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神々は無職を選んだ  作者: 夜凪 灯
第一章 七柱と無職
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27/71

神託ログ27 職業:なし

翌朝。


七柱との話し合いは。


思ったより。


短かった。


「で」


俺は。


聞いた。


「結論は?」


沈黙。


一。


二。


三。


「何で誰も喋らないの?」


【戦神ガルド】


『俺は反対だ!』


「お」


【魔法神セレナ】


『私は見たい』


「おお」


【商神メルク】


『危険性と得られる情報次第だ』


「普通」


【鍛冶神ヴォルグ】


『分からん』


「ヴォルグらしい」


【生命神フィリア】


『私は……』


止まる。


「反対?」


『できれば』


「ノア」


【知識神ノア】


『現時点では、推奨も非推奨もできません』


「エリオス」


【創世神エリオス】


『…………』


「また最後に黙る」


『考えている』


「昨日から?」


『ああ』


「長くない?」


『長い』


認めた。


俺は。


ため息。


つく。


「そもそも」


「職業判定って」


「そんな危ないの?」


ノア。


『通常は危険ではありません』


「じゃあ何で」


「みんなそんな感じなの?」


返事。


ない。


「俺だから?」


沈黙。


答え。


出たようなもの。


「…………」


やっぱり。


「何か知ってる?」


エリオス。


『可能性を』


「可能性?」


『知っている』


「何の?」


『お前の職業判定が』


少し。


間。



『通常とは異なる結果になる可能性だ』



「…………」


「それ」


「昨日言えたよね?」


『ああ』


「何で言わなかった?」


エリオス。


黙る。


胸。


少し。


ざらつく。


西の森。


神託。


あの時も。


そうだった。


分からない。


なら。


分からない。


知っている。


なら。


知っている。


その違いを。


勝手に。


曖昧にしてほしくない。


「エリオス」


『……不安を』


「うん」


『与えると思った』


「それを決めるの」


「俺じゃない?」


沈黙。


フィリア。


何も。


言わない。


ノアも。


「危険なら」


俺。


続ける。


「危険って言って」


「分からないなら」


「分からないって言って」


「可能性だけ知ってるなら」


「可能性って言って」


「その上で」


一拍。


「俺が決める」


エリオス。


長く。


黙った。


『分かった』


「じゃあ」


「もう一回聞く」


「職業判定」


「受けたら」


「何が起きる可能性がある?」


ノア。


答える。


『判定不能』


『初回と同じく無職と表示』


『別の職業が表示』


『判定装置が正常に反応しない』


「他は?」


『不明です』


「危険?」


『身体への直接的危険は、通常の判定では極めて低いです』


「俺の場合」


『保証できません』


「それでいい」


分からない。


ちゃんと。


分からない。


「俺」


息。


吐く。



「受ける」



ガルド。


『レン』


「うん」


『俺は反対だ』


「分かってる」


『何が起きるか分からん』


「うん」


『なら』


「でも」


止める。


「何が起きるか分からないから」


「ずっと見ないのも」


「違うと思う」


ガルド。


黙る。


「俺」


「自分が何なのか」


少し。


笑う。


「そろそろ」


「ちゃんと知りたい」


無職。


それが。


嫌だから?


