
『ここにいます』
七柱。
いる。
「点呼?」
リナ。
「大事」
「遠足みたい」
「神様七人連れてく遠足って何」
その時。
足。
止まる。
あった。
黒い線。
道を。
横切っている。
昨日と。
同じ。
細い。
ただ。
そこにあるだけ。
壁でもない。
光ってもいない。
なのに。
向こう側だけ。
世界が。
少し。
遠い。
「…………」
昨日。
いた。
影のない存在。
今日は。
いない。
「待ってるんじゃなかったの?」
リナ。
「俺に聞かれても」
五分。
待つ。
何も。
起きない。
十分。
「……帰る?」
「早い」
「いや、待ってるって言ったの向こうだし」
「確かに」
その時。
「遅い」
声。
前。
俺とリナ。
同時に構える。
いた。
いつから?
境界の。
向こう。
人。
男。
たぶん。
年齢。
分からない。
若くも。
見える。
疲れても。
見える。
灰色の髪。
黒い服。
武器。
見えない。
そして。
やっぱり。
影がない。
太陽。
出てる。
俺とリナには。
影。
ある。
そいつには。
ない。
「昨日の」
俺が言う。
男。
俺を見る。
「来たか」
「呼んだのそっちだろ」
「来るとは思わなかった」
「じゃあ呼ぶなよ」
リナが小さく笑った。
男の目が。
リナへ。
動く。
「職業を外した女」
リナの顔。
変わる。
剣。
手。
かかる。
「違う」
俺。
言う。
男。
見る。
「リナは、外されたんじゃない」
「…………」
「自分で」
少し考える。
「まだ決めてる途中」
男。
初めて。
少し。
笑った。
「そうか」
「何がおかしい」
「いや」
男。
俺へ。
戻る。
「思ったより」
「似ていない」
「誰に?」
答えない。
「名前」
男。
言う。
「聞かせろ」
昨夜。
夢。
同じ。
質問。
『名前は?』
「レン」
「それだけか」
「今は」
男の目。
細くなる。
「今は?」
「アルヴェインって名前もあった」
リナが俺を見る。
「でも」
続ける。
「今の俺は」
「レン」
風。
吹く。
黒い境界。
揺れない。
「ブレイカーは?」
男。
聞く。
「力の名前」
「職業は?」
「ない」
「神は?」
七柱。
声。
聞こえる。
俺は答える。
「いる」
男。
一瞬。
眉。
動く。
「捨てなかったのか」
「何を?」
「神を」
「捨てる必要ある?」
「ある」
初めて。
即答。
空気。
変わる。
リナの手。
剣。
握る。
俺は。
まだ。
抜かない。
「理由は?」
「神がいる限り、人は自由にはならない」
男。
静か。
怒ってない。
叫ばない。
だから。
余計に。
重い。
「職業」
「名前」
「祝福」
「神託」
「役割」
「善悪」
「正解」
「全部」
一歩。
こちら。
近づく。
境界は。
越えない。
「上から与えられたものだ」
俺。
七柱。
思う。
ガルド。
走らせた。
セレナ。
魔法。
メルク。
銅貨。
ヴォルグ。
木剣。
フィリア。
助ける。
ノア。
知らない。
エリオス。
責任。
たしかに。
たくさん。
教えられた。
でも。
「だから?」
男。
目。
少し。
開く。
「与えられたもの全部捨てたら」
俺。
言う。
「自由なの?」
沈黙。
「俺」
「神様から色々もらったよ」
「知識も」
「考え方も」
「助けも」
「たぶん」
「面倒も」
――ピコン。
【商神メルク】
『最後は余計です』
今。
入ってくるな。
「でも」
男を見る。
「使うかどうかは」
「俺が決める」
男の表情。
消える。
「それを」
「自由って言ってる」
長い。
沈黙。
男。
笑った。
今度は。
さっきと。
違う。
少し。
寂しそうに。
「同じことを言った奴がいた」
心臓。
