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神々は無職を選んだ  作者: 夜凪 灯
第一章 七柱と無職
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21/71

神託ログ21 俺の火、ちっさ。

警鐘が。


鳴った。



――カァン!



一度。



――カァン!



二度。



そして。



――カァン!



三度。



市場の空気が。


一瞬で。


変わった。


「魔物だ!」


「東門!」


「でかいぞ!」


叫び声。


人。


荷物。


店。


さっきまで。


魚の値段で。


揉めていた場所が。


嘘みたいに。


慌ただしくなる。


俺は。


運んでいた木箱を。


地面へ置いた。


「何が出た?」


【戦神ガルド】


『まだ分からん』


「見える?」


『遠い』


「フィリア」


【生命神フィリア】


『大きな生命反応があります』


「どれくらい?」


少し。


間。


『かなり、大きいです』


「それ怖い言い方だな」


【商神メルク】


『レン』


「分かってる」


避難。


する。


昨日。


あれだけ。


学んだ。


謎の炎が。


出せた。


でも。


だから。


強くなったわけじゃない。


普通の火魔法。


小さい。


木剣。


ひび。


身体。


普通。


魔力。


3。


「行かない」


自分に。


言う。


「東門には行かない」


【戦神ガルド】


『よし』


その時。



「レン!」



声。



振り向く。



リナ。



走ってくる。



腰。



剣。



顔。



真剣。



「リナ!」


「何してるの!」


「仕事!」


「今!?」


「途中だったんだよ!」


「避難して!」


「そっちこそ!」


リナ。


止まる。


「私は行く」


「どこ」


分かってる。


でも。


聞いた。


「東門」


「…………」


「魔物、でかいんだろ?」


「うん」


「どれくらい?」


「家より」


「行くの?」


「行く」


「怖くない?」


「怖いよ」


即答。


昨日。


いや。


さっきも。


聞いた。


怖い。


それでも。


行く。


「何で」


リナ。


腰の剣へ。


手を置く。



「狩剣士だから」



また。



その言葉。



まるで。



自分の名前みたいに。



「…………」


リナ。


俺の横を。


通り過ぎる。


「死ぬなよ」


足が。


止まる。


振り返る。


少し。


笑った。



「そっちもね」



走っていく。



東へ。



俺は。



反対へ。



「…………」



行かない。



俺は。



戦えない。



足手まとい。



分かってる。



でも。



胸。



ざわつく。



「ガルド」


『何だ』


「見に行くのも駄目?」


『駄目だ』


「即答」


『見物人が一番邪魔だ』


「……それはそうだな」


見る。


周り。


老人。


子ども。


混乱している。


荷物を。


抱えたまま。


動けない人。


泣いている。


子ども。


「俺に」


できること。


ある。


戦うこと。


だけじゃない。


「広場!」


俺は。


声を上げた。


「避難場所は広場です!」


走る。


東じゃない。


今。


必要な方へ。



◇ ◇ ◇



――ドンッ!



