↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神々は無職を選んだ  作者: 夜凪 灯
第一章 七柱と無職
PR
44/71

神託ログ44『私の剣』

「カイルが」


「生きてる?」



アリア。



頷く。



「正確には」


「保護対象として」


「現在も存在しています」



「それ」


「生きてるって」


「意味じゃない?」



「断定できません」



やっぱり。



そこ。



大事。



二百年前。



保護対象。



存在。



でも。



人間として。



生きてる。



とは。



限らない。



「先輩に」


「伝えよう」



「起こしますか?」



「二百年寝てたから」


「大丈夫」



リナ。



「その理屈」


「便利すぎない?」



「本人が」


「使ってた」



「じゃあいいか」



よくない。



気も。



する。



◇ ◇ ◇



先輩の。



部屋。



扉。



叩く。



返事。



ない。



もう一回。



「先輩」



返事。



ない。



「入るよ」



開ける。



ベッド。



先輩。



寝てる。



「めっちゃ寝てる」



リナ。



「二百年寝た人」


「まだ寝るんだ」



「人間だからね」



アリア。



「起こします」



容赦。



ない。



「起きてください」



「…………」



「カイルが」


「見つかりました」



先輩。



目。



開く。



早い。



「どこだ」



「母なる根」



身体。



起こす。



「生きてるのか」



アリア。



「不明です」



「記録では」


「保護対象として」


「存在しています」



先輩。



止まる。



「保護対象」



「ああ」



「知ってる?」



「その言葉は」



男。



顔。



曇る。



「昔」


「使ってた」



「誰に?」



「死なせたくない」


「対象に」



「人間?」



「人間も」



「も?」



「動物」


「植物」


「精霊」



「生命を」


「維持する必要がある」


「もの」



「じゃあ」


「生きてる可能性は」



「ある」



「でも」



先輩。



ベッド。



降りる。



「人間のままとは」


「限らない」



◇ ◇ ◇



出発。



七時間後。



アリア。



きっちり。



六時間。



休んだ。



「本当に」


「六時間だった」



「約束しましたので」



「寝れた?」



「四時間二十七分」



「細かい」



大神官。



準備。



早い。



禁足地。



母なる根。



調査。



名目。



同行。



神官。



三名。



護衛。



二名。



俺。



リナ。



アリア。



先輩。



「人数」


「多くない?」



リナ。



「禁足地だからな」



大神官。



「むしろ少ない」



「神様は?」



「まだ切ってる」



「大丈夫?」



「不安」



正直。



言う。



「でも」


「今は」


「繋がない」



「うん」



七柱。



頼れる。



何度も。



助けられた。



でも。



いないと。



何も。



できない。



それも。



違う。



◇ ◇ ◇



神殿。



北東。



道。



進む。



最初。



普通。



森。



鳥。



いる。



虫。



鳴く。



風。



ある。



半日。



過ぎる。



植物。



変わる。



紫。



「ムラサキネムリ」



道。



脇。



一輪。



二輪。



さらに。



進む。



増える。



「やっぱり」


「繋がってる?」



アリア。



しゃがむ。



葉。



裏。



見る。



「三本の」


「白い葉脈」



同じ。



村。



見た。



もの。



「持っていく?」



「採取します」



袋。



入れる。



先輩。



紫の。



花。



見る。



「これ」


「昔もあった」



「母なる根の周り?」



「ああ」



「毒あるの」


「知ってた?」



「毒?」



「知らない?」



「薬草だった」



「…………」



アリア。



顔。



上げる。



「二百年前は?」



「少量なら」


「熱を下げる」


「薬にしてた」



「大量なら?」



「腹を壊す程度」



今。



違う。



子ども。



危なかった。



黒い水。



毒。



環境。



変わった。



植物も。



変わった。



可能性。



ある。



◇ ◇ ◇



夜。



野営。



焚き火。



先輩。



火。



見る。



「レン」



「何?」



「お前」


「魔法」


「使えるのか」



「一応」



「一応?」



「魔力3」



「弱いな」



「知ってる!」



リナ。



笑う。



「見せて」



「何で?」



「二百年前の」


「魔法と」


「違うかもしれない」



それ。



ちょっと。



気になる。



枝。



一本。



置く。



普通の。



火。



指。



向ける。



「――灯れ」



小さい。



火。



ぽっ。



出る。



先輩。



「ちっさ」



「言うと思った!」



リナ。



「私も」


「最初そう思った」



「仲間増えた」



嬉しくない。



先輩。



火。



見る。



「普通だ」



「何が?」



「魔力を」


「使ってる」



「分かる?」



「ああ」



「昔の」


「管理者だから?」



「たぶん」



「じゃあ」



異常な。



火。



見せる?