鳴る。
「誰」
「知らないのか」
「知らない」
「なら」
男。
一歩。
後ろ。
「まだ早い」
「またそれ?」
「昨日も言われた」
「来るな」
「戻れ」
「死ぬぞ」
「言ったのは」
「お前?」
「違う」
即答。
俺とリナ。
固まる。
「……違う?」
「ああ」
「じゃあ」
「昨日」
「俺に話しかけてたの」
「誰?」
男。
口。
閉じる。
「答えろ」
「知らない」
今度は。
こいつが。
言った。
分からない。
じゃない。
知らない。
「お前でもない?」
「あれは」
男。
初めて。
境界の。
西。
見る。
「俺たちの声ではない」
俺たち。
聞き逃さない。
「仲間いるんだな」
男。
こっち。
見る。
「いる」
「何人?」
「教えない」
「名前は?」
「教えない」
「目的は?」
「教えない」
「ケチ」
「お前に言われたくない」
「俺そんなケチ?」
リナ。
横。
「たまに」
「今?」
男。
また。
少し笑う。
敵。
なのか。
まだ。
分からない。
でも。
少なくとも。
こいつ。
俺たちを。
歓迎。
してない。
「一つ」
男。
言う。
「答えてやる」
「何?」
「お前が」
「一番知りたいことだ」
嫌。
な。
予感。
「お前は」
「なぜ」
「神に拾われた?」
第一話。
あの日。
死んだ。
気づいたら。
神様。
いた。
異世界。
来た。
無職。
だった。
それから。
ずっと。
目の前。
こと。
多すぎて。
ちゃんと。
考えなかった。
「偶然じゃないの?」
男。
首。
横。
振る。
「違う」
七柱。
沈黙。
「エリオス」
呼ぶ。
返事。
少し。
遅い。
『……私たちにも』
『分からない』
男。
聞こえて。
いる?
境界。
向こう。
なのに。
「そうだ」
男。
言う。
「神々は知らない」
「お前を育てている」
「その神々は」
「お前がなぜ選ばれたか」
「知らない」
空気。
冷たい。
「じゃあ」
「誰が知ってる?」
男。
自分。
指。
ささない。
西。
指す。
「向こうだ」
境界。
先。
「来い」
「そうすれば」
「教える」
リナ。
俺。
見る。
七柱。
声。
ない。
俺。
黒い線。
見る。
一歩。
近づく。
男。
待つ。
あと。
少し。
越えられる。
ブレイカー。
使わなくても。
足。
一本。
向こう。
出せる。
「レン」
フィリア。
声。
聞こえる。
『私は』
言葉。
詰まる。
『行ってほしくありません』
昨日の。
エリオス。
同じ。
命令。
じゃない。
願い。
「うん」
『ですが』
「うん」
『決めるのは』
フィリア。
続ける。
『レンさんです』
笑う。
「それ」
「言えるようになったね」
『……誰のせいですか』
「俺?」
『はい』
「じゃあ」
「俺も」
境界。
見る。
「育成できてるな」
【戦神ガルド】
『何だと!?』
【魔法神セレナ】
『調子に乗るな!』
【商神メルク】
『料金を請求します』
【知識神ノア】
『相互学習という表現が適切かと』
【鍛冶神ヴォルグ】
『……悪くない』
エリオス。
最後。
『レン』
「うん」
『私は』
『お前を止めたい』
「うん」
『だが』
少し。
震えてる。
『止める理由を』
『私自身が』
『まだ知らない』
「うん」
『だから』
『調べる』
ああ。
この人も。
変わった。
「頼む」
俺。
男。
見る。
「今日は」
「行かない」
男。
表情。
変わらない。
「答えを知りたくないのか」
「知りたい」
「なら来い」
「嫌」
「なぜ」
「お前を信用してない」
リナ。
吹き出す。
男。
黙る。
「あと」
俺。
言う。
「神様の声」
「消えるかもしれないんだろ」
「そうだ」
「なら」
