第三章・開幕
「ねえお義父様。このご本読んで頂けませんか」
「うん、本をか?・・・君は大層な読書家と聞いた。自分一人でも読めるだろう?」
「娘に本を読み聞かせるのは父親の義務だって父さんが言ってました」
「私は結構忙しいのだが・・・、そんなに難しい本なのか?おや、女性向けの騎士道物語じゃないか・・・読んでる間に眠ってしまいそうだ。私は武勲談を聞かせてやるのは得意だがさすがに恋愛叙事詩の類はちょっと」
「そういうのはアルベルドに読んであげて下さい。・・・何のかんの言い訳して父親の義務を放棄するんですね」
「ま、待った!読まないとは言ってない。だから瞳を蒼くするのは止めてくれ!!」
「じゃあ、ほらこちらへ。眠くなってしまったらそのまま眠っても良いですから、ね?」
「随分大きくなったと安心してたのに、まだまだ子供だなあ・・・。えーと何々」
◇◆◇
幼いころ王子様と愛を誓った湖の国のお姫様は、美しく成長し王子様が迎えに来るのを今か今かと待っておりました。
その輝く黄金の髪は精霊が住むといわれた湖よりもなお美しく、明るく健やかに成長し人々からも慕われておりました。
お姫様には二人の姉がいて、やはり既に隣国の王子に嫁いでいました。
しかし、一番上の姉は嫁ぎ先で出産に耐えられず亡くなってしまうのでした。
湖の国のお姫様は姉の弔問で海に面した大きな国に訪れましたが、そこで・・・。