迷う。



「もう一個」


「ある」



「魔法?」



「分からない」



「危険?」



「燃えない」



「火なのに?」



「ああ」



先輩。



顔。



変わる。



「見せろ」



「今?」



「小さく」



「できるか」


「分からない」



「じゃあ」


「やめろ」



早い。



「見たいんじゃ?」



「危険なら」


「やるな」



「まとも」



「失礼だな」



少し。



笑う。



でも。



先輩。



続ける。



「その力」



「何?」



「自分で」


「名前つけた?」



「まだ」



「誰かに?」



「知らないやつに」


「壊す者って」



「それは」


「名前じゃない」



「え?」



「呼び方だ」



火。



見ながら。



言う。



「名前は」


「自分で決めろ」



◇ ◇ ◇



翌日。



さらに。



北東。



白い。



根。



地面。



出始める。



最初。



指。



くらい。



次。



腕。



くらい。



さらに。



進む。



人。



胴。



くらい。



「でかい」



リナ。



触れようと。



する。



「待って」



俺。



止める。



「村の根と」


「同じなら」


「生きてる」



「そっか」



手。



引く。



先輩。



しゃがむ。



「変わってない」



「二百年前と?」



「ああ」



「大きさは?」



「でかくなってる」



「変わってるじゃん」



「見た目が」



「紛らわしい」



白い。



表面。



薄い。



脈。



動く。



生き物。



植物。



どっち。



分からない。



でも。



確かに。



命。



感じる。



フィリア。



いたら。



分かる。



だろう。



呼びたい。



でも。



まだ。



呼ばない。



自分で。



見る。



◇ ◇ ◇



昼。



前。



森。



開く。



「…………」



声。



出ない。



巨大な。



白い。



樹。



違う。



樹。



みたいな。



根。



地面。



突き破って。



何本も。



絡まり。



空。



向かってる。



幹。



ない。



枝。



ない。



葉。



ない。



根。



だけ。



なのに。



高さ。



神殿。



塔。



近い。



「これが」



大神官。



「母なる根だ」



周囲。



紫。



花。



一面。



風。



吹く。



紫。



揺れる。



綺麗。



なのに。



怖い。



「カイル」



先輩。



前。



出る。



「どこだ」



返事。



ない。



「カイル!」



声。



森。



響く。



何も。



ない。



アリア。



記録板。



出す。



「保護対象の」


「位置を」


「確認します」



板。



光る。



【保護対象】



【一名】



【状態】



【継続】



【位置】



表示。



矢印。



下。



「地下」



俺。



言う。



「また地下」



リナ。



「最近多いね」



「俺も思った」



◇ ◇ ◇



入口。



探す。



見つからない。



先輩。



白い。



根。



間。



歩く。



「昔は」


「ここに」


「穴があった」



「塞がった?」



「二百年だぞ」



「そりゃ」


「塞がるか」



リナ。



地面。



見る。



「ここ」



「何?」



「風」



しゃがむ。



根。



隙間。



小さい。



穴。



手。



かざす。



「下から」


「来てる」



「さすが」


「狩剣士」



リナ。



止まる。



俺。



しまった。



みたいな。



顔。



した。



らしい。



「何その顔」



「いや」



「言っていいよ」



「え?」



「狩剣士」



リナ。



剣。



柄。



触る。



「嫌いじゃないから」



「…………」



「私」


「狩剣士だし」



一拍。



「でも」


「それだけじゃない」



笑う。



「だから」


「いい」



「そっか」



「うん」



小さい。



会話。



でも。



大きい。



気が。



した。



◇ ◇ ◇



根。



傷つけない。



よう。



土。



掘る。



護衛。



神官。



全員。



作業。



一時間。



穴。



広がる。



階段。



出る。



石。



古い。



人工。



「また施設」



アリア。



目。



輝く。



「嬉しそう」



「記録が」


「ありそうなので」



「怖い」



先輩。



階段。



見る。



「ここだ」



「覚えてる?」



「ああ」



「カイルと」


「最後に」


「来た場所」



降りる。



◇ ◇ ◇



地下。



白い。



根。



壁。



天井。



床。



全部。



這ってる。



でも。



壊して。



ない。



石。



避けて。



伸びてる。



「賢い?」



リナ。



「分からない」



「意思ある?」



「分からない」



「分からない多い」



「それでいい」



前。



なら。



嫌だった。



答え。



欲しかった。



今。



少し。



慣れた。



通路。



奥。



扉。



ある。



古い。



文字。



先輩。



止まる。



「ここ」



「カイル?」



「ああ」



扉。



開かない。



取っ手。



ない。



中央。



手。



形。



窪み。



「認証?」



アリア。



「可能性があります」



「俺?」


「触らない方がいい?」



全員。



俺。



見る。



「何」



