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王宮炎上対応係の私、婚約破棄会見を止めたら無口な辺境伯に溺愛されました 〜王太子殿下、その発言は国が燃えます〜  作者: 磯辺
王都大炎上

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公爵家反逆の噂

 門を叩いても、真実は早くなりません。


 私はそう書いた。


 正しい。


 事実として、正しい。


 けれど、正しい言葉ほど、人の足を止められない夜がある。


「公爵邸前、人数増加!」


 伝令の声が、臨時広報調査室りんじこうほうちょうさしつに響いた。


「灯りを持った民衆、約二百。周辺路地からさらに合流中。石、棒、鍋蓋を持つ者あり」


「鍋蓋」


 私は思わず聞き返した。


 伝令が息を切らしたまま頷く。


「防具代わりかと」


「生活感のある暴動装備ですね」


「感想がそれですか」


「ほかに言うと泣きそうなので」


 机の上には、公爵家反逆疑惑の記録が並んでいる。


 グランフェルト公爵家と王都武器庫の接触記録。


 三日前。


 儀礼用剣の点検返却。


 正式登録あり。


 反逆準備を示す記録なし。


 つまり、噂は嘘だ。


 けれど、「武器庫と接触した」という一部分だけは事実だった。


 事実の欠片は、嘘より燃えやすい。


 完全な嘘なら、叩き割れる。


 でも事実の欠片が混じった嘘は、人の中で勝手に形を変える。


 公爵家が武器庫に行った。


 武器に触れた。


 反逆するのでは。


 王都を燃やすのでは。


 その恐怖は、悪意だけではない。


 生活の不安。


 税への怒り。


 貴族への不信。


 王宮が何も答えてこなかった年月。


 そういうものが、今夜、グランフェルト公爵邸の門へ向かっている。


「リディアさん」


 セーラが水晶板を見ながら言った。


「門前の書き込みが増えています」


 私は覗き込む。


『公爵家が本当に無実なら門を開けろ』


『儀礼用剣って何本だよ』


『反逆じゃないなら説明できるはず』


『使用人を逃がしたって本当?』


『逃がすってことは何か隠してる』


『悪役令嬢を出せ』


 悪役令嬢。


 その言葉が、また出た。


 何度訂正しても、人は便利な言葉へ戻る。


 エレオノーラ様は、悪役令嬢ではない。


 でも、世の中は彼女をそう呼ぶと話が早い。


 怖い令嬢。


 高慢な貴族。


 王太子を追い詰めた女。


 民の前に立つべき悪役。


 全部、説明が雑だ。


 雑なのに、強い。


「門を開けるべきではありません」


 私は言った。


「中には使用人がいます。家族もいる。民衆と直接接触したら、怪我人が出ます」


「でも、閉めたままだと『隠している』になります」


「はい」


「どうしますか」


 どうする。


 正しい答えなら、いくらでもある。


 安全確保。


 公的記録の公開。


 第三者立ち会い。


 問い合わせ窓口。


 集合自粛。


 けれど、門前に集まった人々は、文章を読みに来たのではない。


 誰かを見に来たのだ。


 不安の形を、目で確認しに来た。


「灯火新聞の現地記録水晶は」


「公爵邸向かいの菓子店二階に設置済みです。編集長、現地入りしています」


「相変わらず足が速いですね」


「訂正欄のためなら走る方です」


「褒めていいのか判断に迷います」


 その時、エレオノーラ様から水晶文が届いた。


『門前の声、屋敷内まで届いています』


『使用人は裏手へ避難済み。父母は内室へ』


『私は正面広間におります』


 私はすぐ返す。


『門前には出ないでください』


 返答は早かった。


『出なければ、門が壊されますわ』


「でしょうね!」


 私は頭を抱えた。


 セーラが顔を青くする。


「出る気ですね」


「完全に出る気です」


「止めますか」


「止めます」


 私は即座に書く。


『門前に出れば、危険です。加えて「公爵令嬢が民衆を挑発」と報じられます』


 返答。


『高所の窓から話せば「民衆を見下ろした」と報じられます』


 私は止まった。


 正しい。


 正しすぎて、胃が痛い。


 次の文が届く。


『隠れていれば「逃げた」と報じられます』


『門を開ければ「反逆者が民を威圧」と報じられます』


『どれでも燃えますわ』


 私は、唇を噛んだ。


 彼女はわかっている。


 逃げても燃える。


 出ても燃える。


 なら、自分が選ぶ。


 エレオノーラ様は、いつもそういう人だ。


 強いからではない。


 強く見えるしかない場所に、立たされ続けてきた人だ。


『では、条件を』


 私は書いた。


『一、門の外へは出ない。門内の正面石段まで』


