神託ログ40『神様の代役』
【00:04:41】
数字。
減る。
一秒。
また。
一秒。
【00:04:40】
俺は。
床。
八つ目の。
紋章。
前。
しゃがんだ。
「レン」
リナ。
「うん」
「何する?」
「まだ」
「決めてない」
「あと」
「四分」
「分かってる」
分かってる。
だから。
怖い。
時間が。
ない。
考えろ。
でも。
焦るな。
昨日。
ユリウスは。
再起動した。
誰かを。
待たせないため。
その結果。
死んだ。
だから。
何もしない?
違う。
それも。
選択。
だ。
「ノア」
『はい』
「代行権限」
『詳細不明です』
「受けたら」
「俺が管理者になる?」
『表示上』
『管理権限は不要とされています』
「じゃあ」
「管理者じゃない」
『少なくとも』
『現在の表示からは』
『そう解釈できます』
「何ができる?」
『不明です』
「危険?」
『不明です』
「死ぬ?」
少し。
間。
『否定できません』
リナ。
顔。
変わる。
「それ」
「先に言って」
「今聞いた」
「じゃあ」
「やめる?」
答え。
出ない。
【00:04:22】
フィリア。
『生命反応』
『さらに低下しています』
「何人?」
『一人です』
「人間?」
『断定できません』
「でも」
「命?」
『はい』
俺。
目。
閉じる。
知らない。
誰か。
分からない。
人かも。
分からない。
何で。
ここに。
いるかも。
分からない。
それでも。
命。
一つ。
下。
いる。
「大神官」
「何だ」
「この機構」
「知ってます?」
「知らない」
「嘘じゃなく?」
「知らない」
「アリアさん」
「記録にはありません」
「リナ」
「私は」
「もっと知らない」
「だよな」
「でも」
リナ。
俺。
見る。
「一個だけ」
「分かる」
「何?」
「レン」
一拍。
「一人で」
「決めなくていいよ」
「…………」
その。
言葉。
少し。
効く。
◇ ◇ ◇
「じゃあ」
「意見ください」
俺。
言う。
「全員」
ガルド。
最初。
『俺ならやる』
「理由」
『目の前で』
『死にかけてる奴がいる』
『何もしない方が嫌だ』
「ガルドらしい」
『悪いか』
「いや」
セレナ。
『私は反対』
「理由」
『分からなさすぎる』
『生命維持機構って言葉だけで』
『安全だと思わない方がいい』
「うん」
メルク。
『情報不足だ』
『受けるなら』
『最悪の損失を考えろ』
「俺が死ぬ?」
『お前だけとは限らん』
「……そうだな」
ヴォルグ。
『道具の用途が』
『分からん状態で』
『動かすなと言いたい』
「でも?」
『壊れかけてるなら』
『止めたままでも壊れる』
「難しいな」
『だから』
『自分で決めろ』
「丸投げ」
『最後はな』
フィリア。
沈黙。
してる。
「フィリア」
『…………』
「意見」
『私は』
声。
震える。
『助けたいです』
「うん」
『でも』
『昨日の私なら』
一拍。
『何が何でも』
『受けてくださいと』
『言っていたと思います』
「今日は?」
『分かりません』
「そっか」
『それでも』
『下の命を』
『見捨てたくありません』
「うん」
ノア。
『私は』
『推奨できません』
「危険だから?」
『情報が不足しています』
「止める?」
『いいえ』
「何で?」
『推奨できないことと』
『禁止すべきことは』
『同じではありません』
「なるほど」
最後。
「エリオス」
『レン』
「うん」
『受けるなら』
『一つだけ』
『忘れるな』
「何?」
『代役は』
『本人ではない』
「…………」
『誰かの代わりに』
『その場へ立つことと』
『その誰かになることは』
『違う』
「神様の」
「代わりでも?」
『同じだ』
【00:03:39】
時間。
減る。
俺。
息。
吐く。
「ありがとう」
リナ。
「決めた?」
「うん」
「どっち?」
「受ける」
リナ。
少し。
目。
閉じる。
「分かった」
「止めない?」
「怖いよ」
「俺も」
「でも」
剣。
握る。
「レンが」
「何か変になったら」
「殴る」
「剣じゃなく?」
「最初は」
「優しい」
◇ ◇ ◇
床。
文字。
見る。
【代行権限を受諾しますか】
【YES/NO】
俺。
指。
近づける。
止まる。
「待って」
アリア。