地面。



揺れた。



「っ……!」


遠い。


東門。


それでも。


分かる。


何か。


でかいものが。


ぶつかった。


音。


「何だよ……」


【戦神ガルド】


『レン』


「分かってる!」


行かない。


人。


誘導。


する。


「こっち!」


老人。


荷物。


多すぎ。


「持ちます!」


「いや、これは」


「命より大事ですか!?」


「え?」


「大事なら持つ! 違うなら置く!」


「…………」


老人。


荷物。


半分。


置いた。


「行きましょう!」


【商神メルク】


『言い方が雑だ』


「今それ言う!?」


『だが悪くない』


「採点いらない!」


子ども。


泣いている。


「お母さん!」


「お母さん!」


しゃがむ。


「名前は?」


「ミ、ミル……」


「ミルのお母さんは?」


指。


人混み。


「分かった」


【生命神フィリア】


『右奥です』


「見える?」


『生命反応だけです。母親かどうかは分かりません』


「了解!」


決めつけない。


右。


走る。


「ミル!」


女性。


叫んでる。


「ミル!」


「いた!」


子ども。


連れていく。


「お母さん!」


抱き合う。


「ありがとうございます!」


「広場へ!」


また。


走る。


戦えない。


でも。


何もできない。


わけじゃない。


俺は。


無職。


役目。


決まってない。


なら。


今。


必要なことを。


やる。



◇ ◇ ◇



東門。



リナは。



走っていた。



「状況!」


衛兵。


叫ぶ。


「東街道から接近!」


「数!」


「一体!」


「一体!?」


「ただし大型!」


門の外。


人。


集まる。


衛兵。


冒険者。


狩人。


魔法使い。


リナ。


その中へ。


入る。


「何が来るの?」


隣。


男。


槍。


持っている。


「グランボアだ!」


「グランボア?」


「知らんのか!」


「知ってる!」


リナ。


顔。


変わる。


知っている。


大猪型の。


魔物。


森や。


山。


街道。


出る。


珍しい。


魔物ではない。


でも。


「大きすぎない?」


普通。


ここまで。


大きくない。


地面。


揺れる。


森の。


向こう。


木。


揺れる。


「来るぞ!」


衛兵。


叫ぶ。


そして。



出た。



「…………」



リナ。



息。



止まる。



でかい。



家。



それくらい。



黒い。



体毛。



太い。



脚。



牙。



一歩。



進むだけで。



土。



沈む。



「グランボア……?」



誰か。



呟く。



知っている。



はずの。



魔物。



でも。



知っているものと。



違う。



「構えろ!」



衛兵。



前。



盾。



槍。



後ろ。



弓。



魔法。



リナ。



剣。



抜く。



手。



少し。



震える。



「…………」



怖い。



でも。



見る。



グランボア。



目。



赤い。



息。



荒い。



口。



泡。



そして。



「……傷?」



リナ。



気づく。



右の。



脇腹。



大きく。



抉れている。



深い。



傷。



血。



乾いて。



黒く。



なっている。



「何あれ……」



誰が。



つけた?



考える。



暇。



ない。



グランボア。



頭。



下げる。



「来るぞ!!」



突進。



◇ ◇ ◇



――ドォン!!



広場まで。



音。



届いた。



俺。



止まる。



「…………」



東。



煙。



「ガルド」


『戦闘が始まった』


「リナ」


フィリア。


『生命反応はあります』


「怪我は?」


『ここからでは個別の状態までは』


「…………」


行くな。


分かってる。


でも。


気になる。


「俺」


手。


握る。


謎の。


炎。


出せる。


昨日。


再現した。


「…………」


いや。


駄目。


何に。


効くか。


分からない。


代償も。


分からない。


敵と。


味方。


分けられるかも。


分からない。


使える。


だから。


使う。


それは。


違う。


「今の俺じゃ」


助けられない。


言う。


悔しい。


でも。


言う。


【戦神ガルド】


『それでいい』


「よくない」


『いい』


「…………」


『自分ができねえことを知るのも』


『戦いだ』


「戦神っぽい」


『戦神だ!』


少し。


笑う。


その時。


「誰か!」


東から。


男。


走ってくる。


腕。


血。


「治療できる奴!」


俺。


動く。


「こっち!」


できること。


ある。


怪我人。


肩。


貸す。


「歩けます?」


「ああ……!」


「広場まで!」


フィリア。


『腕の出血を押さえてください』


「ここ?」


『もう少し上』


布。


巻く。


「強く?」


『はい。ただし――』


言われた通り。


やる。


俺は。


治せない。


でも。


治せる人へ。


繋げることは。


できる。



◇ ◇ ◇



東門。



盾。



三枚。



飛んだ。



「ぐっ!」


グランボア。



突進。



止まらない。



衛兵。



転がる。



「散れ!」



リナ。



横へ。



跳ぶ。



巨体。



目の前。



通過。



風。



だけで。



身体。



持っていかれそう。



「でかすぎ……!」



でも。



見る。



ガルド。



知らない。



リナには。



別の。



経験がある。



狩剣士。



獣。



見る。



脚。



呼吸。



目。



体重移動。



「突進後……」



グランボア。



止まる。



巨体。



反転。



「遅い!」



リナ。



走る。



側面。



剣。



振る。



――ガキン!