リナ。



「触る人だから」



「まだ言う?」



先輩。



「俺がやる」



手。



置く。



何も。



起きない。



「権限」


「なくなった?」



「たぶん」



アリア。



試す。



何も。



大神官。



何も。



リナ。



「私も?」



「待って」



俺。



扉。



見る。



文字。



薄い。



掠れてる。



『保護対象以外』



『入室――』



最後。



読めない。



「保護対象」



「カイルだけ?」



「じゃあ」


「外から入れない?」



先輩。



「昔は」


「俺も入れた」



「管理者だったから?」



「ああ」



「今は」


「違う」



「じゃあ」



俺。



手。



出す。



「やっぱり」


「俺?」



リナ。



「触るんだ」



「他ないでしょ」



「慎重に」



「はい」



手。



置く。



冷たい。



一秒。



【個体確認】



嫌な。



予感。



【名称】



【レン・アルヴェイン】



次。



【職業】



【なし】



次。



【管理者権限】



【拒否済】



「覚えてる」



【誓約継承】



【保留】



「それも」



次。



長い。



間。



【性質】



文字。



揺れる。



【未確定】



その下。



【部分一致】



【通行を許可】



カチ。



扉。



開く。



「性質で?」



アリア。



「そのようです」



「何と」


「一致した?」



表示。



消える。



「分からない」



また。



それ。



◇ ◇ ◇



中。



狭い。



部屋。



中央。



白い。



根。



一本。



太い。



そこから。



繭。



みたいな。



もの。



吊られてる。



人。



いる。



「カイル」



先輩。



走る。



「待って!」



根。



触る。



前。



止める。



「状態」


「分からない」



「でも!」



「先輩」



強く。



言う。



「二百年」


「待った」



「あと少し」


「確認して」



男。



拳。



握る。



止まる。



「…………分かった」



アリア。



記録板。



見る。



【保護対象】



【名称:カイル】



【生命状態】



【維持】



「生きてる」



「はい」



「人間?」



表示。



次。



【分類】



【対象外】



「対象外?」



先輩。



「どういう意味だ」



「不明です」



「職業?」



「表示されません」



「名前は」


「ある」



俺。



言う。



カイル。



二百年。



名前。



残ってる。



◇ ◇ ◇



繭。



中。



男。



若い。



二百年。



経ってる。



ように。



見えない。



三十。



くらい。



黒い。



髪。



痩せてる。



胸。



わずか。



動く。



「カイル」



先輩。



呼ぶ。



反応。



ない。



もう一度。



「カイル」



指。



少し。



動く。



「聞こえてる」



リナ。



「たぶん」



先輩。



声。



震える。



「俺だ」



「…………」



「分かるか」



カイル。



目。



開かない。



でも。



口。



少し。



動く。



「…………遅い」



先輩。



止まる。



「…………」



「遅すぎる」



かすれた。



声。



「悪い」



「二百年だぞ」



「悪い」



「パン」


「硬くなってるだろ」



「元から硬い」



カイル。



口元。



少し。



上がる。



先輩。



泣く。



声。



出さず。



泣く。



「生きてた」



「お前もな」



「俺」


「寝てた」



「知ってる」



「何で?」



「根は」


「いろいろ」


「教える」



◇ ◇ ◇



「出せる?」



俺。



聞く。



カイル。



ゆっくり。



目。



開く。



俺。



見る。



止まる。



「…………」



「初めまして」



カイル。



目。



見開く。



「アルヴェイン」



「…………」



先輩。



俺。



見る。



「知ってるのか!?」



カイル。



俺。



顔。



見る。



長い。



長い。



時間。



「名前は?」



「レン」



「レン」



何度か。



口。



中。



転がす。



「そうか」



「俺を」


「知ってる?」



「知らない」



また。



それ。



「でも」


「アルヴェインは?」



「知ってる」



「何?」



カイル。



目。



閉じる。



「その前に」



「何?」



「俺を」


「ここから」


「出すな」



「…………」



先輩。



「何で?」



「根が」


「俺を」


「生かしてる」



「外したら?」



「死ぬ」



即答。



先輩。



顔。



固まる。



「治せない?」



「神様なら?」



俺。



言う。



カイル。



目。



開く。



「神を」


「呼ぶな」



「やっぱり?」



「ああ」



「何で?」



「母なる根は」


「神から」


「俺を」


「隠してる」



◇ ◇ ◇



「隠す?」



アリア。



「誰から?」



「七柱」



「今の?」



「知らない」



「二百年前の?」



「それも」


「もう」


「分からない」



「八つ目?」



カイル。



顔。



変わる。



「その呼び方」


「誰から聞いた」



「俺たちが」


「そう呼んでる」



「未登録の接続」



「八つ目の紋章」



「声」



カイル。



「声を」


「聞いたのか」



「うん」



「何て?」



「管理者」


