14話 パンク商会と幸運の猫
13話の続きです。楽しんで読んで貰えるように書いたのでよろしくお願いします。
やっとのことで、冒険者組合から出れた。
冒険者組合に入ってからの時間を考えると長く感じた。
その時間を犠牲に冒険者組合には中々濃いメンツが揃っている事がわかった訳だけど特にポッサムさんとテイラーさんは会う度に疲れそうだ。
外に出ると、もう夕日が沈もうとして空が夕焼け色になっていた。流石に遅くなってしまったがまだパンクさんの店は空いてるだろうか。
遅くなってなんか申し訳なく感じる…
中央広場に出て、東の道にあるパンク商会に急いで向かった。
東の門から入って来た商人や冒険者の人達とすれ違って、変な目で見られながらもパンク商会の前までやって来た。
お店の中はまだ明るそうだったのでまだやっているのがわかった。
目の前のお店のドアを開けるとチャリンッ、チャリンッと鈴の音がなる。
ドアの上部分に1対の鈴が付いていた。
その音を聞くだけで何処か風情を感じる。
「すいませんっ!」
「はーい、いらっしゃいませ!」
50代ぐらいの女の人が出て来た。
「あの、パンクさんいらっしゃいますか?」
それを聞いた女の人はニコッと笑う。
「主人ですか?少々お待ち下さいね。」
と言って、また裏に入って行った。
主人って事は今の人パンクさんの奥さんなのか?でも、雇われていても主人と言うかもしれない。
どっちなんだろう。
そんな事を思っていたら、パンクさんが奥から出てきた。
「お待たせ致しました。おや、オウガさんでしたか。」
「遅くなって申し訳ないです。」
俺はパンクさんに、頭を下げる。
「いやいや、大丈夫ですよ。来てもらって早速ですが、例のものを出してもらっても?」
「はい、何処に置けばいいですか?」
周りには商品が置いてある棚があり、置くスペースがなかった。
「大丈夫ですよ。私の魔力箱に直接入れますから。」
「え?」
魔力箱に直接?
どう言う事だろう…
「ああ、オウガさんは知らないですよね。魔力箱はお互いに所有者が許可すれば移したい物を自由に移動出来るのですよ。」
「そうなんですか?」
「はい、と言っても私の持ってるのは量産型で、オウガさんのはダンジョン産なのでやってみないと分からないですが…」
「そう言えば、パンクさん自身がこの魔力箱を使おうとは思わなかったんですか?」
「それはですね、最初は自分で使おうと思ったんですが、魔力量の問題が原因らしくて私では反応しなかったんです。」
試してはいたんだな。
魔力量か…
パンクさんは自分の魔力箱を取り出して持つ。
「それでは魔力箱を前にお願いします。」
空中を飛んでいる魔力箱を目の前に来るようにした。
「それでは、普通にに取り出すようにお願いします。」
「じゃあ、出しますよ?」
「はい、お願いします。」
パンクさんの指示に従って、魔力箱からアースラプトルを出すとそのままパンクさんの魔力箱に吸収されていった。
どつやら、上手くいったみたいだ。
「はい、ありがとうございます。これで大丈夫です。アースラプトルの代金なんですが、50000ファミリアでどうでしょうか?」
「50000ですか?」
「はい、アースラプトルは価値がありますからこれぐらいはしますよ。」
「それは、ありがとうございます。それでお願いします。」
「冒険者カードを渡してもらえますか?」
そう言って、パンクさんはレジの机の下から隠してあった道具を目の前に置いた。
冒険者組合にあったのと同じのだ。
俺は冒険者カードを取り出して、道具の上に置く。
パンクさんは冒険者カードを道具に差し込んでキーボードの数字を打ち込んだ。
「はい、50000ファミリアで確認お願いします。」
その道具に50000と打ち込まれた数字を確認した。
「大丈夫です。」
「では、これで今回の取引は終わりになります。」
「ありがとうございます。」
「いえいえ、こちらこそ珍しい魔物を卸していただいて有り難いです。またお願いしますよ。」
パンクさんは笑顔でお店から見送ってくれた。
店を出て、宿に向かった。
向かう途中、尻尾が3つある白黒のツートーンカラーをした猫みたいな魔物がいた。
猫?でも尻尾が3つあるし、何だこの魔物…
物珍しさに早速魔物図鑑で調べる。
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図鑑No.9
希運猫[獣類]
希少度 黒
危険度 2(危険低レベル)
(説明)
幸運をもたらす猫。出会うとその者の魔力量によって幸運度がその場だけUPする。害を与えるとその者を不幸にする。
図鑑効果 SPスキル(EXクラフト)
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頭の中に言葉が流れて来る。
(【EXクラフト】獲得しました。)
図鑑効果は魔力が増えるだけではないらしい。
EXクラフトって事は物作りのスキルか?