「っ!?」



硬い。



体毛。



皮。



剣。



浅い。



「嘘でしょ!」



グランボア。



身体。



振る。



「リナ!」



誰か。



叫ぶ。



避ける。



遅い。



巨体。



肩。



かすめる。



「っ!」



飛ぶ。



地面。



転がる。



息。



止まる。



「……っ」



痛い。



でも。



動く。



立て。



「リナ!」



「大丈夫!」



剣。



拾う。



グランボア。



また。



頭。



下げる。



来る。



怖い。



逃げたい。



でも。



見る。



「…………」



何か。



変。



さっきから。



右。



傷。



深い。



グランボア。



右へ。



旋回する時。



一瞬。



脚。



止まる。



「痛いんだ」



傷。



庇ってる。



「右側!」



リナ。



叫ぶ。



「こいつ、右へ曲がる時遅い!」



衛兵。



見る。



「本当か!?」



「傷がある!」



「右脇腹!」



次。



突進。



盾。



正面。



受けない。



散る。



グランボア。



通過。



右へ。



反転。



一瞬。



止まる。



「今!」



矢。



飛ぶ。



魔法。



当たる。



リナ。



走る。



傷。



狙う。



剣。



振る。



――ザシュッ!



「入った!」



グランボア。



吠える。



「下がれ!」



リナ。



跳ぶ。



巨体。



暴れる。



土。



飛ぶ。



でも。



今。



初めて。



人間側が。



押した。



◇ ◇ ◇



怪我人。



一人。



二人。



三人。



運ばれてくる。



「次!」


俺。



水。



渡す。



「ここ押さえて!」


「治療できる人!」


「布!」


走る。


フィリア。


ずっと。


教える。


でも。


答えを。


全部。



くれるわけじゃない。



『レンさん』



「何?」



『この方』



男。



座っている。



腕。



傷。



「血?」



『傷より』


フィリア。


『顔を見てください』


「…………」


男。


震えてる。


「怖かった?」


男。


俺を見る。


少し。


驚く。


「……ああ」


「魔物?」


「仲間が」


東。


見る。


「まだ、向こうに」


傷。


だけ。


じゃない。


昨日。


いや。


もっと前。


フィリアに。


教わった。


その人を。


見る。


「名前は?」


「ロッド」


「ロッド」


俺。


言う。


「今、戻ったら駄目です」


「でも」


「怪我してる」


「仲間が!」


「戻って」


少し。


迷う。


「仲間の足引っ張ったら」


「もっと嫌でしょ」


ロッド。


黙る。


「治して」


「戻れる状態なら」


「その時考えましょう」


フィリア。


何も。


言わない。


「……何」


『いえ』


「合ってる?」


『私に聞きますか?』


「…………」


ちょっと。


笑う。


「聞かない」


自分で。


決めた。



◇ ◇ ◇



東門。



戦い。



続く。



グランボア。



強い。



でも。



最初より。



動き。



鈍い。



「傷を狙え!」



衛兵。



叫ぶ。



魔法。



矢。



槍。



全部。



右。



集中。



リナ。



呼吸。



荒い。



腕。



痛い。



でも。



見る。



「…………」



おかしい。



傷。



深すぎる。



今。



自分たちが。



何度。



攻撃しても。



あそこまで。



届かない。



元から。



開いていた。



傷。



「誰が……」



グランボア。



咆哮。



リナ。



意識。



戻す。



「今は」



後。



考える。



魔物。



頭。



下げる。



突進。



でも。



さっきより。



遅い。



右脚。



沈む。



「来る!」



避ける。



グランボア。



街門。



直前。



急に。



止まる。



「……?」



鼻。



鳴らす。



頭。



上げる。



何か。



見る。



人。



じゃない。



街。



でもない。



もっと。



遠く。



「何だ?」



