一緒に住もうよ?
明日、マサオ君とナオキ君が私の両親に挨拶に行く?
これから三人で一緒に住むって宣言するために?
私は昼間からの怒涛の展開に頭を抱えていた。
優香と綾乃の来訪に、アパートへの見知らぬ男達の襲撃、そして久しぶりに会えたマサオ君とナオキ君に保護されるまま、マサオ君の家に逃げ込んだ。
たった半日でこれだもの。
頭がパンクするのも当然。
マサオ君はぼんやりしている私と茶々に、ごゆっくり、と言ってナオキ君を引っ張って部屋(茶々放牧用四畳半部屋)から出て行った。その後の私は、ぷしゅーと脳みそがショートしてしまった感覚のまま、ぺたりと横になる。
ぷぷぷぷぷぷぷ。
茶々が転がる私に向かって来た。
私の髪の毛の中に体を入れ込み、私の髪の毛を布団にしてゴロんでしまった。
「髪の毛の中でおしっこはしないでね」
おしっこぐらいされても、きっと怒りも湧かないでしょうけれど。
だって私に寄り添う彼女は温かい。
子供の頃、母に額に手を乗せて熱を測ってもらうのが好きだった。
母の手の平に癒されたのだ。
だから、茶々の重みや温かさが今の私を癒す。
友人だった人への自分の負の感情、気が付かないうちに向けられていた悪意、そして、私を一番に考えてくれる人達からの気持と自分こそが彼らに向ける気持。
全部激しくて強すぎる。
「すごく、疲れた」
だから私はまだ、両親にメールをしてもいない。
明日ナオキ君たちを連れて行くよって伝えなきゃなのに、両親に一緒に住むことになった理由だったり経緯を伝えるのが億劫で仕方が無い。
「でも、先ぶれしなきゃ、もっと大変」
私はワンピースのポケットからスマートフォンを取り出す。
なんて送ろうか。
結局文面が思いつかない私は、スマホの通話ボタンを押していた。
「なずな!!あんたは一体何をしているの!!」
コールが鳴る前に母が出て、それも大きすぎる声に驚いた。
スマホをしっかり見直せば、着信を知らせるアイコンが着信がいっぱいあったことを伝えていた。実家で一体何があったのかと、私こそ慌てる。
「お母さん? どうかしたの?」
「どうしたもこうしたも、不倫なんかしてたの? きょう、今日、内容証明が届いたのよ。なんてことをしてくれたの!!」
私は驚きながら起き上がる。
茶々はコロッと転がり、私に抗議の声を上げた。
「ごめんね、茶々。で、お母さん。誰からの内容証明なの?」
私はスマホをこれ以上ないぐらいに耳に押し付けた。
母の言葉を一言も逃さないように。
「弁護士事務所からよ。なんであなたはこんな恥知らずな事を!!お父さんなんか倒れて寝込んじゃったわよ」
「うそ!!すぐに帰るわ!!」




