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神々は無職を選んだ  作者: 夜凪 灯
第一章 七柱と無職
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38/71

神託ログ38「神様の仕事、お断りします」

【所有者】


【レン・アルヴェイン】



「…………」



もう一回。



見た。



変わらない。



【所有者】


【レン・アルヴェイン】



「いや」



俺。



首。



振る。



「違う」



リナ。



「何が?」



「俺」


「落としてない」



「うん」



「二百年前」


「生まれてない」



「うん」



「この神殿」


「今日初めて来た」



「うん」



「じゃあ」


「違う」



アリア。



黒い。



判定板。



見る。



「表示は」


「一致と出ています」



「表示が」


「間違ってる」



「その可能性はあります」



「あるよね?」



「あります」



よし。



大事。



表示。



イコール。



事実。



じゃない。



俺。



それ。



もう。



知ってる。



「何を」


「拾得物として」


「検出した?」



アリア。



判定板。



確認。



「表示されていません」



「場所は?」



「ありません」



「じゃあ」


「俺の物ってことしか」


「分からない?」



「正確には」



アリア。



俺。



見る。



「この神具が」


「あなたの所有物だと」


「判定した何かが」


「存在する」



「それだけです」



「うん」



その。



言い方。



助かる。



◇ ◇ ◇



――コン。



床。



下。



また。



音。



リナ。



剣。



握る。



「呼ぶんだよね?」



「うん」



アリア。



「警備を呼びます」



「信頼できる?」



「…………」



止まる。



「アリアさん?」



「通常なら」



「今日」


「その言葉」


「信用できない」



「同感です」



北方大神殿。



俺を。



旧礼拝堂へ。



近づけるな。



誰か。



古い。



日本語の紙。



置いた。



拾得物。



消えた。



今。



床下。



音。



警備。



呼べば。



安全。



とは。



限らない。



でも。



俺たちだけ。



行くのも。



違う。



「アリアさんが」


「信用できる人」



「一人だけ」


「呼べる?」



「一人」



アリア。



考える。



「います」



「誰?」



「ユリウス」



「神官?」



「はい」



「どんな人?」



「規則に」


「うるさいです」



「信用できそう」



リナ。



「何で?」



「こういう時」


「規則守る人」


「大事じゃない?」



アリア。



少し。



笑う。



「同意します」



◇ ◇ ◇



十分。



くらい。



して。



男。



来る。



三十代。



背。



高い。



白い。



神官服。



顔。



怖い。



「アリア」



「ユリウス」



「立入禁止資料を」


「閲覧させたと聞いた」



第一声。



それ。



「信用できそう」



俺。



小声。



リナ。



「怒られてるけどね」



ユリウス。



俺たち。



見る。



「あなたが」


「レン・アルヴェイン?」



「はい」



「職業院で」


「神具を破損させた」



「俺が」


「壊したみたいに」


「言わないでもらえます?」



「事実として」


「あなたが触れた直後に」


「破損した」



「…………」



「信用できそう」



リナ。



「今」


「俺に厳しいだけ」



ユリウス。



「何の話だ」



「こっちの話です」



◇ ◇ ◇



事情。



説明。



する。



全部。



じゃない。



必要な。



範囲。



日本語。



二百年前。



拾得物。



黒い判定板。



床下。



音。



そして。



【所有者:レン・アルヴェイン】



ユリウス。



最後まで。



黙って。



聞く。



「確認する」



「はい」



「あなたは」


「旧礼拝堂へ」


「行きたい」



「行きたいです」



「しかし」


「許可は却下された」



「はい」



「だから」


「閉鎖通路から」


「侵入しようとしている」



「してない!」



「してないね」



リナ。



「そこ大事!」



アリア。



「私が証言します」



ユリウス。



俺。



見る。



「では」


「なぜ私を呼んだ」



「行かないため」



「…………」



「俺たちだけだと」


「何かあった時」


「判断偏るから」



ユリウス。



少し。



黙る。



「分かった」



「信じた?」



「侵入しようとする人間が」


「わざわざ」


「規則にうるさい私を」


「呼ぶ理由は薄い」



「アリアさん」


「人選完璧」



「でしょう」



ユリウス。



「褒めてない」



◇ ◇ ◇



床。



確認。



する。



アリア。



棚。



動かす。



その下。