たぶん。


少し。


ある。


職業。


欲しい。


普通に。


なりたい。


リナみたいに。


自分はこれだって。


言えるもの。


欲しい。


でも。


それだけじゃない。


世界律。


接続失敗。


分類不能。


謎の炎。


木剣。


知らない神託。


俺だけ。


何か。


おかしい。


それを。


見ないふり。


したくない。


エリオス。


『分かった』


「止めない?」


『止めたい』


「正直だな」


『だが』


一拍。


『お前が決めた』


「うん」


『なら』


『我々も見る』


七柱。


全員。


いる。


それなら。


行く。



◇ ◇ ◇



職業院は。


神殿から。


少し。


離れた場所に。


あった。


「ここ?」


想像より。


普通。


石造り。


大きな。


建物。


入口。


人。


多い。


若い人。


冒険者。


商人。


兵士。


「神殿じゃないんだ」


ノア。


『初回の天職判定は神殿でも行われます』


『再確認』


『職業情報の証明』


『適性確認』


『一部の職業変更に伴う検査などは』


『このような施設でも扱われます』


「へえ」


中。


入る。


受付。


並ぶ。


俺の。


前。


男。


紙。


出す。


「職業証明の更新を」


「はい」


普通。


次。


女性。


「適性の再確認を」


「こちらへ」


普通。


みんな。


自分の。


職業。


持ってる。


俺だけ。


無職。


「…………」


ちょっと。


帰りたい。


【戦神ガルド】


『今なら帰っていいぞ』


「心読むな」


『顔に出てる』


「行く」


『そうか』


「でも」


「途中でやめてもいいんだよな」


『ああ』


あの日。


門番に。


言われた。


自分で。


決めたことに。


意地を。


張るな。


行くと。


決めても。


途中で。


やめていい。


それも。


自分で。


決めること。


覚えてる。


「次の方」


俺。


前。


出る。


「再判定を」


受付。


女性。


「証明書は?」


「ないです」


「初回判定は?」


「神殿で」


「結果は?」


「…………」


言いたくない。


「無職です」


受付。


女性。


一瞬。


止まる。


「無職?」


「はい」


周り。


少し。


見る。


やっぱ。


珍しい。


「氏名を」


「レン・アルヴェイン」


女性。


紙。


見る。


「あ」


「何?」


「あなたですか」


「どの俺ですか」


「魔法を使った無職の方」


「もう肩書きになってる!」


最悪。


噂。


完全に。


定着してる。


「昨日」


「照会が?」


「はい」


女性。


少し。


申し訳なさそう。


「魔法の使用には必ずしも特定の職業が必要なわけではありません」


「そうなの?」


「ただ」


「無職判定の方が」


「魔法を習得した例は」


紙。


見る。


「かなり珍しいので」


「再確認を推奨しました」


「なるほど」


筋。


通ってる。


「受けます」


「分かりました」


奥。


案内。


される。


その時。


「レン?」


聞き覚え。


ある。


声。


振り向く。


「リナ?」


リナ。


いた。


「何してるの?」


「それ俺の台詞」


「私は更新」


「何の?」


「職業証明」


腰。


剣。


叩く。


「狩剣士の」


また。


その言葉。


「レンは?」


「再判定」


リナ。


止まる。


「何で?」


「無職じゃなくなるかもしれない」


「…………」


少し。


間。


「本当?」


「分からない」


「じゃあ」


リナ。


笑う。


「何になると思う?」


「魔法使い」


【魔法神セレナ】


『魔力3』


「うるさい!」


リナ。


「え?」


「何でもない」


「剣士?」


【戦神ガルド】


『まだ早い!』


「商人?」


【商神メルク】


『交渉力が足りん』


「鍛冶師?」


【鍛冶神ヴォルグ】


『論外だ』


「治療師?」


【生命神フィリア】


『レンさんは治せません』


「学者?」


【知識神ノア】


『知識量が不足しています』


「お前ら全員ひどくない!?」


受付。


リナ。


俺を見る。


「本当に大丈夫?」


「遠いところの知り合いが一斉に俺を否定した」


「何それ」


「気にしないで」


リナ。


笑う。


「じゃあ」


「何になるんだろうね」


「それを見に来た」


「私も見ていい?」


「いいの?」


受付。


女性。


「本人の許可があれば」


「じゃあ」


リナ。


「見る」


「暇なの?」


「気になる」


「素直だな」


「だって」


少し。


笑う。


「無職じゃなくなるかもしれないんでしょ」


胸。


少し。


鳴る。


そう。


無職じゃ。


なくなる。


かもしれない。



◇ ◇ ◇



判定室。


中央。


台。


その上。


