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異世界へ~由真編~

「はぁ、唯はいつになっても唯だね。やっぱり、あのお母さんの血を引いてるだけあるわ。」


私が大袈裟に首をふりながら言う。


「そこまで言わなくても・・・、由真ちゃんもお母さんの血ひいてるじゃん!!」


はぁ、そんな怒った顔しても可愛らしいだけだぞ。そろそろ唯をいじるのを止めないと、あそこにいるおじさんが気持ち悪い顔してこっちを見てる。


「あー、よしよし。すねないの。ほら、新しいカフェみえてきたよ。」


あっ!ほんとだぁって顔してはしゃいでる。ほんとに単純なんだから。・・・・・・先が思いやられる。


そのときか細い猫の鳴き声が聞こえた。ばっと唯が反応して、その小さな黒猫を見る。


「大変!!早く手当てしなきゃ!由真ちゃんも手伝って!!」


・・・・・・すごい傷・・・


身体中が血だらけの小さな猫は、今にも倒れそうなくらいフラフラだった。唯がいつも持ち歩いている専用緊急箱を取りだし、手当てをしようとしたが、その猫は拒否するかのように暗い路地に向かって歩いていった。


「ちょっと、待って!だめだよ!!その怪我じゃあ・・・」


唯が急いで連れ戻そうとした。


「唯!ちょっと!」


・・・・・・なんだろう・・・・光?唯は猫にきをとられて気づいてないみたい・・・



「待って!」


猫を追いかけて唯が、暗い路地なかにはいった。すると、


「きゃっ!!」


唯がいきなり奥に引きずり込まれた。


「唯!!」


わたしはとっさに唯のてをつかんだ。そのとたん、私たちは光の中に引っ張られた。






光のなかはとても不思議なかんじだった。


私は掴んでる手をさらに強く握り、唯をみた。


・・・・・・寝てるよ・・・・・・


そう、唯はこんな状況ですやすやと可愛らしい寝息をたてて寝ているのだ。


嘘でしょ・・・危機感がなさすぎ・・・あとで怒っとかなきゃ・・・


ため息がでる。


「ん?」


光は二手に別れていた。左は温かくて光がたくさんでている方、右は・・・暗い、真っ暗だ。でも、私は右のほうがなんか落ち着くなぁ。


そう思ってると、いきなり唯の体が左に引っ張られた。私はそうさせまいとしたが、私の体も引っ張られたのだ。しかも、唯とは逆の方向に。


「唯!!」


私は力の限り叫んだ。だけど、私たちはバラバラに引き離された。

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