8-5.
本日は2話投稿します!
目を覚ましたいのに…
あれ?
遠くで音が聞こえる。
なんだろう…
わたし、今、なにしているのだろう…?
眠っている…?
ようやく自分の意識が戻ってくるのを感じる。
体を動かしてみたい。
あれ?動かない?どうしてだろう…
目は開けられるかな?
う…まぶしい?
光がまぶたからもれてくる?
はあ、この感じ、ソランティア王子の呪いを解いた時と似てるな。
「マミーナ、戻ったのか?」
急に私の耳に声が届いた。
テレパシーだ。
……そうだ、わたしは大切な人を守りたくて必死だったんだ。
体を動かしたい。
わたしはここだよって知らせたい。
ちゃんと生きてるよって。
あれ?どうして…
なんで体が動かないの?
私、生きてるよね?
「わたし、生きてるんだけど、体を動かすことができないの」
王子にテレパシーで伝えてみた。
「体には魂の“定位置”があるんだ。君の魂をしっかりと位置にもどして型にはめる必要がある。今、君の魂はふわふわ漂っていて、魂と肉体が繋がっていないんだ。」
良かった。ちゃんと返事が返ってきた。わたしは一人ではない。
「私の魂を型にはめる?」
魂という存在を聞いてはいたが、実際のところ、なにだかわかっていないのが正直なところ。
「意識を集中するんだ。すると、自然にはまるところが見つけられるはずだ」
「自然にはまるところってなに?」
「自分を信じるんだ。じゃあ、僕も生の世界に戻るよ。また、そこで会おう」
一人残された気がした。
テレパシーを送ってみたけど、それからは返答がなかった。
でも、あの声はたしかにここに届いていた。
それだけで、心が少しあたたかくなる。
ソランティア王子は生の世界で待ってることだけはわかるから、わたしもはやく戻りたい。
意識を集中させていくと、なんとなく型のようなものがあることがわかった。
でも、なかなか型にカチッとはまらない。
カチッとはまるって…
うーん、うーんと試行錯誤していたら…
あ!きた!
この感覚だ!
どんどん体が沈んでいくと同時に、体の感覚が戻ってきた気がする。
カチッ
と音がして、意識がぐいっと生の世界に引き戻された。
体の重みを急に感じてうっとなる。
ああ、私の肉体に戻ってきたんだ。
そう思ったとたん、安心して涙があふれて止まらなくなった。
生きている、戻ってこられた、そして――まだ“彼”が待っていてくれる。
それが、うれしくてたまらなかった。
2話目は21時に投稿します。