金属。



輪。



ある。



「隠し扉?」



「管理用です」



「開ける?」



ユリウス。



「開けない」



「ですよね」



「まず」


「音の原因を」


「確認する」



「どうやって?」



ユリウス。



膝。



つく。



床。



手。



置く。



目。



閉じる。



淡い。



光。



「神術?」



フィリア。



『生命探知に近いものです』



「ユリウスも?」



『神官であれば』


『簡易的な術式を』


『扱う者はいます』



ユリウス。



目。



開く。



「下に」


「人間の反応はない」



「じゃあ」


「誰が叩いてた?」



「分からない」



「魔物?」



「生命反応は」


「ない」



リナ。



「もっと嫌」



「同意」



その時。



――コン。



全員。



床。



見る。



ユリウス。



もう一度。



探知。



「反応なし」



――コン。



「音は」


「するのに?」



「はい」



アリア。



「機械?」



俺。



「装置とか」



ノア。



『可能性はあります』



「じゃあ」


「合図じゃなくて」


「何かが動いてる音?」



「あり得ます」



ユリウス。



立つ。



「閉鎖通路の」


「管理記録を確認する」



「どこ?」



「ここにある」



アリア。



棚。



奥。



冊子。



持ってくる。



◇ ◇ ◇



古い。



図面。



広げる。



北方大神殿。



断面。



みたい。



「でか」



地下。



思ったより。



深い。



今。



いる。



古記録庫。



その下。



閉鎖通路。



さらに。



下。



旧礼拝堂。



その。



もっと。



下。



空白。



「ここ何?」



俺。



指。



さす。



アリア。



「記録がありません」



「図面なのに?」



「はい」



「じゃあ」


「何で空間だけある?」



「分かりません」



ユリウス。



「増築前の」


「基礎部分だろう」



アリア。



「推測?」



「推測だ」



「了解」



ユリウス。



俺。



見る。



「何だ」



「ちゃんと」


「推測って言う人」


「好きです」



「気持ち悪い」



「ひどい」



リナ。



笑う。



少し。



緊張。



抜ける。



◇ ◇ ◇



閉鎖通路。



記録。



読む。



アリア。



「最後に」


「開放されたのは」


「二十三年前」



「何で?」



「補修」



「異常?」



「なし」



「その前」



「三十一年前」



「理由」



「拾得物回収」



「…………」



俺。



止まる。



「拾得物?」



「はい」



「何を?」



アリア。



次。



行。



読む。



「透明片」



「…………」



リナ。



「さっき」


「なくなったやつ?」



「記録番号が」


「同じです」



「じゃあ」


「三十一年前にも」


「旧礼拝堂に落ちてた?」



「違います」



アリア。



指。



置く。



「保管庫から」


「消失」



「後日」


「閉鎖通路内で」


「発見」



「…………」



「勝手に」


「移動した?」



「記録上は」



「誰かが」


「持ってった可能性」



「あります」



「その人は?」



「不明」



また。



不明。



でも。



同じ。



透明片。



今。



また。



消えた。



「じゃあ」



リナ。



床。



見る。



「下にある?」



誰も。



答えない。



◇ ◇ ◇



黒い。



判定板。



光。



強く。



なる。



【拾得物】



【所有者照合:一致】



次。



【位置情報】



「出る?」



文字。



揺れる。



【下層】



「やっぱり」



アリア。



「待って」



次。



【回収を推奨】



「推奨?」



ユリウス。



「旧式判定板に」


「その機能はあるのか」



アリア。



「知りません」



「検査官用なんだよね?」



「はい」



「落とし物」


「探す機能?」



「聞いたことがありません」



次。



【回収後】



【管理権限を返還してください】



「…………」



俺。



「誰に?」



表示。



変わる。



【管理者】



長い。



間。



【レン・アルヴェイン】



「は?」



今度。



声。



揃った。



俺。



リナ。



アリア。



「管理者?」



ユリウスだけ。



低い。



声。



「何の」



次。



【職業分類補助機構】



【暫定管理者】



【レン・アルヴェイン】



「俺」


「検査官じゃなかった?」



アリア。



「さっきは」


「検査官権限でした」



「昇進?」



リナ。



「嬉しくない」



「待て」



ユリウス。



判定板。



近づく。



「この表示を」


「信用するな」



「うん」



俺。



即答。



ユリウス。



少し。



驚く。



「意外そうな顔」



「もっと」


「食いつくと思った」