「壊す者」


「とか」



カイル。



目。



閉じる。



「やっぱり」


「始まった」



「何が?」



「二回目」



「…………」



「二回目?」



「二百年前が」


「一回目」



「何の?」



カイル。



答えない。



代わり。



俺。



見る。



「レン」



「はい」



「職業は?」



「なし」



「神との接続は?」



「七柱と」


「普段は」



「今は?」



「切ってる」



「管理者権限」



「断った」



カイル。



初めて。



はっきり。



笑う。



「よし」



「何が?」



「一個」


「間に合った」



◇ ◇ ◇



「アルヴェインって」


「何?」



俺。



聞く。



カイル。



「最初の名前」



「仕組みの?」



「違う」



「先輩は」


「仕組みの名前って」



「こいつは」


「そう思ってた」



先輩。



「違うのか」



「ああ」



「じゃあ」



カイル。



俺。



見る。



「神が」


「人に」


「名前を与える前」



一拍。



「人が」


「自分たちの力に」


「付けた名前だ」



「力?」



「ああ」



「どんな?」



「性質」



「それの名前?」



「もっと前」



「性質って」


「言葉すら」


「なかった頃」



カイル。



ゆっくり。



言う。



「人は」


「できることに」


「名前を付けてた」



「火を扱える」



「速く走れる」



「傷を癒せる」



「物を作れる」



「何かを」


「壊せる」



胸。



鳴る。



「アルヴェインは?」



カイル。



俺。



目。



見る。



「壊す」



「…………」



「正確には」



一拍。



「繋がりを」


「選んで」


「切る力」



◇ ◇ ◇



誰も。



声。



出ない。



俺。



黒い。



接続。



切った。



燃えない。



火。



“燃えない”。



壊した。



木剣。



俺に。



反応。



職業。



分類。



入らない。



「ブレイカー」



口。



勝手に。



出る。



カイル。



「何だそれ」



「今」


「思った」



「英語か?」



先輩。



「たぶん」



カイル。



先輩。



見る。



「お前」


「英語」


「まだ覚えてるのか」



「少し」



「俺より」


「記憶あるな」



「そこ張り合う?」



カイル。



笑う。



そして。



咳。



する。



白い。



根。



光る。



呼吸。



戻る。



「大丈夫?」



「根が」


「いる間は」



「アルヴェイン」


「続き」



カイル。



俺。



見る。



「それは」


「人の名前じゃなかった」



「でも」


「俺の名字」



「ああ」



「何で?」



「誰かが」


「お前に」


「与えた」



「誰?」



「知らない」



「でも」



「一つだけ」


「言える」



「何?」



「アルヴェインは」


「家名じゃない」



「…………」



「なら」


「レン・アルヴェインって」



カイル。



少し。



悲しそうに。



笑う。



「たぶん」



「名前と」


「性質を」



一拍。



「一緒にされた」



◇ ◇ ◇



「レンが」


「名前」



リナ。



「アルヴェインが」


「力?」



「可能性は高い」



カイル。



「じゃあ」



俺。



「俺」


「最初から」


「壊す者として」


「登録されてた?」



「その可能性もある」



嫌。



胸。



奥。



ざらつく。



名前。



まで。



役割。



だった。



「誰が」


「登録した?」



「分からない」



「何のため?」



「分からない」



「俺を」


「呼んだのは?」



「分からない」



「第109代は?」



「知らない」



また。



分からない。



でも。



一個。



分かった。



俺の。



名字。



かもしれない。



もの。



俺の。



役割。



かもしれない。



「…………嫌だな」



声。



出る。



リナ。



「何が?」



「アルヴェイン」



「嫌い?」



「分からない」



「でも」


「誰かに」


「お前は壊す奴だって」


「名前にされたなら」



一拍。



「嫌」



リナ。



少し。



考える。



「じゃあ」


「使わなきゃいい」



「名字を?」



「うん」



「そんな簡単?」



「名前でしょ」



「…………」



「レンって」


「呼ばれたい?」



「うん」



「じゃあ」


「レン」



終わり。



みたいに。



言う。



◇ ◇ ◇



カイル。



リナ。



見る。



「お前」


「名前は?」



「リナ」



「職業」



一瞬。



間。



「狩剣士」



「好きか?」



「好き」



「剣も?」



「好き」



「戦うのも?」



「…………」



少し。



止まる。



「好きな時もある」



「嫌な時も」



「ある」



「それでいい」



カイル。



言う。



「職業は」


「道具だ」



「剣と」


「同じ?」



「似てる」



「使えば」


「助けてくれる」



「握り方を」


「間違えれば」


「自分も切る」



リナ。



腰。



剣。



見る。



「でも」


「これ」



「私の剣」



「ああ」



「職業も」


「私の?」



カイル。



答える。



前。



止まる。



「それは」


「俺が決めることじゃない」



リナ。



目。



丸く。



する。



それから。



笑う。



「そっか」



◇ ◇ ◇



「カイル」



先輩。



「約束」



「覚えてるか」



カイル。



先輩。



見る。



