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冒険者教育論  作者: ゆきつき
2章熱血体育祭、文化祭
22/30

21.ちょっとした乱闘

 現在、先頭集団。

 先頭集団は先頭集団で着順のポイントを狙って頑張ってる訳だから、多少の能力のぶっぱはあるけど、どっちかと言えば1着を狙って頑張ってる。

 まあ何が言いたいのかと言えばだ。標的にされない限りはかなり平和。

 つまりまあ、現在1位のペアは狙われたりするけど、先頭集団の後ろから真ん中のところに居れば、能力が飛んでくる事もないし、かといって無茶なペースに面食らう事もない。


「今更だけどさ。ハチマキ、私が持っててよかったの?」

「俺が持つよか安全だろ。自分で言う事じゃないけど、俺は怪我人だからさ。いざって時に対応できないかもしれないし」


「「「「(いやなんで怪我人が先頭集団にいんの?)」」」」(話は聞こえてないが、全員の心が一致していた)


 いやぁ。俺の利き腕が右でよかった。左だったら生活に支障をきたしていた。というか、利き腕がこのレベルの怪我をしてたら、体育祭の出場も危ぶまれた。

 まあ出場は絶対するけど。医者になんと言われようが、絶対に出場するけど。俺の青春の1ページになにがあろうとも1年の体育祭に出場したという事を書き込みたい。


「それにまあ、俺よかフォーセさんが持ってる方が、狙われにくいだろうし」

「? どういう事?」

「まあ想像に任せます」


 女子から恨みを買ってるかどうかは知らんけど、少なくとも男子からは人気なんだ。そんな人気者に刃を向ける事はないかなぁ、と。少なくとも俺ならできない。


 というかフォーセさんとペアを組んでるだけで男子から恨みを買ってる訳だから、俺がハチマキなんて持ってたら、マジで格好の餌食ってやつよ。めっちゃ狙われるよ。スタート直後の能力ぶっぱが良い証拠よ。


「それで、いつ頃先頭に行くの?」

「まあ、登山に入るぐらいで良いんじゃねえの?あそこの山登りは攻撃とかの意識を忘れないとダメな感じの山だったし」


 ってかね。学園の周りに、斜面が55度ぐらいある山、というか坂があるの、おかしくない?どんな場所に学園があるのよ。山の中だよ。


「私、最初の徒競走はほとんど飛ばしちゃってるから、どんな環境なのかわからない」

「……」


 ただただ、呆然としましたまる。

 た、確かに1位のタイム、3分とちょっとだったはず。10㎞をそれって、まあどう考えても能力のおかげなんだけどさ。どうやったらそんなタイム叩き出せるの?秒速50mぐらい?すげぇ。





_________






 例の坂の目の前にやってきた。

 ここはスタートから、だいたい7㎞ちょっとしたあたり。周りの人からすれば、ここまで走ったのにさらに試練が、みたいな感じで、かなりの絶望を味合わせる位置にある坂だ。

 さらに第1競技である徒競走でもここを走ってるから、余計にやる気が下がる。もう一回登らないといけないのかよ、ってな感じの絶望と、さっきの10㎞でもう体力残ってねえよ、ってな感じの絶望。


「じゃ、抜かそ、は?」

「危ない」


 フォーセさんのおかげで助かりました。

 えー。なにがあったか説明するのであれば。まあ、火の玉が飛んできた。


 後ろを振り向いた。

 リヒトがいた。あとリヒトの腕の中にいるフーコ。

 ちょっと、言い換えるべきかな。

 リヒトにお姫様抱っこされてるフーコの、リヒトフーコペア。いやなにしてんのあいつら。確かにリヒトって優秀だけどさ。別に体力おばけって訳じゃないから、誰かを抱きながらここまで走るなんてしんどいんじゃないの?


「ふ、は、は、は、は!どうだ、驚いたか!貴様たちを脅かすのは、このうち、フーコやで!」

「……、リヒト、大丈夫か?顔色悪いぞー」

「うちのセリフに反応せいよ!」

「はぁ、はぁ、敵に心配される覚えはない」

「あ、うん。頑張って」


 あれはガチで死ぬ寸前の顔だ。あいつ、この競技を突破できても、次の競技は出れないんじゃないの?体力もうなさそうよ?

 ってかなんでフーコをペアに選んでるのよ。俺も誰でも良いからって昼寝してたけどさ。フーコの体力の無さってのは、ダンジョン探索で身に染みてわかってるはずなんだけど。あいや、体力が無いからこそ、ああしてお姫様だっこしてあげてるのか。お疲れ様。


「とにかく!うちらの障害になりうる貴様らフォーセペアを、ここで潰す!」

「ねえ、おたくのおちびちゃんあんな事言ってるけど、どうするの?」

「ごめんね、あんな物騒な事言う子じゃないんだけど」

「おちび言うな!そして憐れむな!」


 騒がしい奴だな。いや、元気な奴って言うべきか。うん、そうしておこう。


「はっはっはぶ、……」


 あ、舌噛んだな。

 そりゃ坂道と言うか山道だもん。いくら優秀なリヒトどいえど、腕の中にいる女性にまで気に掛けれるようなステージじゃない。だってこの急な坂道は、普通に疲れるもん。

 それに普通の二人三脚でも、どちらか片方は相手のペースに合わせないいけないから疲れるだろうってのに、なんで人を抱えながら行くという無駄なハンデを背負いながらこの坂を行くって言うんだよ。


「見て。フーコの威嚇も、案外冗談じゃなさそう」

「うっそだろおい。1万のハチマキが3本あるじゃんどうなってんの!」

「ふふっ、気になるか?気になるよなぁ?説明したる」


 いや、そんな大仰な事言ってるけど、大体理解できるよ?フーコは攻撃に専念させるために、苦難の道も承知でリヒトがフーコをお姫様だっこしてるんじゃないの?


