プロローグ(兼主要メンバー紹介)
少し読み進めていただくと、主要人物の紹介が出てくる構成にしてみました。
神々の箱庭。
そうアルトヤ界の人類が呼ぶ世界の一角にて。
魔王戦以来の、世界そのものが改変されてしまうような事態を受け、神々はそれぞれ対応に追われていた。
生きとし生けるものの運命を司る神と、その眷族もまた例外ではなく、忙しなく働いている。
「テラ界の関係者はこれで全部?」
生成色のワンピースを着たロングヘアーの女性が、坊主頭の白装束の男性に質問する。
「おそらくまだ出ます。テラで認識している遭難者の数と、実際に犠牲者として勘定されている数が合いません」
女性は眉間に皺を寄せ、男性に端的に質問する。
「誤差は?」
「30人。なお、人間種のみです」
男性もまた、事態の深刻さを理解しているようで、額には汗がにじむ。
女性は自分の手前の空間に、サイネージのような画面を表示し、現在のアルトヤ界で最もホットな人類の情報を閲覧する。
「……浅井洋市、倉橋亜希、ノア、セミーン・ササロ、ガッタ、マンナ、バルカス・センテ、トゥイ・ミシャジカ……」
女性は、魔王の刺客に挑み、見事勝利したパーティーの基本情報を閲覧する。
ちなみにこれは、彼女によりまとめられたものである。
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【当事者】
●浅井洋市
性別:男性
身長:172cm
体重:62kg
顔:塩顔
体型:中肉中背
職業:プロブロガー・フリーランスライター
・40代のフリーランスライター。
・かつては月収100万円を稼いでいたが、現代社会に疲弊していた。
・秘境駅「パキラ」の階段からアルトヤ界へ転移し、魔王の呪いによって「ゴブリン(変異種)」および「陰蛇」に変身する体となる。
・打算的で常に費用対効果や確定申告を気にする現実主義者である一方、お人好しで義理堅い一面もある。
・戦闘では黒鉄の堅鉈や導魔のダガーを用い、斥候・暗殺・壁役をそれなりにこなす。
・ミナ殺害による呪いの暴走で一時幼児退行するも、亜希の支えで克服し、呪いへの耐性と水魔法の適性を獲得した。
●倉橋亜希
性別:女性
身長:160cm
体重:不明
特徴:薄茶色のボブカット、くりんとした大きい瞳、肉付きはあるが通った鼻、太ってはいないが丸みを帯びたボディと、ガールズバーでは人気を集めやすいルックス
職業:ガールズバーキャスト
・20代前半の女性。須田市のガールズバー『Cheers!』のキャスト。ビジネス系の専門学校を卒業後、非正規雇用の傍ら始めたバイトのガールズバーで、現在は専業で働いている。
・DV男に襲われていたところを洋市に助けられ、異世界ビジネスの共同経営者となる。
・スマートフォンアプリ「アルトヤ界観光ガイド」の所持者。マンナから教わった特注の鞭で武装し、アプリの【結界】機能を駆使して前衛を支える。
・同僚ミナから異常な執着と呪いを向けられていたが、どんな絶望下でも洋市を信じ抜く芯の強さを身につけた。天真爛漫な一面も。
【パーティー『アサンの水源』】
●ノア
性別:女性
種族:人間種
身長:155~160cm
体重:48kg
特徴:金髪に近い赤毛のロングヘアで、生成色のローブを着ている。
・Cクラスパーティー『アサンの水源』の若きリーダー。田舎の村で生まれた神童で、火・水・風・土の四属性魔法が操れることから「精霊に愛された者」と呼ばれる。
・冒険者パーティー『アサンの水源』のリーダーで、神都で神官の試験に落ちたことを契機に、水の精霊アサンに出会うべく旅をしてきた。
・洋市と出会ったことにより、アサンの眷属「ジルファ」に出会い、それを祀る命を受ける。
・四元素(火・水・風・土)を自在に操る魔法の天才。音波破壊魔法の考案や無詠唱の精霊水生成など機転が利き、洋市暴走時も【浄化水泡】で迅速に無力化した。ミナ討伐の功績によりAクラス冒険者へと昇格。
●セミーン・ササロ
性別:男性
種族:シーマンハーフ(亀)
身長:190cm
体重:95kg
特徴:スキンヘッドと出し入れできる首、大柄な体
・アムス共和国の水上都市アサンシャ、名門ササロ家出身。
・シーマンと呼ばれる海上種族の父と、人間種の母を持つシーマンハーフ。
・かつては魔術師を目指していたが、魔法の適性がない代わりに物理・魔法抵抗力が高かったことから、重戦士となる。
・パーティー『アサンの水源』のサブリーダー的存在。冷静沈着でパーティーの精神的支柱。
・夜の街に詳しい一面があり、ミナの言動の裏を鋭く見抜く観察眼を持つ。
・聖杖から放つ光属性光線の極大照射により、最終形態のミナ(赤い骸骨)を完全に浄化・撃破した。Aクラスへ昇格。
●ガッタ
性別:男性
種族:獣人種(犬狼)
身長:175cm
体重:72kg
特徴:獣耳と灰色の体毛
・獣王国ミザリン出身で、もともとは魔術師として身を立てようとしていたが、センスがなく剣士に転向。
・魔法の適性を活かし、ノアが詠唱をいじった火属性の強化魔法を使い戦う。
・匂いを嗅ぐことで、その人間が悪人かどうかなどを判断できる。
