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冒険者教育論  作者: ゆきつき
1章ダンジョン探索
14/30

番外編.ジャーナリズム

 私の名は、ハタケ。皆からはハタさんと呼ばれている。

 私は新聞部の期待の部員。そして私の夢は、戦場カメラマン。どんな修羅場だろうとも、スクープを見逃さない。そんな、戦場カメラマンを目指している。


 そして今夜、新たなるスクープの匂いがする場所へやってきた。

 今狙っているのは、フォーセという1年。彼女は1年ながら、過去に百鬼夜行のモンスター退治をやってのけたり、総合成績2位もとれる頭脳も持っており、そして何より1年ながらに学園の人気者になるほどには整った顔立ちをしている、まさに才色兼備。

 その彼女が、なんと入院していたとある男の付き添いをすると言う。しかもその付き添いには、同じく1年にして学園での人気を確立しつつある、リヒト。

 この2人の関係が怪しいと、私は睨んでいる。だからつけてみる事にした。


「それにしても、あの介抱されている男が邪魔ね。もしかすると、私の勘が外れてしまったの?」


 まあ、正直誰が誰を好いていようが関係ない。そのスクープの重要度が高ければなんでも良いのだ。だからこそ、フォーセとリヒトの組み合わせでなにかあれば、最高なのだ。最高の特ダネになる。





 しばらくしてから。





 洞窟。あそこで一体何をするのだろうか。気になる。気になるのだが、洞窟に入られるとは、想定外だった。

 洞窟と言うのは、外からでは中の様子を確認することができない。それこそ、中まで追う必要がでてくる。だが記者なるもの、撮影しているとバレる訳にはいかない。口止めなど私には有効ではないにしろ、ストーカーじみた行為を口外されるのは困る。記者は確かな成果を得るからこそ、この事に目を瞑られているが、成果も得られず、ただストーカーがバレれば、それは記者人生の終わりを意味する。


「ん?出て来た。それもあの男は無し。ふふふ、これはスクープチャーンス。二人きりの写真を撮れれば、間違いなく学園中に響き渡る事に」


 おや?新たに人が1人出て来た。……、おやこれは。学園全体ではないものの、1年には密かに人気を集めつつある、アロウではないか。


「一体何を話しているのか。……」


 記者たる者、相手の一挙手一投足を見逃さないのは大前提で、どんな事を話しているのかも理解できる必要がある。そのため読唇術は必須スキルだ。


 ふむふむ、なるほど。アロウの家で、あの怪我人の退院パーティーをすると。これは、チャーンス。大勢が集まる場、個人の家、なにも起きないはずはない。

 ああ、だが実に惜しい。あの怪我人さえいなければ、もっと良い状況が誕生したはずなのに。

 だが、スクープの匂いはプンプンする。追わない理由はない。




 しばらくしてから。





 パーティーはまさにパーティーとして終わった。これと言って特徴的な事はなく。もう少し大乱交パーティー的なのが起きてもよかったのだが、まあないものは仕方がない。両手に花な状態のリヒトでも撮っておこう。夜にとある場所から女子生徒を二人も連れて出てくるリヒト、これは良い。目を引くニュースになる。


「おや?どうやら、まだツキは私にあるようで」


 どうやら、あの怪我人の手当て、いやただ体を拭いてあげるだけか。いやだがそれでも、人気のあるアロウにさせるというのは、なかなかに良いのではないのだろうか?学園の人気者、とある男に献身的に介抱する、これはイケる。






 おっと、これは想定外。思ってるより魅力的な体を、あの病人はしている。けど残念。アロウの方は服を着ている。これじゃあ、いや、角度によっては、見えないようにできる、いや別に服を着ていても良いか。献身的に介抱しているという見出しを付けるなら、服を脱いでいる必要はない。

 それに私はグラビアを撮影している訳ではない。つまり脱いでいる必要はない。まああの怪我人のように、良いからだをしているのは売れ行きが良いが。



 しばらくしてから



 まさかまさか、同じ部屋で寝るとは。まさか、まさかまさかがあるのでは?


「話している事は、流石に暗くてわからないか」


 まあ、そんなのは関係ない。男女が同じ部屋で一夜を過ごすという点が大切な訳だ。なにしろ、人気者に恋人の影があり?というだけで、スクープとしては完璧なのだ。




 辛抱して待った。



 

 これは、絶好のシャッターチャーンス。2人が同じ布団で寝ている、今がチャンス!何もないにしろ、恋人と言う噂もない男女2人がこうして同じ布団で寝ているというのは、最高のスクープ!これは、売れる!


『夏休み明け、ハタケの記事は瞬く間に、学園中に広がった。それと同時に、アロウとヴァンが一緒の布団で寝ているところと、ヴァンのヌード写真もまた同じように、学園中に広まった』

 この話は決してジャーナリストの方々を貶すような話ではございません。

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