グランボア。



低く。



唸る。



そして。



突然。



身体を。



反転。



「え?」



来た道。



東。



走る。



「逃げた!?」



「追え!」



「待て!」



衛兵。



止める。



「追うな!」



「でも!」



「負傷者を見ろ!」



グランボア。



遠ざかる。



誰も。



追わない。



追えない。



静か。



戻る。



「…………」



リナ。



剣。



下げる。



手。



震えている。



今度は。



隠さない。



「怖かった……」



声。



小さい。



でも。



生きてる。



◇ ◇ ◇



「退いたぞ!」



広場。



声。



上がる。



俺。



顔。



上げる。



「魔物が退いた!」



「追うな!」



「負傷者の確認!」



一気に。



力。



抜ける。



「リナ」


フィリア。


『生きています』


「よかった……」


まだ。


見てない。


でも。


それだけで。


少し。


安心。


しばらくして。


東から。


人。



戻る。



衛兵。



冒険者。



狩人。



怪我人。



そして。



「…………」



短い。



茶色の髪。



「リナ!」



走る。



リナ。



こっち。



見る。



「レン?」


「生きてる!」


「見れば分かるでしょ」


「怪我!」


頬。


血。


腕。


服。


汚れてる。


「どこ!?」


「うるさい」


「どこ!?」


「肩ぶつけた」


「フィリア!」


【生命神フィリア】


『レンさん、落ち着いて』


「はい」


リナ。


首。


傾げる。


「フィリア?」


「知り合い」


「どこにいるの?」


「遠いところ」


「またそれ?」


「便利だから」


リナ。


笑う。


ちゃんと。


笑った。


それで。


ようやく。


本当に。


安心した。


「魔物」


俺。


聞く。


「グランボア?」


「うん」


「倒した?」


「逃げた」


「勝った?」


リナ。


少し。


考える。


「…………」


「逃げたなら勝ち?」


「そうでもない」


「何で?」


「最初から」


リナ。


東を見る。


「私たちと戦いに来た感じじゃなかった」


「え?」


「何かから」


少し。


言葉。


探す。


「逃げてきたみたいだった」


「…………」


「分かるの?」


「分かんない」


「じゃあ何で」


「傷」


「傷?」


リナ。


自分の。


右脇腹。


指す。


「ここ」


「すごい傷があった」


「戦ってついた?」


首。


振る。


「最初から」


「どれくらい?」


「…………」


リナ。


少し。


黙る。


「人間の剣じゃ」


「たぶん」


「無理」


「…………」


背中。


冷える。


「何にやられた?」


「知らない」


「魔物同士?」


「かもしれない」


「爪?」


「分かんない」


分からない。


また。


増える。


でも。


リナ。


続ける。


「変だったのは」


「傷だけじゃない」


「何?」


「グランボア」


「最後」


「逃げたでしょ」


「うん」


「私たちからじゃない」


「…………」


「たぶん」


リナ。


東。


見る。


「ずっと」


「後ろを気にしてた」


俺も。


東を見る。


何も。


見えない。


「何か」


「いた?」


「分からない」


「…………」


分からない。


それで。


止める。


勝手に。


答えを。


作らない。


「ノア」


【知識神ノア】


『はい』


「グランボアって」


「普通、家くらい大きい?」


『いいえ』


「やっぱり」


『個体差はありますが』


『今回の個体は、既知の平均を大きく上回っています』


「傷については?」


『直接確認していないため判断できません』


「リナの話だけなら?」


『大型の外傷が、遭遇前から存在した』


『それ以上は推測になります』


「了解」


リナ。


俺を見る。


「また独り言?」


「うん」


「本当に変な人」


「もう慣れてくれ」



◇ ◇ ◇



夕方。


騒ぎ。


少しずつ。


落ち着く。


大きな。


死者は。


出なかった。


重傷者。


いる。


店。


壊れた。


門の外。


荒れた。


でも。


街は。


残った。


俺は。


東門の外へ。


出ない。


門の内側から。


遠くを。


見る。


