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神々は無職を選んだ  作者: 夜凪 灯
第一章 七柱と無職
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37/71

神託ログ37「神殿の落とし物」

『神殿は、もう神のものじゃない。』



紙。



一枚。



床。



その文字を。



俺は。



もう一度。



読んだ。



意味は。



変わらない。



「……誰が置いた?」



リナ。



廊下。



見る。



誰も。



いない。



左右。



長い。



石造りの。



通路。



足音。



なし。



扉。



閉まってる。



「アリアさん」



「はい」



「ここ」


「誰でも入れる?」



「いいえ」



「じゃあ」


「入れる人は?」



「記録官」


「上位神官」


「管理権限を持つ者」



「何人?」



「現在」


「十一名」



「多いな」



「ですが」



アリア。



紙。



見る。



「この記録庫へ」


「今日」


「入室申請を出したのは」


「私たちだけです」



「申請なしなら?」



「規則上は」


「入れません」



「規則上は」



「はい」



規則。



守る人間しか。



止められない。



言葉。



でもある。



「紙」


「いつからあった?」



リナ。



「さっき」


「音する前はなかった」



「うん」



「じゃあ」


「誰か近くにいた」



「たぶん」



「追う?」



一瞬。



考える。



「追わない」



リナ。



少し。



驚く。



「いいの?」



「今追って」


「俺たち全員」


「ここ離れる方が嫌」



黒い。



旧式判定板。



古い。



記録。



二百年前の。



日本語。



全部。



ここ。



置いたまま。



「まず」


「これ守る」



アリア。



俺。



見る。



「賛成です」



◇ ◇ ◇



紙。



直接。



触らない。



アリアが。



薄い。



木板。



二枚。



使って。



挟む。



「指紋とか」


「取れない?」



「シモン?」



「あ」



ない。



たぶん。



そういう。



技術。



「触った跡」



「魔力痕なら」


「調べられる可能性があります」



「セレナ」



【魔法神セレナ】


『見てるわ』



「分かる?」



『微量の魔力はある』



「誰の?」



『そこまでは』


『分からない』



「神様の?」



『違うと思う』



「思う?」



『断定はできない』



「了解」



ちゃんと。



推測。



として。



聞く。



「ノア」



【知識神ノア】


『はい』



「紙は?」



『一般的な紙に見えます』



「この神殿のもの?」



『判断できません』



「文字は?」



『認識できません』



やっぱり。



七柱。



読めない。



俺だけ。



読める。



『検査するな。』



『神殿は、もう神のものじゃない。』



「…………」



これ。



俺に。



向けて。



書いた。



可能性。



高い。



だって。



他の人。



読めない。



なら。



「アリアさん」



「何です?」



「これ」


「誰かが今日書いたとは」


「限らないよね」



アリア。



止まる。



「どういう意味です?」



「二百年前に」


「書かれたものを」



紙。



見る。



「今日」


「ここへ置いたかもしれない」



「…………」



リナ。



「誰かが」


「ずっと持ってた?」



「それか」


「どこかに隠してた」



アリア。



紙。



端。



見る。



「紙そのものの」


「年代を調べます」



「できる?」



「専門の記録官なら」



「誰?」



「私です」



「かっこいい」



「記録官ですから」



少し。



得意そう。



初めて。



見た。



◇ ◇ ◇



アリア。



机。



上。



紙。



照明。



当てる。



厚さ。



見る。



繊維。



見る。



匂い。



嗅ぐ。



「食べないよね?」



「食べません」



「レン」



リナ。



「静かに」



「はい」



待つ。



しばらく。



アリア。



顔。



上げる。



「古いです」



「どれくらい?」



「正確には」


「分かりません」



「でも?」



「少なくとも」


「最近作られた紙ではありません」



「二百年?」



「そこまでは」


「断定できません」



「数十年単位?」



「可能性はあります」



「じゃあ」


「今日」


「書いたんじゃない?」



「インクも」


「新しくありません」



「…………」



リナ。



「昔の手紙を」


「誰かが今置いた」



「その可能性が高いです」



誰か。



古い。



日本語。



持ってた。



俺が。



来るまで。



あるいは。



俺が。



ここへ。



来るまで。



「俺」


「来るの知ってた?」



誰に。



聞いた。



わけでもない。



でも。



口。