「今日」


「それ二回目」



でも。



本当に。



信用。



しない。



俺。



管理者。



そんな。



覚え。



ない。



◇ ◇ ◇



「ノア」



『はい』



「管理者って」


「分かる?」



『現行の職業制度に』


『個人へそのような権限を』


『直接付与する仕組みは』


『確認できません』



「昔は?」



『不明です』



「エリオス」



『私も』


『知らない』



「七柱の仕事?」



エリオス。



少し。



間。



『職業制度の管理は』


『我々の役割の一部だ』



「じゃあ」


「俺に出てる管理者」


「七柱と同じ?」



『分からない』



「上?」



『分からない』



「下?」



『分からない』



「何も分からない」



『すまない』



「責めてない」



今。



本当に。



責める。



気。



ない。



むしろ。



嫌な。



予感。



する。



◇ ◇ ◇



「もし」



俺。



言う。



「俺が」


「この管理権限」


「受けたら」



「何ができる?」



アリア。



「分かりません」



ノア。



『不明です』



「じゃあ」


「受けない」



リナ。



「早い」



「分からない権限」


「いらないだろ」



「成長した」



「でしょ?」



「ちょっとだけ」



「ちょっとか」



判定板。



表示。



変わる。



【管理権限の返還には】



【拾得物の回収が必要です】



「いや」



俺。



「だから」


「いらないって」



次。



【管理者不在】



【一部機能停止中】



「俺のせいみたいに」


「言うな」



次。



【管理者による】



【再起動を推奨】



「しません」



声。



出して。



言う。



何も。



起きない。



「聞こえてる?」



リナ。



「知らない」



「じゃあ」


「何で声出したの」



「気持ち」



◇ ◇ ◇



ユリウス。



図面。



見てる。



「旧礼拝堂へ」


「行く必要はある」



「え?」



俺。



見る。



「許可」


「却下されたけど」



「だから」


「正式に」


「再申請する」



「通る?」



「通す」



「強い」



アリア。



「ユリウスは」


「こういう人です」



「規則にうるさいんじゃ?」



「規則に従って」


「規則を使います」



「めっちゃ信用できる」



ユリウス。



「やめろ」



「何で?」



「気味が悪い」



「ひどいな」



◇ ◇ ◇



その時。



扉。



叩く。



三回。



普通の。



ノック。



全員。



ちょっと。



びくっ。



なる。



「普通の音で」


「びっくりした」



リナ。



「俺も」



アリア。



扉。



開けない。



「誰です」



「大神官補佐です」



男。



声。



外。



アリア。



ユリウス。



見る。



ユリウス。



頷く。



扉。



開く。



男。



入る。



五十代。



灰色。



髪。



白い。



神官服。



装飾。



多い。



「ユリウス」



「はい」



「なぜ」


「ここにいる」



「異常報告を」


「受けました」



「誰から」



「アリアから」



男。



アリア。



見る。



「私は」


「報告していません」



空気。



変わる。



「…………」



大神官補佐。



少し。



止まる。



「では」


「誰から?」



ユリウス。



「こちらが」


「聞きたい」



男。



笑う。



「行き違いでしょう」



「そうですか」



ユリウス。



顔。



変わらない。



「それで」


「何の用です」



「レン・アルヴェインを」


「大神官がお呼びです」



「俺?」



「はい」



「何で?」



「お話があると」



「内容」



「直接」



「一人で?」



男。



「可能であれば」



「無理です」



即答。



リナ。



「早い」



「今日は」


「知らない人に」


「ついていかない日」



「子ども?」



「大事」



男。



俺。



見る。



「大神官からの」


「正式な召喚です」



「命令?」



「要請です」



「断れる?」



「…………」



間。



「要請なら」



俺。



「断れますよね」



男。



笑顔。



少し。



固い。



「もちろん」



「じゃあ」


「今は行きません」



「理由を」


「伺っても?」



「ここで」


「やることあるんで」



「何を?」



「それ」


「あなたに言う必要あります?」



リナ。



小声。



「強くなった」



「ちょっと怖い?」



「ちょっと」



◇ ◇ ◇



男。



判定板。



見る。



ほんの。



一瞬。



顔。



変わる。



俺。



見逃さない。



「これ」


「知ってます?」



「旧式の」


「神具ですね」



「管理者って」


「知ってる?」



「存じません」



早い。



「表示」


「見ました?」



「いいえ」



