2-13.
合宿から帰ってきた日はみんな寮へ戻り、疲れを取るようにすぐに眠りについた。
カリンダは帰ってきて寮で休んでいる時に、同じグループになった男子に呼び出されて告白されていたらしい。
カリンダは「そういうふうに意識していないから」とその男子を振ったのだと次の日の朝に報告してくれた。
これまではクラスの結びつきが強かったが、合宿後はクラス以外の人との交流が増えていた。
わたしもその1人で、クラスの移動の時など、合宿のグループメンバーと会うと話す仲になっていた。
ルートとはちょこちょこ会うことが特に多くて、最近どう?と気軽に会話する仲になっている。
「合宿から、もう1週間か。ついこの前みたいに感じるのにな。」
ルートが私に話しかける。
「時間が経つの本当に早いよね」
「最近、俺のクラスで攻撃魔法の授業したんだけど、マミーナもその授業終わった?」
違うクラスだから、進み具合が違うみたい。
どんなことを学ぶのか先に知れるから嬉しい。
すると構内アナウンスがあった。
「マミーナ・フェル、昼休みに職員室へ来るように」
「職員室?なんで私が?何かしたっけ?」
思い返してみるけど、先生に叱られるようなことはしてないはず。
イッキー事件も、魔物討伐も、ちゃんと報告してるし…。
いや、でも念のため心当たりを探してしまう。
「まあ、よくわかんないけど、とりあえず頑張れよ」
そう言ってルートは次のクラスへ向かって行った。
さあ、わたしも次のクラスへ向かおうと方向転換すると目の前に王子がいた。
グリンディーンと一緒に次のクラスへ向かっているらしい。
「君、何かしでかしたの?」
構内放送を聞いた王子が、ニヤニヤしながら話しかけてきた。
「何もしてないわよ。しでかした程で言わないでよ。」
「君はトラブル引き寄せ体質だからね。」
やれやれと、呆れたように言いながらも、どこか心配してるような声色だった。
…気のせいかな。
「わたしはトラブルだなんて思ってないから。誰にでもこういうことはあるでしょ?」
「まあ、君がそう思うなら、そうなんじゃない?」
そばで控えるグリンディーンも、いつもの私たちのやりとりをただ見ている感じだ。
背中を向けて手をヒラヒラしながら歩いていく。
いちいち癪に触るな。
気づいたら王子のことをやつ呼ばわりしちゃってる、と自分にツッコミを入れる。
(まさか本当に、何かやらかした…?)
いや、落ち着けわたし。
行ってみれば分かる。
…と、自分に言い聞かせながら、なんだか胸のあたりがそわそわしていた。
合宿編、次がラストのエピソードです。