出た。



アリア。



答えない。



リナも。



答えない。



答え。



ない。



◇ ◇ ◇



「一回」


「黒い板」


「止められない?」



俺。



旧式判定板。



見る。



まだ。



表示。



残ってる。



【検査対象:北方大神殿】



【YES/NO】



「アリアさん」



「NOなら」


「安全?」



「通常なら」


「検査を終了します」



「通常なら」



「はい」



最近。



その。



通常。



俺に。



当てはまった。



試し。



ない。



「何もしない」


「って選択は?」



「時間経過で」


「終了する可能性もあります」



「じゃあ」


「触らない」



リナ。



「えらい」



「褒め方が」


「子ども」



「昨日より成長」



「それ」


「俺が言ってたやつ」



アリア。



「少し」


「安心しました」



「俺」


「そんな危険人物?」



二人。



黙る。



「答えて?」



◇ ◇ ◇



「この紙」


「保管場所」


「分かる?」



俺。



聞く。



アリア。



「同じ形式の紙を」


「探します」



「日本語の?」



「文字ではなく」


「紙質です」



「なるほど」



棚。



一つ。



一つ。



確認。



する。



俺と。



リナも。



手伝う。



「これは?」



「違います」



「これは?」



「新しい」



「これは?」



「それは帳簿」



「紙は?」



「違います」



「難しいな」



「記録官を」


「何だと思ってるんです?」



「本を」


「いっぱい読む人」



「半分くらいしか」


「合っていません」



「半分合ってた」



しばらく。



探す。



アリア。



一冊。



薄い。



冊子。



止まる。



「これ」



「同じ?」



「近い」



棚。



上。



札。



ある。



「何の棚?」



「神殿内」


「拾得物」



「…………」



「落とし物?」



リナ。



「はい」



「古記録庫に?」



「長期間」


「持ち主が現れず」


「処分できなかった物です」



「何で」


「処分できない?」



アリア。



冊子。



開く。



「神具」


「宗教資料」


「判別不能品」



ページ。



めくる。



「分類できないものは」


「ここへ」



「分類できないもの」



俺。



「仲間」



リナ。



「レンの棚」



「人を」


「落とし物にしないで」



◇ ◇ ◇



拾得物。



記録。



見る。



古い。



一覧。



「紙」


「いつ拾われた?」



アリア。



指。



追う。



「…………」



止まる。



「何?」



「記録が」


「あります」



「いつ?」



「百九十八年前」



「ほぼ」


「二百年前」



「はい」



「場所」



アリア。



読む。



「北方大神殿」


「旧礼拝堂」



「拾った人」



「記録なし」



「持ち主」



「不明」



「内容」



「判読不能」



俺。



紙。



見る。



「これだ」



たぶん。



同じ。



日本語。



「他にも」


「落とし物ある?」



「同時期に?」



「うん」



アリア。



記録。



追う。



一つ。



二つ。



三つ。



「あります」



「何個?」



「五点」



「見たい」



「全部?」



「全部」



アリア。



ため息。



「あなた」


「本当に」



「質問多い?」



「いえ」



鍵。



束。



持つ。



「面倒です」



「悪化した」



◇ ◇ ◇



拾得物。



保管庫。



さらに。



地下。



「まだ下あるの?」



リナ。



「北方大神殿は」


「古い建物の上に」


「増築を繰り返しています」



「地下何階?」



「正式には四層」



「正式じゃないのは?」



アリア。



止まる。



「あります」



「何層?」



「分かりません」



「…………」



「今」


「聞かなかったことにして」



「無理」



「ですよね」



階段。



下りる。



鉄。



扉。



鍵。



二つ。



魔力。



認証。



一つ。



「厳重」



「拾得物ですから」



「落とし物に」


「厳重すぎない?」



「中には」


「危険物もあります」



「先に言って」



「今言いました」



この人。



強い。



◇ ◇ ◇



中。



棚。



箱。



大量。



全部。



番号。



振られてる。



アリア。



帳簿。



見る。



「百九十八年前」



「同日」



「旧礼拝堂」



「五点」



「一つ目」



箱。



出す。



小さい。



「開けます」



「はい」



中。



金属。



板。



半分。



割れてる。



「何これ」



リナ。



「不明です」



俺。



見る。



文字。



ない。



でも。



形。



どこか。



変。



薄い。



平たい。



角。



丸い。



「…………」



触らない。