「覚えてる」



「俺」


「守れなかった」



「ああ」



即答。



「そこ」


「優しくしないんだ」



俺。



「二百年」


「待ったからな」



「ごめん」



先輩。



言う。



カイル。



黙る。



「本当に」


「ごめん」



「…………」



「俺が」


「管理者を」


「選んだ」



「お前を」


「追った」



「記録を」


「消そうとした」



「名前を」


「奪った」



「たくさん」



「俺が」



「もういい」



カイル。



止める。



「でも」



「謝罪は」


「後だ」



「…………」



「今」


「やることがある」



「何?」



カイル。



俺。



見る。



「二百年前」


「終わらせられなかった」


「ものを」



一拍。



「今度は」


「終わらせる」



◇ ◇ ◇



「八つ目?」



「違う」



「職業制度?」



「違う」



「じゃあ」



「神との」


「繋がり方だ」



「…………」



「神が」


「悪いんじゃない」



「人が」


「悪いんでもない」



「繋がること自体が」


「悪いわけでもない」



「じゃあ」


「何?」



カイル。



白い。



根。



見る。



「切れないことだ」



「切れない?」



「一度」


「神と」


「強く繋がった人間は」



「自分から」


「離れられなかった」



「祝福」


「神託」


「職業」


「管理者」



「全部」


「神と人を」


「繋ぐ仕組みになった」



「それを」


「切れるようにする」



「誰が?」



カイル。



俺。



見る。



「アルヴェイン」



◇ ◇ ◇



「だから」


「壊す力?」



「ああ」



「全部」


「切る?」



「違う」



強い。



声。



「そこを」


「間違えるな」



「何でも」


「切る力じゃない」



「必要な繋がりまで」


「切れば」


「人は死ぬ」



村。



白い。



根。



思い出す。



切ったら。



死ぬ。



「選ぶ」



俺。



言う。



カイル。



頷く。



「何を繋いで」


「何を切るか」



「誰が決める?」



「使う本人」



「違う」



「え?」



「繋がってる」


「両方だ」



「…………」



「片方だけで」


「決めるな」



「神と人なら」


「神と人」



「人と職業なら?」



「本人と」


「仕組み」



「人と人なら?」



カイル。



少し。



笑う。



「二人で話せ」



「普通」



「普通が」


「一番難しい」



それ。



分かる。



◇ ◇ ◇



「リナ」



カイル。



呼ぶ。



「何?」



「剣」


「見せてくれ」



リナ。



腰。



剣。



抜く。



カイル。



見る。



「いい剣だ」



「分かる?」



「神官だったが」


「剣も使った」



「強かった?」



先輩。



「弱かった」



「お前よりは強い」



「俺」


「剣士じゃない」



「言い訳」



二百年。



経って。



これ。



友達。



だ。



「握って」



カイル。



言う。



リナ。



握る。



「何を」


「感じる?」



「重さ」



「他」



「手に馴染む」



「他」



「…………」



リナ。



目。



閉じる。



「安心する」



「何で?」



「ずっと」


「持ってるから」



「職業が」


「狩剣士だから?」



リナ。



目。



開く。



「違う」



即答。



「私が」


「この剣を」


「使ってきたから」



カイル。



頷く。



「それだ」



「何?」



「剣は」


「職業が」


「握ってるんじゃない」



一拍。



「お前が」


「握ってる」



リナ。



剣。



見る。



◇ ◇ ◇



白い。



根。



一本。



ゆっくり。



伸びる。



リナの。



剣。



触れる。



「え」



根。



剣。



絡まない。



刃。



なぞる。



光。



淡く。



走る。



アリア。



記録板。



反応。



する。



【個体観測】



【名称:リナ】



【職業:狩剣士】



いつもの。



表示。



その下。



新しい。



項目。



【性質観測】



文字。



揺れる。



「リナ」



「うん」



【剣適性】



【高】



【戦闘適性】



【高】



【護衛傾向】



【高】



リナ。



「いっぱい」


「出る」



【自己定義】



止まる。



「自己定義?」



アリア。



「古い観測項目です」



「何が出る?」



文字。



揺れる。



【狩剣士】



リナ。



息。



止まる。



「職業と」


「同じ」



俺。



言う。



カイル。



「まだだ」



次。



文字。



出る。



【剣士】



次。



【旅人】



次。



【友人】



リナ。



俺。



見る。



「友人」



「俺?」



「知らない」



「そこ」


「俺でいいじゃん」



「うるさい」



次。



【未確定】



次。



【変化中】



リナ。



笑う。



「何これ」



「決まってない」



俺。



言う。



「うん」



嬉しそう。



「決まってない」



◇ ◇ ◇



突然。



記録板。



表示。



変わる。



【職業情報】



【再照合】



「待って」



アリア。



「これは」



【名称:リナ】



【職業:狩剣士】



点滅。



一回。



二回。



三回。



「リナ」


「剣離して」



「うん」



でも。



白い。



根。



先に。



動く。



記録板。



光。



強く。



なる。



【職業情報】



【固定を解除】



