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美形天才王子の長期戦 ~周りから完璧王子と言われるけど、彼女は難攻不落だったので長期戦で行きます~  作者: りなる あい
第四章 冬の舞踏会と揺れる心

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4-7.

「マミーナ、ここにいたのね。探したわよ。」


その声はカリンダだった。

後ろにはトラネもいる。

カリンダは興奮しながらズンズンとこちらに歩いてきた。


「さっきの校長先生のサプライズで、わたし、グリンディーン様にお会いしたの」


「え?ラングリンド王国に留学中じゃないの?しかも、潜在意識で会いたい人がグリンディーン様?!」


一気に駆け巡る情報量に頭と心が追いつかない。


「今、ソランティア様と舞踏会へ参加するために帰ってきてたみたい。でも留学中ってことになっているのに参加していたら校内が騒ぎになるでしょ?だから、お忍びで来ていたんだって。パートナーを誘ったりエスコートはせずに密かに参加していたみたいよ。」


お忍びで来てたんだ…

知らなかった…


「カリンダは仮面の相手に名前を聞いたの?」


「実はわたしね、仮面をつけていたときに、もしかしてグリンディーン様?ってピンと来たの。」


「間違ってたら、ごめんなさいって言おうと思っていたから会ってすぐに聞いたわよ。そしたら、本人だったの。留学中だから、まさかいるとは思わなくて本当にびっくりしちゃったわ。校長先生が最後に目の前の人は潜在意識で会いたかった人ですって言ったでしょう。最後の別れ前の1分がもう、恥ずかしくて恥ずかしくて…」


「髪も目も声も違うのに、なんでそんなにわかったの?わたしは全然わからなかったのに。」


「多分、女の勘よね。ふふっ」


そういって笑うカリンダは女の子の顔をしていた。

つまり、恋する顔だ。

はぁ、かわいい。


「トラネはどうだった?相手の名前は聞けたの?」


「わたしはね、アダムにエスコートしてもらって、一緒に過ごしている時にサプライズがあったのね。でも、目の前にいたのは同じ服を着た人だったから、髪色も瞳も声も違ったけれど、アダムってすぐにわかったわ。2人ですっごく笑っちゃった。サプライズじゃなくて、ただの変装じゃん!ってね。」


「なにそれ〜!2人とも相思相愛ってことじゃん。可愛い二人だなぁ。それじゃあ、付き合うのも時間の問題だね」


「もし付き合ったらすぐに報告してくださいね。」


とカリンダも付け加える。


「ところで、マミーナのお相手は誰だったの?」


「わたし、名前を聞こうとしたら、名前は無礼講で明かさないって言われて、聞けなかったの。わたし、初めてだったの。男性にこんなにドキドキしたの。でも、名前は結局聞けずじまいで…」


「なにそれ!で、どういう人だったの?」


カリンダの恋愛センサーに引っかかったようで、彼女の目がキラキラしている。


「白いタキシードに金色の刺繍のデザインで、素人のわたしから見ても、とても上質な感じなのがわかった。胸元には黒いハンカチを差してた。髪の毛は栗色で紫色の瞳だったんだけど、これは変身してるから、本当の色はわからないし。」


「それだけ服装を鮮明に覚えてるなら探せそうじゃないかしら?白いタキシードだったら、探知魔法を使いましょう」


「実はもう探知魔法をつかって探したんだけどどこにもいなくて…」


彼の手のぬくもりはまだ私の中に残っているのに…

え?どうして…?

とトラネとカリンダも不思議そうな表情を浮かべている。


「なのに、今さっき、もう一度ベランダで会っていたの。魔法が解けているはずなのに、仮面をつけたままで、髪色、目の色、声も同じだった…」


「なにそれどうゆう状況…?」


「魔法が解けた後も、魔法が解けてほしくなかったから、自分で魔法をかけなおしたのかな…?」


2人もわたしの状況を聞いて考察している。

はっとした表情を見せたかリンダが言った。


「ちょっと待って!もしかして、その方はソランティア様じゃないの?」


「なんでそうなるの?」


カリンダは何か知っているのかな?

お忍びで来ているのはわかったけど、どうしてそこで王子に結び付くんだろう…。


「グリンディーン様がソランティア様と舞踏会に来ていて、サプライズの後に舞踏会から抜けるっておっしゃっていたもの。」


「確かにいなかったことを考えるとその可能性はありえるけど、でも確かめようがないよね。」


カリンダの考えに対して、トラネの冷静な考察が入る。


「そうね、騒ぎになってしまうでしょうし、お忍びでしたから、おそらく寮ではなくて実家に帰っていると思うわ。」


「私たちが王族を訪ねるわけにはいかないもんね。」


と、トラネがもっともなことを言う。


相手が誰かわからないけれど、もしソランティア王子だとしたら、わたしはあの王子に恋をしたってこと?

いやいや、でもまだ王子って決まったわけではないし、万が一好きになったとしても王子には婚約者がいるし、わたしは相手にはなりえないし…


すぐに会いに行ける関係だったらいいのになとふと思った。

そしたら、こんなにモヤモヤしなくていいのに。


胸が締め付けられるような、でも嬉しいような不思議な気持ち。

どうしてこんなに彼のことばかり考えてしまうのだろう…

このやり場のない気持ちをどうすればいいのかわからなかった。




この物語の前半が終了しました。

次回から第五章へ突入です!

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