見る。



だけ。



「レン?」



「知らない」



「見覚えは?」



「ない」



次。



二つ目。



布。



古い。



茶色。



元の。



色。



分からない。



「服?」



「布片です」



何も。



分からない。



三つ目。



小さい。



透明な。



破片。



「ガラス?」



リナ。



「材質不明」



アリア。



「加工方法も」


「当時の記録では不明」



俺。



近づく。



透明。



少し。



曲がってる。



「…………」



見覚え。



ある。



気が。



する。



でも。



断定。



できない。



「何か分かる?」



「たぶん」


「何かの容器」



「根拠は?」



「曲がり方」



「推測?」



「推測」



アリア。



頷く。



「続けます」



四つ目。



紙。



束。



「これ」



胸。



鳴る。



日本語。



ある。



「読める」



「何て?」



でも。



ほとんど。



黒く。



汚れてる。



読める。



ところ。



少ない。



『……失敗した。』



次。



『俺は……』



消えてる。



次。



『職業は……』



消えてる。



次。



『神……』



破れてる。



「少ししか」


「読めない」



アリア。



「読める部分だけ」



俺。



伝える。



「〇〇一?」



リナ。



「可能性はある」



「同じ人?」



「分からない」



決めない。



まだ。



「最後」



アリア。



五つ目。



箱。



一番。



小さい。



手のひら。



くらい。



開く。



中。



「…………」



俺。



止まる。



「何?」



リナ。



小さな。



金属。



輪。



その先。



細長い。



金属。



板。



「これ」



知ってる。



「何です?」



アリア。



俺。



手。



出しかけて。



止める。



「触っていい?」



「待って」



アリア。



魔力。



確認。



「反応なし」



セレナ。



『私も』


『魔力は感じない』



「触る」



「慎重に」



指。



触れる。



冷たい。



持ち上げる。



金属。



輪。



二つ。



細い。



板。



「鍵?」



リナ。



「違う」



「じゃあ?」



俺。



ひっくり返す。



片側。



小さい。



刃。



「爪切り」



「…………」



「ツメキリ?」



「爪」


「切るやつ」



リナ。



自分の。



爪。



見る。



「これで?」



「うん」



「小さくない?」



「爪だから」



「剣の方が」


「早くない?」



「怖すぎる」



二百年前。



北方大神殿。



落とし物。



爪切り。



この世界。



来て。



初めて。



見た。



完全に。



俺の。



世界の。



日用品。



「アリアさん」



「はい」



「これ」



声。



少し。



震える。



「俺の世界の」


「道具です」



アリア。



息。



止まる。



「確実?」



「たぶん」



「…………」



「ごめん」


「百%って言いたいけど」



爪切り。



見る。



「似たものが」


「この世界に」


「絶対ないとは」


「言えない」



アリア。



少し。



目。



見開く。



「そこで」


「断定しないんですね」



「最近」


「怒られるんで」



ヴォルグ。



『誰にだ』



「主に神様」



◇ ◇ ◇



爪切り。



側面。



傷。



ある。



文字。



小さい。



「…………」



「レン?」



目。



近づける。



アルファベット。



じゃない。



数字。



「読める?」



アリア。



「数字」



「何と?」



「一〇九」



「百九?」



「うん」



109。



胸。



妙に。



ざわつく。



「何の数字?」



「分からない」



「製品番号?」



「かもしれない」



「持ち主が」


「刻んだ?」



「それもある」



でも。



109。



今の。



俺。



【第109代育成対象】



思い出す。



「…………」



「神様」



呼ぶ。



「俺」


「第何代だっけ」



ノア。



『第109代です』



部屋。



冷える。



気が。



した。



「どうしたの?」



リナ。



「これ」


「一〇九って」


「書いてある」



「…………」



アリア。



爪切り。



見る。



「あなたも」



「109」



「うん」



「偶然?」



「分からない」



数字。



同じ。



だけ。



それ以上。



まだ。



ない。



「前の」


「108代は?」



俺。



聞く。



ノア。



『記録上』


『存在します』



「〇〇一?」



『結びつける根拠はありません』



「うん」



そこ。



大事。



〇〇一。



育成対象。



108。



同じ。



とは。



