↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なぞ×まぞライフ  作者: 篩獅師(ふるいしし)
【第1話 ミノアと石の祝祭】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
9/34

第1話の9 「ところで写真って、何ですか?」

「う~ん、最高に美味しいです~♪ ほっぺたが落ちちゃうというのは、正にこのことですね~♪」


 ほっぺたを押さえながら、ミノアは極上の笑みを浮かべました。

 その笑顔はまさにA5ランク級でした。

 元々柔らかくて美味しそうなほっぺたをしていたので、本当に落ちそうになっていました。

 燃え盛る炭火の炎で周囲の温度は更に熱くなっていましたが、そんな熱さをしのぐ食欲で、汗をたっぷりかきながら、ミノアは美味しそうに食べ続けました。


「牛のお嬢ちゃん、ホント、うまそうに食べてくれるね~」


「美味しさが尻尾の先まで染みわたるようです~♪」


 その時、少し離れたところで『パシャ』と小さな音が聞こえ、ミノアは少しだけ首を動かしました。

 そこでもう一度、『パシャ』と小さな音が聞こえました。

 口にくわえたまま、眼鏡越しにミノアの目が大きく開かれると、更にもう一度、『パシャ』と小さな音が聞こえました。


「?」


 見れば少し離れたところに、何やら見たことのない二つ目の小さな箱のような魔道具を持って、こちらをとらえている黒髪短髪の若い女性の姿がありました。

 旅人というよりも、探検家のようないで立ちで、背中には随分と大きなリュックを背負っています。

 丸まっているのは、野宿をするための簡易テントでした。

 やや背が高く、細身だがむしろ無駄なく引き締まった体型で、筋肉もしっかりついていそうでした。

 長い旅をしてきたのか、肌も少し日焼けしています。

 そしてどの魔族の種族でもなく、明らかに彼女はニンゲン種族でした。


「あ~、ごめんごめん。驚かせちゃったかな? あなたがとっても美味しそうに食べているから、つい写真を撮りたくなっちゃってね~」


 パタパタと手を振りながら、屈託のない笑顔を見せてその女性が近づいてきました。


「こんにちは。アタシはニーハっていうんだけど、魔族さんたちの領土に入らせてもらって、色んな写真を撮らせてもらっているんだ。もちろんちゃんと、旅人の許可証を持っているよ」


 そう言ってぶらさげている札を、ミノアの方に突き出してハッキリと見せました。

 ミノアにとっては見たことのないものだったが、何かそれっぽいことが書かれていました。


「こんにちは。私はミノアです。ところで写真って、何ですか?」


 疑問を投げかけつつも、相変わらずはむはむと蒲焼きを食べながら、ミノアは尋ねました。

 ミノアの食欲は、こんなことでは止まらなかったのです。


「あ~、見たことがないんだ。ちょっと待っててね・・・」


 ニーハと名乗った若いニンゲンの女性は、ごそごそと自分の荷物の中を探り始めました。


「あれ? どこ行ったかな? うちら人間種族には、こういうのがあるんだけど…」


 ニーハはリュックの中にしまってあるものを、一つ一つ外に出しながら、調べていきました。

 大きめのリュックの中には、随分とミノアの知らない品々が押し込まれているようでした。


「とても美味しいです♪ 私、うなぎの蒲焼きさんに、恋しちゃいました~♪」


 その様子を見守りながら、ミノアはロマンチックなコメントを添えて食べ続けました。


(つづく)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。