「解除!?」



リナ。



「待って!」



俺。



根。



触ろうと。



する。



カイル。



「触るな!」



「でも!」



「見ろ!」



表示。



変わる。



【職業】



文字。



消える。



リナ。



顔。



真っ白。



「私」



「大丈夫」



「狩剣士」



消える。



空白。



一秒。



二秒。



「戻して!」



リナ。



初めて。



叫ぶ。



「私」


「狩剣士だから!」



胸。



痛い。



それ。



何度も。



聞いた。



言葉。



「リナ!」



「嫌!」



「私」


「これ」



剣。



握る。



「好きなの!」



「分かってる!」



「じゃあ!」


「戻して!」



俺。



何を。



すれば。



カイル。



「リナ!」



「何!」



「誰が」


「狩剣士を」


「取った!」



「表示!」



「表示が消えただけだ!」



「でも!」



「剣は!?」



リナ。



止まる。



「お前の剣は」


「消えたか!」



見る。



手。



ある。



「振れるか!」



剣。



構える。



「振れる!」



「戦えるか!」



「戦える!」



「剣が」


「好きか!」



「好き!」



「なら」



記録板。



光。



戻る。



【職業】



文字。



出る。



リナ。



息。



止まる。



【リナ】



「…………」



誰も。



声。



出ない。



【職業:リナ】



「何」


「これ」



アリア。



記録板。



見る。



「分類では」


「ありません」



「じゃあ」


「壊れた?」



「不明です」



カイル。



笑う。



「壊れたんじゃない」



「じゃあ」



「古い仕組みが」


「答えただけだ」



「何に?」



カイル。



リナ。



見る。



「誰が」


「その剣を」


「握ってるか」



◇ ◇ ◇



リナ。



表示。



見る。



【職業:リナ】



「私が」


「職業?」



「違う」



俺。



言う。



「たぶん」



「職業って欄に」


「リナしか」


「入らなかった」



「何それ」



「分からん」



「雑」



でも。



リナ。



笑う。



泣いてる。



少し。



「狩剣士」


「なくなった?」



カイル。



「確認してみろ」



「どうやって?」



「剣を」


「振れ」



リナ。



一歩。



離れる。



剣。



構える。



踏み込む。



速い。



空気。



切る。



前より。



変わらない。



いや。



俺には。



分からない。



「どう?」



俺。



「普通」



「そこ」


「もっと褒めて」



「速かった」



「遅い」



カイル。



「身体は」


「覚えてる」



「技能も」


「消えてない」



「じゃあ」



「狩剣士は?」



「お前が」


「必要なら」


「名乗ればいい」



「…………」



「神具に」


「書かれなくても」



「職業欄に」


「出なくても」



一拍。



「お前が」


「自分の剣を」


「狩剣士として」


「振りたいなら」



「誰も」


「止められない」



リナ。



剣。



胸。



前。



持つ。



長い。



沈黙。



「私」



「うん」



「狩剣士」



「うん」



「でも」



俺。



見る。



「リナ」



「うん」



「どっちが先?」



リナ。



少し。



笑う。



「リナ」



◇ ◇ ◇



その瞬間。



白い。



根。



大きく。



脈打つ。



ドクン。



部屋。



揺れる。



「何!?」



アリア。



記録板。



見る。



【固定解除】



【一件】



次。



【旧誓約】



【一部達成】



「誓約?」



先輩。



「人の生を」


「職により」


「決定しない」



二百年前。



約束。



一つ。



今。



初めて。



実行。



された。



カイル。



目。



閉じる。



「やっと」



「何?」



「一個」


「返せた」



「約束を?」



「ああ」



外。



地面。



響く。



遠く。



巨大な。



母なる根。



全体。



動いてる。



みたい。



音。



する。



そして。



俺の。



頭。



奥。



七柱。



切ってる。



はず。



なのに。



声。



『――返した』



知らない。



声。



「何を」



『――一つ』



「誰」



『――次は』



一拍。



『――お前だ』



目の前。



記録板。



勝手に。



切り替わる。



【対象変更】



【名称:レン・アルヴェイン】



【職業:なし】



【性質観測】



【開始】



「待って」



カイル。



顔。



変わる。



「レン!」


「板から離れろ!」



離れる。



でも。



表示。



消えない。



【既知性質】



【照合】



一つ。



文字。



浮く。



【破壊】



次。



【否定】



次。



【切断】



次。



【拒絶】



「拒絶?」



先輩。



「お前」


「管理者」


「断ったからか」



次。



【保護】



「保護?」



俺。



「俺」


「そんな」



カイル。



「性質は」


「能力だけじゃない」



次。



【選択】



文字。



止まる。



全部。



消える。



新しい。



一行。



【統合名称】



嫌な。



予感。



する。



「名前」


「付けられる?」



俺。



一歩。



下がる。



「嫌だ」



板。



文字。



出そう。



なる。



「待て」



俺。



言う。