「何?」
「条件を」
「決めましょう」
「今?」
「今です」
【00:03:22】
「短く」
「一つ」
アリア。
俺。
見る。
「生命維持機構の」
「復旧以外」
「何も実行しない」
「…………」
「できるか」
「分からないけど」
「それでも」
「目的を」
「決めてください」
なるほど。
「分かった」
俺。
床。
見る。
「俺がやるのは」
「下にいる命を」
「維持するため」
「それだけ」
大神官。
「神殿の管理は?」
「しません」
「職業制度は?」
「知らない」
「神々の接続は?」
「勝手に触らない」
「なら」
老人。
頷く。
「やれ」
「いいんですか?」
「許可ではない」
「では?」
「私の意見だ」
少し。
笑う。
「了解」
◇ ◇ ◇
YES。
触れる。
冷たい。
一瞬。
何も。
起きない。
「…………」
次。
床。
八つ目。
紋章。
光る。
【代行権限】
【一時付与】
【対象】
【レン・アルヴェイン】
「来た」
【権限範囲】
文字。
次々。
出る。
【生命維持】
【接続確認】
【緊急停止】
【分類補助】
【記録閲覧】
【管理者変更】
「多い!」
アリア。
「最後」
「触らないで」
「全部」
「触らない」
次。
【生命維持機構】
【再起動しますか】
【YES/NO】
「これ」
「待って」
セレナ。
『魔力が動いてる』
「どこ?」
『床下』
「危険?」
『まだ分からない』
「フィリア」
『生命反応』
『弱いままです』
【00:02:58】
「やる」
YES。
触れる。
――ドン。
床。
下。
低い。
音。
「っ!」
リナ。
俺。
腕。
掴む。
「大丈夫?」
「うん」
八つ目。
紋章。
光。
七つの。
紋章へ。
伸びる。
一つ。
二つ。
三つ。
七つ。
全部。
繋がる。
「七柱?」
ガルド。
『何だこれ』
セレナ。
『私たちへ』
『接続しようとしてる』
「止める?」
エリオス。
『待て』
「何で」
『接続要求だ』
『強制ではない』
「受ける?」
『七柱で判断する』
「今!?」
ガルド。
『俺は受ける!』
セレナ。
『待ちなさい!』
メルク。
『条件を確認しろ』
「神様も」
「会議始めるの!?」
リナ。
「何て?」
「今から会議」
「時間ないよ!?」
「俺もそう思う!」
◇ ◇ ◇
ノア。
『接続内容を』
『解析します』
「できる?」
『一部』
文字。
床。
出る。
【神性供給】
【不足】
【生命維持】
【継続不能】
「神性供給?」
大神官。
「神の力が」
「必要なのか」
エリオス。
『おそらく』
「七柱の?」
『現状では』
『そう見える』
「じゃあ」
「昨日は?」
誰も。
答えない。
ユリウス。
神術。
反転。
七柱じゃない。
何か。
接続。
した。
「昨日」
「八つ目に」
「繋がった」
俺。
言う。
「今日は」
「七柱へ」
「繋ごうとしてる」
アリア。
「違いは?」
「俺?」
口。
出る。
嫌。
でも。
可能性。
ある。
昨日。
ユリウス。
再起動。
今日。
俺。
代行。
「ノア」
『はい』
「俺が」
「間に入ってるから?」
『可能性があります』
「俺が」
「七柱と繋がってるから?」
『それも』
『可能性があります』
「じゃあ」
「俺」
「何してる?」
エリオス。
答える。
『橋だ』
「橋?」
『機構と』
『我々の間の』
「俺自身が」
「力出してる?」
『今のところ』
『確認できない』
少し。
安心。
する。
でも。
次。
表示。
【神性供給元を】
【選択してください】
七つ。
紋章。
光る。
「選べって?」
フィリア。
『私を』
「え?」
『生命維持なら』
『私が適任です』
「待って」
ノア。
『単独接続は』
『推奨しません』
「何で?」
『負荷が不明です』
フィリア。
『でも』
「フィリア」
『…………』
「昨日」
「絶対救うって」
「言い始めたら」
フィリア。
止まる。
「俺」
「止めるって言った」
『はい』
「だから」
「一人でやらせない」
フィリア。
長い。
間。
『……はい』
◇ ◇ ◇
「七柱」
「分けられる?」
俺。
聞く。
ノア。
『表示上は』
『複数選択が可能です』
「負荷分散?」
『可能性があります』
メルク。
『なら全員だ』
セレナ。
『賛成』
ガルド。