「なおさら」
「今は行かない」
「神が怖いからか」
「違う」
俺。
首。
振る。
「まだ」
「教えてもらってる途中だから」
七柱。
沈黙。
リナ。
笑う。
男だけ。
笑わない。
「育てられなければ」
「自分で立てないのか」
挑発。
たぶん。
昔の俺なら。
ムッと。
した。
でも。
今。
「別に」
肩。
すくめる。
「一人で立つ必要なくない?」
男。
止まる。
「俺」
「一人で何でもできるようになるために」
「育ててもらってるんじゃない」
言いながら。
気づく。
そう。
だった。
「自分で」
「選べるようになるために」
「教えてもらってる」
ガルド。
セレナ。
メルク。
ヴォルグ。
フィリア。
ノア。
エリオス。
全員。
正しくない。
俺も。
正しくない。
だから。
聞く。
考える。
選ぶ。
間違える。
また。
選ぶ。
「だから」
「今」
境界。
指す。
「越えない」
男。
しばらく。
何も。
言わなかった。
やがて。
「……そうか」
背。
向ける。
「待って」
止まる。
「お前」
「名前は?」
男。
振り返らない。
「ない」
「職業」
「ない」
「性質」
少し。
間。
「ある」
昨日と。
同じ。
「名前つけないの?」
「必要ない」
「俺は」
「つけた」
「知っている」
「ブレイカー」
「そう」
「悪くないだろ」
リナ。
「自分で言う?」
うるさい。
男。
少し。
横顔。
見える。
「名をつければ」
「それに縛られる」
「名を持たなければ」
「縛られない?」
「そうだ」
「じゃあ」
俺。
言う。
「俺とは」
「考え方違うね」
男。
初めて。
完全に。
振り返る。
目。
合う。
「だから」
「会いに来た」
その言葉。
意味。
聞く前。
男の姿。
薄くなる。
「待て!」
「次は」
声。
遠い。
「西で会おう」
「だから行かないって!」
「来る」
「何で決めんだよ!」
最後。
男。
笑った。
「お前は」
「そういう奴だからだ」
消える。
◇ ◇ ◇
帰り道。
「何だったの」
リナ。
「知らん」
「敵?」
「分からん」
「味方?」
「それは違う気がする」
「名前ないって」
「うん」
「職業も」
「うん」
「性質ある」
「うん」
二人。
歩く。
「似てるね」
リナ。
言う。
「誰に?」
「レン」
「どこが」
「面倒くさいところ」
「敵より先に味方から刺された」
リナ。
笑う。
俺も。
少し。
笑った。
◇ ◇ ◇
夕方。
大神殿。
帰る。
アリア。
入口。
いる。
「早くない?」
「待ってました」
「ずっと?」
「はい」
「寝た?」
「…………」
「寝て」
「報告が先です」
強い。
俺たち。
帰って。
きた。
約束。
守った。
その夜。
七柱。
全員。
呼ぶ。
別に。
会議。
する。
つもり。
なかった。
でも。
気づいたら。
全員。
いた。
「なあ」
言う。
「俺」
「まだ」
「育成対象なんだよね?」
一瞬。
静か。
最初。
答えたの。
ガルド。
『当然だ!』
セレナ。
『魔力三で卒業できると思ってるの?』
「そこ!?」
メルク。
『経済観念も不足しています』
「銅貨大事にしてるじゃん!」
ヴォルグ。
『剣もまだだ』
「はい」
ノア。
『知識量については――』
「長くなる?」
『はい』
「じゃあ後で」
フィリア。
笑う。
『人を助けることについても』
「うん」
最後。
エリオス。
『レン』
「何?」
『私は』
少し。
間。
『お前を育てるという言葉の意味を』
『勘違いしていたのかもしれない』
「どういうこと?」
『正しい場所へ』
『導くことだと思っていた』
昔。
なら。
そう。
だった。
『だが』
