2-14.
今回で合宿編は終わります。
昼休みになってすぐに職員室へ向かった。
すると、先生以外の人もその場にいた。
みると紺色の制服には騎士団のバッチがついている。
「フェル君、紹介しよう。こちら騎士団副隊長アルベルト様だ。」
と先生から紹介されたのは、なんと副騎士団長だった。
「マミーナ・フェルです。初めまして。」
「急に呼び出してすまない。実はわたしは今日、君を騎士団にスカウトに来た。合宿でのことを一通り聞いて、早期入隊してもらいたいと思ったんだ。」
「そうだったのですね。でも、どうしてわたしが?騎士団への入隊は、卒業後ではないのですか?」
「通常はそうだ。だが、君の魔力量はどうやら他の人よりも多いようだ。そして、剣の腕前も良いと聞く。騎士団へ早く入ったとしても、学業は通常通り続けることができる。訓練への参加や、時々討伐に一緒に行くことになるが、学生の身分であるが報酬ももらえる。君の才能を磨くために、早期入隊がいいと思ったんだ。」
話を聞いていると、ドアをノックする音が聞こえる。
ガチャと入ってきたのは王子だった。
「アルベルト副隊長、いつもありがとうございます。」
「ソランティア王子も来てくれたか。」
「はい…彼女を推薦したのは、わたしなので…。それで、少し気になって様子を見に来ました。」
なに?今、推薦したのはわたしって言った?
わたしのことを推薦したのは王子なの?
王子の顔をバッと見たわたしの状況から、アルベルト様は
「本人から聞いていなかったのか?」
と聞かれる。
何も聞いてない。
でも、騎士団に入ることが夢だったから、とっても嬉しい。
この機会に繋げてくれたのが王子ということがちょっと気に入らないけど、良い方向に向かっているのを感じてワクワクする。
「何も聞いていなかったので驚いていますが、嬉しいです。」
「あれ?僕、君に伝えたよね?
『僕が見えているところで戦うのが安全だから僕のそばで一緒に戦い方を学べばいい』
って。」
「それって、そういう意味で言っていたの?」
――わたしったら、また全然気づいてなかった。
「そうだよ。君の話をしたら、騎士団が君に興味を持つだろうと思ったからね」
「もちろん、ソランティア王子からの話だけでなく、記憶魔法で状況も見させてもらった。
早くから戦う術、守る術を身につけておいて損はないだろう。実をいうと、最近、結界の外での魔物の動きも不穏なんだ。君にとっても騎士団にとっても、君を早期入隊させることは良いことだと考えている。」
「ありがとうございます。貴重な機会をいただけて嬉しいです。」
「今後の予定や詳細はソランティア王子から聞くように。」
副騎士団長が出て行き、わたしもソランティア王子に続いて部屋を出る。
「騎士団に話をしてくれてたんだね、ありがとう」
「君が毎朝鍛錬をしていることも知っているし、剣筋もいいから騎士団へは前から伝えようと思っていたんだ。合宿後の騎士団での訓練の時に、合宿はどうだったかと聞かれたから、そのタイミングで合宿での君との出来事を話すことができた。」
すると王子が歩いていた足を止めた。
どうしたのかと、王子に振り返ると、王子は急に真面目な顔になって
「君なら大丈夫だ。共に頑張ろう」
と言ってきた。
いつもの余裕のある感じとか、おちょくる感じがなくて、真剣に伝えてくれた言葉が響く。
「うん、頑張る」
と素直に頷くことができた。その時の私は知らなかった。
騎士団と勉学の両立がこれほど過酷だったなんて…
――でも、その先にあるものを、このときの私はまだ知らなかった。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
明日から第三章です。
次の章もワクワクドキドキがつまっているので、ぜひご覧くださいね。