見た。



たぶん。



でも。



決めない。



「じゃあ」


「大神官に」


「伝えてください」



「何と?」



俺。



少し。



考える。



「俺も」


「話はしたい」



「ただし」


「リナ」


「アリアさん」


「ユリウスさん」


「同席」



「それは」



「無理なら」


「会わない」



男。



目。



細く。



なる。



「神殿の」


「内部事情に関わる話です」



「俺の名前」


「内部で回してるのに?」



「…………」



「俺」


「当事者ですよね」



男。



答えない。



「それと」



俺。



続ける。



「旧礼拝堂」


「立入許可」


「再申請します」



「認められません」



「早いですね」



「危険です」



「何が?」



「老朽化」



「それ以外」



「ありません」



「本当に?」



「はい」



即答。



また。



「じゃあ」


「透明な拾得物が」


「二回も」


「そこへ移動した理由」



男。



止まる。



ほんの。



一瞬。



でも。



今度。



全員。



見た。



「……何の話です?」



ユリウス。



前。



出る。



「あなたは」


「知っているな」



「何を」



「旧礼拝堂を」



「神官ですから」



「違う」



ユリウス。



声。



低い。



「閉鎖理由を」



沈黙。



◇ ◇ ◇



「帰ってください」



アリア。



言う。



男。



見る。



「記録官が」


「大神官補佐へ」


「命令するのですか」



「ここは」


「私の管理区域です」



「許可なく」


「閲覧資料へ近づくことを」


「認めません」



強い。



アリア。



ちょっと。



かっこいい。



男。



俺。



最後。



見る。



「レン・アルヴェイン」



「はい」



「あなたは」


「自分が」


「何をしているのか」


「分かっていますか」



「分かってません」



男。



少し。



驚く。



「だから」


「調べてます」



「知らない方が」


「幸せなこともあります」



「それ」


「最近」


「一番嫌いな言葉です」



男。



黙る。



「神々は」


「あなたを」


「導いている」



「はい」



「なら」


「任せればいい」



「それは」


「神様の仕事でしょう」



「…………」



「俺の仕事じゃない」



男。



「では」


「あなたは」


「何をする」



「自分のこと」


「自分で決めます」



「神々の導きを」


「拒むと?」



七柱。



静か。



聞いてる。



俺。



答える。



「必要なら」



「拒みます」



男。



顔。



固く。



なる。



「神に」


「逆らうことになります」



「違う」



自分でも。



驚く。



くらい。



すぐ。



出た。



「神様が」


「決めるべきことと」



「俺が」


「決めること」



一拍。



「分けるだけです」



「それが」


「間違っていたら?」



「選び直す」



「責任は?」



「俺が持つ」



怖い。



本当は。



そんな。



簡単じゃない。



でも。



誰かに。



渡したくない。



「神様の仕事」


「俺に」


「押しつけないでください」



男。



何も。



言わない。



「俺も」


「神様の仕事」


「勝手に奪わない」



「だから」



判定板。



見る。



【管理者】



そんな。



表示。



出ても。



「神様の代わり」


「やる気ないです」



◇ ◇ ◇



大神官補佐。



帰る。



扉。



閉まる。



しばらく。



誰も。



喋らない。



「…………」



俺。



息。



吐く。



「怖かった」



リナ。



「急に弱くなった」



「ずっと怖かった!」



「顔」


「強かったよ」



「演技!」



アリア。



「半分くらい」


「本気だったでしょう」



「七割」



「増えた」



ユリウス。



「馬鹿だな」



「え?」



「大神官補佐へ」


「あそこまで言う人間は」


「久しぶりに見た」



「怒られる?」



「怒られる」



「帰ろうかな」



「遅い」



つらい。



◇ ◇ ◇



「神様」



俺。



呼ぶ。



「さっき」


「聞いてた?」



ガルド。



『全部な』



「怒った?」



『何でだ』



「導き」


「拒むって」



セレナ。



『内容によるわ』



メルク。



『損なら止める』



「商神だな」



ヴォルグ。



『自分で選べ』



フィリア。



『私は』


『レンさんが』


『嫌だと言える方が』


『安心します』



ノア。



『命令と』


『助言は異なります』



「うん」



最後。



エリオス。



『レン』



「何?」



『一つだけ』


『訂正する』



「何を?」



『神の仕事を』


『奪う必要はない』



「うん」



『だが』


『神の仕事だからと』


『人が考えることを』


『やめる必要もない』



「…………」



『我々が間違えば』


『止めろ』