このスキルで自分の家を作って、二郎のスキルで農業をしてのんびり生活をしてもいいかもしれない。
それにこの猫、幸運をもたらすだって?
それなら一人で魔物に対抗できるスキルが欲しい。
そう強く願った。
レラックケディが急に建物の横の路地裏に入って行こうとした。
すると、入る直前に止まりこっちを見てきてネーンと鳴いた。
まるで、こっちに来いと言っているみたいだ。
俺は、その後に付いて行くことにした。
路地裏に入ると、建物の影で少し暗い。
レラックケディは、付いて来ているか確認するようにチラチラと振り返る。
一体この先に何があるのか。
歩いて付いて行っても、入り組んでいて先が見えない。
右へ行ったり左へ行ったり細い道で真横にならないと進めない場所だったり色んな道を通って付いて行く。
いつになったら目的地に着くのか…
明らかに村の規模を超えているぐらい歩いた。
流石に汗が体から垂れる。足も限界に等しい。
だけど、ここまで来たからには行くしかない。と言うか、戻ろうと思っても戻り道が分からない。
苦労した後には良いことが待ってるに違いない、そう思うしかなかった。
すると、道の先に光が見えた。
その光の先には下に降る階段があった。
この階段を降りろということだろうか。
階段の下を見ると途中で曲がっていて先が見えなかった。
ふと、辺りを見渡した。
レラックケディは、気付いたら何処かに消えて居なくなっていた。
仕方ないから階段を降りる。
階段は金属で出来ていて、自分の降りる足音だけが階段内に響く。
左に曲がると、扉があった。
そこには幻屋〜ファントム〜と書かれた看板があった。
なんか凄そうな店だな…
扉を開けようとした。
扉を見ると、ドアノブみたいな掴む場所がない。
とりあえず、押してみる。
しかし、開かない。
横にスライドしても全然動かない。
中に人がいるかも知れないと思って叩いてみた…けど開けてくれる気配がない。
…
どうしたら開くのか考える。
扉をよく見ると、森の中で熊みたいな魔物と同じ大きさの蛇みたいな魔物が戦っている絵が右と左に同じように彫られていた。
右と左の魔物の絵には若干違和感があった。
それは、一ヶ所間違っている所があるからだ。
2つの絵を見た時にそこが間違っていると偶然見つけてしまった。
熊が蛇の身体を噛みついている所の熊の歯の数が違う。
これ、もしかして間違い探しか?
一ヶ所は見つけたけど、どうすればいいのか分からない。
とりあえず間違えてる場所を押してみる。
すると、ガタンっと何かが動く音がする。
その音は2秒の間続いたが途中で止まった。
扉を見ていても開く様子はなかった。
まだ間違えてる場所があるのかも知れない。
じっくり、2つの絵を見て探す。
…
あった!
蛇が熊の首に巻き付いている所の巻き付いている身体の数が違った。
そこを押すと、また動き出した。
すると、扉が横に開いた。
扉から中に入る。
「おや、久しぶりの客だねぇ…」
そこには黒い布を被ったお婆さんがいた。
続
読んで頂きありがとうございます。
次回の投稿は3日後の18時になります。
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