 だってリヒトの攻撃って、人に撃ったら殺傷能力が高すぎて、使用禁止とまで言われてるような能力。つまり相手のハチマキを奪うには、シンプルな暴力で相手を打ちのめすしかない。

 でも相手は普通に能力を使ってくる。だから安易な接近は危険。

 だからフーコの遠距離攻撃で相手を失格にさせたりとかしてるんだろうさ。


 幸いにして、紐でお互いを結べなくなったら、ってルールがあって、フーコの能力は火を出したり操ったりできる。まあここまで言えばわかるよな?

 この紐、ちゃんと燃えちゃうんです。燃えて燃えカスになるような、普通の紐なんです。まあ触った感じでの感想だから、ちゃんとは知らんけど。

 だからまあ、フーコの能力と相性がいい訳だ。

 だから相手が1万ポイント所持者だろうと、抵抗するのは難しいって話よ。紐が燃やされたら、お互いを繋いでられないし。

 それに火を操る事もできるから、一度でも相手の紐、もしくは服だとかに火が付きさえすれば、あとはもうフーコのペースよ。一瞬で紐全体に火を回すこともできる。


 よくよく考えたら、火を出したり操ったりできるって、ちょっと強すぎやしないかお姉さん。


「うちが攻撃に専念してるんや!」

「あ、思ってるより説明短い」

「ふっふっふっ。実際にどうやったか、貴様らも体験さしたるわ!」


 ところでどうしてフーコは貴様なんて格好つけた言い方しているのだろうか。……、あ、厨二病なのか。その年になってまでそれなんて、可哀想に。


「せいっ!」

「ちょ、危ねえな」

「なん、だと?火を素手で、消した?」

「熱いんだからやめろよ」


 とは言ったものの。俺は離れている相手に対しての攻撃手段が一切ない。いやまあ石を投げるとかはあるんだけど、敵をノックダウンさせるには威力に不安が残る。


「大丈夫。私の能力で紐を守れる」

「フォーセさんの能力、万能すぎない?」


 この前、能力は躱すのが定石だと言ったな。

 でもフォーセさんの能力だと、相手の能力を受け止める?事ができる。全部かどうかは知らないけど、とにかく基本的な能力は防御できる。


「おーいおちびさん。あーた相手にされてないってよ」

「かー。やっぱフォーセの能力ずるい。卑怯。そんなんチートやチーターやん!」


 フーコって、なんかせわしないというか、楽しそうな人生を過ごしてるよね。なんか羨ましいよ。


「ちょっとリヒト、どうしよ。これじゃあ脱落させられないってばよ」

「だから言っただろう。フォーセさんがあんな事もできるとは思っていなかったけど、どうせ火程度だったらヴァンが掻き消すと言っただろう」

「確かにそれもされたけど!なんであんな頭の悪い防御法をリヒトも想像できちゃうわけよ!」

「そりゃ4か月ぐらい一緒に過ごしてたからな。他の男子は気を遣って寄ってこないってのもあって、ヴァンの性格はかなり知ってる」

「確かにリヒトがヴァン以外の男子と絡んでるところって見ないな」


 うーん。ヴァンに色々把握されててびっくり。


「いつ先頭に出る?」

「そーだなー。これ以上フーコが馬鹿してくれなかったらさっさと先頭に出れるかな」

「そう」


 まあフーコが火で色々と攻撃してきたら、足を止めざるを得ないというか。流石に無視できるような攻撃の威力ではないから、やっぱり足を止めざるをえない。


「じゃ、俺達は先に行くんで」

「あ、待ちいや!」









「折角だから、ハチマキを一本取っておいた」

「え?」

「多分一番ポイントが高かった、10121点のを」

「あいつら、結構な高得点なグループを脱落させたのな。そんでどーやってあいつらからハチマキ奪ったの?」

「企業秘密」

「女子は秘密が多い方が魅力的みたいな事言うもんね、秘密があっても良いよね」


 めっちゃ気になるけど、まあ能力の根幹に関わってくるとか、まあ色々と理由があって言えないのだろう。

 俺は紳士。女性が嫌がっている事を、根掘り葉掘り聞こうとはしないのだ。嫌われたくないもん。


「先頭に出れたな」

「後ろともだいぶ差を作れた」


『おっと、1位の姿が見えてきました!』

『1位は予想通りとイレギュラーの組み合わせの、フォーセヴァンペアだね。なんでヴァンは出てるの?あの怪我じゃ医者にストップかけられたんじゃ』

『まあまあ細かい事は気にするな!活躍してればそれでいい!それがこの体育祭だ!』


 えーっとですね。俺達のポテンシャルはなかなかに高かったらしく、3㎞を8分ぐらいで走りきった。後ろとは、だいたい2分から3分ぐらいの差がある。

 つまりまあ、圧倒的1位って奴だ。


『ってな訳で、1位はフォーセヴァンペア、今ゴールです!はてさて。ポイントは一体いくら稼いだのか。気になるところですね~』

『まあ他のポイントを稼いでなくても、素の状態で2万とちょっとのポイントがあった訳だから、他のペアからポイントを稼ぐっていうより、堅実に1位を取って着順でのポイントを稼ぐって言う作戦かも、ですね』

『なるほど~。まあ、ゴールのポイントと集めたポイントは、全体が終了するまで非公表です。もうしばらく、競争をご覧ください』

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