『二、護衛は剣を抜かない』


『三、使用人を前に出さない』


『四、発言は三分以内』


『五、反逆否定、記録公開、門前解散要請のみ』


 少し迷ってから、付け足す。


『六、悪役令嬢の演出は禁止』


 返答は少し遅れた。


『六については善処します』


「善処はだめです!」


 私は叫んだ。


 カイル様が横から覗き込む。


「何をする気だ」


「悪役令嬢最終公演です」


「公演」


「いいえ、させません」


 カイル様は少し考えた。


「必要なら、俺が行く」


「絶対に駄目です」


 私は即答した。


「今、カイル様が公爵邸へ向かったら、『辺境伯が公爵家救援へ移動』になります」


「事実ではない」


「移動した事実は残ります」


「面倒だな」


「炎上対応は、だいたい面倒です」


 カイル様は黙った。


 黙って、机の端に置いていた剣を少しだけ遠ざけた。


 私はそれを見て、息を吐いた。


 今夜のカイル様は、言葉の外へ出ない。


 それだけで、少しだけ心強い。


「リディアさん!」


 セーラが叫ぶ。


「公爵邸前、記録水晶つながります!」


 壁面水晶に、夜の公爵街が映った。


 石畳。


 黒い鉄門。


 門の外に集まる人々。


 灯りが揺れている。


 誰かが叫ぶ。


『説明しろ!』


『儀礼用剣って何だ!』


『王都を戦場にする気か!』


『悪役令嬢を出せ!』


 その声は、思ったより若い。


 思ったより震えている。


 怒っている。


 でも、同じくらい怖がっている。


 私は、それを忘れそうになっていた。


 私は彼らを「群衆」と書いた。


 危険な集団。


 門前集合。


 解散対象。


 それも間違っていない。


 でも、その中には、明日市場で働く人がいる。


 子どもを抱いた母親がいる。


 北門が閉じるのではと怯える荷運びがいる。


 貴族がまた勝手に戦争を始めるのではと怒る老人がいる。


 悪意だけではない。


 だから厄介だ。


 だから、痛い。


「第二応答を書きます」


 私は言った。


 紙を置く。


 けれど、筆が止まった。


 最初に浮かんだ文は、これだった。


『公爵邸周辺に集まっている民衆は、速やかに解散してください』


 違う。


 これは命令だ。


 いま門前にいる人々には届かない。


 むしろ、押し返されたと感じる。


 私は赤線を引いた。


 次。


『不安を抱いて公爵邸前へ集まっている方々へ』


 まだ硬い。


 でも、さっきよりはいい。


 私は続けた。


『門前に集まっても、武器庫接触記録の内容は確認できません』


『確認できるのは、王都武器庫、王宮記録局、および公爵家側の保管記録です』


『現在、灯火新聞立ち会いのもと、記録の写しを照合中です』


『門を叩くことは、事実確認ではなく、屋敷内外の人々の危険を増やします』


『怖い時ほど、近くにある扉を叩きたくなることは理解します』


 書いてから、私は手を止めた。


 理解します。


 この言葉は、危ない。


 上から目線に見える。


 それでも、消せなかった。


 私は続けた。


『しかし、その扉の向こうにいるのは、疑惑そのものではなく、人です』


『確認は記録で行います。石や声で行わないでください』


 出す。


 水晶が光った。


 同時に、灯火新聞の簡易掲示板にも流れる。


 公爵邸前の民衆の一部が、手元の小型水晶を見た。


 ざわめきが少し変わる。


『記録出るのか?』


『灯火新聞なら読む』


『でも公爵家と組んでるんじゃないの』


『門の中にいるなら出て説明しろよ』


 止まりきらない。


 当然だ。


 文章だけで人波は止まらない。


 その時、黒い鉄門の奥で灯りが動いた。


 正面扉が開く。


 白い光が広間からこぼれる。


 護衛が二人、剣を抜かずに左右へ下がる。


 そして、エレオノーラ様が現れた。


 深い藍色のドレス。


 宝石は少ない。


 髪は高く結い上げられている。


 いつものように美しい。


 けれど、舞踏会のための美しさではない。


 戦場に立つ人の美しさだった。


 彼女は門の内側、石段の一番下で足を止めた。


 門一枚を挟んで、民衆と同じ高さに立つ。


 高所から見下ろさない。


 外へも出ない。


 ぎりぎりの位置だった。


 水晶越しに、彼女の声が届く。


「皆さま」


 門前の声が少し静まる。


 エレオノーラ様は扇を持っていなかった。


 手袋をしている。


 指先は見えない。


「まず申し上げます。グランフェルト公爵家は、反逆しておりません」


 叫びが返る。


『証拠は!』


「証拠は、記録で示します」


『なら今出せ!』


「今、灯火新聞と王宮記録局立ち会いのもとで写しを照合中です。門前で私が叫ぶより、その方が正確ですわ」