透明な。


石。


神殿で。


触った。


水晶とは。


少し。


違う。


白い。


光。


内部。


ゆっくり。


動いてる。


「これが」


職員。


男。


頷く。


「職業石です」


「触るだけ?」


「はい」


「壊れない?」


職員。


笑う。


「普通は壊れませんよ」


七柱。


沈黙。


「…………」


その沈黙。


やめて。


リナ。


先。


更新。


する。


「手を」


「はい」


リナ。


石。


触れる。


すぐ。


光。



【名称:リナ】


【職業:狩剣士】



「おお」


俺。


見る。


「本当に出た」


「何でレンが驚くの」


「実物初めて」


「神殿でやったんじゃないの?」


「俺の時は無職しか見てない」


「悲しい」


「言うな」


職員。


「問題ありません」


リナ。


手。


離す。


普通。


簡単。


数秒。


それだけ。


「次」


俺。


呼ばれる。


足。


一歩。


出す。


七柱。


静か。


「最後に」


俺。


聞く。


「何か言うことある?」


ガルド。


『嫌ならやめろ』


セレナ。


『無理に魔力を流さないで』


メルク。


『結果に価値を決めさせるな』


ヴォルグ。


『出たものを、分かったふりするな』


フィリア。


『怖ければ、手を離してください』


ノア。


『表示と事実が一致するとは限りません』


最後。


エリオス。


『レン』


「うん」


『何が出ても』


間。



『それは、お前の全部ではない』



「…………」


「分かった」


手。


伸ばす。


職業石。


冷たい。


触れる。


一秒。


何も。


起きない。


二秒。


「…………」


三秒。


職員。


眉。


寄せる。


「少しお待ちください」


四秒。


石。


中。


白い。


光。


揺れる。


「来た?」


五秒。



【名称:レン・アルヴェイン】



出た。


「名前」


次。


待つ。



【職業:剣士】



「え?」


ガルド。


『待て』


文字。


揺れる。



【職業:剣士】



消える。



【職業:魔術師】



「セレナ?」


『私じゃない』


消える。



【職業:商人】



メルク。


『違う』


消える。



【職業:鍛冶師】



ヴォルグ。


『…………』



消える。



【職業:治療師】



フィリア。


『違います』



消える。



【職業:学士】



ノア。


『判定が安定していません』



消える。



「何これ」


職員。


顔。


変わる。


「手を離してください」


離そうと。


する。


でも。


その瞬間。



光。



強く。



なる。



「っ!」



手。



離れる。



俺は。



一歩。



下がる。



職業石。



光。



内部。



ぐるぐる。



回る。



文字。



次々。



出る。



【剣士】



【魔術師】



【商人】



【鍛冶師】



【治療師】



【斥候】



【学士】



【運搬士】



【狩人】



【神官】



「神官!?」


リナ。


声。


上げる。


全部。



出て。



全部。



消える。



「止めろ!」


職員。


石。


触れようと。


する。


ノア。


『触れないでください!』


「待って!」


俺。


職員。


止める。


「触らないで!」


「ですが!」


石。


音。



――ピシ。



「…………」



小さい。



ひび。



入る。



「え」



職員。



固まる。



「俺」



「触ってないよね?」



リナ。



「触ってない」



「今」



「離れてたよね?」



「うん」



――ピシ。



二本目。



ひび。



「下がって!」



全員。



離れる。



石。



白い。



光。



点滅。



文字。



また。



出る。



【職業:――】



消える。



【職業:未判定】



消える。



【職業:不明】



消える。



【職業:無職】



「…………」



出た。



最初と。



同じ。



「無職」



胸。



少し。



落ちる。



やっぱり。



そう。



思った。



でも。



ノア。



『待ってください』



「え?」



文字。



揺れる。



【職業:無職】



一文字ずつ。



崩れる。



無。



職。



消える。



そして。



石。



完全に。



静かに。



なった。



光。



消える。



真っ白な。



画面。



そこへ。



ゆっくり。



文字。



浮かぶ。



【職業】



一拍。



【なし】



「…………」



誰も。



喋らない。



俺も。



喋れない。



「なし?」



ようやく。



声。



出る。



「無職じゃ」



ない?