『最初からそうしろ!』
「今決まったんだよ!」
ヴォルグ。
『早くしろ』
【00:02:09】
「全員」
七つ。
紋章。
選ぶ。
【神性供給元】
【七柱】
【確認】
YES。
床。
光。
一気に。
強く。
なる。
頭。
中。
七つ。
声。
遠く。
なる。
「……っ」
「レン!」
膝。
つく。
「大丈夫」
嘘。
頭。
痛い。
耳。
奥。
鳴る。
「やめる?」
「まだ」
「無理しないで」
「分かってる」
【供給開始】
七つ。
紋章。
光。
中央。
流れ込む。
その。
中心。
俺。
じゃない。
八つ目。
紋章。
「…………」
嫌。
感じ。
する。
でも。
表示。
【生命維持機構】
【再起動中】
フィリア。
『生命反応』
『上がっています!』
「本当?」
『はい!』
よし。
「続ける」
◇ ◇ ◇
【再起動率:31%】
【38%】
【44%】
ゆっくり。
上がる。
俺。
手。
床。
つく。
息。
苦しい。
「レン」
リナ。
「うん」
「顔色悪い」
「元から」
「嘘」
「ちょっと」
「やめる?」
「まだ」
「何%?」
「四十八」
「半分」
「もうちょい」
【51%】
その時。
八つ目。
紋章。
色。
変わる。
白。
から。
黒。
「…………」
「何?」
アリア。
「色」
セレナ。
『魔力が変わった』
「止める?」
ノア。
『待ってください』
表示。
変わる。
【未登録接続】
【侵入を検知】
「侵入?」
リナ。
剣。
抜く。
「どこ?」
【接続元】
一拍。
【不明】
「八つ目」
俺。
言う。
【神性供給経路】
【汚染】
「止めろ!」
エリオス。
声。
強い。
俺。
緊急停止。
探す。
【緊急停止】
触れる。
反応。
ない。
「止まらない!」
【権限不足】
「代行なのに!?」
アリア。
「管理者権限が」
「必要?」
「返した!」
「知ってます!」
最悪。
◇ ◇ ◇
黒。
七つの。
紋章へ。
伸びる。
「神様!」
ガルド。
『こっちから切る!』
セレナ。
『待って!』
『無理に切ったら』
『生命維持も止まる!』
「じゃあどうする!」
ノア。
『侵入経路だけを』
『切断できれば』
「どうやって!」
ヴォルグ。
『レン』
「何!」
『壊せ』
「…………」
『お前の』
『あれだ』
異常な。
火。
ブレイカー。
まだ。
名前。
知らない。
力。
“燃えない”を。
壊した。
あれ。
「でも」
「何を壊す?」
『侵入してる』
『繋がりだけだ』
「そんな」
「選べる?」
『知らん』
「知らんの!?」
『だから』
『見ろ!』
ガルド。
『怖くてもな!』
最初。
走った。
時。
言われた。
言葉。
見る。
黒。
線。
七柱へ。
向かう。
白い。
線。
生命維持へ。
向かう。
違う。
同じ。
じゃない。
「セレナ」
「魔力」
「見分けられる?」
『黒い方だけ』
『異質よ』
「フィリア」
「命は?」
『白い方です』
「ノア」
「確率」
『算出不能』
「ですよね!」
【再起動率:63%】
止める。
全部。
じゃない。
壊す。
全部。
じゃない。
選ぶ。
壊すもの。
選べ。
「…………」
手。
伸ばす。
黒い。
線。
触れる。
冷たい。
何か。
頭。
中。
入ってくる。
声。
『――返せ』
「っ!」
「レン!?」
『――それは』
『――お前の』
『――役目だ』
知らない。
声。
「違う」
口。
出る。
『――管理しろ』
「嫌だ」
『――選べ』
「選んでる」
『――神を』
「違う」
『――人を』
「違う!」
何を。
言ってる。
分からない。
でも。
一つ。
分かる。
こいつ。
俺に。
管理者。
やらせたい。
「俺は」
息。
吸う。
「誰かを」
「管理するために」
「ここにいるんじゃない」
『――なら』
声。
笑う。
気が。
した。
『――何のために』
「知らない」
一瞬。
静か。
なる。
「それを」
「今から」
「自分で決めるんだよ」
手。
熱い。
火。
出る。
小さい。
いつもの。
魔法。
じゃない。
燃えない。
火。
白。
でも。
中心。
黒い。
「レン!」
リナ。
「下がって!」
「嫌」
「今は下がって!」
「嫌!」
強い。
「一人で」
「やらないって」
「言ったでしょ!」
「…………」
こいつ。
本当に。
そういう。