 少しだけ、ざわめきが揺れた。


 エレオノーラ様は続ける。


「王都武器庫との接触記録は存在します。これは隠しません」


 群衆がまた騒ぐ。


『やっぱり!』


『武器庫に行ってるじゃないか!』


「はい。行っています」


 彼女は逃げない。


「三日前、儀礼用剣の点検と返却のためです。登録記録、返却本数、担当者名、時刻。すべて記録に残っています」


『そんなの後から書ける!』


「後から書いたかどうかも、記録水晶の時刻刻印で確認できます」


『難しいことを言うな!』


「簡単に言えば」


 エレオノーラ様は、ほんの少し顎を上げた。


「門を壊しても、反逆の証拠は出ません。出るのは修繕費です」


 誰かが笑った。


 ほんの数人。


 でも笑い声だった。


 私は思わず息を吐く。


「強い……」


 セーラが呟く。


「強すぎますね」


 私は答えた。


 すると、別の叫びが飛ぶ。


『使用人を逃がしたって本当か!』


 エレオノーラ様の目が、わずかに細くなった。


「避難させました」


『やっぱり隠してる!』


「いいえ」


 彼女の声が冷える。


「私は、あなた方の怒りに、台所係や馬丁や侍女を差し出すつもりがないだけです」


 門前が静まった。


「彼らは私の家で働く者です。疑惑の当事者ではありません。門が破られれば、最初に傷つくのは私ではなく、彼らです」


『貴族の使用人だろ!』


「そうです」


 エレオノーラ様は即答した。


「だから、私が守ります」


 その声は、綺麗だった。


 けれど、綺麗すぎない。


 怒っていた。


 人に見せるために整えた怒りではない。


 出てしまった怒りだった。


 私は、その一文を記録しようとして、手が止まった。


 これは記事になる。


 見出しになる。


『公爵令嬢、使用人を守ると宣言』


 美談になる。


 だが、彼女は美談を作るために言ったのではない。


 だから私は、少しだけ記録を遅らせた。


 その時だった。


 何かが門の格子を越えて飛んだ。


 小さな石だった。


 石はエレオノーラ様の足元に落ち、乾いた音を立てた。


 大きくはない。


 当たっても、たぶん深い怪我にはならない。


 けれど、石だった。


 エレオノーラ様の足が、一瞬だけ止まった。


 本当に一瞬だけ。


 水晶越しでなければ見逃したかもしれない。


 でも私は見た。


 彼女の左手が、手袋の端を押さえた。


 民衆も、しんとした。


 投げた者は見えない。


 誰も名乗らない。


 エレオノーラ様は、足元の石を見下ろした。


 それから、顔を上げる。


「投げた方」


 声は震えていない。


「次は、記録局へ投げてくださいませ。私ではなく、記録へ当てるべきです」


 誰かが困ったように笑った。


 笑いにしていいことではない。


 でも、笑いになったことで、次の石は止まった。


 エレオノーラ様は続ける。


「私は悪役令嬢と呼ばれました。慣れております。ですが、今夜ここにいる皆さまを、暴徒と呼ぶことにも慣れたくありません」


 私の胸が詰まる。


「反逆を疑うなら、記録を求めてください。怒るなら、返事を求めてください。石を投げる前に、誰が何を隠したのかを問うてください」


 門前の灯りが揺れる。


「そして、今夜は帰ってください」


 エレオノーラ様は、そこで微笑んだ。


 笑う場面ではないのに。


 それでも、彼女らしい微笑みだった。


「悪役令嬢、最終公演ですわ。ですが、観客席が石畳では足が冷えますでしょう?」


 私は頭を抱えた。


「演出禁止と言いましたのに……!」


 セーラが小声で言う。


「でも、効いてます」


 確かに、門前のざわめきは少し変わっていた。


『記録を待つか』


『灯火新聞が出すなら読む』


『石投げたやつ誰だよ』


『帰れって言われたぞ』


『悪役令嬢、喋るのうますぎないか』


『最終公演って何』


『寒いから帰る』


 寒さ。


 それで帰る人もいる。


 正義ではなく、冷えた足が人を動かす。


 危機対応の現場は、いつもそんなものだ。


 私はすぐ支援文を出した。


『グランフェルト公爵家前に集まっている方々へ』


『同家は、王都武器庫との接触記録の存在を認め、その内容が儀礼用剣の点検返却であると説明しました』


『当該記録の写しは、王宮記録局、灯火新聞、公爵家三者立ち会いのもと照合中です』


『石を投げる、門を叩く、使用人を呼び出す等の行為は、疑惑確認ではありません』


『記録公開予定時刻は、夜半第三刻です』


『門前ではなく、記録を待ってください』


 出す。


 今度は火種が少し弱まった。


【火種:公爵邸門前衝突】


 弱まる。


 完全には消えない。


 でも、弱まる。


