12話 魔物買取所
11話の続きです。楽しんで読んで貰えるように書いたのでよろしくお願いします。
東の門で職業カードをそれぞれ見せてドライ村の中に入る。
すると、パンクさんが荷車から降りて来た。
「護衛して頂きありがとうございました。これが護衛の依頼達成書になります。」
パンクさんはザックさん達に一枚の紙を渡した。
見た目は契約書と同じようだけど、内容が違うのだろう。
ザックさん達に渡した後にこっちにやって来た。
「オウガさんこれは金銭譲渡書です。途中からの護衛でしたのでこちらを冒険者組合にお渡しして頂ければお金を受け取れるはずです。」
パンクさんはそう言って、依頼達成書と同じ見た目の紙を渡してくれた。
そこには、金銭譲渡書と書かれていてその下にパンクさんの手形があってさらにその下に10000ファミリア譲渡と書かれていた。
10000!?
イメナリア草の依頼で500ファミリアなのに20倍も違うなんて。
「ちょ、パンクさん!こんなにもらっていいんですか?」
「それは当然ですよ。しかし、申し訳ないのですがツインローズさんとは護衛してもらった距離が違ったので少し少なめにはなってますが…」
「それは全然いいですよ。」
俺は金銭譲渡書をポケットにしまった。
「あのですね。オウガさんがよろしければ、アースラプトルを一匹頂きたいんですがよろしいでしょうか?」
パンクさんが申し訳なさそうに言ってきた。
「それはもう契約もしてますし、大丈夫ですよ。」
そう言うと、パンクさんは飛び跳ねて大喜びしていた。
「そのすいません、年甲斐もなくはしゃいでしまってそのアースラプトルの皮は鞄や財布に使うと貴族様に大人気ですので、とにかく高く値段を上げてもすぐ売り切れるのですよ。オウガさんもどうですか?安くしますよ?」
パンクさんはニコニコしながら話してくる。
「いや、俺は大丈夫です。」
「そうですか…」
パンクさんは残念そうにしていたがすぐ立ち直った。
「また何かあったら買わせて頂くので。」
「そうですか?なら冒険者組合に行った後に是非我が商会に立ち入って貰いたいんですけど大丈夫ですか?アースラプトルも買い取らせて頂きますし。」
「そうですね。それなら行かせてもらいます。」
「場所はですね、この東門から中央広場に行く途中の左側のパンク商会と書かれた小さめのお店なので見たら分かると思います。」
小さめお店って事はまだそこまで大きい商会ではないのかな…
「分かりました。では、冒険者組合に行くので失礼します。」
俺はパンクさんと離れ、ツインローズさん達に別れをつげて先に冒険者組合に向かった。
ツインローズさん達は、パンクさんとまだ話があるみたいだった。
中央広場から西に向かって冒険者組合に着いた。
冒険者組合に入ってセシルさんの受付に向かう。
冒険者組合に入ると、周りの視線が空中を舞っている龍に集まる。
しかし、そんな事は気にしなかった。
「セシルさん、イメナリア草の依頼達成しました。」
俺は魔力箱からイメナリア草を取り出して、受付の机に置いた。
「オウガさん、依頼達成おめでとうございます。それにしても、それはどうしたんですか?」
セシルさんも俺の横を飛んでいる魔力箱が気になるようだ。
「まぁ、色々あってこれは少し変わった魔力箱なんで気にしないで下さい。」
「魔力箱ですか?こんな魔力箱は初めて見たので驚きましたが、オウガさんが言うならこれ以上聞かない事にしますね。」
「はい、お願いします。」
「因みに盗んだ訳ではないですよね?」
「それはないです。貰ったので。」
「それは良かったです。魔力箱は高級な物なんで、特にそれは高そうな気がします。では、イメナリア草を確認しますね。」
セシルさんはイメナリア草を一本ずつ確認して数えていく。
その過程で一ヶ所にあるイメナリア草を2ヶ所に分ける。
それが分け終わり、俺の方を向いた。
「イメナリア草100本ですね。そのうちの70本は品質が悪いので品質の良い30本から20本を依頼した方にお渡しするので残りの品質の良い10本と悪い70本を組合で買い取らせて頂きますがよろしいですか?」
「はい、お願いします。」
どうやら、魔力箱に入れる前に握りすぎて品質を落としていたみたいだ。
まぁ、いい経験になったと考えて次からは魔力箱があるし大丈夫かなと思うことにした。
「それでは、少々お待ち下さい。」
「あ、待ってください。」
俺は、ふと思い出したかのようについさっきパンクさんから貰った金銭譲渡書をポケットから取り出してセシルさんに渡した。
「これは、金銭譲渡書ですね。パンク商会のパンク会長から10000ファミリアの移行ですね。少し確認するので少々お待ち下さい。」
セシルさんはイメナリア草と金銭譲渡書を持って裏に行った。
だけど、割とすぐ戻って来た。
その手にはイメナリア草はなく、代わりに何かしらの道具を持って来た。