限らない。



「第109代って」


「何を数えてる?」



ノア。



沈黙。



「ノア?」



『育成対象として』


『登録された個体の』


『通算番号です』



「いつから?」



『現行記録上の』


『第一代から』



「何年前?」



『…………』



「分からない?」



『最古記録の』


『年代情報が』


『欠落しています』



「またか」



アリア。



「その話」


「詳しく」



「後で」



爪切り。



見る。



109。



偶然。



かもしれない。



でも。



捨てられない。



◇ ◇ ◇



「五点」



俺。



確認。



する。



「金属板」



「布」



「透明な破片」



「日本語の紙」



「爪切り」



「全部」


「同じ日に?」



「はい」



「同じ場所?」



「旧礼拝堂」



「誰が拾ったか」


「分からない」



「はい」



「旧礼拝堂」


「今ある?」



アリア。



黙る。



「ある?」



「あります」



「行ける?」



「通常は」


「立入禁止です」



「理由」



「老朽化」



「それだけ?」



アリア。



答えない。



「アリアさん」



「もう一つ」



「何?」



「旧礼拝堂は」


「北方大神殿の」


「最下層にあります」



「正式な四層より?」



「下です」



「さっき」


「何層あるか分からないって」



「はい」



「そこ?」



「その一つです」



リナ。



「行くの?」



俺。



考える。



行きたい。



めちゃくちゃ。



でも。



今。



勝手に。



行く。



違う。



「許可」


「取れる?」



アリア。



「難しいです」



「誰の?」



「大神官」



「会える?」



「申請はできます」



「じゃあ」


「申請する」



リナ。



「忍び込まない?」



「俺を」


「何だと思ってる?」



「ちょっと安心」



「信用を」


「取り戻してる」



「ちょっとね」



ちょっと。



◇ ◇ ◇



拾得物。



全部。



元。



戻す。



爪切り。



最後。



箱。



入れる。



手。



止まる。



「レン?」



「これ」



「何?」



「二百年」


「ここにあったんだよね」



「記録上は」



「持ち主」


「戻ってこなかった」



「そうですね」



その人。



どうなった。



死んだ。



帰った。



消えた。



捕まった。



逃げた。



分からない。



でも。



爪。



切る。



くらい。



普通の。



生活。



してた。



人。



だった。



かもしれない。



試験対象〇〇一。



日本語。



次に来る俺。



同じ。



人。



かもしれない。



違う。



かもしれない。



「戻そう」



箱。



閉じる。



◇ ◇ ◇



記録庫。



戻る。



黒い。



判定板。



見る。



表示。



消えてる。



「終わった?」



アリア。



確認。



「待機状態です」



「よかった」



「検査は?」



「しない」



リナ。



即答。



「俺に聞いて?」



「する?」



「今日はしない」



「よし」



アリア。



紙。



一枚。



出す。



「旧礼拝堂」


「立入申請」



「今書く?」



「はい」



「理由」



「何て?」



「史料調査」



「異世界人の」


「落とし物探し」



「却下されます」



「ですよね」



書く。



名前。



レン・アルヴェイン。



職業。



欄。



止まる。



「…………」



リナ。



覗く。



「なし」



「分かってる」



書く。



【職業:なし】



前なら。



嫌。



だった。



今。



少し。



慣れた。



良いのか。



悪いのか。



分からない。



「提出してきます」



アリア。



紙。



持つ。



「どれくらい?」



「早ければ」


「今日中」



「遅ければ?」



「数日」



「長い」



「神殿ですから」



「理由になってる?」



「なっています」



アリア。



部屋。



出る。



俺。



リナ。



残る。



◇ ◇ ◇



「レン」



「何?」



「109」



「うん」



「気になる?」



「めちゃくちゃ」



「偶然かも」



「うん」



「でも」


「偶然じゃないかも」



「うん」



「便利だね」


「その返事」



「今」


「何も決められないから」



リナ。



机。



寄りかかる。



「私なら」


「怖いかも」



「俺も怖い」



「何が一番?」



少し。



考える。



「誰かに」


「決められてたこと」



「何を?」



「俺が来ること」



「俺が109になること」



「俺が」


「なしになること」



「全部」



もし。



二百年前。



誰かが。



知ってた。



なら。



俺の。



選択。



どこから。



俺の。



もの。



だった。



「でも」



リナ。



「何?」



「今日」


