設定資料・二章までの人物紹介~帝都編~
◆スパーニア王国
【ガルシア】
マクシミリアンが入学時に15歳(4年)。
五大公家イルエーナ家の長子だが左利きで父に疎んじられ、継承権の順位は弟の方が上とされた。三人の姉妹と一人の弟がいる。
ガリシア公爵位を与えられる事になり、イルエーナ家を継ぐ見込みはない。
語呂が悪くなるのでこんな爵位は要らないと突き返したいと思っているが、一応リーンを娶るのにある程度の体裁を取り繕う必要があった。
【クラウディオ・ザカリス・バルカ】
イルエーナ家の将軍。
ストラマーナ家のリークが王位に就いた時の内戦時に敵対し活躍した為、終戦後亡命するかのように帝国軍の客将となった。演習で帝都防衛軍団に連勝し帝国軍参謀達からも認められその勝利を称賛された。
一戦目は敵主力を引き付けて帝都の強襲に成功し、二戦目は浮足立つ敵兵の心理をついて偽報を流し分散させて各個撃破せしめた。敵将、敵兵の心理をつき、事前に戦場周辺の地形を己の目で確かめて精鋭との決戦を回避して勝利を掴んだ。
皇帝直々に勲章を授けられたが、それによって帝国軍内部で嫉妬され帝国軍から追い出されてしまった。戦略、戦術両面において同時代で抜きんでた将軍。
【プリシラ】
イーネフィール公家の長女。
ガルシアと同年齢で入学した事もあり、よく行動を共にしていた。
リカルドと恋仲になるが、結ばれるのは不可能だとその先を断念している。
裕福な南方圏の宝石王ガラマン・ヤダに求愛される。
◆帝国
【カールマーン】
トゥレラ家出身の皇帝。
第八十九代ヴェーナ新人類帝国の皇帝。
選帝されていた兄が急死した為、選帝選挙のやり直しかと思われたが、これ以上の帝国の混乱を嫌った皇室会議や帝国議会、選帝侯達によって皇帝とされた。
元々は天文官。二章開始時で23歳の若き皇帝。
個人の能力よりも無難で、野心が無く、出身一族の後見が期待されていた為、本人の権力基盤が脆弱である。
【カレリア・ソレル・フロステル・ヴァレフスカ】
天馬寮監という皇帝直属の役職を持つ一族。
天馬を育て、守り、騎士に天馬を与える際なつくよう指導する役割。
天馬が共にある事は天意の象徴とされて、皇帝の保護下にあった。
近年は新たな天馬が現れる事も、天馬に乗れる人間が減って来た事もあり年々存在意義が失われてきている。
天馬と相性のいい人間と交配し続けてきた一族で多くの姓を取り込んだが三代前にあまりにも長すぎるという事で縮められた。ヴァフレスカは北方圏の姓でもとはヴァフレスキー。
動植物同様、人間を品種改良して何が悪いのかという思考の一族の為、妖精王子がやってくると聞いて是非子供が欲しいと願っていた。
その為マクシミリアンに女を近づけ、金品を送り堕落させようとしていた帝国政府を皇帝を通じて掣肘した。
【ギッドエッド】
有力皇家のひとつ、ガドエレ家の皇子。カルナヴェインに対してライバル心を剥き出しにしていた。商業活動に注力する一族であり西方商工会とはライバルでもあり、一方帝国政府に対して規制の緩和を要求する同士でもある事から関係が深い。
【カルナヴェイン】
有力皇家のひとつ、フリギア家の皇子。旧帝国系の皇家である事から帝国政府の受けが悪い。自家に失態が目立ち没落していく。
名前の由来は鬼神クンバカルナ。アナグラムジェネレーターにかけて一番語呂が良かった名前とした。
【アーティンボルト】
ガドエレ家と契約している魔術師、魔導生命工学の第一人者とされる。
芸術家としても高名。
【シャフナザロフ】
帝国魔術評議会、死霊魔術部門の元部門長。
時の皇帝の依頼で蛮族と戦う人類の犠牲を減らす為、穢れた旧都やツェレス島の亡者達を祓う為に失われた死霊魔術部門を復興させた。
死を扱う事からもその研究室は地獄を見るような光景だったとされる。