とこ。
ある。
「じゃあ」
「そばにいて」
「最初からいる!」
◇ ◇ ◇
火。
黒い。
線。
触れる。
燃えない。
でも。
線。
震える。
【未登録接続】
【切断――】
止まる。
「もう少し」
力。
入れる。
頭。
痛い。
「レン!」
「まだ!」
『――やめろ』
声。
初めて。
焦る。
「嫌だ」
『――お前は』
「知らない」
『――我々の』
「知らない!」
『――次の』
「勝手に決めるな!」
火。
強く。
なる。
パキ。
音。
黒い。
線。
一本。
割れる。
【未登録接続】
【切断】
一瞬。
全部。
暗く。
なる。
「…………」
「レン?」
次。
白い。
七つの。
紋章。
戻る。
【神性供給】
【正常】
「よし!」
ガルド。
叫ぶ。
【生命維持機構】
【再起動率:68%】
「続いてる!」
フィリア。
『生命反応』
『維持されています!』
「やった?」
「まだ!」
【72%】
【79%】
【86%】
俺。
床。
座り込む。
力。
入らない。
リナ。
背中。
支える。
「重い?」
「何が」
「私」
「今それ聞く?」
「意識確認」
「大丈夫」
「名前」
「レン」
「職業」
「なし」
「よし」
「よしなの?」
【93%】
【97%】
【99%】
止まる。
「…………」
「何で」
一秒。
二秒。
長い。
【100%】
【生命維持機構】
【再起動完了】
フィリア。
息。
呑む。
『安定しました』
「下の命?」
『はい』
『まだ弱い』
『でも』
声。
少し。
震える。
『生きています』
力。
抜ける。
床。
寝る。
「レン!」
「大丈夫」
「寝るな!」
「寝てない」
「目閉じてる!」
「休憩」
「今!?」
「今」
◇ ◇ ◇
少し。
して。
起きる。
頭。
痛い。
でも。
生きてる。
七柱。
いる。
リナ。
いる。
アリア。
いる。
大神官。
いる。
「何分?」
リナ。
「十分くらい」
「寝てた?」
「寝てた」
「休憩」
「寝てた」
負け。
「下」
「どうなった?」
フィリア。
『生命反応は』
『安定しています』
「よかった」
大神官。
八つ目。
紋章。
見る。
「君は」
「何をした」
「分かりません」
「またか」
「でも」
「黒い接続だけ」
「切った」
「どうやって」
「変な火」
「説明が」
「雑すぎます」
アリア。
「俺も」
「説明できない」
セレナ。
『魔法ではない』
「セレナも」
「魔法じゃないって」
大神官。
眉。
寄る。
「では何だ」
「それを」
「調べてる途中です」
◇ ◇ ◇
床。
文字。
まだ。
出てる。
【代行権限】
【生命維持機構】
【正常】
次。
【代行者】
【レン・アルヴェイン】
「…………」
「これ」
「いつまで?」
アリア。
「解除項目は?」
探す。
ある。
【代行終了】
「終われる」
リナ。
「終わる?」
俺。
すぐ。
触らない。
下。
命。
維持。
今。
俺が。
代行。
終わったら。
どうなる。
「ノア」
『表示を』
『確認します』
次。
【代行終了後】
【生命維持機構は自律運転へ移行】
「なら」
「終われる?」
『表示上は』
「表示上」
大事。
「フィリア」
『現時点では』
『生命反応は安定』
「セレナ」
『魔力経路も』
『七柱から切り離されつつある』
「エリオス」
『終了していいと』
『私は思う』
「思う」
『ああ』
「分かった」
代行終了。
触れる。
【確認】
YES。
光。
ゆっくり。
消える。
七つ。
紋章。
消える。
八つ目。
最後。
残る。
【代行終了】
【ありがとうございました】
「丁寧」
リナ。
「怖い」
「何で?」
「こういう時だけ」
「普通だから」
分かる。
そして。
八つ目。
紋章も。
消える。
完全。
暗い。
◇ ◇ ◇
「終わった」
俺。
言う。
大神官。
「いや」
「何?」
老人。
床。
中央。
指す。
「開いた」
八つ目。
紋章。
あった。
場所。
細い。
隙間。
広がってる。
円。
ゆっくり。
二つに。
割れる。
下。
階段。
現れる。
冷たい。
空気。
上がる。
「下に」
「生命反応」
フィリア。
『あります』
「一人?」
『はい』
「安定?」
『先ほどより』
「行く?」
リナ。
俺。
見る。
「今度は」
「行く」
「即答」