『違うのだな』
『お前が』
『自分で選べるようになるまで』
『共にいること』
『それも』
『育てるということなのかもしれない』
俺。
少し。
考える。
「じゃあ」
「まだまだだね」
『……そうだな』
「よろしく」
『ああ』
一拍。
「七人とも」
返事。
重なる。
うるさい。
バラバラ。
でも。
それで。
いい。
◇ ◇ ◇
夜。
部屋。
一人。
窓。
開ける。
西。
見る。
境界。
ここからは。
見えない。
あの男。
名前。
ない。
職業。
ない。
性質。
ある。
神。
いらない。
そう。
言った。
俺。
違う。
職業。
ない。
性質。
ある。
でも。
神様。
いる。
必要。
か。
不要。
か。
そんな。
二択。
じゃない。
明日。
また。
何か。
教わる。
たぶん。
失敗する。
怒られる。
ガルド。
走れ。
言う。
セレナ。
魔力三。
キレる。
メルク。
金。
取る。
ヴォルグ。
説明。
足りない。
フィリア。
答え。
くれない。
ノア。
正確。
すぎる。
エリオス。
悩む。
俺。
振り回される。
それで。
いい。
机。
上。
白い種。
置く。
隣。
木剣。
ある。
何も。
なかった。
俺。
少しずつ。
増えた。
でも。
一つ。
変わってない。
表示。
出す。
【名称:レン】
【職業:なし】
【性質:ブレイカー】
見る。
笑う。
「結局」
「無職かよ」
――ピコン。
【商神メルク】
『働きなさい』
「最後くらい綺麗に終わらせろよ!」
声。
聞こえる。
笑い声。
七つ。
俺も。
笑う。
異世界に来て。
無職になった。
神様に拾われて。
七人に。
育てられて。
世界の。
おかしなところ。
少し。
見つけた。
名前。
職業。
神。
性質。
まだ。
分からないこと。
山ほど。
ある。
西には。
俺を知る奴らがいる。
俺が。
なぜ。
ここに来たか。
知っている奴も。
いるらしい。
怖い。
でも。
行く。
急がない。
誰かに。
決められない。
自分で。
選ぶ。
そして。
選べなくなったら。
聞けばいい。
神様でも。
仲間でも。
誰でも。
聞いて。
考えて。
最後。
俺が。
決める。
窓。
閉じる。
明日。
何。
するかな。
その時。
――遠く。
西。
誰にも。
聞こえない場所。
黒い境界の。
向こう。
名前のない男が。
一人。
歩いていた。
「越えなかったか」
暗闇。
声。
返る。
『予定と違う』
男。
止まる。
「いや」
少し。
笑う。
「これでいい」
『なぜ』
男。
東。
見る。
境界。
向こう。
神々のいる場所。
レン。
いる場所。
「神を捨てる奴なら」
「いらなかった」
『…………』
「神を信じ切る奴でも」
「いらなかった」
歩く。
その先。
暗闇。
一つ。
二つ。
三つ。
人影。
増える。
誰にも。
影。
ない。
『では』
『あれは』
『何だ』
男。
答える。
「まだ」
「無職だ」
沈黙。
そして。
初めて。
男。
楽しそうに。
笑った。
「だから」
「面白い」
さらに。
西。
遥か。
遠く。
古い。
何か。
目を。
開く。
【第109代育成対象】
文字。
浮かぶ。
【第一段階】
【完了】
一度。
消える。
次。
表示。
【第二段階】
【条件成立】
その下。
今まで。
一度も。
表示されなかった。
文字。
現れる。
【育成対象】
【レン】
そして。
【育成者】
空白。
七つ。
枠。
ある。
その下。
八つ目。
ゆっくり。
浮かぶ。
【未登録】
さらに。
九つ目。
十。
十一。
増える。
止まらない。
誰かが。
笑う。
『さあ』
『次は』
『神だけではない』
――第一章 完――




