↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元剣士、聖女に転生!?  作者: 銀花
第一部
15/30

暗雲



カイルが教会に出向いた事は、皇帝に報告されていた。


そこで、地下に洞窟があり、石版があった事も──『聖女』についての伝承も。


『聖女』に何ができるのか、も。


いまだ、教会の上空をキラキラと光らせる精霊を、皇帝は疎ましく眺めやる。


「『浄化』か──なるほど」


報告するのはカイル付きの騎士の一人。


「では、『聖女』に依頼するか。未だ未踏の地の、『浄化』を」


北部地域で不作続きのため、食糧難になってきているとの、報告書に目を通す。


日照りで雨が降らず、水も不足。蓄えが底をつけば、民が暴動を起こすやも知れぬ、と。


「では、伝令を……」


「いや──カイルを呼べ」


騎士は深く頷いた。














何やら、遠くの雲行きが怪しい。


裏の畑でいつものように、畑の世話をしていて──急に後ろ髪を引っ張られるような感じがして、顔を上げたら気がついた。


精霊達も、不安を感じとったかのようにアリアーツェの傍に集まってきた。


「……?」


(イヤな予感がする)


精霊に頼んで、暗雲の場所を見に行ってもらう事にした。


最近、色んな事を試し始めた。そのひとつが、風と光の精霊に、遠くの地での出来事を写してきてもらう事。


(みてきたよー)

(なんかくるよー?)


精霊達の言葉も、より明確に聞き取れるようになった。


「水鏡にうつして」


(はーい)


畑の横に、楕円の水溜まりができて、波打ったあと、映像が映る。


馬車だ。三台も。あと、周りを護るのは、帝国騎士。


馬車の小窓が空いていて、風がさっと滑り込む。一番、豪華な馬車だ。中に居たのは……。


白磁の肌に青いくせっ毛と、空色の双眸の貴族然とした美青年。澄ました涼し気な顔を見て、心臓がすくみ上がる。


(なんで……!)


よくみれば、馬車を護る位置に、馬に乗る黒髪の騎士も一緒だ。


「……ここに、来る……?」


(となりのりょうちに、とまるって!)

(やどがないからって!)

(やかたを、たてる、らしいよ?)


「はあっ?」


なんで──と疑問で頭がいっぱいだ。婚約はされたが、名ばかりで、成人するまでは放置だと思っていたが、事情が変わったのだろうか? それとも初めから?


焦っても、何も分からない。


「精霊さん、なるべく会話を拾ってきて、お願い」


分からないなら、調べるしかない。


畑の水溜まりを消して、急いで部屋に駆け戻った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。