「俺の力なら」



一拍。



「俺が」


「名前つける」



記録板。



止まる。



「…………」



カイル。



笑う。



「言え」



「今?」



「今だ」



俺。



考える。



壊す。



だけ。



じゃない。



何でも。



壊す。



違う。



繋がり。



見る。



切る。



選ぶ。



拒む。



守る。



俺が。



決める。



「ブレイカー」



記録板。



一度。



光る。



【統合名称】



【ブレイカー】



胸。



鳴る。



俺が。



付けた。



初めて。



誰かじゃない。



神様じゃない。



仕組みじゃない。



俺。



「これが」



カイル。



言う。



「名前だ」



「能力の?」



「ああ」



「俺の名前じゃない?」



「違う」



「お前は」


「レン」



一拍。



「それは」


「お前の力」



【名称:レン・アルヴェイン】



表示。



揺れる。



アルヴェイン。



部分。



点滅。



一度。



消える。



「え」



【名称:レン】



だけ。



残る。



俺。



息。



止まる。



「名字」



「消えた」



リナ。



俺。



見る。



「レン」



呼ぶ。



「……うん」



返事。



する。



カイル。



笑う。



「ほら」



「何?」



「残った」



「何が」



「お前が」


「振り向く方」



◇ ◇ ◇



記録板。



最後。



一度だけ。



強く。



光る。



【名称:レン】



【職業:なし】



【性質:ブレイカー】



三つ。



並ぶ。



初めて。



だった。



名前。



職業。



力。



全部。



別々に。



書かれた。



「これが」


「本来の形?」



俺。



聞く。



カイル。



「本来なんて」


「知らない」



「え」



「昔の仕組みが」


「正しいとも」


「限らない」



「…………」



「古いから」


「正しい」


「神が作ったから」


「正しい」


「人が作ったから」


「正しい」



カイル。



首。



振る。



「全部」


「同じ間違いだ」



「じゃあ」


「これは?」



表示。



指す。



「今のお前を」


「今の仕組みが」


「そう観測した」



「それだけ?」



「ああ」



「それだけか」



「それでいい」



なんか。



少し。



安心。



する。



表示。



俺。



じゃない。



俺を。



見た。



結果。



それだけ。



◇ ◇ ◇



アリア。



ものすごい。



勢い。



書いてる。



「アリア」



「話しかけないでください」



「はい」



怖い。



リナ。



横。



来る。



「レン」



「何?」



「ブレイカー」



「うん」



「ちょっと」


「かっこつけた?」



「…………」



「つけた?」



「少し」



「やっぱり」



「いいだろ!」



「別に」



笑う。



「レンが」


「決めたなら」



「うん」



「いいと思う」



ちょっと。



嬉しい。



◇ ◇ ◇



その時。



カイル。



急に。



咳き込む。



「カイル!」



白い。



根。



光。



弱い。



先輩。



駆け寄る。



「どうした!」



「根が」


「起きた」



「さっきのせい?」



「違う」



カイル。



天井。



見る。



「母なる根が」


「何かを」


「感じてる」



「何を?」



地面。



震える。



一回。



二回。



三回。



記録板。



表示。



変わる。



【外部接続】



【検出】



「神?」



アリア。



「不明です」



【接続数】



【七】



全員。



止まる。



「七柱?」



俺。



「呼んでない」



【接続元】



七つ。



紋章。



出る。



知ってる。



フィリア。



ガルド。



セレナ。



ノア。



メルク。



ヴォルグ。



エリオス。



「神様」



来た。



俺。



繋いで。



ない。



でも。



母なる根に。



七柱。



繋がろうと。



してる。



カイル。



顔。



青く。



なる。



「切れ」



「何を?」



「接続」



「でも」


「神様だよ」



「だからだ!」



白い。



根。



震える。



七つ。



光。



根。



中。



入ってくる。



カイル。



苦しそうに。



身体。



反る。



「カイル!」



「母なる根は」


「二百年」


「神性接続を」


「拒絶してた」



「何で今!」



「お前だ!」



「俺?」



「ブレイカーを」


「観測したから」



記録板。



文字。



増える。



【神性側より】



【性質情報への接続要求】



「俺の力を」


「神様が見ようとしてる?」



「おそらく」



「見せたら?」



カイル。



「分からない!」



「じゃあ」


「切る?」



「それも」


「お前が決めろ!」



また。



選ぶ。



七柱。



信じてない。



わけじゃない。



むしろ。



信じたい。



助けられた。



教えて。



もらった。



一緒に。



笑った。



でも。



今。



勝手に。



俺の。



性質へ。



繋がろうとしてる。



「嫌だ」



俺。



言う。



「俺が」


「見せるって」


「言ってない」



手。



記録板。



触れる。



「ブレイカー」



どう。



使う。



分からない。



でも。



意識。



する。



七本。



糸。



みたいな。



もの。



見える。



気。



する。



全部。



切る?