職員。



顔。



青い。



「こんな表示」



「見たこと」



「ないんですか?」



首。



振る。



「無職は」



職員。



言う。



「あります」



「職業適性が」



「まだ定まっていない者」



「判定時点で」



「適合する職が確認できない者」



「そういった場合」



「無職と表示されることは」



「あります」



「じゃあ」



俺。



石。



見る。



【職業】


【なし】



「これは?」



職員。



答えない。



「何が違う?」



ノア。



『…………』



「ノア」



『通常の無職は』



声。



いつもより。



少し。



遅い。



『職業という分類の中で』



『該当項目が存在しない状態として扱われます』



「じゃあ」



「なしは?」



『分かりません』



「…………」



神様が。



分からない。



リナ。



俺の。



横。



来る。



「レン」



「うん」



「手」



「え?」



見る。



少し。



震えてる。



怖い。



今になって。



分かった。



俺。



怖い。



「大丈夫?」



「分からん」



正直に。



言う。



「無職」



笑う。



「嫌だったんだけどな」



「うん」



「なしって言われたら」



喉。



乾く。



「無職の方が」



「まだ」



「マシに見える」



リナ。



何も。



言わない。



でも。



横に。



いる。



それだけで。



少し。



助かる。



◇ ◇ ◇



職員。



別の。



職員。



呼ぶ。



さらに。



上の人。



来る。



石。



調べる。



「故障では?」


「他の石を」


「待て」


「同じことが起きたら」


「…………」


俺。



聞く。



「もう一個」



「やる?」



ガルド。



『やめろ』



即答。



セレナ。



『私も反対』



メルク。



『得るものより危険が大きい』



ヴォルグ。



『一度で十分だ』



フィリア。



『やめてください』



ノア。



『追加検証は推奨しません』



エリオス。



『レン』



「うん」



『今日は』



『ここまでにしろ』



全員。



一致。



珍しい。



「分かった」



俺も。



今回は。



意地。



張らない。



「やめる」



職員。



少し。



安心。



した。



その時。



――パキ。



音。



職業石。



中央。



ひび。



一気に。



走る。



「下がれ!」



全員。



離れる。



石。



割れない。



でも。



中。



何か。



黒い。



線。



浮かぶ。



「何だ?」



職員。



覗く。



白い。



石の。



内側。



黒。



細い。



模様。



広がる。



文字。



じゃない。



亀裂。



でも。



ない。



「セレナ」



『魔力反応を確認しています』



「ヴォルグ」



『構造破損だけじゃない』



「ノア」



『記録します』



「エリオス」



返事。



ない。



「エリオス?」



『…………』



声。



来る。



『離れろ』



「何?」



『その石から』



低い。



声。



『離れろ』



俺。



二歩。



下がる。



その瞬間。



石。



中。



さっき。



流れた。



職業名。



全部。



一瞬だけ。



浮かんだ。



【剣士】


【魔術師】


【商人】


【鍛冶師】


【治療師】


【斥候】


【学士】


【運搬士】


【狩人】


【神官】



そして。



全部。



黒い線に。



触れる。



消える。



一つずつ。



消される。



みたいに。



最後。



残った。



表示。



【職業】



【なし】



それも。



消える。



石。



完全に。



沈黙。



「…………」



職員。



座り込む。



「職業石が」



「壊れた?」



「違う」



別の。



職員。



震える。



「壊れただけなら」



「表示は消えない」



「じゃあ」



誰も。



続き。



言えない。



俺。



木剣。



腰。



触る。



自分が。



何か。



した。



感覚。



ない。



魔力。



使ってない。



火。



出してない。



ただ。



触った。



それだけ。



「俺のせい?」



フィリア。



『まだ決めないでください』



「でも」



『まだ』



少し。



強い。



声。



『決めないでください』



「…………」



「分かった」



◇ ◇ ◇



外。



出る。



空。



明るい。



人。



歩いてる。



店。



開いてる。



普通。



世界。



さっきまで。



いた。



部屋だけ。



別の場所。



みたい。



「レン」



リナ。



隣。



歩く。



「何?」



「大丈夫?」



「さっきも聞いた」



「今は?」



「…………」



考える。



「ちょっと」



「怖い」



「そっか」



「でも」



「うん」



「知れてよかった」



リナ。



俺を見る。



「本当に?」



「分からん」



「どっち」



「両方」



知りたかった。



だから。



受けた。



結果。



怖かった。



でも。



見なかったことには。



したくない。



「リナ」



「何?」



「さっき」



「うん」



「狩剣士って出た時」



「どんな感じ?」



「どんな?」



「自分だって思う?」



リナ。



少し。



考える。



「思うよ」



「迷わない?」



「迷わない」



腰。



剣。



触る。