『お前が間違えば』


『我々が止める』



『それでいい』



少し。



笑う。



「神様っぽい」



ガルド。



『俺たち神だぞ!?』



「忘れてた」



『おい!』



◇ ◇ ◇



ユリウス。



閉鎖通路。



再申請。



手続き。



始める。



アリア。



拾得物。



記録。



調べる。



リナ。



俺。



見張る。



「何で俺?」



「勝手に」


「何か触らないように」



「信用」



「ちょっとある」



「ちょっとか」



俺。



黒い。



判定板。



前。



座る。



表示。



まだ。



【管理者:レン・アルヴェイン】



「…………」



「違う」



小さく。



言う。



すると。



表示。



変わる。



【管理権限を】



【受諾しますか】



【YES/NO】



「選べるんだ」



リナ。



「みたい」



「押す?」



「うん」



今度。



迷わない。



NO。



触れる。



光。



揺れる。



【確認】



【管理権限を拒否しますか】



【YES/NO】



「しつこい」



もう一度。



YES。



【警告】



【管理者不在により】



【一部機能が停止します】



「それでも?」



リナ。



「うん」



「困る人」


「いるかもよ」



手。



止まる。



それ。



嫌。



でも。



だから。



受ける?



何をするか。



分からない。



責任。



知らない。



誰が。



作ったか。



分からない。



そんな。



権限。



俺が。



持つ。



方が。



怖い。



「分からないものを」


「引き受けて」


「誰か助けた気になる方が」


「危ない」



フィリア。



何も。



言わない。



でも。



たぶん。



聞いてる。



「拒否する」



YES。



押す。



【管理権限】



【返還】



一瞬。



光。



消える。



そして。



【管理者】



【不在】



「終わった」



リナ。



「たぶん」



次。



表示。



出る。



【暫定検査官権限は】



【維持されます】



「そっちは残るんだ」



「検査官」


「レン」



「嫌な響き」



でも。



管理者。



じゃない。



少し。



ほっと。



する。



その瞬間。



――ガチャン。



床。



下。



大きな。



音。



「何!?」



アリア。



振り返る。



ユリウス。



床。



見る。



閉鎖通路。



入口。



金属。



輪。



勝手に。



浮いてる。



「開いた?」



「いや」



ユリウス。



近づく。



「鍵が」


「外れた」



「俺」


「何もしてない」



「見てた」



リナ。



「今回は」


「本当に」



「今回はって何」



アリア。



図面。



見る。



「管理権限を」


「返したから?」



ノア。



『可能性はあります』



「何で?」



『不明です』



金属。



蓋。



隙間。



少し。



開く。



下。



暗い。



そこから。



何か。



転がる。



カラン。



床。



止まる。



透明。



小さな。



破片。



「…………」



アリア。



息。



呑む。



「消えた」


「拾得物」



俺。



しゃがまない。



近づかない。



見る。



だけ。



透明な。



破片。



その。



内側。



今まで。



見えなかった。



小さな。



文字。



ある。



日本語。



「レン」



リナ。



「読める?」



「…………うん」



一文字。



じゃない。



短い。



文章。



『返してくれて、ありがとう。』



「何て?」



俺。



すぐ。



答えられない。



返した。



管理権限。



誰に。



返した?



神様?



七柱。



違う。



少なくとも。



あいつら。



何も。



知らない。



「レン?」



「返してくれて」



喉。



鳴る。



「ありがとう」



部屋。



静か。



なる。



その直後。



黒い。



判定板。



最後に。



一度だけ。



光った。



【管理権限】



【返還先を確認】



「…………」



次。



【所有者】



文字。



出ない。



代わり。



知らない。



記号。



一つ。



八つ目の。



紋章。



丸。



その中。



縦に。



一本。



割れた。



形。



そして。



判定板。



完全に。



沈黙。



した。



俺は。



透明な。



落とし物。



見た。



二百年前。



誰かが。



落とした。



はずの。



もの。



なのに。



それは。



まるで。



ずっと。



待っていた。



みたいだった。



俺が。



神様の。



代わりに。



ならないと。



決める。



その時を。

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