「準備してから」
「成長」
「でしょ」
アリア。
「私も行きます」
大神官。
「私もだ」
「大丈夫?」
「老人扱いするな」
「いや」
「階段長そうだから」
「黙れ」
元気。
◇ ◇ ◇
松明。
用意。
縄。
水。
最低限。
持つ。
俺。
木剣。
確認。
傷。
ある。
でも。
使える。
「行こう」
階段。
下。
降りる。
十段。
二十。
三十。
深い。
壁。
古い。
文字。
ある。
読めない。
途中。
一つ。
日本語。
見つける。
『ここから先』
「何?」
リナ。
「ここから先」
続き。
『神を連れてくるな。』
止まる。
七柱。
頭。
中。
いる。
「…………」
ガルド。
『どうする』
「分からない」
大神官。
「何と書いてある」
伝える。
全員。
黙る。
「神様」
俺。
呼ぶ。
「どうする?」
エリオス。
『お前が決めろ』
「また?」
『我々が』
『決めるべきではない』
「じゃあ」
考える。
七柱。
連れて。
来るな。
理由。
不明。
昨日。
神性接続。
異常。
ユリウス。
死。
無視。
できない。
「ここで」
「待ってもらえる?」
リナ。
「神様に?」
「うん」
セレナ。
『接続を切るということ?』
「できる?」
ノア。
『一時的に』
『こちらから』
『干渉を抑えることは可能です』
「俺の声」
「聞こえる?」
『弱くなります』
「完全に切れる?」
エリオス。
『できる』
フィリア。
『レンさん』
「うん」
『危険なら』
『戻ってください』
「分かった」
ガルド。
『無茶すんな』
「ガルドに言われた」
『どういう意味だ!』
少し。
笑う。
「じゃあ」
「一回」
七柱。
気配。
薄く。
なる。
一つ。
二つ。
消える。
最後。
エリオス。
『レン』
「何?」
『神がいなくても』
『お前は』
『お前だ』
「知ってる」
気配。
消える。
静か。
なる。
本当に。
静か。
神様。
いない。
◇ ◇ ◇
「どう?」
リナ。
「変な感じ」
「寂しい?」
「ちょっと」
「言っとこ」
「後でな」
階段。
さらに。
下。
行く。
扉。
一つ。
古い。
金属。
「開けるよ」
アリア。
「待って」
確認。
罠。
なし。
魔力。
反応。
ほぼ。
なし。
大神官。
「開ける」
重い。
扉。
四人。
押す。
中。
暗い。
松明。
照らす。
小さい。
部屋。
中央。
台。
一つ。
その上。
人。
寝てる。
「…………」
フィリア。
いない。
だから。
自分。
見る。
胸。
動いてる。
呼吸。
ある。
「人」
リナ。
近づく。
「待って」
俺。
止める。
まず。
見る。
男。
たぶん。
若い。
二十代。
いや。
分からない。
髪。
長い。
肌。
白い。
服。
古い。
でも。
腐ってない。
「二百年?」
アリア。
声。
震える。
「まさか」
台。
横。
透明な。
管。
みたいな。
もの。
壁。
繋がってる。
生命維持。
機構。
この人。
生かしてた?
「起こす?」
リナ。
「待つ」
俺。
周り。
見る。
文字。
ある。
日本語。
壁。
いっぱい。
「レン」
「読める」
一つ。
一つ。
見る。
『失敗。』
『また失敗。』
『職業分類、接続不能。』
『神性接続、拒絶。』
『帰還、失敗。』
胸。
鳴る。
次。
『試験対象〇〇一。』
「…………」
アリア。
「何と?」
「〇〇一」
全員。
男。
見る。
この人。
なのか。
次。
壁。
『名前は――』
削れてる。
「名前」
「ない?」
「消えてる」
そして。
その下。
大きく。
書いてある。
『次に来る俺へ。』
同じ。
言葉。
続き。
今度は。
ある。
読む。
『もし、お前がここまで来たなら。』
『神の代わりになるな。』
「…………」
次。
『管理者になるな。』
次。
『職業を信じすぎるな。』
次。
『俺と同じになるな。』
喉。
乾く。
最後。
一行。
『俺は、神様の代役を引き受けて――』
そこで。
文字。
途切れる。
その時。
台。
上。
男。
指。
動く。
「…………」
リナ。
剣。
手。
かける。
男。
ゆっくり。
目。
開く。
黒い。
瞳。
俺。
見る。
長い。
沈黙。
そして。
口。
開く。
「…………日本人?」
俺。
息。
止まる。
日本語。
だった。




