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冒険者教育論  作者: ゆきつき
2章熱血体育祭、文化祭
16/30

15.皆大好き出し物決め

「今日のホームルームと一限は、文化祭にどんな出し物をするのか決める為の時間です」


 文化祭ねぇ。まあ楽しみっちゃあ楽しみなんだけどなぁ。何を作っても失敗する俺は、準備は雑用しかこなせないしなぁ。雑用なんて面白くないしなぁ。


「じゃ、私は寝てるから、自分達で決めてね」

「「「え」」」

「じゃあ、委員長、よろしく」


 先生よ。いくら面倒だからって、まるまる生徒に投げるのはどうなのよ。


「勘違いしないでよ?これはあくまで生徒の自主性に基づいて決めてもらう為で、私が面倒だからじゃないから。先生がいない方が話し合いも砕けた口調になるだろうし、そっちの方がいいと判断したから」

「言い訳は聞きたくないでーす」

「じゃ、委員長、よろしく」


 多分全員が思った。あ、口論から逃げた。


「じゃ、うちが進行を務める。皆話し合いが進みやすいよう、協力してや」


 何故だか、うちのクラスの委員長、フーコ。もっかい言おう。何故かフーコ。どー考えても、役者じゃない。


「じゃ、うちが一つ案を出すわ」

「どーぞ」

「わたがし屋をやろう」

「へー」

「おっと、これだけやと思ってるだろ?違うんだなぁ」


 うざいなぁ。言い方がうざい。多分クラスの連中も同じような事思ったよ。


「映える写真を撮れる、わたがしソーダを作るんや」


 なんかさ。俺達の意見聞く気なくない?もう既に、こう、自分の中で何をやるのか決まってるくない?いやまあ別に俺は何をやるにしても良いんだけど。……、あ。劇みたいなのはやりたくない。演じるのも苦手だし、なにかを作るのも苦手だから。


「こうな?カラフルわたがしに、カラフルソーダを組み合わせるのよ」

「細かい事は決まってからで良いと思います、委員長」

「にゃんだとこの野郎」


 噛んだ。ちょっと顔が赤くなってる。


「企画説明において、詳細まで話せやんかったら意味ないんじゃボケ」

「口が悪いぞ委員長」

「せっかくのマスコット感が台無しだぞ委員長」

「なんやとー!」


 やっぱこいつが委員長じゃダメなんじゃねえの?


 そう感じたのか、副委員長、フォーセさん。仕切り始める。


「他になにかやりたい事ある人」

「「「……」」」

「たこ焼き屋」

「クレープ屋」

「腕相撲大会」

「そんなん嫌や!うちは少なくとも屋台をしたい!」

「委員長、私情を挟むな」

「ミスコン!」

「そりゃ学園が主催でするだろ」


 なんかいろんな意見があるなぁ。最後の奴からは、若干視線を逸らしつつ。だってどー考えても、試案者の下心丸出し意見だったもの。出会いが欲しい、って言う下心丸出し。


「水着コンテスト!」

「もう秋だし、文化祭開かれる時には結構寒いだろ」

「中学の時の制服コンテスト!」

「それ、ミスコンでも見れるんじゃねえの?」

「じゃあコスプレコンテ」

「いい加減諦めろ」


 よくもまあ、そんなスラスラとほにゃららコンテストってのを思いつけるな。すげえよ。

 にしても、水着かぁ。フォーセさんの水着。きっときらびやかで華があって、美しいんだろうなぁ。見てみたい。特におへそ。


「他になにかあります?」

「バンド」

「そんな楽器できる人なんているの?」

「さあ?」

「じゃあなんで挙げたし。まあ候補としては良いと思うけど」


 うーん。正直言って、何をしたい、って言われたら、ぐーたらしたいって思う。だから何をやるか聞かれても、何も答えられない。

 ってか俺は屋台をやりたいってよか回りたい派だから、自分達でやる必要なくね?と思っている。


「もうないですか?」

「……」

「じゃあ、この中から多数決で採決取るで」


 なんでだろ。フォーセさんが淡々と司会進行してくれたら謎の安心感があるんだけど。フーコが仕切りだした途端に、謎の不安感が湧いてくる。何故だろう。


「じゃ、うちが出したわたがしソーダ屋がいい人」

「……」


 あまり挙手する人が居なかった。人数で言えば、7人。あ、意外といるかも。このクラスは24人。3割ぐらい、かな?

 ちなみに俺はなんでもよかったんで、委員長に恩を売る為、ここで挙手。7人いるうちの1人だ。


「じゃ、たこ焼き屋」

「……」


 3人挙手。


「じゃ次」









「水着コンテストが良い人」


 あ、これ候補として残ってたんだ。

 そして残念な事に、男子はこういうのの食いつきっぷりが半端ない。

 結果、9名が挙手。男子は15人いるけど、7割ぐらいが挙手してる。残りの人は、先に手を挙げてた人。クレープだとかたこ焼きとかで。

 で、なんでこんなに挙手してない男子がいるのかと言えば、まあ一つはこれがある可能性に賭けてたのかもしれないけど。どーせ自分が手を挙げなくても決まるもんは決まるから、手なんて挙げなくても良いやって思ったんだろう。俺だってそうしようか迷った。でも結果は委員長に媚びを売った。


「なんでや!なんでうちが必死に考えた案が、こんな下衆な案に負けるんや!」

「じゃあ言わなかったら良かったのに」

「そんな卑怯なやり方でこれをやっても嬉しないやろが!」


 あー。フーコの口がどちゃくそ悪くなった。こりゃ駄々をこねる残念な子どもになり果てたぞおい。


「あー。フーコちゃんが駄々こねモードになっちゃった。皆、どーする?」

「どーするって言ってもなー。委員長がしっかりしてくれないと困るじゃん」

「まー別に、これをしたいって訳でもないし」

「なんやと!冷やかしで挙手したってんかおまいら!」

「誰だよこいつを委員長に任命したやつ」

「クラス全員だろ。誰もやりたがらなかったし」


 まー、誰もそんな面倒な事やりたがらないもんな。フーコはまあ、なんでかやりたがったと言うか、フォーセさんと一緒ならやる、みたいな事言ってやることになった。


「はいはい、いいよ。委員長のやりたいやつで。なんだかんだでよく考えられてるような意見だったし」

「ほんまか!」

「別にそれで良いだろ?」

「まーなんでもよきよ」

「映える写真を撮るスポットも作れよ?じゃないと女性人気が無くなるから」

「お前はどこまで行ってもそれかよ」


 ってな訳で。俺達のクラスの出し物は、綿菓子ソーダを出す店になった。ちゃんちゃん。

 フーコの容姿は茶髪ツインテ身長150㎝ぐらいとかなり小柄で運動できるクラスにしては少しぽっちゃり体系と、癒し系キャラでございます。だから教卓からも台がないと顔がしっかりと出ません。可愛い。


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