「検査しなかったの」


「レンでしょ」



「…………」



「誰かに」


「決められてた?」



「いや」



「旧礼拝堂」


「勝手に行かないって」


「決めたのも?」



「俺」



「じゃあ」



リナ。



肩。



すくめる。



「今は」


「レンじゃん」



「…………」



単純。



でも。



ちょっと。



効く。



「ありがとう」



「狩剣士だから」



「絶対関係ない」



◇ ◇ ◇



一時間。



くらい。



して。



アリア。



戻る。



早い。



「許可?」



俺。



立つ。



アリア。



顔。



固い。



「却下されました」



「早っ」



「理由は?」



「老朽化」


「危険区域」



「それだけ?」



「表向きは」



「表向き」



アリア。



扉。



閉める。



鍵。



かける。



「何?」



「申請書を」


「提出した時」



声。



小さい。



「大神官補佐から」


「言われました」



「何て?」



「レン・アルヴェインを」


「旧礼拝堂へ」


「近づけるな」



「…………」



「俺」


「名指し?」



「はい」



「何で?」



「聞きました」



「答えは?」



「ありません」



リナ。



立つ。



「じゃあ」


「向こう」


「レンのこと知ってる」



「少なくとも」


「名前は」



アリア。



続ける。



「それだけではありません」



「何?」



「拾得物の」


「確認をしました」



「さっきの?」



「はい」



「五点」



「そのうち」



アリア。



一瞬。



言葉。



止める。



「一つ」


「なくなっています」



「…………」



「何が?」



嫌な。



予感。



する。



「紙?」



「違います」



「金属板?」



「違う」



「爪切り?」



「あります」



「じゃあ」



アリア。



俺。



見る。



「透明な破片です」



「…………」



「いつ?」



「分かりません」



「さっき」


「俺たち見たよね?」



「はい」



「その後?」



「保管庫を」


「施錠しました」



「鍵は?」



「私が持っています」



「他に開けられる人」



「上位管理権限なら」



「いる?」



「います」



「誰?」



アリア。



答えようと。



した。



その時。



――コン。



音。



机。



下。



「…………」



全員。



止まる。



リナ。



剣。



抜く。



「何」



「分からない」



もう一度。



――コン。



机。



じゃない。



床。



下。



「地下?」



アリア。



顔。



青い。



「この下は」



「何?」



「正式な」


「記録庫ではありません」



三回目。



――コン。



――コン。



今度。



二回。



まるで。



合図。



俺。



床。



見る。



「アリアさん」



「この下」



「何がある?」



長い。



沈黙。



「旧礼拝堂へ」


「続く」


「閉鎖通路です」



「…………」



リナ。



「許可」


「却下されたよね」



「うん」



また。



――コン。



床。



下。



誰か。



いる。



「どうする?」



リナ。



聞く。



俺。



すぐ。



答えない。



行きたい。



でも。



罠。



かもしれない。



紙。



検査するな。



旧礼拝堂。



近づけるな。



落とし物。



一つ。



消えた。



そして。



床。



下。



音。



情報。



足りない。



「アリアさん」



「はい」



「この部屋」


「他の出口ある?」



「ありません」



「床下へ」


「行く方法」



「あります」



「開けないで」



リナ。



俺。



見る。



「お」



「何?」



「同じ意見」



「珍しい?」



「ちょっと」



まず。



人。



呼ぶ。



それから。



確認。



する。



俺。



一人で。



行かない。



そう。



決めた。



瞬間。



床。



下。



音。



止まる。



静か。



なる。



そして。



黒い。



旧式判定板。



勝手に。



光った。



「…………」



誰も。



触ってない。



表示。



一行。



【拾得物を検出】



「落とし物?」



次。



【所有者照合】



長い。



沈黙。



【一致】



「誰と?」



アリア。



声。



震える。



文字。



変わる。



【所有者】



一拍。



【レン・アルヴェイン】



「…………は?」



俺。



何も。



落としてない。



少なくとも。



この神殿では。



なのに。



二百年前から。



ここに。



あった。



落とし物。



その。



何かを。



旧い。



判定板は。



俺のものだと。



言った。

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