地面。


グランボアの。


足跡。


大きい。


「…………」


ガルド。


『行きたそうな顔すんな』


「行かない」


『本当か?』


「本当」


『成長したな!』


「子ども扱いすんな」


『数日前まで街の入場料も払えなかっただろ』


「それは今も傷つく!」


少し。


笑う。


「でも」


「見たい」


『何を』


「グランボア」


「戦いたいんじゃない」


「何が起きたのか」


ガルド。


少し。


黙る。


『それなら』


「うん」


『今は覚えとけ』


「何を?」


『今日見たこと』


『聞いたこと』


『怖かったこと』


「…………」


『後で』


『繋がるかもしれねえ』


「戦神なのにノアみたい」


『俺だって考えるわ!』


「ごめん」


少し。


間。


『レン』


「何?」


『今日』


ガルド。


『お前は戦わなかった』


「うん」


『それでいい』


「…………」


『逃げる人を助けた』


『怪我人を運んだ』


『自分が戦えねえことも見た』


「うん」


『怖くても』


一拍。



『ちゃんと見てた』



「…………」


胸。


少し。


熱くなる。


「それ」


「褒めてる?」


『珍しくな!』


「一言多い!」


でも。


嬉しかった。


俺は。


強くない。


まだ。


何も。


できないこと。


多い。


でも。


今日。


戦わなかったことを。


逃げたとは。


思わなかった。



◇ ◇ ◇



夜。


リナ。


一人で。


剣を。


振っていた。


「まだやるの?」


「やる」


「今日戦ったじゃん」


「今日戦ったから」


剣。


振る。


「もっと強かったら」


「もっと?」


「怪我人」


リナ。


剣。


止める。


「減らせたかもしれない」


「…………」


「だから」


また。


構える。


「強くなる」


剣。


振る。


「狩剣士だから?」


俺。


聞く。


リナ。


少し。


笑う。



「うん」



「狩剣士だから」



剣。



風。



切る。



俺は。



少し。



離れて。



見る。



格好いい。



本当に。



そう思う。



でも。



同時に。



少しだけ。



引っかかった。



「リナ」


「何?」


「狩剣士じゃなかったら」


剣。


止まる。


「戦わなかった?」


「…………」


リナ。


俺を見る。


「何それ」


「いや」


「例えば」


「今日」


「狩剣士じゃなかったら」


「東門」


「行った?」


リナ。


少し。


考える。


「行かないんじゃない?」


「…………」


「だって」


当然。


みたいに。



「狩剣士じゃないもん」



また。



剣を。



振る。



俺は。



それ以上。



聞かなかった。



リナにとって。



狩剣士は。



仕事。



力。



役目。



そして。



たぶん。



自分。



それが。



悪いとは。



思わない。



むしろ。



羨ましい。



でも。



なぜか。



ほんの少し。



だけ。



気になった。



狩剣士だから。



戦う。



なら。



狩剣士じゃなくなったら。



リナは。



何を。



選ぶんだろう。



「…………」



俺には。



職業が。



ない。



だから。



選ばなきゃいけない。



毎回。



自分で。



それは。



面倒で。



怖くて。



間違える。



でも。



今日。



俺は。



戦わないことを。



選んだ。



その代わり。



できることを。



やった。



それで。



助かった人が。



少しでも。



いた。



なら。



悪くない。



遠く。



東の森。



その向こう。



傷ついた。



グランボアは。



もう。



見えない。



あれほど。



大きな魔物に。



最初から。



刻まれていた。



大きすぎる。



傷。



そして。



戦いの最中も。



何度も。



振り返っていた。



東。



「…………」



何から。



逃げてたんだ。



答えは。



まだ。



ない。



でも。



今度は。



急いで。



追わない。



怖くても。



見る。



分からないなら。



覚えておく。



いつか。



繋がる時まで。

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