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セブンスドール  作者: こうえつ
死に方を見つける為に
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A.D.4020.運命の出会い

数キロ先のトンネルの上、小高い丘の上に、一人の男が立っている。

身長は190CM、体重は100KGオーバー。

 ヘビー級の格闘選手のような獰猛な身体の上には太い首。そしてサングラスから伺う、その目は力に溢れていた。


男が見下ろす道路を、セブンスとマシンウォリア二台が、猛然と下ってくる。

男は吸っていた葉巻を捨て、巨大なハンドガンを抜いた。

ハンドガンはブラスタではなく、実弾を火薬で打ち出す、フルメタルの弾が装着。


ピ、指でタッチし、男がサングラスに供えられた、光学スキャンを起動する。


 男の視界が一気に拡張した。数キロ先のセブンスの美しい顔と身体を鑑賞して満足そうに笑った男は、セブンスの顔にハンドガンの照準を合わせる。

 トンネルに近づくセブンス、その瞳に丘の上の男の姿が写る、その時、ドン、ドン、ドン凶暴な連続した射撃音が響く。

 ハヤブサに急ブレーキをかけて、トンネルの前で円を描き、反対側を向いて止まるセブンス。

そこへ音速を越える速度で、マシンウォリアが空中から突っ込んで来る。

 男の放ったフルメタルの実弾は、セブンスをかすめて飛び、マシンウォリアのエネルギーシールドを突き抜け、姿勢安定用の短い羽の形をした、スタビライザーを破壊した。

 空中での姿勢制御を行う、スタビライザーを破壊されたマシンウォリアは、空中の軌道をそれ、クルクルと廻りながら、音速を超える速度でトンネルに突っ込んでいく。

 爆発音が、セブンスの後ろから響く。しかしセブンスは、前を向いたまま視線を外さない。

 その瞳に、地上を走るマシンウォリア一号が写る、攻撃態勢に入るマシンウォリア。


セブンスが叫ぶ!「それを……貸して!」丘の上の男がニヤリと笑った。

自分の持っている大型のハンドガンを、セブンスに放り投げる。

マシンウォリアの赤外線照準が、セブンスの身体に赤く写り込む。


 空中から落ちて来るハンドガンは、高速撮影のようにコマ送りのように落下が遅く感じられ、目の前に迫る敵に焦りを感じるセブンス。

 カチャ、やっと降りてきた黒いハンドガンを掴み、マシンウォリアに照準を合わせた。

 シュワァァ、セブンスが立つ後ろ壁が、マシンウォリアのブラスタ砲により溶解した。

 ガ、ガガ、ガ、ガン、セブンスの持つ巨大な重砲より、連射されるフルメタルコートの弾丸。

 急速に展開されたマシンウォリアのシールド、それを金属の弾丸は突き破り、空中姿勢制御用のスタビライザーを破壊する。

しかし、地上を走るマシンウォリアには、今は必要のない空中制御の翼。

かまわず全弾を打ち込むセブンス、弾倉が空になった。

それを見た、マシンウォリアは正確に、セブンスに照準を絞り始める。

 背中から抜いたブラスタガンの出力をMaxして、セブンスは目の前の道路を撃った。


最大パワーの光弾を受けて、砕けて陥没した道路。

そこにマシンウォリアが滑り込む。

 足のローラが砕かれた道路に取られ姿勢が崩れる。瞬時に背中の機動ブラスタを加熱し、空中に飛び上がるマシンウォリア。

 しかし、空中制御のスタビライザーは破壊されていた……空中の姿勢制御は出来ずに、グルグルと回転しながら、トンネルの入り口に叩きつけられたマシンウォリア、衝撃で一瞬回路が停止した。


 数秒後にバックアップで、マシンウォリアは再起動するが、その時既に、マシンウォリアの頭部の制御パックに、ブラスタガンを突き付けるセブンス。

「すぐに抵抗をやめなさい。投降しなさい」

 セブンスに警告を発する、マシンウォリアの音声は、相変わらず爽やかな青年のもの。

バシュュウン、セブンスが、ブラスタガンを暴発させ制御パックを破壊する。

 頭部が焼き付き、ダラリと手足の力が抜けて、完全に機能を停止したマシンウォリア。


「ここで終わるわけには行かないの……自由も死に方も分からない今の私は」

 トンネルの上を見上げて、男に手を振るセブンス、男も手を振り返す。

 丘の上に登ったセブンスが、銀河一の微笑を浮かべて男に礼を言った。

「ありがとう。助かったわ。ところで……あなた何者?」

 美しき天使の微笑みを湛えるセブンスだが、その手のブラスタガンは赤い照準で男を照らす。

「おいおい……一応、命の恩人なのだけどな」

 フッと笑った男にセブンスが頷きながら、男の額に照準を合わせた。

「そう……最近は映画でも見ないくらい”見事なヒーロ劇”だったよね」

 引き金を引き始めるセブンスに慌てる男。

「わーった、わかったよ。ちょっと待て」

 ふぅ、ため息をつき、お手上げポーズを取った男。

「ここで長々と説明してもいいが……おまえは追われているだろ?」

 ふぅ、男と同じ溜息をついたセブンスは、ブラスタガンの銃口を下げた。

「じゃあ、どこか静かで安全なところで、説明を頂きましょうか?」

「そうだな。ここから少し離れているが、おれの豪華な別荘に招待する」

 男は自由になった手で、腰のポケットから、太い葉巻を取りだして、火をつけた。


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