 私はようやく椅子に座りかけた。


 その時、灯火新聞の編集長から水晶通話が入った。


『記録写し、照合できた』


「結果は」


『儀礼用剣十二本。点検十一本、破損一本、返却記録あり。武器庫担当者、記録局刻印、公爵家受領印、三つ一致』


「反逆準備の記録は」


『なし』


「出してください」


『出す。訂正欄じゃなく一面でな』


「今日は一面でお願いします」


『珍しいな。あんたが一面を許すとは』


「今日ばかりは、地味だと門が壊れます」


『了解』


 灯火新聞の号外準備が始まる。


 門前の群衆は、少しずつ散り始めた。


 残る者もいる。


 疑う者もいる。


 怒鳴る者もいる。


 でも、門を壊そうとする波は退いた。


 エレオノーラ様は、まだ石段に立っている。


 私は水晶越しに声を送った。


「エレオノーラ様」


『はい』


「閉幕後は休んでください」


 少しだけ間があった。


 そして彼女は、いつものように微笑んだ。


『閉幕後に倒れる役は、美しくありませんわ』


「倒れることは否定しないんですか」


『比喩です』


「今の状況でその比喩は燃えます」


『では、倒れません』


「約束です」


『善処します』


「善処を禁止します」


 彼女が少し笑った。


 でも、足元の石は、まだそこにあった。


 彼女はそれを拾わなかった。


 護衛も拾わなかった。


 石はそのまま、光の中に置かれていた。


 私は、それを見ないふりができなかった。


   ◇


 公爵邸前の火は、弱まった。


 だが、消えたわけではない。


 火は、別の場所へ走る。


 それが今夜のベルク様のやり方だった。


 一つの場所で人々の足が止まれば、別の場所で不安が進む。


 灯火新聞の号外が出る少し前、北門から緊急報告が入った。


『北門付近で、辺境伯家の黒鷲旗に似た旗を掲げた集団あり』


『門番周辺に、辺境伯軍が公爵家救援のため王都入りするとの噂が拡散』


『一部商隊が退避を開始』


 カイル様が顔を上げた。


 その目が、静かに冷える。


「黒鷲旗は」


「本物ですか」


 私は聞いた。


 伝令が首を振る。


「遠目では不明。旗の形は似ていますが、紋章線が粗いとのこと」


「偽旗」


 カイル様が言った。


 短い。


 けれど、空気が変わる。


 偽旗。


 それは、ただの噂ではない。


 準備された道具だ。


 誰かが、北方を王都へ進軍させたことにしたい。


 公爵家反逆の噂とつなげたい。


 公爵家を守るために辺境伯が動いた。


 だから、共同声明はやはり政治勢力だった。


 だから、臨時広報調査室は北方と公爵家に握られている。


 そこまで一気に物語がつながる。


 私は火種を見る。


【火種:辺境伯軍進軍誤認】


【火種:公爵家救援説】


【火種:リディア共同声明の政治化】


【火種:北門封鎖】


【火種:王都包囲不安】


【火種:商流停止】


 その直後、北門警備隊から別の文が届いた。


『混乱を避けるため、王都北門を一時閉鎖』


 私は、その一文を見た瞬間、息が止まった。


 混乱を避けるため。


 まただ。


 また、その言葉だ。


 カイル様の手が、ゆっくりと机の縁を掴んだ。


 割れない。


 机は割れない。


 けれど、木が小さく軋んだ。


「カイル様」


 私は静かに呼んだ。


 彼は目を閉じた。


 一呼吸。


 二呼吸。


 そして、手を離した。


「行く」


「剣で、ですか」


「文で」


 その答えに、私は頷いた。


 少しだけ、胸が熱くなる。


 でも、その熱を抱えている余裕はない。


 北門が閉じた。


 王都の門が閉じるということは、噂が事実の顔をするということだ。


 外から見れば、王都は北方を恐れて門を閉じたように見える。


 内側から見れば、北方軍が来るから閉じたように見える。


 そして商隊は止まり、物資は滞り、人々はさらに怖がる。


 公爵邸前の火を弱めた瞬間、次の火は北門へ走った。


 私は新しい白紙を取る。


 見出しを書く。


『辺境伯出兵の誤報について』


 その横で、カイル様が自分の紙に一文を書いた。


『辺境軍は動いていない』


 短い。


 逃げていない。


 けれど、今度はそれだけでは足りない。


 北門は、もう閉じてしまった。


 私は窓の外を見る。


 王都の夜に、遠く鐘の音が響いた。


 一回。


 二回。


 三回。


 王都の鐘ではない。


 北方の連絡鐘でもない。


 けれど今夜、その音は噂の音に聞こえた。


 王都は、門を閉ざした。


 そして次の炎上は、辺境伯の名を掲げて燃え始めた。

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