・「狂剣士」の異名を持ち、新調したミスリルメイスを豪快に振るう前衛アタッカー。裏表のない素直で仲間思いな性格。Aクラスへ昇格。
●マンナ
性別:女性
種族:人間種
身長:165cm
体重:50kg
特徴:ボブカットでまとめた細目の茶髪女性
・交易都市へと向かう商隊を護衛する依頼で、斥侯としてパーティー『アサンの水源』に臨時加入。
・優れた人間観察能力と、斥侯としてのハイスキルによって盗難保険詐欺を見抜いたことを契機に、正式にパーティー入りする。
・人を見抜く目には定評があり、作戦の青写真を描く能力にも長けている。
・実家が宿屋で、交渉・情報収集・道具の扱いに長けた現実派。亜希に鞭の扱いを指南した師匠でもある。Aクラスへ昇格。
【レゾルグ王国】
●バルカス・センテ
性別:男性
種族:人間種
身長:185cm
体重:100kg
特徴:筋肉質でヒゲを蓄えている中年男性。「んまあ」が口癖
・レゾルグ王国、王都農業部の出身。
・死闘の森にある砦の責任者兼管理者。
・正式には、レゾルグ王国-軍務省管轄-辺境開拓軍-死闘の森の砦守備隊長
・不審な死体を調査している中、洋市・亜希と出会う。
・大剣を振るうベテラン戦士だが、30年前に暗部に操られて石の町の住民を虐殺したという重いトラウマを背負っていた。ミナ討伐後、その功績により砦守備隊長に加え王国軍の『辺境開拓軍第四部隊長』を兼任拝命する。
●トゥイ・ミシャジカ
性別:男性
種族:バンピール(人間種と吸血種のハーフ)
身長:168cm
体重:60kg
特徴:黒いローブで日光を遮っている。基本は軽口。
・月下公国レジエール出身。
・城塞都市ハンスルの冒険者ギルド職員を務めるバンピール(吸血種)の美少年。その正体は王国元内務省直属の暗部暗殺者。
・闇魔法やスキルのレベルも高く、裏街道の仕事をこなしてきたが、レゾルグ・レジエール両国の関係改善にともない暗部を離脱。
・30年前の虐殺において、実は独断で村人たちを逃がして生存させていたが、その秘密を墓場まで持っていく覚悟で一人隠し続けている。
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男性はその様子を見ながら、魔王の影響で『犠牲者』となってしまった者、魔王から力を得て魔物化した者のリストをチェックする。
「……二条翔、綾辺美波、櫻岡皆奈……」
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●二条翔
・亜希の元カレ。
・自己中心的な性格を魔王に見初められマッドハイエナ(変異体)に変貌。
・洋市に討伐され現在は魔石化し、レゾルグ王国魔法省が所有。
●ミナ(綾辺美波|あやべ みなみ、櫻岡皆奈|さくらおか みな)
・現代日本のガールズバー『Cheers!』で亜希の同僚だった地雷系キャスト。魔王の刺客。
・亜希の父親との出生・托卵疑惑に端を発する激しい家庭崩壊を経験し、亜希の存在に対して狂気的な嫉妬と憎悪を抱く。
・魔王と契約して他者の肉体を奪う怪異となり、花魁姿、ツインテール少女、赤い骸骨へと変貌して一行を追い詰めたが、最後はセミーンに討伐され消滅した。
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ふと、男性が女性に聞く。
「関係者情報はどうします?」
女性は素早く答える。
「別の目録があるはずよ。これ」
そう言って、女性は円盤状の板を目の前の空間から取り出し、男性に渡す。
男性はその板を瞬時に薄く延ばすようにして、関係者情報の閲覧を始めるが、情報量の多さから再整理が必要と判断する。
「浅井氏の人間関係がここまで広がっているのに、テラにアルトヤの事象がほとんど露見していないのは、ある意味奇跡ですね」
男性は、不幸中の幸いといった様子で、ほんの少しだけ目尻を緩める。
女性は頷きこそするが、その顔は引き締まったままだ。
「これからは分からない。特に倉橋亜希の人間関係には注意しないと。新たな犠牲者候補になり得るから。注釈形式でいいから折々でまとめて」
「そうですね。すみません」
自分の認識を改め、女性に頭を下げる男性。
女性は少しだけ口角を上げる。
「あなた、眷族になって何年だっけ?」
「アルトヤ歴では、まだ30年になります」
「そう、人間らしさは少し抜けた?」
「まだまだです。やはり理不尽に思える因果は納得行きません」
「私だって未だにそう。割り切り方は覚えたつもりだけど、油断したら同情する」
「……綾辺氏の件は……」
「言葉にしない。それが割り切るコツだから」
「はい」
箱庭の片隅で、神の眷族となって間もない良霊たちは、今日も忙しく運命を回し続ける。
しかし、運命がどこへ向かうのかは、彼ら自身も知らない。
主要人物以外の登場人物は、前書きまたは後書きで、徐々に紹介できればと思っています。
次回の更新は、9/25(金) 21時頃を予定しています。
いつも☆評価、ブックマーク誠にありがとうございます!
励みになっております。
引き続き、拙著『ゴブリンマン』をよろしくお願いいたします。