世間には非道とみられるような行為であっても、人類の未来の為に心を鬼にして人生を資料魔術の研究に捧げた聖人。
帝国本土では奴隷を使った人体実験が出来ない為、外国で奴隷を買い入れて亡者化の実験を繰り返し、あまりにも頻繁に奴隷を購入している事について内務省や西方行政長官の捜査から逃れる為、多産な蛮族と奴隷を交配させて子を産ませ実験材料としていた。
ついにその残酷な手法が露見して捜査の手が及んだ時、電気ショックによる調教で獰猛な蛮族さえも意に従わせるようになっていたという。
他にも調教術についてさまざまな研究を行っており、死霊魔術の資料は焼き払われてもその副産物は横流しされ、世間に流布した。
法律では奴隷や蛮族に対する扱いで裁けなかった為、帝国追放令を適用された。
以降、奴隷であってもその扱いは人道的にしなければならない、と各地方圏の行政長官は各国に要請していくようになる。
【アーティンボルト】
ガドエレ家を後援者とする魔導生命工学の大家。
数々の芸術作品を世に送り出し、アックアイル美術館にその作品は展示されている。
【リグリア・イグナーツ・マリア】
帝国魔術評議会評議長。
全ての魔術師の頂点に君臨する魔女。
300年は生きていると言われているが、ほとんどの時間を肉体の時間を凍結させる秘法を用いて眠りについている。
【レスクオス・ドロンリブン】
帝国魔術評議会副評議長。
リグリアに変わって評議会を仕切っている。
皇帝の介入で評議会の部門がひとつ潰されてしまい、予算不足もあって運営に苦慮している。
【リーン・ルナリア・ヴェルテンベルク】
ガルシアの恋人の帝国人。
貞操観念がガルシアと大分違うのでくっついたり離れたりしていたが、彼女は複数の男性と同時に付き合ってはいない。
ガルシアを虐めるのが大好き。
◆その他
【ベルンハルト】
東方圏南部にある国の王子。
二章登場時17歳(4年)
ガルシアらと親しい。女好きで既に子持ち。スーリヤとも婚約した。
【スーリヤ】
南方圏北東部にある国の姫。
マクシミリアンと同い年だが、学年は一つ上。
国は砂漠化しつつあり、貧しく飢えている。
本人もよく港町で踊りを披露して小銭を稼いでいた。
熱砂の国の舞姫として有名になりつつあるが、ベルンハルトに摘まれる事になった。
褐色の肌に情熱的な紅い髪で見る人に生命力を感じさせる激しい踊りを好む。
【シセルギーテ】
スーリヤの護衛としてついてきたが、偶然近衛騎士の目に留まって学院に入る事を許された。将来は帝国騎士として嘱望されており、他の学問は二の次でいいと言われたので遠慮なくサボっている。
【ストレリーナ】
北方候の娘。
マクシミリアンより三つ上だが入学が遅く同学年。
【ウルトゥ】
リーアン連合王国のひとつホルドー王の息子で、父の葬儀以来の縁でマクシミリアンと親しい。
【ウィーグリフ】
北方圏にある部族、サーム族からの留学生。
帝国軍と共に蛮族と戦う激戦地であるため、帝国は王族以外からも留学生を入れている。
【ラブセビッツ】
ナクレス・ネッツインの主任設計技師。
建設後は外国で始まる大工事の為自由都市連盟に雇われた。
【ガラマン・ヤダ】
大量の宝石を産出する南方圏で最も裕福な国、イフリキーヤの王。
プリシラを見初めて後宮入りするよう要求する。
商船団を持ち内海貿易を牛耳っており、帝国からの依頼で大型の戦艦を建造できる造船所も保有している。
【ヘパティクプロス】
マクシミリアンや妖精の民が抱えていた特有の難読症について認識させ、回避策を指南した。
【ツキーロフ】
帝都で東方圏中原諸国の王政打倒を訴えて逮捕され強制送還された。
【フランチェスカ】
世の中ついていない人間というのはいるものだ。




