↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白翼の堕天使  作者: 紡未夏樹
第三章
PR
26/32

第七部 〈昔からの想いは〉

「やらない?」

 白夜から決闘の申し込みがあった同日。下校中に、黒羽はその決闘についての概要を彩芽に話していた。

「雫ちゃんが強いって言ってるときは、本当に強い時だと思うんだよねー」

 いつも通り、緊張感のない声でその申し込みを断る。

「それにー」

 彩芽は、一歩先行すると振り返って、

「そんなことしなくても、くろにぃが守ってくれるでしょ?」

 にぱっと満面の笑みを浮かべる。

「……そうだな」

 幼い頃、人と違うだけでイジメられていた彼女を助けたのは、黒羽だった。

 家も近く、親も知り合いだったから、というのもあるが、それ以上に黒羽は、彼女を一人の人間として見ていたのだ。髪の色が違うくらい何だ。目の色が違うくらいで何がおかしい。黒羽は人にあまり興味を持たない。だからこそ、彼女を見た目で判断するようなことはしなかった。

 そして、何度か彩芽を助けているうちに、彼女は黒羽に懐いた。妹のような存在になった。だから、彼女の望まない結果を出すわけにはいかない。

 彩芽が転校したことで長らく忘れていたことだ。

「髪の色が違うってだけでイジメられて、それをくろにぃが止めてくれて、それでも無くならなかったから転校して、ここに帰って来る時も大変だったんだよ? お父さんもお母さんも、心配だって聞かなくて。でも、くろにぃが居るって言ったら、渋々許可をくれたんだ。だから——」

 冷たい風が、彼女の髪を揺らす。


「——くろにぃは私をお嫁さんにする義務があります!」


「……なあ、一つ聞くが、シリアスな雰囲気はどこ行った?」

「いひひ、引っ掛かった? 私はシリアスな話なんて嫌いなの。あ、でもお嫁にしてっていうのはホントだよ?」

 悪戯に笑う。

「そうか、考えるだけ考えとくよ」

「あ、本気にしてないでしょー」

「そんなことはない。元からお前が俺を好きなのは気付いてたぞ」

「えっ?」

 さらっと重大発言をする黒羽。

「ちょ、ちょっと待ってね! ……あれー、おかしいな。こういうのは普通気付いてないはずじゃ……」

 お約束を無視してないかなー……。何事かをブツブツと呟く彩芽。

「おい、どうした。もしかして実は嘘で、俺が自意識過剰のやばい奴みたいな感じか? もしそうなら悪かった。だけどな、もしそうなら気軽にベッドに乗るなよ? 勘違いされるのは仕方ないからな」

なぜか責任転嫁からの逆説教を始める黒羽。

「そもそも男の家に居候ってのが良くない。何が起こるか分からないだろ? ……って聞いてるのか?」

「う、嘘じゃないけど……嘘じゃないけど、嘘にしてほしいよっ!」

 涙目で意味不明なことを口走りながら去っていく彩芽。その背中は、追って来るなと切に語っていた。



「結局何だったんだ……」

 彼女の好意は嘘ではない、本人がそう言っていた。

 これに関しては、気付くな、という方が難しいだろう。普通の女の子が、好きでもない男のベッドに入り込んだり、好きでもない男と同居したりなどするわけがない。

「何か返し方間違ったか……?」

 世に言う、バッドエンドルートだろうか。とは言え黒羽はその手のゲームをやったことが無いため、よく分からないが。

 まあ、何が変わるわけでもないよな。

 彼女の好意に気付いていたからといって、劇的な変化が起こるなんてことは無い。現に、黒羽は彼女の気持ちを知った上で、あの生活を送っていたのだ。今更どうという事は無い。

 しかし、

「何かモヤッとするんだよなぁ……」

 本人でも理解できない感情を抱きながら、帰路に着く。

更新が空いてしまった上に、短くなってしまい申し訳ありません、夏樹です。

今回の黒羽君にはお約束を無視してもらいました。なぜかというと、勝手に動いたからです。

ではでは、読んでくださってる方がいらっしゃれば、短くならないように気を付けますので、今後ともよろしくお願いいたします。

感想、レビュー、評価、ブクマはいつでお待ちしております!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。