「私は狩剣士」



「うん」



「それが私」



「…………」



まっすぐ。



言う。



羨ましい。



でも。



少し。



怖い。



なぜ。



そう思ったのか。



まだ。



分からない。



「レンは?」



「俺?」



「なしって」



リナ。



言いにくそうに。



止まる。



「ごめん」



「いいよ」



「それ」



「自分だと思う?」



「…………」



職業。



なし。



俺は。



何だ。



「思わない」



答える。



意外と。



早く。



出た。



「何で?」



「だって」



手。



見る。



「火」



「出せる」



「木剣」



「使える」



「荷物」



「運べる」



「店」



「手伝える」



「人」



「助けられることもある」



「治せないけど」



少し。



笑う。



「水くらい運べる」



リナ。



聞いてる。



「だから」



俺。



言う。



「なしって書かれても」



「俺まで」



「なくなるわけじゃない」



「…………」



リナ。



少し。



笑う。



「そっか」



「うん」



言って。



自分でも。



少し。



楽になる。



職業。



なし。



それが。



何を。



意味するか。



分からない。



でも。



俺は。



いる。



それだけは。



石に。



決めてもらうことじゃない。



◇ ◇ ◇



その夜。



七柱。



全員。



呼んだ。



「聞く」



返事。



それぞれ。



来る。



「今日の結果」



「知ってた?」



ガルド。



『知らん』



セレナ。



『知らない』



メルク。



『知らなかった』



ヴォルグ。



『知らん』



フィリア。



『知りませんでした』



ノア。



『記録上、同一例を確認できていません』



最後。



「エリオス」



沈黙。



「…………」



また。



胸。



ざらつく。



「知ってた?」



『結果は』



「うん」



『知らなかった』



「結果は?」



言葉。



拾う。



「じゃあ」



「何を知ってた?」



長い。



沈黙。



『可能性だ』



「何の?」



『お前が』



声。



低い。



『通常の職業分類に』



一拍。



『収まらない可能性』



「…………」



「いつから?」



『最初から』



「…………」



この世界へ。



来た。



日。



【天職:無職】



その裏。



【天職付与――失敗】



【世界律への再接続を実行】



【――失敗】



【分類不能】



「それ」



俺。



声。



少し。



低くなる。



「何で」



「言わなかった?」



誰も。



答えない。



「エリオス」



『…………』



「俺が」



「怖がるから?」



『それもある』



「それも?」



「他は?」



沈黙。



長い。



長い。



そして。



エリオス。



『我々にも』



「うん」



『判断できなかった』



「何を?」



『お前が』



一拍。



『何なのか』



「…………」



腹。



少し。



立つ。



でも。



同時に。



怖い。



神様。



七人。



俺を。



育ててる。



その神様が。



俺が。



何なのか。



分からない。



「じゃあ」



俺。



聞く。



「無職って」



「何だったんだ?」



ノア。



答える。



『人間側の判定装置が』



『既存の職業に適合する情報を確認できなかったため』



『便宜上』



一拍。



『そう表示した可能性があります』



「可能性」



『はい』



「今日の」



「なしは?」



『不明です』



「職業が」



「ない?」



『その解釈も可能です』



「適性がない?」



『同一ではありません』



「じゃあ」



「何なんだよ」



返事。



ない。



「…………」



分からない。



また。



それ。



でも。



今度は。



今までで。



一番。



大きい。



分からない。



◇ ◇ ◇



深夜。



俺が。



眠った。



後。



誰も。



いない。



職業院。



判定室。



壊れた。



職業石。



白い。



表面。



中央。



黒い。



線。



残っている。



職員は。



誰も。



いない。



灯りも。



ない。



それでも。



石の。



奥。



一瞬。



文字。



浮かぶ。



【個体:レン・アルヴェイン】



【職業領域への接続を確認】



【――接続なし】



【既存分類への照合を実行】



【――該当なし】



【再分類を実行】



【――失敗】



【警告】



【対象個体を既存職業へ固定できません】



文字。



消える。



少し。



間。



別の。



何か。



石の。



さらに。



深い。



場所。



古い。



記録。



反応。



する。



【――照合】



【――類似記録:一件】



【アクセス――】



そこで。



止まる。



黒い。



線。



広がる。



記録。



閉じる。



そして。



誰にも。



届かない。



どの神にも。



属さない。



声。



小さく。



落ちる。



『違う』



間。



『職がないんじゃない』



静かな。



声。



『“職”というルールそのものが』



一拍。



『乗ってない』



石。



完全に。



暗くなる。



俺は。



まだ。



知らない。



無職と。



なし。



その二つが。



同じ意味では。



なかったことを。

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