「お待たせしました。確認が取れましたので移行する10000ファミリアと依頼達成の500ファミリアと残りイメナリア草80本の良い方が10本で200ファミリアと悪い方70本で350ファミリアで合計が11050ファミリアになります。冒険者カードを渡してもらえますか?」
「どうぞ。」
ポケットから冒険者カードを取り出して渡した。
セシルさんは冒険者カードを持って来た道具に差し込んでキーボードの数字を打ち込んだ。
「確認してもらえますか?」
道具の上側に11050の数字が表記されて映し出されていた。
「大丈夫です。」
「それではお返しします。これで以上になります。またお願いします。」
セシルさんは両手を太ももに当てて、頭を下げた。
俺は冒険者カードをポケットにしまって、セシルさんの受付を離れて右奥の通路から魔物買取所の受付に向かった。
通路を通って行くと、広い空間に出た。
学校の体育館ぐらいの広さで色んな場所に解体される魔物が置いてあって、解体作業が行われている。
これはチャンスだと思い、魔物図鑑で片っ端から調べようとしたら反応しなかった。どうやら、魔物の死体は調べられないようだ。
そう簡単には行かないか…
通路を出たすぐ右隣に受付があったので行ってみる。
しかし、そこには誰もいなかった。
受付の上には《魔物の持ち込みはこのボタンを押して下さい》と書かれた紙とボタンが置いてあった。
俺はそのボタンを押す。
すると、受付の奥の扉からスキンヘッドの強面のお爺さんが出て来た。
そこは事務所と書かれていた。
「すいません、魔物の受け取りをお願いします。」
「ああ、そこに魔物を置いとくれ。」
俺は魔力箱から受付の机の上にリトルムンクを置いた。
「これです。」
「リトルムンクか。って何じゃその魔力箱は!」
浮いている龍の魔力箱にお爺さんは驚いて尻餅をついた。
「いったたたた…それにしてもお前さん見た事ないがルーキーか?」
お爺さんが腰を痛めながらも起き上がる。
「はい、今日初めて依頼を受けてきました。」
「ほぅ、今日が初めてか。冒険者ランクと魔力箱が見合ってないのぅ。それにしてはこのリトルムンクの状態は綺麗じゃな。この一匹だけか?」
「いや、まだあるんですけど。ここには置けなくて…」
その言葉を聞いて、お爺さんは片眉を上げて何っと今にでも言いそうな顔をした。
「何じゃ?リトルムンクではないのか?」
「そうですね。見てもらった方が早いと思います。」
「こっちに付いて来るんじゃ。」
お爺さんは、ついて来いと手を招いた。
「ここだったらどうじゃ?」
俺はお爺さんに付いて行き建物の真ん中まで来た。
「大丈夫ですけど、なんで下が濡れてるんですか?」
そこは常に建物の外から真ん中へと水が床を流れていた。
「それはじゃな、魔物を解体する時に出る血や内臓をすぐ流して建物内に悪臭をなるべく出さないようにするためじゃな。他にも工夫はしておるからあんまり匂わないはずじゃ。」
確かに建物の中は思ったほど臭くはなく、少しは臭うが無臭に近かった。
「これだけ匂わないのは凄いですね。」
「当たり前じゃろう。村中で悪臭を撒き散らしてたらすぐ非難されるわ。それよりも早く出さんか。」
それもそうか。
非難されたら解体どころじゃないもんな。
そんなことより、お爺さんは何を出されるかソワソワしていた。
俺は魔力箱からアースラプトル二匹を取り出してお爺さんの目の前に置いた。
「こ、これは!アースラプトルじゃな!しかも、二匹とは。」
お爺さんは心底驚いていた。
周りの解体している人達も何やらざわついている。
「しかし、アースラプトルは三匹で群れてるはずじゃったがもう一匹は逃したのか?」
「いや、魔力箱に入っているんですけど先約がありましてその方に引き取ってもらう約束をしているんですよ。」
「そうじゃったか。しかし、お主冒険者ランクと魔力箱も見合ってないのに実力も合ってないんじゃ勿体無いのぅ。」
「いや、そんなことないですよ。この二郎のお陰なので。」
「その肩の魔物か?」
お爺さんは二郎を指で指す。
「そうです。この二郎が全てやってくれたので助かりました。」
「見た事ない魔物じゃ。魔物登録はしてるみたいじゃな。よし、決めた。お主がこれから持って来た魔物は優先して解体してやろう。組合長にもお主の実力を知ってもらうよう言ってやるからこの魔物買取所の所長ポッサムに任せときなさい。」
そう言って、他の買取所の作業員に指示をして冒険者組合に繋がる通路に向かった。
続
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次回の投稿は3日後の18時になります。
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