違う。



神様との。



繋がり。



そのもの。



嫌じゃない。



今。



性質へ。



伸びてる。



部分。



だけ。



「ここ」



指。



一本。



動かす。



燃えない。



火。



一瞬。



指先。



灯る。



熱。



ない。



炎。



七本。



糸。



触れる。



切れる。



音。



ない。



一斉。



じゃない。



一本。



二本。



三本。



七本。



消える。



【神性側接続】



【拒否】



白い。



根。



震え。



止まる。



カイル。



呼吸。



戻る。



「できた」



俺。



手。



見る。



魔力。



減ってない。



やっぱり。



魔法。



じゃない。



「全部」


「切った?」



リナ。



「違う」



「神様との」


「繋がりは?」



目。



閉じる。



遠い。



七柱。



気配。



ある。



「残ってる」



「じゃあ」



「俺の性質を」


「覗こうとした」


「接続だけ」



カイル。



俺。



見る。



驚いてる。



「それだ」



「何?」



「アルヴェイン」



「いや」



俺。



首。



振る。



「ブレイカー」



一拍。



カイル。



笑う。



「ああ」



「ブレイカーだ」



◇ ◇ ◇



静か。



戻る。



その直後。



頭。



中。



声。



聞こえる。



今度。



知ってる。



『レン!』



フィリア。



焦ってる。



「フィリア?」



リナ。



「繋がった?」



「違う」


「向こうから」



『無事ですか!?』



「無事」



『よかった……』



「さっき」


「俺の性質」


「見ようとした?」



沈黙。



『…………はい』



正直。



「何で?」



『あなたの』


『接続状態が』


『突然変化したため』



「心配した?」



『はい』



「だから」


「勝手に?」



『…………はい』



胸。



少し。



痛い。



フィリア。



悪意。



ない。



分かる。



助けたい。



知りたい。



守りたい。



だから。



勝手に。



見る。



「フィリア」



『はい』



「嫌だった」



長い。



沈黙。



『……ごめんなさい』



「うん」



『怒っていますか』



「少し」



『そうですか』



「でも」


「切った」



『分かりました』



「神様との」


「繋がり全部じゃない」



『はい』



「覗こうとした」


「ところだけ」



また。



沈黙。



『レンさん』



「何?」



『それを』


『できるように』


『なったのですね』



声。



嬉しい。



でも。



少し。



寂しそう。



「たぶん」



『なら』



一拍。



『次からは』


『聞きます』



「何を?」



『繋いでもいいですか、と』



「…………うん」



それ。



で。



いい。



◇ ◇ ◇



『他の六柱にも』


『伝えます』



「ガルド」


「絶対」


「勝手に来そう」



遠く。



『聞こえているぞ!』



「いるじゃん!」



リナ。



「ガルド?」



「いる」



『心配したんだぞ!』



「ありがとう!」



『だが!』



「何!」



『その』


『ブレイカーという名!』



「うん」



『悪くない!』



「そこ!?」



『俺なら』


『もっと強そうに――』



「切るよ?」



『すまん』



早い。



リナ。



笑う。



先輩。



笑う。



カイル。



咳しながら。



笑う。



なんか。



久しぶり。



ちゃんと。



笑った。



気が。



する。



◇ ◇ ◇



でも。



アリア。



笑ってない。



記録板。



見る。



「レン」



「何?」



「もう一つ」


「出ています」



「何が?」



表示。



下。



小さい。



文字。



【性質:ブレイカー】



その下。



【初回観測】



【――二百年前】



笑い。



止まる。



「…………え?」



「今日」


「初めて」


「名前つけたよ?」



「はい」



「じゃあ」


「二百年前って」



「分かりません」



カイル。



顔。



変わる。



先輩。



立つ。



「見せろ」



板。



覗く。



【初回観測個体】



文字。



欠ける。



ノイズ。



走る。



一瞬。



番号。



出る。



【試験対象番号:〇〇一】



「…………」



俺。



息。



止まる。



〇〇一。



二百年前。



職業分類。



失敗。



表示名称。



なし。



「同じ」


「性質?」



俺。



聞く。



カイル。



答えない。



代わり。



記録板。



次。



出る。



【性質名称】



【未登録】



「ブレイカーじゃない」



アリア。



「はい」



「同じ性質だけど」


「名前がなかった?」



「その可能性があります」



俺が。



今日。



名前。



つけた。



力。



二百年前。



誰か。



持ってた。



「先輩?」



男。



首。



振る。



「分からない」



「自分じゃない?」



「覚えてない」



「カイル?」



「俺じゃない」



「じゃあ」


「〇〇一って」



誰。



記録板。



最後。



一行。



出る。



【初回観測個体】



【名称情報】



【削除済】



やっぱり。



名前。



ない。



でも。



その下。



小さく。



残る。



古い。



備考。



アリア。



読む。



「……これは」



「何?」



声。



震える。



「対象本人による」


「記録です」



「本人?」



「はい」



「何て?」



アリア。



ゆっくり。



読む。



『この力に』



『名前はつけない』



次。



『名前をつければ』



『役割になる』



次。



『役割になれば』



『また誰かが』



『それを人に押しつける』



胸。



重く。



なる。



俺。



今日。



名前。



つけた。



ブレイカー。



嬉しかった。



自分で。



決めた。



でも。



二百年前の。



誰かは。



決めなかった。



理由。



あった。



最後。



一文。



『だから』



『次の奴が』



『自分で決めろ』



「…………」



俺。



板。



見る。



次の奴。



俺。



なのか。



分からない。



〇〇一と。



俺。



同じ人。



なんて。



証拠。



ない。



転生。



繰り返し。



そんな。



話も。



まだ。



ない。



でも。



二百年前。



名前を。



つけなかった。



誰か。



今日。



俺。



名前を。



つけた。



「ブレイカー」



もう一度。



言う。



今度は。



少し。



重い。



「変える?」



リナ。



聞く。



「何を?」



「名前」



考える。



変えても。



いい。



明日。



嫌に。



なったら。



変えても。



いい。



だって。



俺が。



決めた。



名前。



なら。



俺が。



決め直せる。



「今は」


「これでいい」



「そっか」



「うん」



カイル。



目。



閉じる。



「それでいい」



「何が?」



「名前は」


「檻じゃない」



一拍。



「呼びたくなくなったら」


「変えればいい」



その。



言葉。



胸。



落ちる。



◇ ◇ ◇



リナ。



剣。



鞘。



戻す。



俺。



見る。



「レン」



「何?」



「私の」


「職業」



「うん」



「今」


「リナなんだよね」



「表示は」



「変なの」



「変だね」



「でも」



少し。



笑う。



「嫌いじゃない」



「うん」



「狩剣士も」


「やめない」



「うん」



「剣も」


「使う」



「うん」



「でも」


「狩剣士だから」


「使うんじゃない」



剣。



柄。



握る。



「私が」


「この剣を」


「使いたいから」



その。



顔。



今まで。



一番。



リナ。



らしい。



気が。



した。



◇ ◇ ◇



「帰ったら」



リナ。



言う。



「何?」



「剣」


「手入れする」



「急だね」



「私の剣だから」



「職業じゃなく?」



「私の」



「はい」



一拍。



「レン」



「何?」



「触らないでね」



「触らないよ」



「前」


「勝手に持った」



「借りただけ!」



「重かったでしょ」



「めちゃくちゃ」



「私のだから」



得意げ。



「はいはい」



「何その返事」



「リナの剣です」



「よろしい」



白い。



根。



向こう。



カイル。



笑ってる。



先輩も。



笑ってる。



二百年前。



失敗。



した。



人たち。



今。



ここ。



いる。



俺たち。



同じ。



失敗。



するか。



分からない。



でも。



同じ。



答え。



選ぶ。



必要も。



ない。



俺は。



レン。



力は。



ブレイカー。



リナは。



リナ。



剣は。



リナの剣。



それで。



今は。



十分。



――その時。



リナの。



剣。



鞘の中で。



小さく。



鳴った。



カチ。



一度。



まるで。



返事。



する。



みたいに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。